アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、シャームの民のヌスラ戦線とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室からなる反体制武装集団が、シリア軍によって閉鎖されたアレッポ市北部のカースティールー街道の開放をめざし、同街道一帯、アルド・マッラーフ地区南部農場一帯だけでなく、アレッポ市内で、シリア軍への攻撃を激化させた。
カースティールー街道は、反体制武装集団が支配するアレッポ市東部と市外を結ぶ最後の主要な兵站路で、ARA News(7月10日付)などが、10日にシリア軍が封鎖を完了したと伝えていた。
クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団が攻撃を激化させたのは、アレッポ市内のアカバ地区、ハール市場地区、マシャーリカ地区、スィルヤーン地区、メリディアン地区などで、シリア人権監視団によると、反体制武装集団はこのほかにも、シリア政府支配下のアレッポ市西部の街区に300発以上の迫撃砲弾を撃ち込み、12人が死亡した。
これに関して、SANA(7月11日付)は、アレッポ市住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、8人が死亡、80人以上が負傷したと伝えた。
また、ARA News(7月11日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がハール市場地区解放に向けた戦いを開始したと発表したという。
クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、反体制武装集団はまた、アレッポ市アカバ地区にあるバアス党アレッポ支部施設の地下に掘削したトンネルで爆弾を爆発させ、シリア軍兵士数十人を殺害したという。
反体制武装集団によるアレッポ市内への攻撃に対して、シリア軍はアレッポ市カッラーサ地区、ジュルーム地区、バーブ・カンサリーン地区、バーブ・ハディード地区などを砲撃、また戦闘機(所属不明)がアレッポ市旧市街を空爆し、住民3人が死亡した。
また、クッルナー・シュラカー(7月11日付)によると、シリア軍はアレッポ市バーブ・マカーム地区を空爆し、住民20人が死亡、15人が負傷したという。
さらにロシア軍戦闘機も、カースティール街道一帯を空爆したという。
なお、シリア人権監視団、AFP(7月11日付)によると、シリア軍によるカースティールー街道封鎖により、25万人の住人が残留するとされるアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域では食糧物資、燃料が不足し始めているという。
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一方、ARA News(7月11日付)によると、反体制武装集団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市を砲撃した。
AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
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