トルコの国営アナトリア通信(12月3日付)は、2日にロシア国防省が開いた記者会見で、トルコ政府とダーイシュ(イスラーム国)との石油密輸取引の証拠として示された画像に関して、イラク・クルディスタン地域高官らが、クルド自治区で産出された石油を移送するタンクローリーだと述べ、ロシア側の発表を否定した。
イラク・クルディスタン地域議会エネルギー委員会のシャリクー・ジャウダト委員長は、ロシア国防省が公開したタンクローリーの画像に関して、イラク・クルディスタン地域で産出された石油をトルコ南東部のジェイハン市(アダナシ市近郊)に向けて搬送するタンクローリーだと主張した。
ジャウダト委員長はまた「(イラク・クルディスタン地域政府の)天然資源省は、数百両のタンクローリーが自治区からトルコに石油を搬送していると発表してきた。石油はトルコに輸出されており、それは秘密ではない」と付言した。
またイラク・クルディスタン地域政府のサフィーン・ドズィイー報道官は、「ロシアの説明は誤った情報に基づいている。我々はロシアの主張を強く否定する」と述べた。
ドズィイー報道官によると、イラク・クルディスタン地域内のドホークやバフディナン地方で産出された石油はそのほとんどがパイプラインを通じてトルコ領内トルコに輸出されるが、タンクローリーでも輸送されているという。
ドズィイー報道官はまた、「ペシュメルガはダーイシュに対する戦いを主導する勢力だ。イラク・クルディスタン地域がダーイシュに、直接、間接に石油を売ることなどできようか? イラク・クルディスタン地域がダーイシュとの貿易を仲介などできようか? こうした主張は理性や論理をともなった説明とは言えない」と強調したうえで、「我々はロシアが本件にかかわる情報を修正することを望んでいる」と述べた。
Anadolu Ajansı, December 3, 2015、Daily Sabah, December 3, 2015をもとに作成。
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