シャーム解放機構が「解放区」における支援分野の重要人物アブー・フサーム・ビリーターニー氏を再逮捕(2020年8月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が、アティマ村でアブー・フサーム・ビリーターニー氏を再逮捕した。

ビリーターニー氏はシリア北西部の「解放区」で学校や慈善協会を設立・指導するなど、支援分野の重要人物。

ビリーターニー氏は6月23日、「堅固に持せよ」作戦司令室に参加しているジハード調整を率いるアブー・アブド・アシュダー氏を支援し、「堅固に持せよ」作戦司令室に参加したとして逮捕されたが、7月15日に釈放されていた。

AFP, August 11, 2020、ANHA, August 11, 2020、AP, August 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2020、Reuters, August 11, 2020、SANA, August 11, 2020、SOHR, August 11, 2020、UPI, August 11, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県タッル・リフアト市一帯でトルコ軍、国民軍がシリア民主軍と交戦(2020年8月11日)

アレッポ県では、ANHA(8月11日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市一帯を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、国民軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマルアナーズ村一帯で交戦した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のシャッラーフ村で国民軍に所属するスルターン・ムラード師団と東部自由人連合の戦闘員どうしが、略奪品の配分をめぐって衝突、戦闘となった。

AFP, August 11, 2020、ANHA, August 11, 2020、AP, August 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2020、Reuters, August 11, 2020、SANA, August 11, 2020、SOHR, August 11, 2020、UPI, August 11, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でトルコ軍、「決戦」作戦司令室とシリア軍が砲撃戦(2020年8月11日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから158日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配下のサラーキブ市を砲撃した。

また、「決戦」作戦司令室もダーディーフ村一帯、ルワイハ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、ルワイハ村、カフル・ウワイド村、スフーフン村、カンスフラ村、フライフィル村、ハルーバ村、バイニーン村、ダイル・サンバル村一帯、マアッルバリート村、マジュダリヤー村、アリーハー市東一帯、ナイラブ村を砲撃した。

この砲撃戦で、女性1人がナイラブ村で負傷した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(イドリブ県8件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 11, 2020、ANHA, August 11, 2020、AP, August 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 11, 2020、Reuters, August 11, 2020、SANA, August 11, 2020、SOHR, August 11, 2020、UPI, August 11, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がロシア軍の航空支援を受けて、ハマー県東部の砂漠地帯でダーイシュを掃討(2020年8月10日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ロシア軍の航空支援を受けて、県東部の砂漠地帯(イスリヤー村一帯)でダーイシュ(イスラーム国)のセルを捜索、これを掃討した。

AFP, August 10, 2020、ANHA, August 10, 2020、AP, August 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 10, 2020、Reuters, August 10, 2020、SANA, August 10, 2020、SOHR, August 10, 2020、UPI, August 10, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室の散発的戦闘続く(2020年8月10日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから157日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、ダイル・サンバル村、カンスフラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市で、政府に逮捕者の釈放を求める抗議デモが発生、デモ参加者は難民キャンプ地区でタイヤを燃やすなどして道路を封鎖した。

AFP, August 10, 2020、ANHA, August 10, 2020、AP, August 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 10, 2020、Reuters, August 10, 2020、SANA, August 10, 2020、SOHR, August 10, 2020、UPI, August 10, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県での爆発で国民軍戦闘員1人負傷(2020年8月10日)

ハサカ県では、SANA(8月10日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン市近郊のフワイシュ・ナイーム村で国民軍所属のスルターン・ムラード師団の本部前でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

シリア人権監視団によると、この爆発で、戦闘員1人が負傷した。

**

アレッポ県では、ANHA(8月10日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・アラブ(コバネ)市東の国境地帯で合同パトロールを実施した。

AFP, August 10, 2020、ANHA, August 10, 2020、AP, August 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 10, 2020、Reuters, August 10, 2020、SANA, August 10, 2020、SOHR, August 10, 2020、UPI, August 10, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍が北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸に向けて発砲(2020年8月10日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月10日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシャフア村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の軍用車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

シリア人権監視団によると、爆発は何者かが車輌に手榴弾を投げつけて発生した。

また、ANHA(8月10日付)によると、シリア軍がユーフラテス川西岸から北・東シリア自治局の支配下にあるガラーニージュ市を砲撃し、住民2人が負傷した。

しかし、シリア人権監視団によると、シリア軍による攻撃は、砲撃ではなく発砲で、北・東シリア自治局支配下のユーフラテス川東岸ではなく、ユーフラテス川を泳いで渡ろうとした男性2人に向けて行われたという。

発砲を受けた2人は軽傷を負ったという。

AFP, August 10, 2020、ANHA, August 10, 2020、AP, August 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 10, 2020、Reuters, August 10, 2020、SANA, August 10, 2020、SOHR, August 10, 2020、UPI, August 10, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「決戦」作戦司令室はイドリブ県に飛来した有志連合所属と思われるドローンを迎撃(2020年8月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーリム市近郊のスンマーク山に展開する「決戦」作戦司令室の部隊が、超低空で飛来した所属不明の無人航空機(ドローン)を重火器で迎撃した。

ドローンは米主導の有志連合所属と見られる。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍がラッカ県を砲撃、ハサカ県でシリア民主軍と交戦(2020年8月9日)

ラッカ県では、ANHA(8月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、アイン・イーサー市近郊の フーシャーナー村に近いM4高速道路沿線を砲撃した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの支援を受ける国民軍が、タッル・タムル町近郊で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

この戦闘で、国民軍に所属するスルターン・ムラード師団の戦闘員2人が死亡した。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

政府支配下のダイル・ザウル市でアカイダート部族の族長と名士が、「アカイダート軍」を結成し、米軍とシリア民主軍への人民抵抗運動を開始すると発表(2020年8月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月9日付)によると、アカイダート部族の族長と名士が、シリア政府支配下のダイル・ザウル市で会合を開き、米国とシオニストの支援を受ける人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が住民に対して行っている攻撃や犯罪行為に対して一致団結して対応する必要を確認した。

ダイル・ザウル市内のアラブ・テントで開催された会合において発表された声明のなかで、族長と名士は、米国とシオニストの支援を受けるシリア民主軍が、あらゆるレッド・ラインに抵触し、祖国や社会に攻撃を加え、祖国の財産を略奪し、アカイダート部族の族長の一人のおじにあたるマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏に代表される愛国的象徴を粛清したと非難した。

そのうえで、アカイダート部族の子息の願望に応えるべく政治評議会を設置し、国家と連携して、部族の子息からなるアカイダート軍を組織し、占領者(米国)、その手先、傭兵(シリア民主軍)に対する人民抵抗を開始すると宣言した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がフライジーヤ村の名士の自宅に対して強制捜査を行い、名士の息子を逮捕、保管されていた名士の持ち物を押収した。

**

ハサカ県では、SANA(8月9日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市のアラーヤー地区で、シリア民主軍が住民1に発砲し、殺害した。

同市の複数の住民が明らかにしたところによると、シリア民主軍は、兵役を拒否していたこの住民を追跡し、逮捕しようとした際に発砲、死に至らしめたという。

一方、北・東シリア自治局が運営するアリーシャ町の国内避難民(IDPs)キャンプ(アリーシャ・キャンプ)で火災が発生し、テント25張以上が焼失した。

ANHA(8月9日付)によると、死傷者はなかった。

キャンプには現在、14,000人のIDPsが収容されている。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会は、シリア政府支配地域への密輸に関与していたとしてメンバー約20人を逮捕した。

**

ANHA(8月9日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯地域のアラブ系部族の族長と名士、アレッポ市シャイフ・マクスード地区の名望家らが、シリア民主軍支持を表明したと伝えた。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がイドリブ県に新たな拠点を設置、「決戦」作戦司令室とともにシリア軍を砲撃(2020年8月9日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから156日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府支配下のサーン村、ダイル・サンバル村、ザーウィヤ山地方一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

また「決戦」作戦司令室もシリア政府支配下のハーン・スブル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カンスフラ村、マウザラ村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、ラタキア県クルド山地方に近いラーキム丘に新たな拠点を設置した。

これにより、シリア領内のトルコ軍監視所・拠点は71カ所となった。
(シリア人権監視団の計算だと67)

トルコ軍の監視所・拠点が設置されている場所は以下の通り:

監視所

イドリブ県:サルワ村、タッル・トゥーカーン村、サルマーン村、ジスル・シュグール市(イシュタブリク村)
アレッポ県:登塔者聖シメオン教会跡、シャイフ・アキール山、アナダーン山、アレッポ市ラーシディーン地区(南)、アイス村(アイス丘)
ハマー県:ムーリク市、シール・マガール村
ラタキア県:ザイトゥーナ村

拠点

イドリブ県:マアッル・ハッタート村、サラーキブ市(3カ所)、タルナバ村、ナイラブ村、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村(2カ所)、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村、ブサンクール村(3カ所)、ナビー・アイユーブ丘、バザーブール村、ラーム・ハムダーン村、アブザムー町、ムシャイリファ村、タッル・ハッターブ村、ビダーマー町(2カ所)、ナージヤ村、ズアイニーヤ村(2カ所)、ガッサーニーヤ村、クファイル村、バクサルヤー村、フライカ村、バルナース村、アリーハー市、ジャンナト・クラー村、バサーミス村、カイヤーサート村、マルイヤーン村、マアッラータ村、タフタナーズ市、マンタフ村、ムハムバル村(2カ所)、ラーキム丘
アレッポ県:アナダーン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ジーナ村(2カ所)、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラ・イッザ市、カフル・ヌーラーン村、バータブー村
ハマー県:ムガイル村

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市ラムル・ジャヌービー地区にある「ロシアの民兵」の住居に武装集団が押し入り、1人を殺害した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月11日付)によると、殺害されたのはアラー・ナージー・イード氏。

ロシアの民間軍事会社に雇われリビアでの戦闘に参加していた人物だという。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(イドリブ県1件、ラタキア県3件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 9, 2020、ANHA, August 9, 2020、AP, August 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 9, 2020、August 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 9, 2020、Reuters, August 9, 2020、SANA, August 9, 2020、SOHR, August 9, 2020、August 10, 2020、UPI, August 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県タッル・リフアト市出身のIDPsが抗議デモを行い、シャーム戦線が逮捕した第23師団司令官の釈放を要求(2020年8月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のサジュー村で、タッル・リフアト市出身の国内避難民(IDPs)が抗議デモを行い、シャーム戦線が逮捕した第23師団司令官の釈放を訴えた。

シャーム戦線は、タッル・リフアト市出身の戦闘員によって構成されている第23師団が内乱を煽っているなどとして、アフリーン市一帯やアアザーズ市一帯の拠点を襲撃し、司令官を拘束していた。

AFP, August 8, 2020、ANHA, August 8, 2020、AP, August 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2020、Reuters, August 8, 2020、SANA, August 8, 2020、SOHR, August 8, 2020、UPI, August 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県シュハイル村でシリア民主軍による住民摘発続く(2020年8月8日)

ハサカ県では、SANA(8月8日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村、タヤーナ村、ズィーバーン町、ハワーイジュ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の包囲、住民摘発、検問所増設が続くなか、住民はシリア民主軍と米軍の撤退を求める抗議行動を継続した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍はシュハイル村で住民7人を逮捕した。

その一方で4日に封鎖していた同村への車輌の往来を解禁した。

AFP, August 8, 2020、ANHA, August 8, 2020、AP, August 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2020、Reuters, August 8, 2020、SANA, August 8, 2020、SOHR, August 8, 2020、UPI, August 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県ハッダーダ丘などでシリア軍と「決戦」作戦司令室の戦い続く(2020年8月8日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから156日目を迎えた。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がブルカーン丘一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のクルド山一帯、とりわけハッダーダ丘一帯を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室に所属するシャーム解放機構がカフルバッティーフ村一帯でシリア軍兵士を狙撃、1人を射殺した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対してシリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のザーウィヤ山地方のフライフィル村、ファッティーラ村、バーラ村、スフーフン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、戦車や兵站物資を積んだ車輌約40輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(イドリブ県8件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 8, 2020、ANHA, August 8, 2020、AP, August 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 8, 2020、Reuters, August 8, 2020、SANA, August 8, 2020、SOHR, August 8, 2020、UPI, August 8, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県シュハイル村で住民がシリア民主軍と米軍の退去を求める抗議デモ(2020年8月7日)

ハサカ県では、SANA(8月7日付)によると、シュハイル村で住民が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と米軍の退去を求めて抗議デモを行った。

これに対して、シリア民主軍は、シュハイル村、同地近郊のカッサール村にある国内避難民(IDPs)キャンプ、ズィーバーン町、ハワーイジュ村で住民の摘発を継続し、多数を拘束、連行した他、金曜日午後のモスクでの集団礼拝を禁止し、外出禁止令を継続するなどの措置をとった。

シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるズィーバーン町にあるシリア民主軍の本部が何者かの砲撃を受けた。

死傷者はなかった。

これに対してシリア民主軍は、シリア政府支配下のユーフラテス川西岸と北・東シリア自治局支配下の同川東岸を結ぶズィーバーン町の水上通行所に対して強制捜査を行い、停泊していた船舶を没収した。

AFP, August 7, 2020、ANHA, August 7, 2020、AP, August 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2020、Reuters, August 7, 2020、SANA, August 7, 2020、SOHR, August 7, 2020、UPI, August 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県で国民軍戦闘員どうしが盗品分配をめぐって激しく交戦(2020年8月7日)

ハサカ県では、SANA(8月7日付)によると、トルコ占領下のウンム・アシュバ村(シリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町西)で、国民軍の戦闘員どうしが盗品の分配をめぐって衝突、激しく交戦した。

AFP, August 7, 2020、ANHA, August 7, 2020、AP, August 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2020、Reuters, August 7, 2020、SANA, August 7, 2020、SOHR, August 7, 2020、UPI, August 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県マンビジュ市でシリア民主軍戦闘員2人が殺害される(2020年8月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するイドリブ革命家旅団の戦闘員の自宅が何者かの襲撃をうけ、戦闘員2人が死亡した。

AFP, August 7, 2020、ANHA, August 7, 2020、AP, August 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2020、Reuters, August 7, 2020、SANA, August 7, 2020、SOHR, August 7, 2020、UPI, August 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室の戦闘激化、トルコ軍ドローンが爆撃(2020年8月7日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから155日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、ファッティーラ村、カンスフラ村、スフーフン村、フライフィル村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、ザーウィヤ山地方に展開するトルコ軍部隊が、シリア政府支配下のマアッラト・ヌウマーン市を砲撃したほか、バイラクタルTB2無人航空機(ドローン)も同市を爆撃した。

トルコ軍はまた、戦車4輌や兵站物資を積んだ車輌約35輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

一方、タッルアーダ村近郊では、正体不明の武装集団が、シャーム解放機構のメンバー戦闘員1人を含む2人に発砲し、殺害した。

また、トルキスタン・イスラーム党の拠点都市で「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市内の民家で、爆発が発生し、子供1人が死亡、女性と子供を含む4人が死亡した。

爆発は爆弾ではなく、武器装備が爆発したと思われる。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のハッダーダ丘一帯を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、空軍情報部の工作員がジッリーン村近郊の街道で正体不明の武装集団の襲撃を受けて、殺害された。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 7, 2020、ANHA, August 7, 2020、AP, August 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 7, 2020、Reuters, August 7, 2020、SANA, August 7, 2020、SOHR, August 7, 2020、UPI, August 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県ハッダーダ丘でシリア軍と「決戦」作戦司令室の攻防続く(2020年8月6日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから154日目を迎えた。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下の戦略的要衝ハッダーダ丘一帯に4度にわたって進攻を試みたが、「決戦」作戦司令室がこれを撃退した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はこの進攻に際して、ハッダーダ丘、マズガリー村、トゥッファーヒーヤ山、フドル丘、タルディーン村、カッバーナ村などを砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府支配下のキンサッバー町一帯、シャルフ砦、トゥーバール砦を砲撃し、シリア軍兵士9人、「決戦」作戦司令室戦闘員5人が死亡したほか、ロシア軍兵士1人が負傷した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室を主導するシャーム解放機構がシリア政府支配下のサラーキブ市近郊のジャウバース村一帯を砲撃、シリア軍兵士1人が死亡した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のアーフィス村、ザーウィヤ山地方のバイニーン村、ダイル・サンバル村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約50輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダルアー・バラド地区で、シリア軍兵士1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

AFP, August 6, 2020、ANHA, August 6, 2020、AP, August 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2020、Reuters, August 6, 2020、SANA, August 6, 2020、SOHR, August 6, 2020、UPI, August 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県イスリヤー村一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦(2020年8月6日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アレッポ県、ラッカ県との県境に位置するイスリヤー村一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

AFP, August 6, 2020、ANHA, August 6, 2020、AP, August 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2020、Reuters, August 6, 2020、SANA, August 6, 2020、SOHR, August 6, 2020、UPI, August 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍のドローンがカーミシュリー市を爆撃し、1人負傷(2020年8月6日)

ハサカ県では、ANHA(8月6日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカーミシュリー市のスエズ運河地区にある電気ケーブル工場を爆撃し、従業員1人が負傷した。

その一方で、ロシア軍とトルコ軍がダルバースィーヤ市、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯の国境地帯で27回目となる合同パトロールを実施した。

AFP, August 6, 2020、ANHA, August 6, 2020、AP, August 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2020、Reuters, August 6, 2020、SANA, August 6, 2020、SOHR, August 6, 2020、UPI, August 6, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍はダイル・ザウル県内各所で抗議デモと蜂起に参加した住民の摘発を本格化(2020年8月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、SANA(8月5日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が北・東シリア自治局の支配下にあるシュハイル村、ブサイラ市、ハワーイジュ村、ズィーバーン町を包囲し、検問所を増設するなど厳戒態勢を強化するとともに、外出禁止令を発出、前日の抗議デモや蜂起に参加した住民の摘発を本格化させた。

AFP, August 5, 2020、ANHA, August 5, 2020、AP, August 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2020、Reuters, August 5, 2020、SANA, August 5, 2020、SOHR, August 5, 2020、UPI, August 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アカイダート部族全体の族長がシリア民主軍にハフル氏殺害事件の犯人を1ヶ月以内に特定し、引き渡すよう要求(2020年8月5日)

ダイル・ザウル県では、アカイダート部族全体の族長(シャイフ・マシャーイフ)であるマスアブ・ハリール・アッブード(・ジャドアーン・ハフル)氏は声明を出し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対してマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏殺害事件(8月2日)の犯人を特定し、その身柄を1ヶ月以内に引き渡すよう要求した。

アッブード氏は声明のなかで、アカイダート部族に対して「シリア、とりわけ我々の地域における悲劇的状況とそれによってもたらされた結果は、我々みなが肩を寄せ合い、協力し合い、我々の家、糧、財産を守るために一丸となることを求めている」としたうえで、地域の情勢への対応を決するため、すべての部族を一堂に会した会合を開くことを呼びかけた。

また、シリア民主軍に対してハフル氏などダイル・ザウル県の部族長らの殺害事件の犯人を1ヶ月以内に、特定し、その身柄を引き渡すよう要求、「これが満たされない場合、家と財産を守るためにふさわしいと考える行動をとる」と表明した。


AFP, August 5, 2020、ANHA, August 5, 2020、AP, August 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2020、Reuters, August 5, 2020、SANA, August 5, 2020、SOHR, August 5, 2020、UPI, August 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラッカ県、アレッポ県でトルコ軍、国民軍がシリア民主軍と交戦、双方合わせて3人死亡(2020年8月5日)

ラッカ県では、ANHA(8月5日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊の国内避難民(IDPs)キャンプとサイダー村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、この砲撃で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士2人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市に近いシリア政府支配下のターディフ市近郊で、トルコの支援を受ける国民軍とシリア民主軍が交戦し、国民軍の戦闘員1人が死亡した。

AFP, August 5, 2020、ANHA, August 5, 2020、AP, August 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2020、Reuters, August 5, 2020、SANA, August 5, 2020、SOHR, August 5, 2020、UPI, August 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2020年8月5日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから153日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のカフルナブル市を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

トルコ軍はまた、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線に展開し、沿線設置されていた監視ポストの一部を撤去した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室を構成する国民解放戦線がクルド山地方のシリア軍拠点を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を0件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 5, 2020、ANHA, August 5, 2020、AP, August 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 5, 2020、Reuters, August 5, 2020、SANA, August 5, 2020、SOHR, August 5, 2020、UPI, August 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県で住民が蜂起、シリア民主軍と米軍が介入(2020年8月4日)

ダイル・ザウル県では、北・東シリア自治局支配下のズィーバーン町、ハワーイジュ村、ジュダイド・アカイダート村、ジャディート・ジュダイダト・バカーラ村、タヤーナ村、スブハ村、アブー・アブー・ナティール村、シュハイル村、シャンナーン村で、地元住民が蜂起した。

**

ジスル(8月4日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(8月4日付)、SANA(8月4日付)によると、蜂起は、8月2日にズィーバーン町近くでアカイダート部の族長の一人のおじにあたるマトシャル・ハンムード・ジャドアーン・ハフル氏が殺害された事件に対する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍や北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)などの対応の不備に抗議するデモに端を発していた。

事件を防ぐことができなかったシリア民主軍の責任を追及し、米主導の有志連合に犯人の特定と逮捕を求めるなどして抗議の意思を示していた参加者は、道路でタイヤを焼くなどして次第に過激化、一部が武装し、シリア民主軍の検問所などを襲撃した。

**

シリア人権監視団によると、シリア民主軍はダイル・ザウル県とハサカ県で「テロの盾」作戦と銘打って、ダーイシュの細胞の摘発を続けている。

だが、検問所での住民の逮捕・拘束、暴行、侮蔑、そして強制捜査を口実とした民家での略奪などに対する住民の不満が高まっていたという。

**

一方、SANAは、8月3日にもズィーバーン町で抗議デモが発生していたとしたうえで、住民がシリア民主軍の退去を求めるとともに、米軍の占領に異議を唱えたと伝えた。

**

武装した地元住民は、シュハイル村、ズィーバーン町、ハワーイジュ村からシリア民主軍を排除した。

ハワーイジュ村では、シリア民主軍が本部として転用していたハワーイジュ学校を制圧、焼き討ちにしたほか、ハンヴィー(HMMWV)1輌と四輪駆動車2台を破壊、シリア民主軍兵士2人を殺害した。

また、ジュダイド・アカイダート村では、デモ参加者がシリア民主軍の戦闘員7人を拘束、車輌3台と武器を奪って抵抗した。

さらに、スワル町南のナムリーヤ村の住民は、シャッダーディー市方面からシュハイル村に向かおうとしていたシリア民主軍の車列に対峙し、これを撃退させた。

これに対して、シリア民主軍はハサカ県シャッダーディー市、ダイル・ザウル県スーサ町、バーグーズ村、ウマル油田から大規模増援部隊を派遣し、検問所を再強化、実弾を使用して鎮圧にあたった。

これにより、ハワーイジュ村で住民6人が負傷し、シュハイル村の病院に搬送された。

また同村近郊では、男性1人が「正体不明の武装集団」(武装した住民)に撃たれて、即死した。

さらに、女性1人がシリア民主軍の「正体不明の武装集団」の撃ち合いに巻き込まれて死亡した。

米軍も戦闘機やヘリコプターを現地に派遣、シュハイル村、ズィーバーン町、ハワーイジュ村では戦闘機が上空を超音速で低空飛行し、住民を威嚇した。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、al-Jisr Press, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年8月4日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから152日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のカフルナブル市、ハントゥーティーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードもカフルナブル市に近いザイトゥーン基地を砲撃した。

これに対して、シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のザーウィヤ山地方のダイル・サンバル村、カンスフラ村、ファッティーラ村、マウザラ村、バイニーン村を砲撃、国民解放戦線に所属するシャームの鷹旅団の戦闘員1人が死亡した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がクルド山地方のブルカーン丘に設置されているシリア軍の拠点を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団が、タファス市とムザイリーブ町を結ぶ街道で治安要員1人を殺害した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, August 4, 2020、ANHA, August 4, 2020、AP, August 4, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 4, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 4, 2020、Reuters, August 4, 2020、SANA, August 4, 2020、SOHR, August 4, 2020、UPI, August 4, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

所属不明の戦闘機複数機がイラク国境に近いユーフラテス川西岸のブーカマール市近郊の「イランの民兵」拠点を爆撃、15人あまりが死亡(2020年8月3日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の戦闘機複数機が3日午前5時頃に、イラク国境に近いユーフラテス川西岸のブーカマール市近郊に飛来、同地に展開する「イランの民兵」の拠点複数カ所を爆撃し、武器弾薬庫などが破壊され、15人あまりが死亡した。

爆撃は、イマーム・アリー基地(イマーム・アリー・コンパウド)、鉄道線路、砂漠奥地にも及んだ。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月3日付)によると、犠牲となったのは、ファーティミーユーン旅団の民兵。

死傷者は、イラク領内に搬送された。

AFP, August 3, 2020、ANHA, August 3, 2020、AP, August 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2020、Reuters, August 3, 2020、SANA, August 3, 2020、SOHR, August 3, 2020、UPI, August 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県ラアス・アイン市でトルコ軍兵士が何者かに撃たれて死亡(2020年8月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市でトルコ軍兵士が何者かに撃たれて死亡した。

**

ラッカ県では、ANHA(8月3日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・アブヤド市近郊のスライブ村を砲撃した。

AFP, August 3, 2020、ANHA, August 3, 2020、AP, August 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2020、Reuters, August 3, 2020、SANA, August 3, 2020、SOHR, August 3, 2020、UPI, August 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がゴラン高原南部の境界地帯に地雷を敷設した4人組を爆撃したと発表(2020年8月3日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、ゴラン高原南部のイスラエル占領地に沿って設置されている有刺鉄線に4人組の男たちが近づき地雷を敷設、イスラエル軍がこれを攻撃する映像を公開した。

https://twitter.com/AvichayAdraee/status/1290322858393120768

アドライ報道官は電話でのブリーフィングのなかで、4人組が「イスラエル領内にいたが、有刺鉄線の向こう側だった」としたうえで、午後11時頃にイスラエル軍特殊部隊が、ライフル銃による攻撃を受けたため、爆撃で応戦したことを明らかにした。

この交戦でのイスラエル側の死傷者はなく、4人組は全員が死亡したものと見られるという。

アドライ報道官はよると、イスラエル軍は数日前にも、境界地帯に接近する「羊飼い」の疑わしい動きを監視していたとしたうえで、「我々はこうした試みをヒズブッラーによる脅迫と結びつけることはできていない。しかし、我々は現時点でその可能性は否定しない」と付言した。

**

一方、シリア軍筋は、イスラエル軍ヘリコプター複数機が午後10時40分、クナイトラ県の前線に配置されているシリア軍の拠点複数カ所に向けてミサイルを発射したと発表した。

ミサイル攻撃による被害は物的なものに限られたという。

SANA(8月3日付)と伝えた。

また、これと前後して、イフバーリーヤ・チャンネル(8月3日付)は、シリア軍が首都ダマスカス南西上空でイスラエル軍の攻撃に対して地対空ミサイルで応戦したと伝えた。

AFP, August 3, 2020、ANHA, August 3, 2020、AP, August 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 3, 2020、al-Ikhbariya, August 3, 2020、Reuters, August 3, 2020、SANA, August 3, 2020、SOHR, August 3, 2020、UPI, August 3, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.