2014年4月30日のシリア情勢:諸外国の動き

国連安保理はシリア情勢に関する会合を開いた。

会合ではシリア国内への人道支援などをめぐって、米英仏とロシアが鋭く対立した。

複数の外交筋によると、米英仏は安保理会合で国連憲章第7章に基づいてシリア政府に人道支援受け入れを求める新たな決議の採択と、シリア国内での人道犯罪、戦争犯罪の国際刑事裁判所への提訴を主張した。

これに対して、ロシアは、シリア国内でのテロが人道支援活動を阻害する最大の要因だと反論したという。

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アブドゥッラー・ムアッリミー国連サウジアラビア代表大使は、国連安保理会合で、国連安保理の無策を批判するとともに、「紛争の一方の当事者が偽りの(大統領)選挙を実施し、今後7年間も現在の状況を押しつけようとするなかで、シリアの当事者たちがどうしてジュネーブ2会議に参加し、移行期政府を樹立できようか」と述べた。

『ハヤート』(5月1日付)が伝えた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は声明を出し、シリアでの塩素ガス使用疑惑に関して「英国は調査実施を保障するよう強く圧力をかけ、化学兵器禁止機関に迅速に任務を行うよう呼びかける」と述べた。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:レバノンの動き

『アフバール』(4月30日付)は、マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教が、ズィヤード・バールード元内務地方自治大臣の大統領選挙への立候補を支持している、と報じた。

同報道によると、ラーイー総大司教は、ヴァチカン訪問に先だって、政府首脳にこのことを伝えたという。

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NNA(4月30日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外ラフワ地方で、レバノン軍が武装集団の要撃を受け、軍兵士8人が負傷した。

この要撃に関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団が犯行を認めた。

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国民議会で予定されていた第2回大統領選挙投票のための臨時会は、変化改革ブロック、抵抗への忠誠ブロックなど、開発解放ブロックを除く3月8日勢力の議員がボイコットにより延期となった。

AFP, April 30, 2014、al-Akhbar, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:国内の暴力

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月30日付)によると、ハサカ市のハサカ駅一帯で西クルディスタン移行期民政局アサーイシュと国防隊が交戦し、民間人1人と国防隊隊員2人が死亡した。

民主統一党に近い消息筋によると、戦闘は、ムフティー地区とタッル・ハジャル地区の間に位置するアサーイシュ検問所を「覆面をした武装集団」が襲撃したことに端を発していたという。

これに対し、ARA News(4月30日付)は、人民防衛隊がクルドの旗を駅の施設内にある塔の一つに掲揚したことに対して、国防隊が撤去を求めたことをきっかけに戦闘が起きたと報じた。

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アレッポ県では、シャフバー・プレス(4月30日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアレッポ・バーブ街道に位置するシャーミル村から撤退し、同地を軍およびアブー・ファドル・アッバース旅団に明け渡した。

一方、シリア人権監視団は、アレッポ市アンサーリー地区のアイン・ジャールート学校を軍が「真空爆弾」で空爆し、子供10人を含む18人が死亡したと発表した。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、同軍への空爆を、28日の「停戦合意」(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7715)違反と非難した。

しかし声明は、29日にシャームの民のヌスラ戦線が行ったヒムス市ザフラー地区(アッバースィーヤ地区)での爆破テロ(シリア人権監視団によると民間人約100人が死亡)やダマスカス県シャーグール区の学校への迫撃砲攻撃については何ら言及していない。

このほか、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がアレッポ市北部のブライジュ地区を制圧したほか、軍がアレッポ歩兵学校周辺、アレッポ中央刑務所周辺、ファーフィーン村、バービース村、シャイフ・ナッジャール市を「樽爆弾」などで空爆した。

他方、SANA(4月30日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、ザバディーヤ地区、サーフール地区、サーリヒーン地区、ハナーヌー地区、マサーキン・シャバービー地区、バニー・ザイド地区、ハラク地区、ライラムーン地区、カースティールー地区、ジュダイダ地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、ジュバイラ村、マーイル町、マーリア市、フライターン市、アナダーン市、マンスーラ村、シュワイフナ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、バービース村、ハンダラート・キャンプ、サイファーン村、カフルハムラ村、カブターン・ジャバル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がドゥーマー市、アルバインし、ザバダーニー市一帯、ムライハ市郊外を地対地ミサイルなどで砲撃、ドゥーマー市郊外で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月30日付)によると、ムライハ市、ダイル・アサーフィール市、ハラスター市、ドゥーマー市、アーリヤ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ルハイバ市、ジャイルード市近郊、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・アシュタル、ジュムーア丘に向かって「自由シリア軍」が進軍し、同地一帯で軍と交戦、またナワー市各所を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(4月30日付)によると、ダルアー市旧税関地区南部、避難民キャンプ、ハマーディーン地区、アバーズィード地区など、アトマーン村、ヤードゥーダ村、ムザイリーブ町、ダーイル町、ムハッジャ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区に地対地ミサイルが着弾した。

一方、SANA(4月30日付)によると、ヒムス市ハミーディーヤ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市、アーミリーヤ村、フーシュ・ハッジュー村、ガントゥー市、ダール・カビーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタルビーサ市およびヒムス市で反体制武装集団メンバー41人が当局に投降した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市シャイフ・ダーヒル地区の近くで大きな爆発音が2度聞こえた。

またシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が北部のヒルバト・バーズ村、カタフ・サハーウィナ村を砲撃した。

一方、SANA(4月30日付)によると、アイン・ダブラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員39人を殲滅、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、マサール・プレス(4月30日付)によると、ジュライジーヤ村、ファディーン村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、「革命家」9人を殺害、両村を制圧した。

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ダマスカス県では、SANA(4月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月30日付)によると、上カストゥーン村、サフン村、タッル・ガザール村、アナブ村、アイン・ハムラー村、クマイナース村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Masar Press Agency, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、Shahba Press, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、そのなかで「武装テロ集団」による民間人への攻撃に対して対処するよう求めた。

同書簡において、外務在外居住者は、29日にダマスカス県シャーグール区のバドルッディーン・フスニーシャリーア学院を「武装テロ集団」が迫撃砲で攻撃、また同日にはヒムス市の住宅地で「テロ集団」が爆弾を仕掛けた車2台を爆破し「虐殺」を行ったと報告するとともに、アレッポ市内の住宅地に対して「武装テロ集団」が重火器での攻撃を強めていると指摘した。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア南部で武装活動を行っているという「穏健」(非ジハード主義)な武装集団「南部戦線」報道官を名乗るイブラーヒーム・ジャッバーウィー准将は、ヨルダンの首都アンマンでAFP(4月30日付)の取材に応じた。

ジャッバーウィー准将は、ヒムス警察の元警部補で、シリア・メディア委員会代表も務めるという。

ジャッバーウィー准将は、「南部戦線」に関して、「約2ヶ月前に55以上の革命武装集団によって結成され、その兵力は3万人」だという。

主な参加組織は、ヤルムーク旅団、ハウラーン殉教者旅団などで、クナイトラ県、ダルアー県などで「多数の特殊作戦」を行い、第61旅団の陣地などで「軍事的勝利」を収めているという。

ジャッバーウィー准将はまた、「南部戦線」にはアル=カーイダとつながりがあるシャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は参加していない、と述べるとともに、「ダルアー県では、他の県と同様にヌスラ戦線の役割は限定的だ」と主張した。

クナイトラ県、ダルアー県での戦闘は、自由シリア軍参謀委員会が24日に開始を宣言した「耐え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」作戦を意味するものと思われる。

だが、ラタキア県カサブ町一帯での戦闘と同様、両県での攻勢を主導しているのはヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団であり、「穏健」な武装集団ではない。

ジャッバーウィー准将によると、「南部戦線」は、アサド政権打倒と多元的民主的文民国家樹立を目的としており、そのために「シリアの友(欧米諸国、トルコ、湾岸アラブ諸国)の支援を期待しており、対空兵器など高度な兵器が供与されることを望んでいる」と述べた。

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シャームの民のヌスラ戦線は声明を出し、29日のヒムス市ザフラー地区で発生した自動車2台による爆弾テロ(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7742)に関して、「ヌサイリー派(アラウィー派)のアッバースィーヤ地区入り口に至る主要道路で爆弾を仕掛けた2台の車」を爆破させ、「最初の爆発で、多数のシャッビーハを殺害し…、2回目の爆発で最初の爆発を逃れた者を致命的打撃」を与えたと発表し、犯行を認めた。

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ARA News(4月30日付)は、ハサカ県マルカダ町で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、商店再開、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘で被害者への補償など「改革」措置を講じる一方、ヒジャーブを着用しない女性の外出禁止、バス乗車禁止、喫煙禁止などを決定したと報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『シャルク・アウサト』(4月30日付)に対し、「政治的解決と危機終結の唯一の糸口は…、シリア大統領であるバッシャール・アサドの体制を軍事的且つ早急に打倒することだ」と述べた。

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ムジャーヒディーン軍司令官のムハンマド・アブドゥルカーディル中佐がクッルナー・シュラカー(4月30日付)の取材に応じ、シャームの民の合同作戦司令室の戦況について語った。

アブドゥルカーディル中佐によると、ムジャーヒディーン軍が指導するアレッポ市ラームーサ地区での戦いで、反体制勢力は同地区の50%、軍市場、ライラムーン地区各所、シュワイフナ山などを制圧したという。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、al-Sharq al-Awsat, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月30日のシリア情勢:大統領選挙をめぐる動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、6人が新たに最高憲法裁判所に対して大統領選挙への立候補の届け出を行い、2014年4月30日付届出第12~17号として登録されたと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、マフムード・ハリール・ハルブーニー氏(1946年、ダマスカス郊外県ハラスター市生まれ)、ムハンマド・ハサン・カナアーン氏(1964年、ダルアー県サナマイン市生まれ)、ハーリド・アブドゥフ・クライディー氏(1966年、クナイトラ県アール村)、バシール・ムハンマド・バラフ氏(1931年、ダマスカス県生まれ)、アフマド・ハッスーン・アッブード氏(1962年、ダイル・ザウル県マヤーディーン市生まれ)、アイマン・シャムディーン・イーサー・アラム氏(1967年、ダマスカス郊外県フサイニーヤ町生まれ)の6人。

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SANA(4月30日付)によると、ハマー市の綿糸紡績公社、大学寮、タルトゥース市、ダルアー市、ハサカ市、ダイル・ザウル市、イドリブ県ジスル・シュグール市、ダマスカス大学医学部、スワイダー県のスワイダー市とハブラーン村で、メイデーを記念してデモ集会が実施され、大統領選挙実施、アサド大統領の三選、軍による「テロとの戦い」への支持が表明された。

集会には、バアス党ハマー支部指導部幹部、人民諸組織(労働総連合など)、職業諸組合メンバーらが参加した。

AFP, April 30, 2014、AP, April 30, 2014、ARA News, April 30, 2014、Champress, April 30, 2014、al-Hayat, May 1, 2014、Iraqinews.com, April 30, 2014、Kull-na Shuraka’, April 30, 2014、Naharnet, April 30, 2014、NNA, April 30, 2014、Reuters, April 30, 2014、SANA, April 30, 2014、UPI, April 30, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は、ハマー県カフルズィーター市で塩素ガスが使用されたとの情報に関する調査団を近く派遣することを決定、シリア政府も調査団の受け入れに同意したと発表した。

『ハヤート』(4月30日付)が伝えた。

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ロイター通信(4月29日付)は、シリア国内および周辺諸国で人道支援活動にあたるINGO3団体が、国連安保理宛に報告書を提出し、そのなかで国連による人道支援物資の搬入・配給の調整が不充分だと批判、状況改善を求めたと報じた。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月29日付)によると、イラク空軍がバービル市北部のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の拠点に対して空爆を行った。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:国内の暴力

アンサール・ハック戦線司令官で「自由シリア軍」東部地域諜報課長のアブー・ムアーッズ・アカイディー氏は、クッルナー・シュラカー(4月28日付)に対し、アサド政権とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、ラッカ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県での「勢力画定」について合意したと主張した。

アカイディー氏によると、この合意は「アサド政権に属す一部クルド人政党」、「ハサカ市とカーミシュリー市のシャッビーハ指導者」、ダーイシュ指導部によって27日に交わされ、①ラッカ県、カーミシュリー市(ハサカ県)郊外、マルカダ町を除くハサカ市郊外からのダーイシュの撤退とダイル・ザウル県の放棄、②シリア政府からダーイシュへの10億ドルの支援金を支払い、を骨子とする、という。

アカイディー氏によると、シリア政府側の交渉団(「ハサカ市とカーミシュリー市のシャッビーハ指導者」)は、フサーム・スッカル大統領府安全問題担当官、空軍情報部ダイル・ザウル支部長、軍事情報局カーミシュリー支部長、ムハンマド・ファーリス氏、ハサン・ムスラト氏からなり、ダーイシュ側は、アブー・ウサーマ・イラーキー氏、アブー・ルクマーン氏が交渉にあたったという。

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ヒムス県では、タラール・バラーズィー県知事がAFP(4月19日付)に、ヒムス市ザフラー地区(アラウィー派が多く暮らす地区)で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させ、36人が死亡し、75人が負傷、またその直後に手製の迫撃砲が同地に着弾し、9人が死亡、10人が負傷したと述べた。

これに関して、シリア人権監視団は、2台の車に仕掛けられた爆弾が爆発、その後、迫撃砲着弾によると思われる爆発があり、女性、子供を含む40人が死亡、80人以上が負傷したと発表した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ハミーディーヤ地区、ダール・カビーラ村、アーミリーヤ村、サアン村、タドムル市・ヒムス市街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月29日付)によると、シャーグール区のバドルッディーン・フスニーシャリーア学校複合施設に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、14人が死亡、86人が負傷した。

これに関して、シリア人権監視団は、17人が死亡、50人が負傷したと発表した。

またSANAによると、アッバースィーイーン地区にも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、8人が負傷した。

このほか、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市内にある「パレスチナ・ムジャーヒディーン殉教者遺族学校」近くに迫撃砲弾が着弾し、パレスチナ人児童3人が死亡した。

またムライハ市およびその周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、軍が同地を地対地ミサイルなどで砲撃した。

さらに軍はザマルカー町、ドゥーマー市郊外を砲撃した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ムライハ市郊外、アルバイン市、ザマルカー町、アーリヤ農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、軍がマスハラ村近郊のタッル・ブラークを制圧した。

一方、SANA(4月29日付)によると、サアサア町・シヒム村感の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がマーリア市、アターリブ市一帯、タッル・シャイール村、アレッポ市マルジャ地区を「樽爆弾」などで空爆する一方、シャイフ・ナッジャール市で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月29日付)によると、ダーラト・イッザ市、フライターン市、ハンダラート・キャンプ、ジュバイラ村、タッル・ジャビーン村、アナダーン市、アターリブ市、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アアザーズ市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、マンスーラ村、ムスリミーヤ村、アレッポ市シャイフ・サイード地区、スッカリー地区、アーミリーヤ地区、ブスターン・カスル地区、ハナーヌー地区、サカン・シャバービー地区、ラーシディーン地区、旧市街、ライラムーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月29日付)によると、サムリーン村西部、ハーッラ市東部、ダルアー市旧税関地区、ヨルダン通りなどで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:シリア政府の動き

アサド大統領とアスマー・アフラス夫人はダマスカス県で、紛争で一人息子を失った遺族の代表団と会談し、弔意を示した。

SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014
SANA, April 29, 2014

会談でアサド大統領は、「シリアの歴史と未来を防衛するために」、一人息子の軍への入隊を許した家族を讃えるとともに、「この戦争においてシリア国民が示しているのは、シリア以外では目にすることのできないシリア国民の顕著な愛国心」だと述べた。

またアスマー夫人は、「遺族に対してできる最低限のことは、彼らに寄り添い、可能な手段で支援することです」と述べた。

SANA(4月29日付)が伝えた。
AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のハーディー・バフラ政治委員会書記長は声明を出し、イラク軍ヘリコプターによるシリア領内でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車列への空爆に関して、「アサドはシリアを「国境を奪われた国」にしてしまった。この手の攻撃は主権侵害に他ならず、アサド政権がシリア国境の管理を保障できないことは明らかだ」と批判した。

バフラ書記長はまた、ダーイシュのシリア国内での活動について言及することなく、イラク軍の越境攻撃を「シリア国民への敵対行為」としたうえで、「マーリキー政権とアサド政権が、シリア人殺戮に関して当初から強調してきたことを我々はみな知っている。シリアでのテロのほとんどは、アサド政権との調整のもとマーリキー政権が輸出したものだ」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース書記長はマサール・プレス(4月29日付)に、アフマド・トゥウマ暫定内閣をトルコのガズィアンテップ市からシリア国内に移転しようとしているとしたうえで、この移転には6~8ヶ月を要し、5,000万ドルの費用がかかるだろうと述べた。

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リーマー・フライハーン女史は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立からの脱会を発表した。

連立の意思決定に対する外国勢力の介入を、幹部が排除できないというのが脱会の理由だという。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 30, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Masar Press Agency, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月29日のシリア情勢:大統領選挙をめぐる動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、4人が新たに最高憲法裁判所に対して大統領選挙への立候補届出を行い、2014年4月29日付届出第8~11号として登録されたと発表した。

新たに立候補を届け出たのは、イッザ・ムハンマド・ワジーフ・ハッラーク女史(1962年、ダマスカス県生まれ)、アリー・ムハンマド・ワンヌース氏(1973年、ヒムス県生まれ)、タリーア・サーリフ・ナースィル氏(1967年、イドリブ県カフリーン村生まれ)、サミーフ・ミーハーイール・ムーサー氏(1963年、クナイトラ県ブタイハ村生まれ、キリスト教徒)の4人。

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ARA News, April 29, 2014
ARA News, April 29, 2014

SANA(4月29日付)、ARA News(4月29日付)によると、各地で、バアス党支部、革命青年連合、シリア学生国民連合などの人民諸組織、教員組内などの職業諸組合が大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」の支持を訴える集会・デモ行進を開催した。

集会・デモ行進が行われたのは、バアス党ダマスカス大学支部前、同情報学部キャンパス、ダマスカス郊外県のカーラ市、ナブク市、ダイル・アティーヤ市、サッブーラ市、カタナー市、アルナ村、ブルダーン市、アシュラフィーヤ・サフナーヤー市、ハルジャラ市、クドスィーヤー郊外市、ハラスター郊外市、アレッポ市スィルヤーン地区、マハッタト・バグダード地区、スワイダー県のサルハド市、ダルアー市(タジャッマア地区)、タルトゥース市、ハサカ市(教育学部)、シーン町(ヒムス県)。

集会・デモ行進には、多数の市民や、青いTシャツを着た革命青年連合(人民諸組織の一つ)の若者が参加し、アサド大統領への支持を訴えたという。

AFP, April 29, 2014、AP, April 29, 2014、ARA News, April 29, 2014、Champress, April 29, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 29, 2014、Kull-na Shuraka’, April 29, 2014、Naharnet, April 29, 2014、NNA, April 29, 2014、Reuters, April 29, 2014、SANA, April 29, 2014、UPI, April 29, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチはレポートを(http://www.hrw.org/news/2014/04/28/syria-new-barrel-bombs-hit-aleppo)と発表し、アサド政権が国連安保理決議第2139号に違反するかたちでアレッポ市を「樽爆弾」などで無差別攻撃していると批判した。

また同レポートでは、アサド大統領の立候補発表に合わせるかたちで、「アサド大統領は選挙について話すが、アレッポ住民が目の当たりにしている唯一の動きとは樽爆弾と無差別空爆という軍事行動だけだ」というナディーム・フーリー氏(HRW中東北アフリカ副局長)の言葉を掲載した。

同レポートは、反体制武装集団による無差別砲撃が行われた事例についても紹介しているが、アレッポ市での反体制運動を主導するシャームの民のヌスラ戦線などを強く批判してはいない。

なお同様のレポートは3月24日にも発表されている(http://www.hrw.org/news/2014/03/24/syria-unlawful-air-attacks-terrorize-aleppo)。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月28日付)によると、アンバール県ラマーディー市東部で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が救急車を襲撃し、運転手と患者が負傷した。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:レバノンの動き

LBCI(4月28日付)によると、ベカーア県バアルベック軍アルサール村のワーディー・シャアブ検問所で、レバノン軍がシリアの反体制活動家のムハンマド・アブドゥルダーイム・アアラジュ氏(アブー・ジャースィム)を逮捕した。

アアラジュ氏はクサイル市(ヒムス県)とカラムーン地方(ダマスカス郊外県)の軍事評議会の幹部を務めてきた人物だという。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、LBCI, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ・シャリーア委員会などによる電力供給遮断(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7280)で、10日以上にわたり停電が続いていたアレッポ市西部(シリア政府支配地域)で電気供給が再開された。

Kull-na Shuraka', April 28, 2014
Kull-na Shuraka’, April 28, 2014

これに先立ち、シャームの民のヌスラ戦線の福祉総局は声明を出し「政府支配地域の住民の苦労を鑑み…、アレッポ市への電力供給を再開する」と発表するとともに、軍が住宅地への空爆を再開した場合、電力供給を再び遮断すると脅迫した。

なおクッルナー・シュラカー(4月28日付)によると、アレッポ市西部への電力供給再開は、「アレッポ市民イニシアチブ」の仲介のもとに実現したという。

またシリア人権監視団は、アレッポ県の複数の活動家の話として、シャームの民のヌスラ戦線とシリア政府がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をアレッポ市北東部の火力発電所一帯から放逐することで合意したと発表した。

同監視団によると、この合意も「アレッポ住民のイニシアチブ」の仲介によるもので、ダーイシュ放逐に向けた協力を合わせて、軍によるブラート村一帯(ブラート丘)への進軍停止が定められているという。

Kull-na Shuraka', April 28, 2014
Kull-na Shuraka’, April 28, 2014

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同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部周辺、旧市街のサブア・バフラート地区や軍が拠点として使用するアレッポ城近くで、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が進軍し、軍と交戦した。

一方、SANA(4月28日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またダーラト・イッザ市、ラスム・アッブード村、クワイリス村、アレッポ中央刑務所周辺、アアザーズ市、タッル・リフアト市、バービース村、マンスーラ村、フライターン市、バシュカーティーン村、アレッポ市ライラムーン地区、シャイフ・サイード地区、ラーシディーン地区、アーミリーヤ地区、カッラーサ地区、旧市街、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、自由アレッポ県議会のアリー・スワイド経済局長がフライターン市に対する軍の空爆で死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町およびその周辺が軍の砲撃を受ける一方、第45監視塔周辺、サムラー村で軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月28日付)によると、軍が、国防隊の支援のもと、カサブ町郊外の第724高地、第1017高地、第959高地を制圧した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市旧市街各所で、軍と反体制武装集団が交戦、軍がワアル地区などを砲撃した。

また同監視団は複数の活動家の話として、ザーラ村で当局に投降した反体制武装集団のメンバー6人が軍によって処刑された。

活動家らによると、処刑されたメンバーはイスラーム教スンナ派でトルクメン系だったという。

一方、SANA(4月28日付)によると、ヒムス市聖ギルギス教会近く、シャーイル山(ハマー県)西部、サアン村、タルビーサ市、ハーリディーヤ村、ガントゥー市、アブディーン村、アーミリーヤ村、ブルジュ・カーイー村、カフルラーハー市、ナースィリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月28日付)によると、軍がムライハ市に対する作戦を継続した。

また、ジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、6人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(4月28日付)によると、軍がジャウバル区に対する作戦を継続した。

また、アッバースィーイーン地区、ザバダーニー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(4月28日付)によると、ダルアー市ヤルムーク学校周辺、ヌアイマ村、ナワー市、アトマーン村北西部などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(4月28日付)によると、アルバイーン山一帯、カフルナジュド村、ラーミー村、マルイヤーン村、マアッラトミスリーン市、イフスィム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、イドリブ市スライバ地区、ハナーヌー広場周辺、教員住宅地区、イトファーイーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供と女性3人が死亡、15人が負傷した。

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ハサカ県では、ARA News(4月28日付)によると、カーミシュリー市アンタリーヤ地区で爆弾が爆発し、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュの隊員2人が負傷した。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、April 29, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月28日付)は、反体制勢力の支配地域における油田管理、石油生産・販売に関するレポートを掲載した。

同レポートによると、シリアの主な油田の状況は以下の通り:

1. ウマル油田(ダイル・ザウル県ブサイラ市東部):シャームの民のヌスラ戦線シャリーア委員会が支配。10,000バレル/日の石油を生産し、6,500シリア・ポンド/バレルで密売。一方、同油田の遠隔地にある油田は、部族の民兵が管理し、12,000バレル/日の石油を生産。
2. タナク油田(ダイル・ザウル県):ヌスラ戦線シャリーア委員会、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などのジハード主義武装集団が支配。また同油田近郊の油田複数カ所は、ジャアファル・タイヤール旅団(イスラーム戦線)、イブン・カイイム旅団、アフル・アサル旅団などが支配。7,000バレル/日の石油を生産。また同油田の遠隔地にある油田は、部族の民兵が管理している。20,000バレル/日の石油を生産。
3. ワルド油断(ダイル・ザウル県):ジャアファル・タイヤール旅団(イスラーム戦線)が支配。200バレル/日の石油を生産。
4. ティーム油田(ダイル・ザウル県):ダイル・ザウル軍事評議会が支配。300バレル/日の石油を生産し、3,000ポンド/バレルで密売。
5. ジャフラ油田(ダイル・ザウル県):イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が長らく支配していたが、最近になってヌスラ戦線シャリーア委員会が支配下に置く。現在操業停止状態。同油田の遠隔地にある油田は部族の民兵が管理し、1,000バレル/日の石油を生産。
6. CONOCOガス工場(ダイル・ザウル県):ヒシャーム村の部族が支配していたが、その後ヌスラ戦線シャリーア委員会が支配。また工場の遠隔地にある油田については、シャリーア委員会が3分の2と液化ガスを管理することをヒシャーム村の部族と合意し、3,000バレル/日の液化ガスを生産し、1,500ポンド/バレルで販売。
7. ハッラータ油田(ダイル・ザウル県):イスラーム戦線が支配。700バレル/日の石油を生産。同油田の遠隔地にある油田は、部族の民兵が管理。200バレル/日の石油を生産。
8. ダイルー油田(ダイル・ザウル県):イスラーム戦線が支配。同油田遠隔地の油田は部族の民兵が管理。
9. T2火力発電所(ダイル・ザウル県):アサーラ・ワ・タンミヤ戦線、スンナ・ワ・ジャマーアの民軍が当初は支配していたが、4月10日にダーイシュが制圧。

なお、ハサカ県の油田の多くは民主統一党が管理下に置いており、これらの油田を喪失したことで、シリア政府の石油生産量は48万バレル/日から2万~6万バレル/日に落ち込んでいるという。

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クッルナー・シュラカー(4月28日付)は、活動家のザカリヤー・サッカール氏がシリア民主主義者連合執行部メンバーを辞任したと報じた。

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月28日のシリア情勢:大統領選挙をめぐる動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、バッシャール・ハーフィズ・アサド現大統領が最高憲法裁判所に対して大統領選挙への立候補を届け出、2014年4月28日付届出第7号として登録されたと発表した。

SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014
SANA, April 28, 2014

ラッハーム議長はまた「市民であるバッシャール・ハーフィズ・アサド博士は、議会宛書簡で「シリア・アラブ大統領職に自ら立候補したい」と伝えてきた」ことを明らかにした。

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SANA(4月28日付)によると、アサド大統領の立候補発表を受け、各地で大統領選挙の実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ集会が行われ、数千人の市民が参加した。

デモ集会はダマスカス県のナジュマ広場、ヒジャーズ広場、ユースフ・アズム広場、シャーグール区、科フルスーサ地区、ダマスカス郊外県のダイル・アリー町、サイドナーヤー町、サイイダ・ザイナブ町、カッザーズ市、サフナーヤー市、アシュラフィーヤト・サフナーヤー市、3月8日郊外市、ハラスター市郊外、アレッポ大学学生寮、タルトゥース市、クナイトラ県クーム村、ハサカ市、スワイダー市、ヒムス市アクラマ地区、カラム・シャーミー地区、インシャーアート地区、ムハージリーン区、バアス大学大学寮、ハマー市バアス党ハマー支部指導部前、ラタキア市各所、イドリブ市クスール地区などで実施されたという。

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アサド大統領は、各地での選挙支持集会に関して、「まずは愛国的意思を示し、そのうえで投票日に投票箱に向わねばならない」としたうえで、「シリア近代史において初めて行われる選挙の雰囲気」を踏まえ、いかなる場合であっても「祝砲を撃たない」よう国民に呼びかけた。

SANA(4月28日付)が報じた。

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バアス党シリア地域指導部は声明を出し、アサド大統領の立候補発表に関して「シリアが前例のないテロとの戦いに直面している」なかでの立候補だとしたうえで、「シリア地域指導部書記長であるアサド大統領閣下の指導に代表される政治指導のもと…この数年間において、シリアは、勇敢な軍、真のシリア国民、危機に善処して歴史的指導部ゆえに、個性ある国家としてのありようを揺るぎないものにした」と評価した。

そのうえで地域指導部は、アサド大統領が人民議会における最大野党の党首(書記長)を代表するだけでなく、国内外から大衆的支持を受けており、国民主権の原則、愛国心、独立を真に体現する象徴、ウルーバ(アラブ性)とレジスタンスの象徴、植民地主義に立ち向かうアラブ世界、国際社会の象徴だと賛美し、その立候補が「党の路線の継続、アラブ民族主義の計画の維持」につながると表明した。

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高等司法選挙委員会のヒシャーム・シャッアール委員長は、『ワタン』(4月28日付)に対し「隣国に違法なかたちで去ったシリア人には、居住する国で投票を行う権利はない…。「選挙法は、居住する国で合法的に在留する場合、国外での投票を認めている」と述べた。

シャッアール委員長はまた「シリア領は憲法に従って自らの選挙権を行使したいと考えているすべての市民、とりわけ周辺諸国で居住する人々に対して開かれている」と付言、避難民に帰国を呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アサド大統領による大統領選挙への立候補に関して、「アサド政権が選挙という名の演劇を行うことを決心し、アサドが自らの役を演じるために立候補したことは、政権が置かれている現実から完全に乖離しており、自由、公正、民主主義というシリア国民の希求を改めて…生き埋めにするものだ」と非難した。

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関連情報:

2014年4月27日のシリア情勢:シリア政府の動き(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7687

2014年4月26日のシリア情勢:シリア政府の動き(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7663

2014年4月24日のシリア情勢:シリア政府の動き(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7622

2014年4月23日のシリア情勢:シリア政府の動き(https://syriaarabspring.info/wp/?p=7590

AFP, April 28, 2014、AP, April 28, 2014、ARA News, April 28, 2014、Champress, April 28, 2014、al-Hayat, April 29, 2014、Iraqinews.com, April 28, 2014、Kull-na Shuraka’, April 28, 2014、Naharnet, April 28, 2014、NNA, April 28, 2014、Reuters, April 28, 2014、SANA, April 28, 2014、UPI, April 28, 2014、al-Watan, April 28, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(4月29日付)によると、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがダルバースィーヤ市でシリア革命反体制勢力国民連立のメンバー2人(ムハンマド・ウサーマ・ムハンマド・サーリフ・アフマド氏、ムハンマド・サリーム・ファーリス・スライマーン氏)を逮捕した。

Kull-na Shuraka’, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:諸外国の動き

化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補はダマスカスで記者会見を開き、化学兵器廃棄プロセスの進捗状況に関して、化学兵器関連施設1カ所において、7.5~8%の化学兵器関連物質(6.5%は国外への搬出と廃棄が必要)が依然として廃棄・搬出されていないと発表した。

化学兵器関連物質の廃棄作業が進んでいない施設がどこなのかについては明言しなかった。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:イラクの動き

『ハヤート』(4月28日付)によると、シリアのダイル・ザウル県からイラクのアンバール県で活動するイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に燃料を運ぼうとしていた車列をイラク軍のヘリコプターが攻撃した。

この攻撃に先立ち、ラッカ県からダーイシュ指導者のアブー・バクル・バグダーディー氏がアンバール県北部に入ったとの情報が流れていた。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(4月27日付)によると、ベカーア県バアルベック軍アルサール村郊外のワーディー・アジュラム地区をシリア軍が空爆した。

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ジャミール・サイイド総合情報総局元局長の事務所は声明を出し、サイイド元局長がシリアを訪問し、アサド大統領と会談、「レバノン国境に近いシリア領内での「テロリストの浄化」について意見を交換したと発表した。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:国内の暴力

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、クワダナ村東部の東タッル・アフマル一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が軍との交戦の末、同地を完全制圧した。

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ダルアー県では、SMART News(4月27日付)によると、ジハード主義武装集団の砲撃・銃撃を受け、軍がナワー市郊外のマスラ検問所、ラッカト・ハズナ検問所から、タッル・ムジューア方面に撤退した。

一方、SANA(4月27日付)によると、ダーイル町、ヤードゥーダ村、カサーラ村、サムリーン村西部、アトマーン村郊外、ヌアイマ村周辺、ジャムラ村、ラジャート高原、ガーリヤート村西部、ダルアー市各所などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、SANA(4月27日付)によると、ダルアー県マアルバ町からアラー村に潜入しようとした反体制武装集団戦闘員を軍が撃退、殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のシリア政府支配地域に対するジハード主義武装集団の砲撃により、21人が死亡、50人近くが負傷、また武装集団は、軍が拠点としていた旧商業会議所ビルを爆破した。

これに対して、軍はアレッポ市旧市街バーブ・カンサリーン一帯、シャッアール地区、ラーシディーン地区、ライラムーン地区、アアザーズ市、マアーッラト・アルティーク村を空爆・砲撃した。

一方、SANA(4月27日付)によると、アレッポ市アーミリーヤ地区、ラームーサ地区、シャイフ・サイード地区、旧市街、ジュバイラ地区、バニー・ザイド地区、サカン・シャバービー地区、ライラムーン地区、ジュダイダ地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、アターリブ市、マアーッラト・アルティーク村、マーリア市、アナダーン市、マンスーラ村、カフルハムラ村、カフルハラブ村、アアザーズ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アルバイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アレッポ市バーブ・ファラジュ地区、バールーン通り、サブア・バフラート地区などに反体制武装集団が迫撃砲、ロケット弾多数を打ち込み、市民24人が死亡、52人が負傷、建物などが破壊された。

 

このほか、ARA News(4月28日付)によると、ドゥーディヤーン村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、クルド人戦線旅団の検問所近くで爆弾を積んだ車2台を爆破した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イフスィム村を軍が空爆した。

一方、SANA(4月27日付)によると、ラッファ村、ダイル・シャルキー村、マアッラ村、カフルナジュド村、ナリラヤー村、タッル・シャッバールーン村、アルバイーン山一帯、マアスィラト・ハラブータッリー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、イドリブ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、タシャールマー山一帯、サルマー町で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月27日付)によると、サムラー村の地中海願の前哨地を軍が掌握したほか、カサブ町、ディブサ村周辺、カサーティル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がザバダーニー市郊外の山岳地帯を砲撃する一方、ムライハ市およびその周辺を空爆した。

一方、SANA(4月27日付)によると、ザバダーニー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、17人が負傷した。

またカッザーズ地区でも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。

さらにマッザ86地区では、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民3人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(4月27日付)によると、アドラー市旧市街とウンマーリーヤ地区、ジャイルード市郊外、ムライハ市およびその周辺、ダイル・アサーフィール市、ザバディーン市、カースィミーヤ農場、ビラーリーヤ農場、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月27日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、ナートゥール村、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、サアン村、アーミリーヤ村、ヒルバト・ハムラ村、タイバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ヒムス市ザフラー地区、カラム・ルーズ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性2人が死亡、16人が負傷した。

さらに、ジャービリーヤ村にも反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が死亡、子供1人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(4月27日付)によると、フワイジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月27日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、工業地区、ハリーシャ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、April 28, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、SMART News, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:シリア政府の動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、大統領選挙に関する議会臨時会で、スーサン・ビント・ウマル・ハッダード女史、サミール・アフマド・マアッラー氏、ムハンマド・フィラース・ラッジューフ氏、アブドゥッサラーム・ユースフ・サラーマ氏の4人が最高憲法裁判所に大統領選挙への立候補を届け出、2014年4月27日付届出第3~6号として登録されたと発表した。

SANA, April 27, 2014
SANA, April 27, 2014
Kull-na Shuraka', April 26, 2014
Kull-na Shuraka’, April 26, 2014

ハッダード女史は、1963年、ラタキア県サマンディーン村生まれ。学部において機械工学を、大学院で経営学を学んだという。クッルナー・シュラカー(4月26日付)によると、バアス党員だったが、大統領選挙に立候補するに当たり、バアス党を離党したという。

マアッラー氏は1961年、クナイトラ市生まれ。国際法の教授を務めるという。

ラッジューフ氏は1966年、ダマスカス県生まれ。

サラーマ氏は、1971年、ヒムス県ウスマーニーヤ村生まれ。

 

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クッルナー・シュラカー(4月27日付)は、6月3日の大統領選挙でアサド大統領に投票を呼びかけるビラがフブズ(パン)の袋に入られて販売されていると報じた。

27日現在、アサド大統領は大統領選挙への立候補を届け出ていない。

Kull-na Shuraka', April 27, 2014
Kull-na Shuraka’, April 27, 2014

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クッルナー・シュラカー(4月27日付)は、シリア民族社会党(イサーム・マハーイリー派、進歩国民戦線加盟政党)が声明を出し、アサド大統領に大統領選挙への立候補を呼びかけたと報じた。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き

『ハヤート』(4月27日付)は、複数の反体制筋の情報として、ヒムス県旧市街で籠城を続けるアンサール集団、ハック旅団がシリア政府の代表者と停戦に向けた協議を行っていると報じた。

停戦協議は、反体制武装集団が捕捉している軍兵士25人の解放と、その見返りとしてヒムス市旧市街からの戦闘員約1,500人の「脱出」の保障を骨子としているという。

AFP, April 27, 2014、AP, April 27, 2014、ARA News, April 27, 2014、Champress, April 27, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、April 28, 2014、Iraqinews.com, April 27, 2014、Kull-na Shuraka’, April 27, 2014、Naharnet, April 27, 2014、NNA, April 27, 2014、Reuters, April 27, 2014、SANA, April 27, 2014、UPI, April 27, 2014などをもとに作成。

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2014年4月26日のシリア情勢:諸外国の動き

ロイター通信(4月27日付)は、シリアでの化学兵器廃棄プロセスが90%以上完了するなか、西側の複数の外交・高官筋が、米英仏の諜報機関の情報だとして「アサド政権が化学兵器プログラムを完全に開示しておらず、化学兵器を拡散する能力を保持している」と発言し始めていると伝えた。

西側の複数の高官は、ロイター通信に対して「彼ら(アサド政権)がすべてを開示していないことを示す諜報を持っている」と述べたもの、アサド政権が隠蔽しているという化学兵器プログラムの規模に関して「大きい」としただけで、具体的な証拠は示さなかったという。

これに関して、バッシャール・ジャアファリー国連代表大使はロイター通信に「これらの国々(米英仏)は信頼できない…。もしそうした証拠を持っているのだというのなら、「極秘の証拠」があるふりをせずに、化学兵器禁止機関とそれを共有しなければならない」と批判した。

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ドイツ誌『フォークス』は、19日にトルコ領内アクチャカレ市近郊(ウルファ県)で発見、保護されたフランス人記者4人に関して、フランス政府がシリアの反体制武装集団に1,800米ドルの身代金を支払っていたと報じた。

AFP(4月26日付)が伝えた。

AFP, April 26, 2014、AP, April 26, 2014、ARA News, April 26, 2014、Champress, April 26, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、Iraqinews.com, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、Naharnet, April 26, 2014、NNA, April 26, 2014、Reuters, April 26, 2014、SANA, April 26, 2014、UPI, April 26, 2014などをもとに作成。

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2014年4月26日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(4月26日付)によると、アンバール県西部で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のメンバー2人を逮捕した。

AFP, April 26, 2014、AP, April 26, 2014、ARA News, April 26, 2014、Champress, April 26, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、Iraqinews.com, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、Naharnet, April 26, 2014、NNA, April 26, 2014、Reuters, April 26, 2014、SANA, April 26, 2014、UPI, April 26, 2014などをもとに作成。

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2014年4月26日のシリア情勢:レバノンの動き

レバノン軍団の広報局は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がサミール・ジャアジャア代表と電話会談を行い、「シリア国民はジャアジャア代表が大統領職に就くことを支持し、同氏がバアブダー宮殿(大統領宮殿)に至ることを喜ぶだろう」と表明したと発表した。

同声明によると、ジャアジャア代表はこれを受けて「民主的で近代的な文民国家を求めるシリア国民の闘争を支持する」と答えたという。

AFP, April 26, 2014、AP, April 26, 2014、ARA News, April 26, 2014、Champress, April 26, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、Iraqinews.com, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、Naharnet, April 26, 2014、NNA, April 26, 2014、Reuters, April 26, 2014、SANA, April 26, 2014、UPI, April 26, 2014などをもとに作成。

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2014年4月26日のシリア情勢:国内の暴力

ハサカ県では、ARA News(4月26日付)によると、カーミシュリー市で西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュがシリアの治安部隊と衝突、双方に複数の死傷者が出た。

両者の衝突は、カーミシュリー市カッドゥール・ベク地区で治安部隊がアサーイシュに発砲したことに端を発しており、治安部隊はこの戦闘でアサーイシュ隊員複数名を逮捕したという。

一方、SANA(4月26日付)によると、カーミシュリー市内の複数の検問所で、軍が「テロ集団」を摘発した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団が24日に制圧したジャービヤ丘一帯で軍と武装集団が交戦、運が空爆・砲撃を行った。

この戦闘に関して、シリア人権監視団は、反体制武装集団がジュムーア丘、タッル・ハズナを制圧し、クナイトラ県とダルアー県ナワー市一帯の地域の兵站線を確保したことを明らかにした。

このほか、軍はジャースィム市一帯を砲撃したという。

一方、SANA(4月26日付)によると、ダルアー市旧税関地区北西部、Syriatelビル、ヤルムーク学校、ミスリー交差点、キルク地区など、ジャースィム市・インヒル市間、アトマーン村、サムリーン村西部、ズィムリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦、軍が同地を砲撃した。

また軍はダーライヤー市、ハジャル・アスワド市を砲撃した。

一方、SANA(4月26日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ジャイルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ラフマーン軍団、イスラーム戦線、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市を軍が砲撃した。

一方、SANA(4月26日付)によると、サムリーン村、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・サイード地区、ハイダリーヤ地区で軍とジハード主義武装集団が交戦、軍がライラムーン地区一帯を空爆した。

一方、SANA(4月26日付)によると、アレッポ市近郊のシャイフ・ズィヤート地区とタアーナ地区の間に位置する製粉工場地帯を軍が制圧した。

また、アレッポ市シャイフ・サイード地区、アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区、スッカリー地区、旧市街、ジュダイダ地区、カースティールー地区、ライラムーン地区、クワイリス村、ラスム・アッブード村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、ハンダラート・キャンプ、アナダーン市、アターリブ市、アアザーズ市、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(4月26日付)によると、ヒムス市バーブ地区、ハルジャ村、バルグーシャ村、アルシューナ村、スルターニーヤ村、ラスタン市、スィンディーヤ村、シャイフ・フマイド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月26日付)によると、ジャウバル区、アサーリー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, April 26, 2014、AP, April 26, 2014、ARA News, April 26, 2014、Champress, April 26, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、Iraqinews.com, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、Naharnet, April 26, 2014、NNA, April 26, 2014、Reuters, April 26, 2014、SANA, April 26, 2014、UPI, April 26, 2014などをもとに作成。

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2014年4月26日のシリア情勢:シリア政府の動き

大統領府は声明を出し、6月3日に投票が予定されている大統領選挙に複数の候補者が立候補を届け出たことに関して「民主的且つ肯定的な現象」だと評価したうえで、大統領府が「完全なる自由、透明性、責任能力のもとに選ぶ立候補者、大統領に対して等距離の立場をとる」と強調した。

AFP, April 26, 2014、AP, April 26, 2014、ARA News, April 26, 2014、Champress, April 26, 2014、al-Hayat, April 27, 2014、Iraqinews.com, April 26, 2014、Kull-na Shuraka’, April 26, 2014、Naharnet, April 26, 2014、NNA, April 26, 2014、Reuters, April 26, 2014、SANA, April 26, 2014、UPI, April 26, 2014などをもとに作成。

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