トランプ米大統領はダーイシュのバグダーディー指導者を殺害したと正式に発表(2019年10月27日)

ドナルド・トランプ米大統領は、ワシントンDCで記者会見を開き、シリア北西部に対する26日の米軍による攻撃で、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者を殺害したと正式に発表した。

トランプ大統領は以下のように述べた。

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「昨晩、米国は世界ナンバー・ワンのテロリストを裁きにかけた。アブー・バクル・バグダーディーは死んだ…。米国はバグダーディーを何年も探してきた。バグダーディーの捕捉、殺害は私の政権にとって安全保障上の優先事項だった。米特殊部隊はシリア北西部で、危険且つ大胆な夜襲を行い、この任務を達成した」。

「作戦で米軍に死者はなかった。バグダーディーの戦闘員や仲間が彼とともに殺害された…。11人の子どもが(標的となった)家から無傷のまま救出された。地下壕に残っていたのはバグダーディーだけで、彼は3人の子どもを道連れにして死んだ…。彼は(自爆用の)ベストを発火させて、自殺した。彼の体は爆発で粉々になったが、テストの結果、陽性反応が出て、身元は特定された」。

「彼は犬のように死んだ。臆病者のように死んだ。世界は今、非常に安全な場所になった」。

「我々は約2時間にわたり作戦を見守り、その後、米軍は攻撃によって、ダーイシュにかかわるきわめて繊細な物証や情報を得た。その起源、将来の計画、そして我々が欲していたものを」。

「私は、ロシア、トルコ、シリア、イラクといった国々に感謝したい。また、シリアのクルド人には、我々に対して行ってくれた支援に感謝したい。さらに、諜報機関のスタッフにも感謝する」。

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トランプ大統領は、作戦の様子を、ホワイト・ハウスで、マイク・ペンス副大統領、ロバート・オブライエン国家安全保障問題担当大統領補佐官、マーク・エスパー国防長官、マーク・A・ミリー陸軍参謀総長、特殊作戦副司令官のマーカス・エヴァンス准将とともに見守った。

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なお、CNN(10月27日付)などによると、トランプ大統領「(シリア北東部からの)撤退とこれは無関係だ」と述べた。

AFP, October 27, 2019、ANHA, October 27, 2019、AP, October 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 27, 2019、Reuters, October 27, 2019、SANA, October 27, 2019、SOHR, October 27, 2019、UPI, October 27, 2019、The White House, October 27, 2019などをもとに作成。

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