ヘイリー米国連大使はシリアからの米軍撤退の条件を三つあげる(2018年4月15日)

ニッキー・ヘイリー米国連大使は、CBS(4月15日付)のインタビューのなかで、米軍のシリアからの撤退の条件について言及した。

ヘイリー大使は、米軍のシリア駐留に関して三つの条件があるとしたうえで、「第1は、米国の国益を危険に曝さないよう、化学兵器を使用させないことを保証すること…。第2は、ダーイシュ(イスラーム国)を打ち負かすこと…。第3はイランの行動を追跡する監視地点の確立を保証すること」と具体的に述べた。

そして、「我々の目的は米軍を祖国に帰還させることだ。だが、これらが実現することを確証になければ、シリア領内から撤退はしない」と明言した。

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ヘイリー大使はまた、フォックス・ニュース(4月15日付)に対して、「シリア政府への支援を続けるロシアへの新たな制裁を準備しており、月曜日(16日)に発表されるだろう。これによって、シリアの化学兵器使用関連設備と関係があるロシアの企業は影響を受けることになる」と述べた。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、CBS, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、Fox News, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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フランスのル・ドリアン外務大臣「イドリブ市で人道的悲劇が発生する危険がある」(2018年4月15日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は、アル=カーイダ系のシャーム解放機構やシリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動)が主導する反体制派の支配下にあるイドリブ市の処遇に関して介入する意思を示した。

ル・ドリアン外務大臣は『ジュルナル・デュ・ディマンシュ』(4月15日付)に対して、以下のように述べた。

「イドリブ市の人口は現在、50万人近くいる。うち数十万人が政権によって奪還された革命諸派の支配下の都市から避難してきた…。新たな人道的悲劇が発生する危険がある…。民兵の武装解除を含む政治プロセスを通じてイドリブ市の処遇を決定しなければならない」と述べた。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、JDD, April 15, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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米英仏はシリアでの化学兵器使用を調査するための独立国際調査機関(UNIMI)設置、同国への人道支援、和平プロセス再開を求める安保理決議案を提出(2018年4月15日)

ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市での化学兵器(塩素ガス)使用疑惑事件を根拠に13日にシリア攻撃を敢行した米英仏の三カ国は、シリア国内での化学兵器の使用実態を調査するための「独立国際調査機関」(UNIMI)の設置を定めた決議案を国連安保理に提出した。

決議案は、人道支援の配給と国連監督下での和平協議の開始(再開)も求めている。

同様の決議案は、9日にも提出されたが、ロシアの拒否権発動で10日に廃案となっている。

AFP(4月15日付)などが伝えた。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とイランのロウハーニー大統領:米英仏のシリア攻撃を「国際法への違反行為」と非難(2018年4月15日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はイランのハサン・ロウハーニー大統領と電話会談を行い、14日の米英仏のシリア攻撃への対応について意見を交わした。

ロシア大統領府の声明によると、両首脳は会談で、攻撃を「国際法への違反行為」と位置づけ、「シリアの危機の政治的解決の行方に深刻な損害をもたらす」と非難した。

両首脳はまた、イエメン情勢などについても意見をかさし、二国間関係を強化することで一致した。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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アラブ連盟首脳会議が開幕:議長国のサウジアラビアは米英仏のシリア攻撃を無視(2018年4月15日)

サウジアラビアのダーランでアラブ連盟首脳会議が開幕した。

議長国であるサウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王は基調演説を行い、パレスチナ問題、イエメン情勢、リビア情勢、テロの脅威、イランによる干渉政策について言及したが、14日の米英仏のシリア攻撃には触れなかった。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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イラク外務大臣、アルジェリア外務省、エジプト大統領府は米英仏のシリア攻撃を非難(2018年4月15日)

イラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣は、14日の米英仏のシリア攻撃に関して、地域の安全保障と安定に悪影響を及ぼし、一度は敗北したはずのテロリストが再び活動する機会を与えかねない、と非難した。

外務省が発表した声明のなかで、ジャアファリー外務大臣は、ジョン・サリバン米国務副長官(長官代行)と電話会談し、シリア危機を政治的に解決する必要があるとしたうえで、シリア国民が自らの未来を決するべきと強調したという。

スーマリーヤ・ニュース(4月15日付)が伝えた。

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アルジェリア外務省のアブドゥルアズィーズ・ベン・アリー・シャリーフ報道官は、14日の米英仏のシリア攻撃に関して、遺憾の意を示すとともに、シリア危機の政治的解決に向けた計画を阻害するだけと批判した。

アルジェリア通信(APS、4月15日付)が伝えた。

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エジプト大統領府のバッサーム・ラーディー報道官は、米英仏のシリア攻撃に関して、「エジプトは危機を政治的に解決し、戦下での諸国民の苦難を終わらせるため常に支援し、合法的政府と愛国的軍隊を支援する、と表明した。

中東通信(MENA、4月15日付)が伝えた。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、APS, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、MENA, April 15, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、Alsumaria, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領は「統一ロシア」使節団と会談:「シリアとロシアの戦いはテロに対するだけでなく、国際法を守るためのもの」(2018年4月15日)

アサド大統領はシリアを訪問中のロシアの与党「統一ロシア」の使節団と首都ダマスカスで会談した。

会談では14日の米英仏によるシリア攻撃、シリア情勢の視点、シリア・ロシア二国間関係などについて意見を交わした。

SANA, April 15, 2018

アサド大統領は会談のなかで、シリアとロシアに敵対する国々が国連安保理で捏造や虚言を強めるなかで米英仏のシリア攻撃が行われたと指摘、シリアとロシアの戦いは、テロに対するだけでなく、主権と諸国民の意思を尊重することを原則とする国際法を守るために行われるものだということを再確認させたと述べた。

また二国間の経済関係については、復興分野での両国協力関係を活性化する仕組みを確定する必要がある、そのために両国議会の関係を強化するのが肝要だと述べた。

SANA(4月15日付)が伝えた。

AFP, April 15, 2018、ANHA, April 15, 2018、AP, April 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2018、al-Hayat, April 16, 2018、Reuters, April 15, 2018、SANA, April 15, 2018、UPI, April 15, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年4月15日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(4月15日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(イドリブ県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 15, 2018をもとに作成。

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米国防総省報道官「アサド政権が塩素ガスを使ったことを示す証拠に自信はあるが、検証中で公開はしない」(2018年4月14日)

米国防総省のダナ・ホワイト報道官は、米英仏がシリア攻撃の根拠とした7日のダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市での塩素ガス使用疑惑事件に関して、塩素ガスが使用されたこと、そしてそれがシリア軍によるものだとの証拠を握っているのかとの問いに対して、様々な情報を得ているとしつつも、いまだ検証中で、その内容については明らかにしないと述べた。

ホワイト報道官は「我々はまだ検証中だ。だが、国防長官は昨晩(米東部時間13日)、我々がすでに握っている証拠に自信を持っていると述べた。だから、彼は昨晩の爆撃を推奨したのだ。しかし、我々はいまだ検証中で、詳細な情報を入手中だ。さらに詳細を入手したら、示すことができるし、そうするつもりだ…。いろいろな情報があるが、それについて今は話したくない」と述べた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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米英仏はトルコとイスラエルに対しシリア攻撃を事前通告(2018年4月14日)

トルコの与党公正発展党(AKP)のマヒル・ウナル報道官は、米英仏によるシリア攻撃に関して、CNN Turk(4月14日付)に対して、トルコ政府は攻撃実施前に通告を受けていたと述べた。

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イスラエル国営放送(4月14日付)もまた、政府が事前通告を受けていたと伝えた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、CNN Turk, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、IBA, April 14, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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パレスチナのハマースは米英仏のシリア攻撃を非難(2018年4月14日)

パレスチナのハマースは声明を出し、米英仏によるシリア攻撃を厳しく非難するとともに、イスラエルによるパレスチナ人市民への犯罪を支援する米国の姿勢を批判した。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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トルコのユルドゥルム首相「シリアで持続的和平を実現するには今回の米英仏の攻撃以上のことが必要」(2018年4月14日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相はイスタンブール近郊での与党公正発展党(AKP)での会合で、米英仏によるシリア攻撃に関して、「前向きな措置だがシリアで持続的和平を実現するには、より多くのことが必要だ」と述べた。

アナトリア通信(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 14, 2018、Anadolu Ajansı, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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国連のグテーレス事務総長は米英仏のシリア攻撃を受けてすべての国連加盟国に自制を呼びかける(2018年4月14日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、米英仏によるシリア攻撃を受けて声明を出し、すべての加盟国に対して、「事態を悪化させ、シリア国民をさらに苦しめるような行動を回避するため…自制」を呼びかけた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領:米英仏によるシリア攻撃を「国連憲章と国際法の規範への違反」と非難(2018年4月14日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、米英仏によるシリア攻撃を「国連憲章と国際法の規範への違反」と非難した。

プーチン大統領は、「シリアへの攻撃を断固として非難する。国連安保理の決議はなく、国連憲章や国際法の規範にも違反している。主権国家に対する侵略行為だ…。米国の行動はシリアの人道危機を一段と悪化させ、市民に苦しみをもたらし、本質的にはテロリストに寛大な態度を示している。新たな難民の発生を引き起こすだろう…。シリア情勢をめぐる今の緊張の高まりは国際関係のシステム全体に破壊的な影響を与えている」などと述べた。

また、攻撃の根拠となった7日のダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市での塩素ガス使用疑惑事件については、「架空」だとしたうえで、被害そのものがなかったと主張した。

一方、ロシア大統領府、プーチン大統領が、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談を行い、米英仏のシリア攻撃への対応などについて協議、良子億の強力強化の必要を改めて確認したと発表した。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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イラン最高指導者アリー・ハーメネイー師「米英仏首脳は罪人…米大統領はウソをついている」(2018年4月14日)

イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師は、預言者昇天祭に合わせて行われたイランの政府軍首脳や各国大使らとの会談で、米英仏のシリア攻撃を「犯罪」と断じ、ドナルド・トランプ大統領、エマニュエル・マクロン大統領、テリーザ・メイ首相を「罪人」と非難し、「彼らは攻撃しても何も得られないだろう…。米大統領は化学兵器使用に対してシリアを攻撃したと言っているが、彼はウソをついている」と述べた。

アラビーヤ(4月14日付)などが伝えた。

SANA, April 14, 2018

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、Alarabia, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのロウハーニー大統領と電話会談:英米仏の攻撃はテロ支援に失敗し影響力を失ったことを自認した結果(2018年4月14日)

アサド大統領は、イランのハサン・ロウハーニー大統領と電話会談を行い、米英仏軍のシリア攻撃への対応を協議した。

SANA(4月14日付)によると、ロウハーニー大統領は攻撃を非難するとともに、シリアおよびシリア国民への支援を続けることを確認、この攻撃によってもテロと戦うシリア国民の意思が挫かれないと信じていると表明した。

これに対して、アサド大統領は、攻撃がテロを支援する欧米帝国主義列強が、テロ支援に失敗し、影響力を喪失したことを自認した結果として行われたとの見方を示すとともに、テロリストとの戦いを続けるシリア国民の決意を強めるだけだと述べた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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国連安保理で米英仏のシリア攻撃を非難するロシア提案の決議案が英米仏などの反対で廃案に:シリア国連大使は同盟国とともに報復を約束(2018年4月14日)

米英仏によるシリアへの攻撃を受け、国連安保理緊急会合がロシアの要請によって開催された。

ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、米英仏のシリア攻撃が、国連安保理決議を経ておらず、国連憲章と国際法を度外視した行為としたうえで、テロ組織を支援し、シリア国内の人道状況をさらに悪化させると非難した。

中国の馬朝旭国連大使は、米英仏の攻撃の根拠となっている塩素ガス使用疑惑事件の真相を究明するために独立調査を実施する必要があると発言、調査結果に先んじて行動に踏み切った三カ国の一方的姿勢が国連憲章への違反だと疑義を呈した。

バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、米英仏によるシリアへの攻撃を受けてロシアの要請で開催された国連安保理緊急会合で、爆撃がダマスカス郊外県東グータ地方での三カ国が支援するテロ組織が敗北したことへの「復讐」と位置づけたうえで、「テロリストが将来にわたって化学兵器を使用できるというメッセージになった」と指摘、「シリア、その同盟者および友好国はシリアに対して行われた野蛮な攻撃に対する報復を行うと約束する」と強調した。

これに対し、ニッキー・ヘイリー米国連大使は「シリア政府が有毒ガスを再び使用したら、米国は報復する用意がある」と述べた。

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会合ではロシア、中国、ボリビアが、米英仏の攻撃を非難する決議案の採択を求めたが、米国、英国、フランス、スウェーデン、オランダ、ポーランド、コートジボワール、クウェートの8カ国が反対、ペルー、カザフスタン、エチオピア、赤道ギニアの4カ国が棄権し廃案となった。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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安倍首相「米英仏の決意を支持する」(2018年4月14日)

日本政府は14日夕、米英仏によるシリア攻撃を受けて国家安全保障会議(NSC)4大臣会合を首相官邸で開き、情報分析を行うとともに、今後の対応を協議した。

安倍晋三首相は会合後、記者団に対して「米英仏の決意を支持する」と表明した。

またアサド政権による化学兵器使用疑惑については「化学兵器の使用はきわめて非人道的で、断じて容認できない。三カ国の行動は、事態のこれ以上の悪化をふっせぐための措置と理解している」と述べた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領「アサド政権はフランスが設定したレッドラインを越えた」(2018年4月14日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は声明を出し、「シリアの政権が化学兵器で男女や子供を殺害した事実と責任に疑いの余地はない…。フランスが設定したレッドラインを越えた」と非難した。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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メイ英首相「攻撃は内戦への介入や政権交代は目指していない」(2018年4月14日)

英国のテレーザ・メイ首相は記者会見で、米英仏のシリア攻撃に関して「化学兵器を使用しても罰を受けないと信じている者たちへの明確なシグナルだ…。化学兵器の使用を傍観も許容もしない」と述べた。

メイ首相は、「シリア攻撃はシリア政府の化学兵器を扱う能力を低下させ、使用をやめさせるためのものだった。攻撃は成功したと確信している…。同盟国と分析した結果などにより、(7日に)化学兵器による攻撃が行われ、シリア政府に責任があることが分かった。7日の攻撃では「樽爆弾」が使われ、ドゥーマー市上空では政府軍のヘリコプターが目撃されたとの情報がある。反体制派はヘリコプターを使用して折らず、「樽爆弾」も使わない」などと述べた。

だが、「内戦への介入や政権交代は目指していない」と付言、攻撃が限定的であることを強調した。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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ダンフォード米軍統合参謀本部議長「ロシア軍の巻き添えが出ないよう攻撃したが、ロシアへの連絡は衝突回避のための通常の連絡だけ」(2018年4月14日)

米軍のジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、米東部時間13日の記者会見で「ロシア軍の巻き添えが出ないよう攻撃目標を精査した」と述べた。

ダンフォード議長はまた、「ロシア側に事前通知はしていない。シリアでの通常作戦で利用する空域の衝突回避についての連絡だけは行った。衝突回避の連絡は日常的だから、異変には気づかなかったかもしれない」と付言した。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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マティス米国務長官「攻撃は現時点で1回限り…。アサド政権が化学兵器を使用した確信はある」(2018年4月14日)

ジェームズ・マティス米国務長官は米英仏によるシリア攻撃に関して、米東部時間13日に記者会見を開き、「現時点では1回限りだ」としたうえで、再攻撃の可能性については「アサド大統領次第」だと述べた。

マティス米国務長官は「化学兵器の使用や拡散の抑止は、米国の安全保障上の死活的利益だ…。アサド政権が昨年、メッセージを理解しなかったことは明白だ。今回はより激しく攻撃した…。二度と化学兵器を使わせないよう明確なメッセージを送った…。(追加の攻撃があるかどうかは)アサド大統領が化学兵器を使用するかどうかにかかっている。現時点では1回限りだ。化学兵器使用の確信はある。昨日確信した」などと述べた。

マティス米国務長官はまた記者団の質問に対して、「私はシリア政府が先週、無垢の人々に対して化学兵器攻撃を行ったと確信している。そう、そう強く確信している。我々は、攻撃を行う必要があると考えるに至るだけの信頼に足りる情報を持っている…。我々は塩素が使用されたと強く確信している。今のところサリンについても排除しない」と述べた。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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トランプ米大統領「シリア攻撃は化学兵器の製造、拡散、使用に対する強い抑止力を確立するため」(2018年4月14日)

ドナルド・トランプ米大統領は米東部時間(13日)、ホワイト・ハウスで国民向けに演説を行い、シリア攻撃についての説明を行った。

演説のなかで、トランプ大統領は以下の通り述べた。

「邪悪で卑劣な攻撃は、母親、父親、幼児、子供たちを苦しみでのたうち回らせた。人間のやることではなく、モンスターの犯罪だ」。

「今夜の攻撃の目的は、化学兵器の製造、拡散、使用に対する強い抑止力を確立することだ」。

「我々はアサド政権が禁じられた化学物質の使用をやめるまで、共同での対処を維持する用意がある」。

「アサド政権を物質や資金面で支援市、重大な責任を負っている二つの政府にメッセージがある。それはロシアとロシアだ。どのような国が、無実の国民の大量虐殺者の仲間だと思われたいだろうか。世界の国々は、その国がどのような友人を持つかで判断される。ならず者国家や残虐な暴君、残虐な独裁者を支える国は、長い目で見れば繁栄できない」。

「プーチン大統領は2013年、シリアから化学兵器を除去することを世界に約束した。アサドの化学兵器使用と今日の対応は、ロシアが約束を守れなかったことの結果だ」。

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トランプ大統領はその後、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/realDonaldTrump/)で攻撃に関して「昨夜の攻撃は完璧に実行された。仏英の英知と見事な軍事力に感謝する。任務達成!」と書き込んだ。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米英仏軍は塩素ガス使用疑惑事件に対する制裁措置としてシリア国内3カ所を巡航ミサイルなど105発で攻撃するも、二次被害が生じかねない化学兵器そのものへの攻撃は回避(2018年4月14日)

米英仏は、7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生したとされる塩素ガス使用疑惑事件に対する制裁措置として、シリア時間の14日未明にシリア国内の3カ所へのミサイル・爆撃を敢行した。

al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018
al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018
al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018



米国防総省によると、攻撃はシリア事件の14日午前4時頃に始まり、ダマスカス県バルザ区にある「化学兵器研究施設」、ヒムス市周辺の化学兵器貯蔵施設、同じくヒムス市周辺の機器貯蔵施設と司令所が標的となった。

攻撃には、紅海に展開する米軍ミサイル駆逐艦、巡洋艦、潜水艦、B-1戦略爆撃機、英空軍のトルネード戦闘機、フランス空軍のミラージュ戦闘機などが参加、トマホーク巡航ミサイルなど105発が発射され、「すべて命中した自信がある」という。

国別では、米軍が85発(トマホーク巡航ミサイル66発、JASSM空対地ミサイル19発)、イギリス軍が8発、フランス軍が12発だったという。

最大の標的となったのは、バルザ区の「化学兵器研究施設」で、トマホーク巡航ミサイル57発とJASSM空対地ミサイル19発が打ち込まれたという。

一方、ヒムス市近郊の「化学兵器貯蔵施設」には米英仏軍が22発、同市近郊の危機貯蔵施設と司令所には7発が打ち込まれた。

発射地点別では、紅海から37発(ミサイル巡洋艦モテレー30発、ミサイル駆逐艦ラブーン7発)、アラビア湾から23発(ミサイル巡洋艦ヒギンズ)、地中海から6発(原子力潜水艦ジョン・ウォーナー)で、このほかB-1戦略爆撃機2機が参加した。

この攻撃で、「数年分の研究開発データや特殊機器、化学兵器の原料となる物質」を破壊したという。

二次被害が生じかねない化学兵器そのものへの攻撃は控えられたという。

AFP, April 14, 2018、ANHA, April 14, 2018、AP, April 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2018、al-Hayat, April 15, 2018、Reuters, April 14, 2018、SANA, April 14, 2018、UPI, April 14, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍は米英仏のシリア攻撃の詳細を発表:シリア軍防空システムはミサイル103発中71発を撃破、ロシア軍防空システムの担当領域への攻撃はなく、ロシア軍は反撃せず(2018年4月14日)

ロシア軍参謀本部機動総局のセルゲイ・ルドスコイ局長はモスクワの国防省で記者会見を行い、14日に米国がフランス、イギリスとともに行ったシリア領内への攻撃に関して、フマイミーム航空基地とタルトゥース基地(ロシア海軍支援拠点)に設置されたロシア軍の防空システムが米英両軍の艦船および航空機の動きを補則していたと発表した。

フランス軍航空機に関しては、防空システムで補則するための設定は行われていなかったため詳細は不明だという。

Ministry of Defense of Russia, April 14, 2018
Ministry of Defense of Russia, April 13, 2018

 

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ルドスコイ局長によると、作戦では、米空軍のB-1B戦略爆撃機、F-15戦闘機、F-16戦闘機、英空軍のトルネード戦闘機が地中海上を飛行、紅海に展開する米海軍のミサイル駆逐艦ラブーン、ミサイル巡洋艦モンテレーが作戦に参加した。

このうちB-1B戦略爆撃機は、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域の上空を通じてシリア領内に入った。

爆撃により、シリア軍の飛行場、産業施設、研究施設複数カ所が被害を受けた。

爆撃に関する第一報では、シリアの民間人とシリア軍兵士に死者は出なかった。

利用可能なデータから、トマホーク巡航ミサイル、GBU-38誘導爆弾を含む巡航ミサイル103発が米軍の艦船や航空機から発射されたことが確認された。

また英軍航空機はScalp-EG巡航ミサイル8発を発射した。

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米英仏の攻撃に対して、シリア軍の防空システムは、爆撃やミサイル攻撃の迎撃に成功し、ミサイル71発を破壊した。

迎撃には、旧ソ連製のS-125、S-200、Buk、Kyadrat、Osaといった防空システムが投入された。

発射されたミサイル・爆弾の具体的な標的は以下の通り:

ダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県):ミサイル4発(すべて撃破)
ドゥマイル航空基地(ダマスカス郊外県):ミサイル12発(すべて撃破)
ブライ(マルジュ・ルハイイル)航空基地(ダマスカス郊外県):ミサイル18発(すべて撃破)
シャイーラート航空基地(ヒムス県):ミサイル12発(すべて撃破)
マッザ航空基地(ダマスカス県):ミサイル9発(うち5発を撃破)
ヒムス航空基地(ヒムス県):ミサイル16発(うち13発を撃破。大きな被害なし)
バルザ区(ダマスカス県)およびジャルマーナー市(ダマスカス郊外県)の施設:ミサイル30発(うち7発を撃破。いわゆる「ダマスカス軍事化学兵器プログラム」関連施設に一部被害が発生)

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一方、米英仏の攻撃を受け、ロシア軍の防空システムが警戒態勢に入り、航空機複数機が今も戦闘空中哨戒を継続しているという。

なお、米英仏の攻撃は、ロシア軍の防空システムに割り当てられた防空地域に対しては実施されず、ロシア軍は反撃しなかった。

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欧米諸国の強い要請を受けて、ロシアはシリアへのS-300防空システムを見送ったが、今回の事態を踏まえて、シリアを含む複数の国へのシステム供与を再検討する可能性があるとの認識に至ったという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 14, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年4月14日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(4月14日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ダルアー県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 14, 2018をもとに作成。

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プーチン露大統領とマクロン仏大統領が電話会談で、ドゥーマー市での塩素額使用疑惑事件をめぐり意見を交わす(2018年4月13日)

ロシア大統領府は声明で、ヴラジミール・プーチン大統領はフランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話会談したと発表した。

会談ではプーチン大統領が、7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した塩素ガス使用疑惑事件への報復として米国がシリアへの攻撃を計画していることに関して「国連憲章への明白な違反にあたる浅はかで危険な行為」を止めるべきだと述べるとともに、「シリアに予期し得ない影響をもたらす」と警鐘を鳴らし、「いかなる者であっても嫌疑を向けることのない…結論にいたるための調査の実施」への支持を呼びかけた。

これに対してフランス大統領府は、会談でマクロン大統領が、シリア国内での化学兵器の使用実態を調査するための「独立国際調査機関」(UNIMI)の設置を定めた米国提案の国連安保理決議案にロシア拒否権を発動したことに遺憾の意を示すとともに、緊急人道支援と、紛争解決に向けた当事者間の対話を主唱した。

『ハヤート』(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2018、ANHA, April 13, 2018、AP, April 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2018、al-Hayat, April 14, 2018、Reuters, April 13, 2018、SANA, April 13, 2018、UPI, April 13, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領は米国のシリア爆撃回避に向けてトランプ米大統領とプーチン露大統領の仲裁を試みる(2018年4月13日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した塩素ガス使用疑惑事件への報復として米国がシリアへの攻撃を計画していることに関して、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領に対して「地域の緊張を増長させることは正しくない」と伝えたことを明らかにした。

『ハヤート』(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2018、ANHA, April 13, 2018、AP, April 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2018、al-Hayat, April 14, 2018、Reuters, April 13, 2018、SANA, April 13, 2018、UPI, April 13, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍は2月にイスラエル領空を侵犯したイランの無人航空機を撃墜していたと発表(2018年4月13日)

イスラエル軍は、2月にイスラエル領空を侵犯したイランの無人航空機を撃墜していたと発表した。

この航空機は、爆発物を搭載し、イスラエルに対して攻撃を行おうとしており、イスラエル軍のアパッチ攻撃ヘリコプターがこれを撃墜したという。

ロイター通信(4月13日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2018、ANHA, April 13, 2018、AP, April 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2018、al-Hayat, April 14, 2018、Reuters, April 13, 2018、SANA, April 13, 2018、UPI, April 13, 2018などをもとに作成。

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英『タイムズ』:原子力空母ハリー・S・トルーマンなど艦船10隻が地中海とアラビア湾への展開を開始(2018年4月13日)

英『タイムズ』(4月13日付)は、シリア攻撃に備えて、米軍が駆逐艦ドナルド・クック、原子力空母ハリー・S・トルーマンなど艦船10隻の地中海およびアラビア湾への展開を開始したと伝えた。

al-Durar al-Shamiya, April 13, 2018

AFP, April 13, 2018、ANHA, April 13, 2018、AP, April 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, April 13, 2018、al-Hayat, April 14, 2018、Reuters, April 13, 2018、SANA, April 13, 2018、The Times, April 13, 2018、UPI, April 13, 2018などをもとに作成。

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