YPG主体のシリア民主軍は、アフリーン市喪失に関して「ロシアとの合意、地域諸国の共謀のもとに行われた」と批判(2018年3月18日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、「アフリーン市に対する「オリーブの枝」作戦の攻撃は、ロシアとの合意、そして地域諸国の共謀のもとに開始された」と批判した。

al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018

AFP, March 18, 2018、ANHA, March 18, 2018、AP, March 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018、al-Hayat, March 19, 2018、Reuters, March 18, 2018、SANA, March 18, 2018、UPI, March 18, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュはダイル・ザウル県東部でシリア軍拠点を奇襲し、第12ステーション(カム石油貯蔵所)を制圧(2018年3月18日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(3月18日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が第12ステーション(カム石油貯蔵所)一帯のシリア軍拠点を奇襲し、同地を制圧した。

AFP, March 18, 2018、ANHA, March 18, 2018、AP, March 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018、Euphrates Post, March 18, 2018、al-Hayat, March 19, 2018、Reuters, March 18, 2018、SANA, March 18, 2018、UPI, March 18, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍と反体制武装集団は「オリーブの枝」作戦開始から約2ヶ月でロジャヴァの拠点都市アフリーン市を完全制圧(2018年3月18日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ガルポリの戦い(1916年)での戦勝記念日の演説で、「アフリーン市中心街に今、テロリストどもの旗ではなく、トルコ国旗と自由シリア軍の旗がなびく」と述べ、同市を制圧したと宣言した。

al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、アフリーン市制圧と前後して、マアバトリー(マバーター)町、シーヤ(シャイフ・ハディード)村近郊のアミーリーヤ村、タターラー村、シャルカーン村、ラージュー町近郊のジャタール・カッブー村、シャイフ・ウーバースィー村、ジンディールス市近郊のジャクリー・ジューム村、ハーリターン村、アシュカーン村、ナムシャ基地、ハッジ・ハサンリー基地、アフリーン市近郊の大アイン・ハジャル村、小アイン・ハジャル村、ウームー村、アフリーン市西の工業地区、シャイフ・ハッルーズ村近郊のカムルーク村などを次々と制圧した。

AFP, March 18, 2018

AFP(3月18日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市内各所に展開した。

一方、ANHA(3月18日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)がアフリーン市北のマフムーディーヤ地区でトルコ軍を攻撃し、兵士35人を殺害した。

YPGはまた、ブルブル町近郊のイルムダーラ村でトルコ軍の装甲車を攻撃、これを破壊した。

SANA, March 18, 2018
SANA, March 18, 2018
Twitter, March 18, 2018

AFP, March 18, 2018、ANHA, March 18, 2018、AP, March 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018、al-Hayat, March 19, 2018、Reuters, March 18, 2018、SANA, March 18, 2018、UPI, March 18, 2018などをもとに作成。

 

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ラフマーン軍団の支配下にある東グータ地方南部から住民数千人がシリア政府支配地域に避難(2018年3月18日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月18日付)によると、反体制武装集団の支配下にあった東グータ地方から、シリア軍が確保した安全回廊を経由して住民数千人が新たにシリア政府支配地域に退去した。

SANA, March 18, 2018
SANA, March 18, 2018

シリア人権監視団によると、ラフマーン軍団の支配下にある東グータ地方南部から住民数千人が安全回廊を経由して、シリア政府支配地域に避難したという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)は、シリア軍が人道回廊を経由してシリア政府支配地域に避難した青年多数を逮捕していると伝えた。

AFP, March 18, 2018、ANHA, March 18, 2018、AP, March 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018、al-Hayat, March 19, 2018、Reuters, March 18, 2018、SANA, March 18, 2018、UPI, March 18, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方で活動を続けるラフマーン軍団との停戦交渉大詰めに(2018年3月18日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)は、ラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官が「国連の使節団と、東グータ地方の住民を保護するための真剣な交渉を行うために調整している」と述べた、と伝えた。

同サイトが入手したという音声データにおいて、アルワーン報道官は「もっとも重要なポイントは、停戦、民間人への支援の保障、病人や負傷者の搬出を国際社会が保障すること」と述べているという。

一方、戦闘員の東グータ地方からの退去については、交渉のテーブルには乗せられないという。

シリア人権監視団によると、交渉では、アルバイン市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、そしてダマスカス県ジャウバル区の停戦についての最終交渉が行われており、シリア軍は同地への攻撃を猶予しているという。

al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018
syria.liveuamap.com, March 18, 2018

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)によると、シャーム解放軍が東グータ地方で交戦を続ける反体制武装集団を側方支援するため、東カラムーン地方で「サアード・キヤーリー」と銘打った作戦を開始、シリア軍の拠点を攻撃した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月18日付)によると、第4軍団を名乗る新たな武装集団が、県南部のタスニーン村一帯でシリア軍の拠点を攻撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がブスル・ハリール市、スーラ町を爆撃した。

AFP, March 18, 2018、ANHA, March 18, 2018、AP, March 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 18, 2018、al-Hayat, March 19, 2018、Reuters, March 18, 2018、SANA, March 18, 2018、UPI, March 18, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍と反体制武装集団がロジャヴァの拠点都市アフリーン市に進攻(2018年3月17日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、アフリーン市内への突入を開始し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)と同市郊外で交戦した。

YPGのバルースク・ハサカ報道官が明らかにした。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はまた、メルディン市での与党公正発展党(AKP)の大会で「我々はアフリーン市に突入しようとしている」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤによると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、シリア民主軍との戦闘の末に、マアバトリー(マバーター)町近郊のハーッジ・カースィムリー村、クーカーリー村、アイン・ハジャル村、ジンディールス市近郊の東アシュカーン村、西ハルターン村、シーヤ(シャイフ・ハディード)村近郊のアミーリーヤ村、タターラー村、ラージュー町近郊のジャタール・カッブー村、シャイフ・ウーバースィー村、アフリーン市西のウームー村、アフリーン中央刑務所、アスタールー村を制圧した。

Twitter, March 17, 2018

シリア人権監視団によると、トルコ軍の爆撃で11人が死亡した。

また、トルコ軍の攻勢強化を受け、アフリーン市の住民約2,500人が新たに同地から、ヌッブル市、ザフラー町を経由してシリア政府支配地域に避難した。

なお、トルコの複数メディアによると、トルコ軍はアフリーン市北部各所にビラを散布、YPGに投降を呼びかけた。

一方、ANHA(3月17日付)は、トルコ軍がアレッポ県のアフリーン市にあるアフリーン病院を砲撃し、住民9人が死亡したと伝え、写真を公開した。

ANHA, March 17, 2018

これに関して、トルコ軍参謀本部は声明を出し、無人航空機が17日午前9時43分に撮影したとするアフリーン病院の画像を公開し、病院が損傷を受けていないことを確認したと発表し、YPGの主張を否定した。

アナトリア通信(3月17日付)が伝えた。

ANHAはまた、アレッポ県アフリーン郡に対する「オリーブの枝」作戦に参加している「トルコの傭兵」(反体制武装集団)の死亡者リストを入手したと伝え、その画像を公開した。

リストには130人以上の氏名が記入されている。

ANHA, March 17, 2018

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アレッポ県では、ANHA(3月17日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるマンビジュ市内のヒクマ病院通りに設置されていたゴミ箱が爆発した。

AFP, March 17, 2018、Anadolu Ajansı, March 17, 2018、ANHA, March 17, 2018、AP, March 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2018、al-Hayat, March 18, 2018、Reuters, March 17, 2018、SANA, March 17, 2018、UPI, March 17, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方の住民約3万人が新たにシリア政府の支配地域に退去(2018年3月17日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月17日付)によると、ハムーリーヤ市などの人道回廊を通じて、東グータ地方の住民約3万人が新たにシリア政府の支配地域に退去した。

また、東グータ地方から避難した住民数百人が、ハルジャラ村に設置された仮設居住センターに収容された。

なお、シリア人権監視団によると、15日以降シリア政府支配地域に避難した東グータ地方住民の数は4万人以上になるという。

一方、シリア・アラブ・テレビ(3月17日付)は、シリア解放戦線(シャーム解放機構)の支配下にあるハラスター市から脱出する住民の安全を確保するため、新たな人道回廊を設置したと伝えた。

SANA, March 17, 2018
SANA, March 17, 2018

AFP, March 17, 2018、ANHA, March 17, 2018、AP, March 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2018、al-Hayat, March 18, 2018、Reuters, March 17, 2018、SANA, March 17, 2018、UPI, March 17, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は東グータ地方のカフルバトナー町、サクバー市を完全制圧(2018年3月17日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月17日付)によると、シリア軍が反体制武装集団との戦闘の末、東グータ地方のカフルバトナー町、サクバー市を完全制圧した。

これに対して、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団は、ジャルマーナー市を砲撃し、住民2人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、ロシア軍戦闘機がザマルカー町、アイン・タルマー村を爆撃した。

ホワイト・ヘルメットは、この爆撃で数百人が死傷したと発表したが、複数の地元筋によると、アイン・タルマー村での死者数は8人(うち子供5人、女性2人)だという。

また、シリア人権監視団によると、ザマルカー町をシリア軍が爆撃し、同地から避難しようとしていた住民36人を殺害した。

なお、シリア人権監視団によると、2月18日以降のロシア・シリア両軍の攻撃での死者数は1,400人(うち274人が子供)に達した。

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ダマスカス県では、SANA(3月17日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が、ザーヒラ地区、カッバース地区、シャーグール地区を砲撃し、住民16人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(3月17日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がザーラ火力発電所を砲撃した。

AFP, March 17, 2018、ANHA, March 17, 2018、AP, March 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 17, 2018、al-Hayat, March 18, 2018、Reuters, March 17, 2018、SANA, March 17, 2018、UPI, March 17, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍が東グータ地方のカフルバトナー町をナパーム弾で爆撃し、40人以上死亡(2018年3月16日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、ロシア軍がカフルバトナー町をナパーム弾で爆撃、シリア人権監視団によると、ロシア軍の爆撃で46人が死亡した。

AFP(3月16日付)によると、この爆撃で、ホワイト・ヘルメットのほとんどのセンターが利用不能になったという。

al-Durar al-Shamiya, March 16, 2018

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、反体制武装集団がダルアー市内でシリア軍と交戦した。

AFP, March 16, 2018、ANHA, March 16, 2018、AP, March 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 16, 2018、al-Hayat, March 17, 2018、Reuters, March 16, 2018、SANA, March 16, 2018、UPI, March 16, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍、ラフマーン軍団、そしてシリア解放戦線は共同声明で、東グータでの人道停戦のため、ジュネーブで国連主催のもとロシアと直接交渉を行う用意があると表明(2018年3月16日)

イスラーム軍、ラフマーン軍団、そしてシリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)は共同声明を出し、国連安保理決議第2401号に従い、ダマスカス郊外県東グータ地方で人道停戦を実施するため、スイスのジュネーブで国連主催のもとロシアと直接交渉を行う用意があると発表した。

また、東グータ地方で活動するそれ以外の武装集団も自由シリア軍グータ地方の名で声明を出し、「シリア情勢にかかる国連の諸決議に基づく政治プロセスに参加する用意がある」と支持を表明した。

ラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官は、その後ツイッターのアカウントで、東グータ地方からの退去(強制移住)と降伏に向けた交渉をシリア国内のみで行うべきだとするロシアのメッセージを米国経由で受け取ったことを明らかにしたえで、このメッセージを拒否すると発表した。

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シリア解放戦線のシューラー評議会メンバーのアブー・ファトフ・ガルガリー氏はテレグラムを通じて、シリア解放戦線、シャームの鷹旅団との間で48時間の休戦に合意したと発表した。

AFP, March 16, 2018、ANHA, March 16, 2018、AP, March 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 16, 2018、al-Hayat, March 17, 2018、Reuters, March 16, 2018、SANA, March 16, 2018、UPI, March 16, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアフリーン市を砲撃し、住民27人を殺害(2018年3月16日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月17日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、ラージュー町近郊のジャルカム村、シャイフ・ビラール村、ジャルハトリー村、カースィム村、上ハーズバーン村、下ハーズバーン村、第800高地、第1500高地を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、アフリーン市に対するトルコ軍の砲撃で住民27人が死亡した。

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ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)の広報センターによると、トルコ軍がタッル・アブヤド市近郊のカイル・ハスナーキー村を越境砲撃し、1人が死亡した。

AFP, March 16, 2018、ANHA, March 16, 2018、AP, March 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 16, 2018、al-Hayat, March 17, 2018、Reuters, March 16, 2018、SANA, March 16, 2018、UPI, March 16, 2018などをもとに作成。

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反体制派支配下の東グータ地方から住民数千人が人道回廊を通じてシリア政府支配地域に避難(2018年3月16日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月16日付)によると、シリア軍がハムーリーヤ市とワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置した人道回廊を通じて、反体制武装集団の支配下にあった東グータ地方に留まっていた住民数千人がシリア政府支配地域に退去した。

タス通信(3月16日付)によると、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターのヴラジミール・ゾロトヒン報道官(少将)は16日に東グータ地方の反体制武装集団支配地域から退去した住民の数は4,127人にのぼると発表した。

一方、シリア人権監視団によると、ハムーリーヤ市から退去した住民は400~500人だという。

ハムーリーヤ市の人道回廊を通ってシリア政府支配地域に退去し住民らはフーシュ・ナスリー村の安全地帯に入った。

またワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプの人道回廊を通った住民は、ドゥワイル村の仮設居住センターに収容された。

なお、シリア内務省は警察部隊を各所に派遣し、軍とともに住民の退去の安全を確保にあたった。

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、東グータ地方の70%を奪還したと発表した。

SANA, March 16, 2018
SANA, March 16, 2018

AFP, March 16, 2018、ANHA, March 16, 2018、AP, March 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 16, 2018、al-Hayat, March 17, 2018、Reuters, March 16, 2018、SANA, March 16, 2018、UPI, March 16, 2018などをもとに作成。

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ダマスカス県南部のダーイシュ孤立地帯からの戦闘員交渉開始に向け、シリア軍とダーイシュが停戦合意(2018年3月15日)

パレスチナ・キャンプ・ネットワーク(3月15日付)は、複数の地元消息筋から得た情報だとして、ダマスカス県南部のカダム区、タダームン区、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で活動を続けるダーイシュ(イスラーム国)と同地を包囲するシリア軍が2日にわたる戦闘の末に、同地での停戦に合意したと発表した。

この停戦合意は、①双方による発砲停止、②シリア政府当局によるカダム区検問所の開放、③ダーイシュ・メンバーの退去にかかる交渉の開始、を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、13日にダマスカス県カタム区を出発し、ハマー県カルアト・マディーク町に到着した大型バス26台のうち、トルコ軍の実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市への退去を希望する戦闘員(アジュナード・シャーム・イスラーム連合)とその家族202人を乗せたバス7台が同地への受入を拒まれ、カルアト・マディーク町に引き返した。

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なお、ダマスカス県南部では、13日に反体制派戦闘員が退去、ダーイシュとシリア軍の戦闘がにかわに激化していた(https://syriaarabspring.info/?p=47270)。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、Shabaka al-Mukhayyamat al-Filastiniya – Shamikh, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ラッカ文民評議会議長が遺体で発見される(2018年3月15日)

ラッカ県では、ANHA(3月15日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の統治下にあるラッカ市の自治組織であるラッカ文民評議会のウマル・アッルーシュ氏が何者かによって暗殺された。

アッルーシュ氏はタッル・アブヤド市の自宅で遺体で発見されたという。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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米国防省はシリア南部の反体制派支配地域温存に向け、武装集団司令官、11カ国の代表をアンマンに招集(2018年3月15日)

『シャルク・アウサト』(3月15日付)は、シリア軍によるダルアー県ブスル・ハリール市などへの攻撃激化を受けて、米国務省が、シリア南部で活動を続けている反体制武装集団の司令官らをヨルダンの首都アンマンに招集した、と伝えた。

この招集を受け、米CIA主導の「軍事作戦司令室」(通称MOC:Military Operations Command)に参加してきた欧米諸国、アラブ湾岸諸国、トルコなど11カ国の代表との会合が開かれ、シリア南部の緊張緩和地帯の防衛に向け、MOK再編についての協議が行われるという。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、al-Sharq al-Awsat, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ハリーリー最高交渉委員会代表「アサド政権はほぼ毎日化学兵器を使用している。最近ではハムーリーヤ市で使用した」(2018年3月15日)

最高交渉委員会のナスル・ハリーリー代表はツイッターのアカウント(https://twitter.com/nasr_hariri)で、シリアのアサド政権が頻繁に化学兵器使用を繰り返しているにもかかわらず、国連はそれを食い止めることができないでいると綴った。

ハリーリー代表は「政権はほぼ毎日化学兵器を使用している。もっとも最近使用したのは東グータ地方のハムーリーヤ市でだ。だが、国連安保理はこうした虐殺を止めることができないでいる」と綴った。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ロシアとイスラーム軍が東グータ地方ドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシア軍憲兵隊の進駐などを骨子とする非公式合意に達する(2018年3月15日)

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシアとイスラーム軍の非公式合意に達した。

この合意は、①イスラーム軍のドゥーマー市への残留、②ロシア軍憲兵隊の進駐、③公共機関でのシリア国旗の掲揚、を骨子とし、これに基づき15日、ドゥーマー市に食糧物資が搬入されたという。

同様の停戦に向けた交渉は、ハラスター市でもシリア政府と地元名士の間で続けられているという。

『ハヤート』(3月16日付)が伝えた。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍の支配下にある東グータ地方ドゥーマー市からも住民数千人がシリア政府支配地域に退去(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県ではSANA(3月15日付)によると、イスラーム軍が活動を続ける東グータ地方のドゥーマー市の住民数千人が、シリア軍によって設置されたワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプの人道回廊を通じてシリア政府支配地域に退去、シリア軍およびシリア赤新月社などの関係当局がこれを保護した。

SANA, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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ラフマーン軍団、シャーム解放機構などが支配するハムーリーヤ市の制圧を受け、住民2万人がシリア政府支配地域に避難(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、ラフマーン軍団の支配下にあったハムーリーヤ市をシリア軍が完全制圧したのを受け、同地とシリア政府支配地域を結ぶ人道回廊がシリア軍によって開放され、住民がシリア政府支配地域に避難した。

避難した住民は、ドゥワイル村の仮設居住センターに移送された。

SANAは、避難した住民の数を数千人にのぼるとしたうえで、彼らが「テロ組織」によって退去を阻止され、「人間の盾」にされてきたと伝えた。

一方、『ハヤート』(3月16日付)は、「集団避難」した住民の数が2万人に達していると伝えた。

「集団避難」はハムーリーヤ市一帯からラフマーン軍団、シャーム解放機構が撤退したことを受けたもの。

SANA, March 15, 2018

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はラフマーン軍団、シャーム解放機構との戦闘の末、東グータ地方ハムーリーヤ市を完全制圧(2018年3月15日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月15日付)によると、シリア軍が東グータ地方で反体制武装集団との戦闘を続け、ラフマーン軍団の支配下にあった中部のハムーリーヤ市を完全制圧した。

『ハヤート』(3月16日付)によると、シリア軍はまた、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などが活動を続けるカフルバトナー町、アルバイン市、ハッザ町、ザマルカー町を砲撃した。

SANA, March 15, 2018
syria.liveuamap.com, March 15, 2018

なお、シリア人権監視団によると、2月18日以降のロシア・シリア両軍の東グータ地方への攻撃で、民間人1,249人(うち子供252人)が死亡しているという。

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ダマスカス県では、SANA(3月15日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が、旧市街のバーブ・トゥーマ地区、中心街のヴィクトリア橋に着弾し、住民1人が死亡、18人が負傷した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、ブスル・ハリール市、西ガーリヤ村に対するシリア軍の連日の攻撃により、住民数千人が避難を余儀なくされた。

al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、アレッポ・シャフバー軍を名乗る武装集団が、14日晩から15日にかけて、ダマスカス郊外県東グータ地方での反体制武装集団の反抗を支援するとして、アレッポ市内の県庁近く、ザフラー協会地区、アサド軍事アカデミー近くのシリア軍拠点を襲撃した。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアフリーン市を爆撃し、住民13人を殺害するなか、アフリーン郡からの避難民の数は3万人に(2018年3月15日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、アフリーン市近郊のザルカー村、ガールール村、バルカシュ山、第1102高地を制圧し、アフリーン市への包囲を強めた。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、ブルブル町近郊のマハッビーヤ村、ジャウラーキー村、クールザリー村、クーターン村、バルカシュリー村、シーヤ(シャイフ・ハディード)村近郊のバラカ村、ジューマーザーンリー村、ハムーラージュー村、アリー・ジャールー村も制圧した。

一方、ANHA(3月15日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市アフリーン市内各所を「無差別」に砲撃し、住民13人が死亡、23人が負傷した。

ANHA, March 15, 2018
Twitter, March 15, 2018

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シリア人権監視団によると、トルコ軍による攻撃により、アフリーン郡から避難した住民の数は3万人に達しているという。

AFP, March 15, 2018、ANHA, March 15, 2018、AP, March 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 15, 2018、al-Hayat, March 16, 2018、Reuters, March 15, 2018、SANA, March 15, 2018、UPI, March 15, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍がロジャヴァ拠点都市のアフリーン市を激しく爆撃・攻撃し、7人が死亡(2018年3月14日)

アレッポ県では、ANHA(3月14日付)によると、トルコ軍がアフリーン市を爆撃・砲撃し、子供2人を含む7人が死亡、10人以上が負傷した。

トルコ軍はまた、反体制武装集団とともに、アフリーン市近郊のタルナダ村、ムーバーター村近郊のミールカーン村を砲撃し、子供5人が負傷した。

ANHA, March 14, 2018
ANHA, March 14, 2018

このほか、シーラーワー町近郊のガズウィーヤ村、シャーディーラー村では西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍、反体制武装集団と交戦した。

なお、シリア民主軍広報センターによると、トルコ軍はこのほかにも、ブルブル町近郊のクーリー・クール村、シーヤ(シャイフ・ハディード)村近郊のドゥールミーシャー村、シャクファター村、マースルキー村、シャッラー村近郊のマイダーナー村、バースリヤー村、マーバーター(マアバトリー)町近郊、シーラーワー町を爆撃・砲撃し、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦を続け、ジンディールス市近郊のクーラーン・シャイフ・ダイル村および同地一帯の丘陵地帯、ガザーウィーヤ村およびガザーウィヤ基地、カザーウィヤ検問所、クーラール村、シャーデイル村、マアッラータ村、ニーラ村、第717高地、ブルブル町近郊のヤービサ村、アフリーン市近郊のハリールー村、上カフルダッリー村、フールカーン村を新たに制圧した。

Twitter, March 14, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018

 

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ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、トルコ軍はシリア政府支配下のヌッブル町と西クルディスタン移行期民政局支配下のズィヤーラ村を結ぶ街道上に位置するハラシュ検問所を爆撃し、シリア政府が派遣した「人民部隊」の隊員8人が死亡、6人が負傷した。

AFP, March 14, 2018、ANHA, March 14, 2018、AP, March 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018、al-Hayat, March 15, 2018、Reuters, March 14, 2018、SANA, March 14, 2018、UPI, March 14, 2018などをもとに作成。

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ハマー県で「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織が東グータでの戦闘を側方支援するために攻勢強化(2018年3月14日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、イッザ軍、アフラール軍、シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動)、第二軍、シャームの民連合、救国戦線、第111連隊、第一歩兵師団、ハムザ旅団が「グータの怒り」と銘打った新たな作戦を開始し、ダマスカス郊外県東グータ地方で抗戦を続けるイスラーム軍、ラフマーン軍団、シリア解放戦線、シャーム解放機構を側方支援すべく、カルナーズ町、ハマーミーヤート村のシリア軍拠点に対する攻撃を開始した。

al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018

これに関して、SANA(3月14日付)は、シリア軍が予備部隊とともに、ハマーミーヤート村、カルナーズ町に進攻したシャーム解放機構などからなる反体制武装集団を撃退したと伝えた。

AFP, March 14, 2018、ANHA, March 14, 2018、AP, March 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018、al-Hayat, March 15, 2018、Reuters, March 14, 2018、SANA, March 14, 2018、UPI, March 14, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍支配下の東グータ地方から女性、子供、老人、患者40人が前日に引き続きシリア政府支配地域に退去(2018年3月14日)

『ハヤート』(3月15日付)などによると、前日に引き続き、国連仲介によるイスラーム軍とロシアの合意に従うかたちで、ダマスカス郊外県東グータ地方からワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプ人道回廊を通じて、治療が必要な患者、女性、子供、老人らがシリア政府支配地域に移送された。

SANA(3月14日付)は、この移送に際して、シリア軍が退去する住民の進路の安全を確保、シリア赤新月社などからなる関係当局が退去した住民をドゥワイル市の仮設居住センターに移送したと伝えた。

イスラーム軍のヤースィル・ダルワーン政治局長によると、14日に東グータ地方を退去したのは重篤患者35人とその家族だという。

一方、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターの発表によると、このほかに49人が人道回廊を通じてシリア政府支配地域に退去、退去した住民の総数は350人以上となったという。

SANA, March 14, 2018

SANAはまた、東グータ地方から人道回廊を経由したシリア政府支配地域に退去し、仮設居住センターに収容された住民の様子について報じ、写真・映像を公開した。

SANA, March 14, 2018

AFP, March 14, 2018、ANHA, March 14, 2018、AP, March 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018、al-Hayat, March 15, 2018、Reuters, March 14, 2018、SANA, March 14, 2018、UPI, March 14, 2018などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はラフマーン軍団支配下の東グータ地方ハムーリーヤ市に進攻(2018年3月14日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍が東グータ地方のハムーリーヤ市を爆撃し、ラフマーン軍団の司令官2人を含む戦闘員12人を殺害した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(3月14日付)によると、シリア軍はハムーリーヤ市を激しく砲撃する一方、同地一帯に地上部隊を進攻させた。

一方、SANA(3月14日付)によると、シリア軍が東グータ地方ジスリーン町一帯に進攻し、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

これに対し、反体制武装集団はジャルマーナー市を砲撃し、女児1人を含む2人が負傷したという。

なお、ドゥラル・シャーミーヤによると、ロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃で25人が死亡したという。

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ダマスカス県では、SANA(3月14日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発がカッサーア地区、ドゥワイラア地区に着弾し、子供2人と女性1人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(3月14日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市中心学を砲撃し、男性1人が負傷した。

AFP, March 14, 2018、ANHA, March 14, 2018、AP, March 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 14, 2018、al-Hayat, March 15, 2018、Reuters, March 14, 2018、SANA, March 14, 2018、UPI, March 14, 2018などをもとに作成。

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シリア軍が首都ダマスカス南部のダーイシュ拠点への攻勢を強めるなか、戦闘員と家族1,055人がバスでイドリブ県、アレッポ県ジャラーブルス市に退去(2018年3月13日)

ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるダマスカス県カダム区から、大型バス26台が1,055人を乗せてシリア北部に向けて出発、反体制派支配地域との境界に位置するハマー県のカルアト・マディーク町に到着したと伝え、その写真を公開した。

同サイトによると、カダム区は、ダーイシュの支配地域とされているが、実際には、アジュナード・シャーム・イスラーム連合を中心とする「自由シリア軍」の支配下にあり、ダーイシュは同地を、本部が設置されているダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市一帯を守る第一防衛線とみなしていたという。

バス26台のうち7台(203人を搬送)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市に向かう予定だという。

シリア軍は、カダム区で活動を続ける戦闘員とその家族に対して、48時間以内に退去するよう最後通告を出していた。

なお、カダム区から退去した消息筋によると、シリア軍による最期通告を受けて、ダーイシュは同地で活動を続ける戦闘員に退去を拒否するよう通達、カダム区やハジャル・アスワド市一帯に部隊を動員し、警備を強化したという。

al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018

 

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一方、シリア軍は、カダム区、ハジャル・アスワド市、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ内のサラースィーン通り一帯で、ダーイシュへの攻勢を強め、激しく交戦した。

シリア軍はまた、ハジャル・アスワド市にあるダーイシュの本部を爆撃した。

AFP, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍支配下のドゥーマー市(東グータ地方)から子供、老人、女性150人がシリア政府支配地域に退去(2018年3月13日)

ダマスカス郊外県では、SANA(3月13日付)によると、ワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプに設置された人道回廊を経て、東グータ地方に留まっていた住民数十人がシリア政府支配地域に退去、シリア赤新月社によって保護され、ドゥワイル市近郊に設置された仮設居住センターに移送された。

退去したのは、子供、老人、女性で、その多くが治療が必要な疾病・怪我を負っているという。

『ハヤート』(3月14日付)によると、彼らはイスラーム軍の支配下にあるグータ市およびリーハーン農場から退去した。

またシリア人権監視団によると、退去した住民の数は150人に達し、3回に分けてシリア政府支配地域に搬送されたという。

イスラーム軍の政治委員会は12日、国連の仲介により、ダマスカス郊外県東グータ地方から負傷者を搬送することをロシアと合意したと発表していた。

SANA, March 13, 2018
SANA, March 13, 2018
SANA, March 13, 2018
SANA, March 13, 2018

AFP, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。

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米露が2017年7月に停戦合意したダルアー県の反体制派支配地域をシリア軍が2日連続で爆撃(2018年3月13日)

ダルアー県では、『ハヤート』(3月14日付)によると、シリア軍戦闘機が前日に引き続き、フラーク市、ブスル・ハリール市などを爆撃した。

同地は、2017年7月にロシアと米国が、シリア軍と反体制派を停戦させることで合意した地域で、米国務省は12日に爆撃が再開されたことを受けて声明を出し、「シリア南西部での事態に対処するため、ヨルダンでの緊急会合を呼びかけた」ことを明らかにした。

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、シリア解放戦線(シャーム解放機構)、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などからなる「彼らが不正を働いた」作戦司令室が、ハラスター市の前線でシリア軍と交戦した。

一方、SANA(3月13日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がダーヒヤト・アサド町一帯、ジャルマーナー市に対して砲撃を加えた。

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ダマスカス県では、SANA(3月13日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が、ザブラターニー地区、バーブ・トゥーマー地区、カイマリーヤ地区、バーブ・シャルキー地区、アッシュ・ウルール地区を砲撃し、女性1人が死亡、3人が負傷した。

反体制武装集団はまた、ダマスカス国際空港に向かう街道沿いのタバーラ地区にある戦争遺児のための学校を砲撃し、1人が負傷した。

AFP, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はロジャヴァの拠点都市アフリーン市を完全包囲したと発表、同地からの避難民の数は1万6,000人に(2018年3月13日)

トルコ軍参謀本部は、「オリーブの枝」作戦に参加するトルコ軍部隊が12日に、「自由シリア軍」とともに西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアレッポ県のアフリーン市を完全包囲したと発表した。
アナトリア通信(3月13日付)が伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団は、アフリーン市南東部の回廊地帯で東西両方向から進軍を続け、その距離を5キロまで縮めた。

一方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍広報センターによると、トルコ軍はアフリーン市、ジンディールス市近郊のサーティーヤー村など、ブルブル町近郊のビーリー村一帯、シーヤ(シャイフ・ハディード)村一帯を爆撃・砲撃、反体制武装集団とともにシリア民主軍と交戦した。

ANHA(3月13日付)が伝えた。

Twitter, March 13, 2018

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SANA(3月13日付)は、トルコ軍と反体制武装集団の侵攻を受け、アレッポ県アフリーン郡の住民数千人がこれまでに「強制移住」(避難)を余儀なくされていると伝えた。

シリア人権監視団もまた、トルコ軍と反体制武装集団が、西クルディスタン移行期支配地域の住民を反体制派支配地域かシリア政府支配地域に退去させようとしているとの見方を示した。

同監視団によると、アフリーン郡からシリア政府支配下のヌッブル市、ザフラー町に避難した住民の数は1万6,000人に達しているという。

SANA, March 13, 2018

また『ハヤート』(3月14日付)によると、アフリーン郡の人口は約70万人。

AFP, March 13, 2018、Anadolu Ajansı, March 13, 2018、ANHA, March 13, 2018、AP, March 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2018、al-Hayat, March 14, 2018、Reuters, March 13, 2018、SANA, March 13, 2018、UPI, March 13, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団はシリア内戦が8年目に入ろうとしているのを前に死者数を発表:51万人以上が死亡、シリア政府側がうち85%を殺害(2018年3月12日)

英国で活動する反体制系NGOのシリア人権監視団は、「アラブの春」がシリアに波及してから3月15日で8年目を入ろうとしているのを前に、2011年3月以降の「シリア内戦」での死者数(推計)とその内訳を発表した。

それによると、この7年での死者総数(推計)は51万1,000人以上にのぼり、うち85%がシリア軍およびその同盟勢力によって殺害された民間人だという。

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死者総数51万人強のうち身元が判明しているのは35万3,935人で、その内訳は以下の通り:

  • 民間人:10万6,390人(子供1万9,811人、女性1万2,513人を含む)
  • 「武装・イスラーム主義勢力、シリア民主軍、そのほかの組織」の戦闘員:5万9,424人
  • シリア軍離反兵:2,615人
  • シリア軍兵士:6万3,820人
  • 国防隊など親政権民兵:4万8,814人
  • 「イスラーム主義勢力、シリア解放戦線、ダーイシュ(イスラーム国)、トルキスタン・イスラーム党、ジュンド・アクサー機構、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、チェチェン・シャームの兵、そのほかレバノン人、イラク人、パレスチナ人、湾岸出身者、北アフリカ出身者、エジプト人、イエメン人、イラン人、アフガン人、スーダン人など」の戦闘員:6万3,360人
  • ヒズブッラー戦闘員:1,630人
  • 親政権シーア派外国人民兵:7,686人
  • 所属不明:196人。

民間人犠牲者10万人強の死因は以下の通り:

  • シリア軍の爆撃・砲撃:2万5,151人(うち男性1万6,076人、子供5,510人、女性3,565人)
  • シリア軍・親政権民兵の暴力:4万3,040人(うち男性2万6,882人、子供1万11人、女性6,147人)
  • シリア政府の拘置所での拷問など:1万4,751人(うち男性1万4,572人、子供120人、女性59人)
  • 反体制派の暴力:7,579人(うち男性5,750人、子供11,31人、女性698人)
  • ダーイシュの暴力:4,905人(うち男性4,187人、子供397人、女性321人)
  • ロシア軍の爆撃:6,891人(うち男性4,134人、子供1,702人、女性1,055人)
  • 米主導の有志連合の爆撃:2,967人(うち男性1,737人、子供707人、女性523人)
  • トルコ軍の攻撃:754人(うち男性476人、子供167人、女性111人)
  • トルコ国境警備隊の攻撃:352人(うち男性252人、子供66人、女性34人)。
SOHR, March 12, 2018

加えて、約45万人がシリア政府の拘置所での拷問で死亡、5,200人以上がダーイシュによって拉致・殺害され、4,700人以上がシリア軍や親政権民兵に捕捉・殺害され、2,000人以上が「武装勢力、イスラーム主義勢力、ダーイシュ、シャーム解放機構」によって拉致・殺害されたと推計されるという。

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一方、シリア全土のうち、シリア政府の支配下にあるのは10万6,508平方キロメートル(57.57%)、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるのは4万9,653平方キロメートル(26.8%)、「武装勢力、イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にあるのは2万3,369平方キロメートル(12.7%)、トルコ軍およびその支援をうける武装勢力の支配下にあるのは3,438平方キロメートル(1.9%)、米国の支援を受ける武装勢力の支配下にあるのは3,543平方キロメートル(1.9%)、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるのは5,403平方キロメートル(2.9%)、ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあるのは247平方キロメートル(0.13%)だという。

「武装勢力、イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にあるのは2万3,369平方キロメートル(12.7%)のうち、「イスラーム主義勢力、シャーム解放(戦線)」の支配下にはるのは1万5,388平方キロメートル(8.9%)。

SOHR, March 12, 2018

AFP, March 12, 2018、ANHA, March 12, 2018、AP, March 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2018、al-Hayat, March 13, 2018、Reuters, March 12, 2018、SANA, March 12, 2018、UPI, March 12, 2018などをもとに作成。

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