アサド大統領は、シリアを訪問中の北朝鮮李容浩(リヨンホ)外務大臣と首都ダマスカスで会談した。
SANA(12月4日付)によると、会談では、二国間関係の強化のありようなどについて意見が交わされた。
李外務大臣は、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長のメッセージをアサド大統領に口頭で伝え、シリアへの支持の姿勢と「テロとの戦い」に対するシリア国民の勝利への祝意を示すとともに、復興への期待を寄せた。
李外務大臣はまた、北朝鮮、シリア、そして覇権主義的政策や内政干渉を拒否するすべての国が直面する敵は一つだと述べ、さらなる強調を呼びかけた。
これに対して、アサド大統領は、シリアと北朝鮮が経験している戦争や圧力はかたちこそ異なれ、本質と目的は一つで、自決権を有する国の弱体化させ、西側の計略に対峙できなくするおとになると指摘、現下の戦争が、シリアや北朝鮮だけに対するものではなく、世界の地図を塗り替えようとするものだと述べた。
そのうえで、米国の攻撃にとって地理的国境は存在しないと非難、西側の計略が被っている敗北、そしてシリアや北朝鮮のような独立諸国の抵抗が、国際社会のバランスを回復させると強調した。
会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣らが同席した。
李外務大臣はまた、イマード・ハミース首相、ムアッリム外務在外居住者大臣とも個別に会談した。
AFP, December 4, 2018、ANHA, December 4, 2018、AP, December 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, December 4, 2018、al-Hayat, December 5, 2018、Reuters, December 4, 2018、SANA, December 4, 2018、UPI, December 4, 2018などをもとに作成。
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