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バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使はシャルア移行期政権をハマースなどの「テロ組織」に対処し、その解体を図るためのパートナーとなる(2025年11月13日)

バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使は、Xを通じて、アフマド・シャルア暫定大統領のホワイトハウス訪問の成果にかかる声明を発表し、以下の通り強調した。

ダマスカスは今後、ダーイシュ(イスラーム国)、イラン・イスラーム革命防衛隊、ハマース、ヒズブッラー、そしてその他のテロ組織の残存勢力に対処し、その解体を図るため、積極的に米国を支援し、世界的な平和確保の努力における確固たるパートナーとして立つことになる。

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国務省(公式サイト)によると、マルコ・ルビオ米国務長官は記者会見でシリアに関して、以下の通り述べた。

我々は彼らに成功の機会を最大限与えたいと考えている。彼らが我々に語っているのは、シリア社会のすべての構成要素が代表され、安全を感じられる、シリア国民政府を作りたいつくりたいということだ。彼らは、シリアが二度とイラン、ダーイシュ(イスラーム国)、その他の組織の作戦基地になることを望んでいない。シリアを隣国への攻撃の発射台ではなく、一つの国として存立させたいと言っている。だから、我々は彼らが成功できるあらゆる機会を与えたいのだ。
逆に、もしうまくいかなければ、もしこれが実現せず崩壊すれば、シリアは内戦に陥り、中東のあらゆる危険な勢力の主戦場となるだろう。そこにはイランの復帰も含まれ、ヒズブッラーを強化することにもなるだろう。我々はそれを望んでいない。
彼らが成功することを願っている。ただし、成功が保証されているわけではない。彼らが取り組もうとしている課題は非常に困難だ。
現在の政府が権力を握り、アサドを追放するのを助けた要素には、外国人戦闘員も含まれている。彼らの中には、急進的な思想を持つ者もおり、必ずしもダマスカスの政府の完全な統制下にはない。
北部にはクルド人問題がある。南部にはベドウィンやドゥルーズ派の問題がある。イスラエルには自国の安全保障に対する懸念がある。こうしたすべての要素を均衡させなければならない。
つまり、これは非常に困難な仕事なのだ。しかし、私は皆に問いたい。この取り組みが失敗した場合、代わりに何が起こるのか。もしこの政府プロジェクトが失敗したとしたら…、その場合、シリアは完全な内戦に陥り、支配の及ばない空白地帯となり、ダーイシュ、ヒズブッラー、イラン、アルカーイダ、そして地域のあらゆる危険な勢力の主戦場となるだろう。我々は新たな戦争に直面することになる。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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