YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部からダーイシュ戦闘員とその家族を退去させる一方、イラク軍にイラク人、フランス人ら280人の身柄を引き渡す(2019年2月25日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(2月25日付)によると、「テロ撲滅の戦い」を続行する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の特殊チームが、ダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地であるバーグーズ村から、住民とダーイシュ戦闘員の家族(女性、子ども)の退去作業を行った。

今回退去した住民と戦闘員の家族は2,000人に達し、貨物トラックに分乗して、バーグーズ村を後にした。

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ロイター通信(2月25日付)は、イラク軍の大佐の話として、ダイル・ザウル県南東部のバーグーズ村にあるダーイシュ(イスラーム国)最後の支配地を包囲し、同地から住民やダーイシュ戦闘員の家族(女性、子ども)を退去させている人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が24日、イラク側に130人、21日に150人の身柄を引き渡したと伝えた。

身柄引き渡しはイラク軍とシリア民主軍の合意に基づくもので、最終的には約500人の身柄が引き渡される予定だという。

約500人の国籍に関して、イラク軍はイラク人のみだとしているが、同軍消息筋によると、既に身柄が引き渡された280人のなかには、フランス人14人、アラブ人(国籍不明)6人が含まれているという。

AFP, February 25, 2019、ANHA, February 25, 2019、AP, February 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 25, 2019、al-Hayat, February 26, 2019、Reuters, February 25, 2019、SANA, February 25, 2019、UPI, February 25, 2019などをもとに作成。

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