シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから64日目となる7月4日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人5人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,130人となった。
うち、551人が民間人(女性106人、子供138人を含む)、722人がシリア軍兵士、857人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は85回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」45発以上を投下、ロシア軍も12回以上の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は370発におよんだ。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラカーヤー・サジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、ハーン・シャイフーン市、タッルアース村、カフル・アイン村、マアッラト・スィーン村、カフルナブル市およびその一帯、ヒーシュ村、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、フバイト村、マアッラト・マーティル町に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでラカーヤー・サジュナ村、マアッラト・ハルマ村、カフルナブル村、ハーッス村一帯に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊がタウィール・ハリーブ村一帯、カフルナブル村、ウンム・スィール村、ダイル・サンバル村、フバイト村を砲撃した。
ロシア軍もカフルナブル村、アナブ村、バーラ村一帯、カンスフラ村を爆撃した。
一連の攻撃により、ハーン・シャイフーン市で男性2人、バーラ村近郊で子供1人、ハーッス村で子供1人、カフルナブル市で男性1人が死亡した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でバウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がアレッポ市ラーシディーン地区、マンスーラ、ハーン・アサルおよびその一帯、を砲撃した。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月4日付)によると、シャーム青年連帯を名のる武装集団が声明を出し、アレッポ市ムーカンブー地区にあるシリア軍検問所で、オートバイに仕掛けた爆弾を爆発させ、兵士を殺傷したと発表した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市に対して機銃掃射を行うとともに、地上部隊がフワイジャ村、ハウワーシュ村、ザイズーン村、ラターミナ町を砲撃した。
一方、SANA(7月4日付)によると、シリア軍がザカート村、ラターミナ町にあるシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点を集中的に砲撃した。
シリア軍はまたジャビーン村一帯で反体制武装集団を攻撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。
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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月4日付)によると、正体不明の武装集団がムザイリーブ町とジッリーン村を結ぶ街道で総合情報部の隊員2人に発砲し、殺害した。
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ダマスカス県では、SANA(7月4日付)によると、ジャウバル区で反体制武装集団が残していった地雷が爆発し、子供3人が死亡した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県1件、ラタキア県5件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(ハマー県9件、イドリブ県1件)確認した。
AFP, July 4, 2019、ANHA, July 4, 2019、AP, July 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 4, 2019、al-Hayat, July 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 4, 2019、Reuters, July 4, 2019、SANA, July 4, 2019、SOHR, July 4, 2019、UPI, July 4, 2019などをもとに作成。
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