ハマースのハニーヤ政治局長「強いシリアが復活し、健全さを取り戻して欲しい」(2019年7月20日)

パレスチナのハマースを指導するイスマーイール・ハニーヤ政治局長は、シリアへの「アラブの春」波及直後にハマースがシリアから退去したことに関して、「シリアからの退去決定は、制度を重視したもので、充分に検討されていた」と振り返った。

トルコ人記者とのビデオ会見のなかで、ハニーヤ政治局長は「ハマースは危機発生当初、シリアの各勢力とともに行動し、シリアとその安全維持に努めた…。ハマースはこれまで、いかなる段階においても、シリアの内政に干渉したことはない。強いシリアが復活し、健全さを取り戻して欲しい」と述べた。

アナトリア通信(7月20日付)が伝えた。

AFP, July 20, 2019、Anadolu Ajansı, July 20, 2019、ANHA, July 20, 2019、AP, July 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2019、Reuters, July 20, 2019、SANA, July 20, 2019、SOHR, July 20, 2019、UPI, July 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「ルクバーン・キャンプの住民に食糧を提供したら、米国がこのキャンプを永遠に残そうとしているように思われてしまう」(2019年7月20日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は、米主導の有志連合が占領下に置くヒムス県南東のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するシリア・ヨルダン国境の緩衝地帯に設置されているルクバーン・キャンプに、米国が食糧支援を行っていない理由に関して、「もし米国がこのキャンプの住民に食糧を提供したら、米国がこのキャンプを永遠に残そうとしているように思われてしまうからだ」と述べた。

スプートニク・ニュース(7月20日付)が伝えた。

AFP, July 20, 2019、ANHA, July 20, 2019、AP, July 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2019、Reuters, July 20, 2019、SANA, July 20, 2019、SOHR, July 20, 2019、Sputnik News, July 20, 2019、UPI, July 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはハサカ県、ダイル・ザウル軍でYPG主体のシリア民主軍、シリア軍を次々と襲撃(2019年7月19日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマルカダ町入口で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌を爆弾で爆破し、戦闘員3人を殺傷したと発表した。

ダーイシュはまた、 マルカダ町とスワル町を結ぶ街道沿いのハスィーン村で原油を積んだトレーラーを爆破し、シリア民主軍の戦闘員6人を殺傷した。

**

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)によると、ムワイリフ村でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、シリア民主軍の車輌に乗っていたシリア民主軍戦闘員複数が負傷した。

一方、バーディヤ24(7月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が18日マヤーディーン市近郊の砂漠地帯でシリア軍を要撃し、兵士10人が死傷した。

AFP, July 20, 2019、ANHA, July 20, 2019、AP, July 20, 2019、al-Badiya 24, July 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2019、Reuters, July 20, 2019、SANA, July 20, 2019、SOHR, July 20, 2019、UPI, July 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊の村々を砲撃(2019年7月19日)

アレッポ県では、ANHA(7月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村、マルアナーズ村を砲撃し、民家複数棟が被害を受けた。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県、アレッポ県、ラタキア県の反体制派支配地域を爆撃(2019年7月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから80日目となる7月20日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より10人(民間人3人、シリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,549人となった。

うち、673人が民間人(女性133人、子供173人を含む)、913人がシリア軍兵士、963人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」60発を投下、ロシア軍も35回の爆撃を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でヒーシュ村、ラカーヤー村、ウライニバ村、ハーン・シャイフーン市、タッル・タルイー村、マアッルズィーター村、タマーニア町、アリーハー市一帯、カンスフラ村、イブリーン村、バルユーン村、バサーミス村、フライカ村、カルサア村、フィキーア村、トゥラムラー村、ナキール村、ハッサーナ村、マアッラト・スィーン村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、ハーン・シャイフーン市、トゥラムラー村、ラカーヤー村一帯、ストゥーフ・ダイル村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、マアッラト・ハルマ村、ビダーマー町、ハムブーシーヤ村一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)によると、シリア軍による「樽爆弾」での攻撃はハーッス村近郊にあるラフマ村の避難民キャンプにも及び、1人が死亡したという。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタッル・ミルフ村、ジャビーン村、アルバイーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでムーリク市、サルマーニーヤ村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカフルズィーター市、カルクール村、サルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を爆撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジュッブ・カース村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もフドル丘一帯、カッバーナ村一帯を爆撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ラタキア県2件、アレッポ県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を2件(ハマー県)確認した。

AFP, July 20, 2019、ANHA, July 20, 2019、AP, July 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2019、Reuters, July 20, 2019、SANA, July 20, 2019、SOHR, July 20, 2019、UPI, July 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから347人、ヨルダンから1,137人の難民が帰国、避難民7人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月20日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月20日付)を公開し、7月19日に難民1,484人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは347人(うち女性105人、子供180人)、ヨルダンから帰国したのは1,137人(うち女性201人、子供342人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は316,224人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者103,339人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者212,885人(うち女性44,695人、子ども75,919人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 545,505人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

**

一方、国内避難民7人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは7人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は34,271人(うち女性10,359人、子供15,333人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,867人(うち女性392,954人、子供659,099人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した7人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 20, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アスタナ13会議は8月1、2日に開催、レバノンとイラクの代表が初参加(2019年7月19日)

カザフスタン外務省は声明を出し、シリア政府と反体制武装集団の停戦プロセスであるアスタナ会議(アスタナ13会議)を8月1、2日に開催すると発表した。

アスタナ13会議には、シリア政府代表、反体制武装集団の代表、保障国であるロシア、イラン、トルコの代表に加えて、レバノンとイラクの代表が初めて参加する予定だという。

RT(7月19日付)が伝えた。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、RT, July 10, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍がシリア国旗掲揚を拒否したことで、イラクのスィンジャールとシリアのフールを結ぶ国境通行所の開通が延期に(2019年7月19日)

アナトリア通信(7月19日付)は、イラクの地元筋の話として、イラクのニーナワー県スィンジャール市とシリア領(ハサカ県フール町郊外)を結ぶ国境通行所に掲げる旗をめぐって、イラク政府当局と北・東シリア自治局の防衛を担う人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の意見が折り合わず、開通が延期されたと伝えた。

イラク側は国境通行所にシリア国旗を掲揚するよう求めているが、シリア民主軍はこれを拒否しているという。

国境通行所は、ハサカ県のフール・キャンプなどに収容されているイラク人ヤズィード教徒の帰還を促すことなどを目的としていた。

AFP, July 19, 2019、Anadolu Ajansı, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年7月19日)

アレッポ県では、ANHA(7月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃した。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアが反体制派支配下のイドリブ県のハーン・シャイフーン市、ジスル・シュグール市などを爆撃(2019年7月19日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから79日目となる7月19日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より8人(民間人2人、シリア軍兵士2人、反体制武装集団戦闘員4人)増えて2,539人となった。

うち、670人が民間人(女性132人、子供173人を含む)、906人がシリア軍兵士、963人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は75回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」39発を投下、ロシア軍も29回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は630発におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、タッル・ナール村、トゥラムラー村、バスィーダー村、マダーヤー村、ラカーヤー・サジュナ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市、ハーッス村とその一帯、に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がカフルナブル市、ハーッス村一帯、フバイト村、ナージヤ村一帯を砲撃した。

ロシア軍もカフルサジュナ村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村、マアッラト・ハルマ村を爆撃した。

一方、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、ジスル・シュグール市にあるシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(7月19日付)によると、イドリブ市で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が自治を委託しているシリア救国内閣の治安担当者の一人ムハンマド・ナージー警察署長(アブー・ムジャーヒド)が乗った車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、ナージー氏と子供1人が負傷した。

シリア救国内閣の高官が狙われたのは、ムハンマド・カバーキブジー検事長(2019年3月に死亡)に次いで2度目。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村、ハスラーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ハスラーヤー村、アルバイーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、サルマーニーヤ村などを砲撃した。

ロシア軍もドゥワイル・アクラード村一帯を爆撃した。

一方、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ザカート村を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯、フドル丘一帯を砲撃した。

一方、SANA(7月19日付)によると、シリア軍が県北東部の拠点に対する反体制武装集団の攻撃への対抗阻止として、外国人戦闘員らの教練キャンプを砲撃、これを破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がジャズラーヤー村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県1件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を5件(ハマー県4件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから365人、ヨルダンから1,106人の難民が帰国、避難民5人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月19日付)を公開し、7月18日に難民1,471人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは365人(うち女性117人、子供199人)、ヨルダンから帰国したのは1,106人(うち女性352人、子供598人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は314,740人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者102,992人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者211,748人(うち女性33,048人、子ども56,125人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 554,020人(うち女性129,814人、子供220,499人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

**

一方、国内避難民5人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は34,264人(うち女性10,359人、子供15,333人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,860人(うち女性392,954人、子供659,099人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPGはダーイシュの米国人戦闘員1人を米当局に引き渡す(2019年7月18日)

CNN(7月18日付)は、米政府複数高官の話として、ダーイシュ(イスラーム国)に参加していた米国人1人が、シリア民主軍を主導する人民防衛隊(YPG)から米当局に引き渡され、近く米本国で裁判にかけられると伝えた。

**

ダイル・ザウル県では、アアマーク通信(7月18日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュハイル村入口に仕掛けた爆弾を爆発させ、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の装甲車を破壊、戦闘員6人を殺傷した。

ダーイシュはまた、ダフラ村でYPGを襲撃、戦闘員3人を殺害した。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、CNN, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの支援を受ける国民解放戦線の報道官はロシア軍地上部隊がハマー県北部の前線で戦闘に参加しているとロイター通信に述べる一方、ロシア国防省はこれを否定(2019年7月18日)

ロイター通信(7月18日付)は、複数の反体制武装集団司令官の話として、シリア軍と親政権民兵の苦戦が伝えられるイドリブ県とハマー県の前線にロシア軍が陸軍特殊部隊を派遣したと伝えた。

同通信社によると、ロシア軍地上部隊はこれまでは後方で作戦を指揮してきただけだったが、トルコの支援を受ける国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)は「ロシア軍特殊部隊は今、戦場にいる」としたうえで、ハマー県北部のハマーミーヤート村一帯に展開していると述べたという。

ロシア軍地上部隊の派遣が事実であれば、4月末にイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯に対するシリア・ロシア軍の爆撃が再開されて以降、初めての動き。

**

これに対して、ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県一帯での戦闘にロシア軍特殊部隊が参加しているとの報道は「フェイク」だと否定、シリア領内にロシアの陸軍部隊は駐留していないと強調した。

AFP, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がタッル・アブヤド市(ラッカ県)に部隊を増派し、航空機による偵察活動を行うなか、フルシ国防大臣は参謀総長、陸海空軍司令官を連れ、ハタイ県の国境地帯の基地を緊急視察(2019年7月18日)

ANHA(7月18日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド(ギレ・スピ)市に面する国境地帯(シャンルウルファ県アクチャカレ市)にトルコ軍が17日夜、7輌の軍用車輌からなる増援部隊を派遣したと伝えた。

派遣された増援部隊は、タッル・アブヤド市西部および東部の農村地帯に面する国境地帯に展開したという。

また、ANHAによると、トルコ軍の偵察機3機が18日夜、タッル・アブヤド市上空に飛来した。

**

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、ハタイ県のシリア国境近くに配置されているトルコ軍基地を緊急視察した。


視察には、ヤシャル・ギュレル参謀総長参謀総長、ウミト・ドゥンガル陸軍司令官、アドナン・オズバル海軍司令官、ハサン・クジュカクユズ空軍司令官が同行した。

アナトリア通信(7月18日付)によると、アカル国防大臣ら一行は、シリア国境地帯に展開するトルコ軍司令官らと面談し、同地での任務についての説明を受けた。

AFP, July 18, 2019、Anadolu Ajansı, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がラタキア県、イドリブ県を爆撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線の司令官1人と民間人1人を殺害(2019年7月18日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから78日目となる7月18日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍が190回の砲撃を行うとともに、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より10人(民間人1人、シリア軍兵士8人、反体制武装集団戦闘員1人)増えて2,531人となった。

うち、668人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、904人がシリア軍兵士、959人が反体制武装集団戦闘員。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がカッバーナ村一帯を爆撃、トルコの支援を受けるシャーム軍団(国民解放戦線所属)の司令官1人を殺害した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、スフーフン村、カフル・ウワイド村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がカッサービーヤ村、フバイト村を砲撃した。

ロシア軍もジスル・シュグール市一帯を爆撃し、ドゥラル・シャーミーヤ(7月18日付)によると、民間人1人が死亡、5人が負傷した。

これに対して、反体制武装集団はカッサービーヤ村一帯のシリア軍・親政権民兵の拠点を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアルバイーン村に対して爆撃を実施するとともに、カフルズィーター市、ラトミーン村、ラターミナ町、アルバイーン村に機銃掃射を行った。

またシリア軍は地上部隊がサルマーニーヤ村、カストゥーン村、ザイズーン村、タッル・ミルフ村、ジャビーン村、カフルズィーター村一帯を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はカスル・マアルーフ検問所一帯のシリア軍・親政権民兵の拠点を砲撃した。

一方、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、ジューリーン村にあるシリア軍基地一帯を砲撃し、兵士多数を殺傷したと発表した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(ハマー県3件、イドリブ県4件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はラッカ県北部の国境地帯でトンネル掘削を行う一方、反体制派にマンビジュ進攻作戦の準備をするよう要請(2019年7月17日)

ANHA(7月17日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ県タッル・アブヤド(ギレ・スピ)市に面するアクチャカレ市(シャンルウルファ県)一帯に派遣されたトルコ軍部隊が、国境地帯でトンネルの掘削作業を行っていると伝えた。

**

アラビー21(7月17日付)は、自由シリア軍諸派の軍消息筋の話として、トルコが、同国占領下のアレッポ県北部(いわゆる「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域)で活動を続ける国民軍(自由シリア軍)に対して、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍も駐留するアレッポ県マンビジュ市一帯地域への軍事進攻への準備を進めるよう要請したと伝えた。

トルコ側からの要請は15日に行われたトルコ側高官と国民軍代表の会合の場で行われたという。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、Arabi 21, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴロフ外務大臣「米国はヌスラ戦線をブラック・リストから外し、和平プロセスの当事者にしようとしている」(2019年7月17日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、コートジボワールのマルセル・アモン=タノー外務大臣との会談後の共同記者会見でシリア情勢について触れ、米国がシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)をテロのブラック・リストから外し、シリア危機解決に向けた和平プロセスの当事者にすることで、「時限爆弾」を仕掛けようとしていると断じた。

ラブロフ外務大臣はまた、欧米諸国に対して、シリア難民の帰国を妨害する根拠のない口実をでっち上げるのではなく、彼らの帰還を促すような状況を作り出すために行動すべきだと批判した。

一方、米軍が駐留するシリア北東部情勢については、「我々はクルド問題に対する米国の姿勢が責任あるものだとは見ていない。米国は有志連合の支配下にあるシリア東部をクルド人に移住させようとしている」と批判した。

さらに、ロシア・イラン両軍のシリアでの協力が原因でシリア人600万人が避難生活を余儀なくされていると述べたマイク・ポンペオ米国務長官の言葉について、「この情報をどこから得たのか理解できない」と反論、ロシアが持っている情報では、31万人以上の難民がレバノンやヨルダンから帰国していると述べた。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア連邦チェチェン共和国から派遣されていたロシア軍憲兵隊約300人がシリア国内での特殊任務を終え帰国(2019年7月17日)

タス通信(7月17日付)は、ロシア連邦北カフカース連邦管区に属するチェチェン共和国から派遣されていたロシア軍憲兵隊約300人がシリア国内での特殊任務を終え、帰国したと伝えた。

チェチェン共和国からの憲兵隊はIL-76で空路祖国に向かったという。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、TASS, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア外務省報道官「米軍はシリア北東部で民間軍事会社の人員を増員させており、その数は4,000人に達している」(2019年7月17日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官はモスクワでの記者会見で、北・東シリア自治局支配下のシリア北東部各所に部隊を駐留させている米軍が、部隊の人員削減を推し進める一方で、民間軍事会社の人員を増員させていると指摘した。

ザハロワ報道官によると、民間軍事会社の人員は4,000人に達しており、今年6月後半には新たに540人が派遣された。

ザハロワ報道官は「民間軍事会社は、親米の武装組織や、石油・ガス部門のインフラ施設の警備員の教練を主要な任務としており、米中央軍が民間軍事会社の活動を支援している」と付言した。

スプートニク・ニュース(7月17日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、Sputnik News, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市内で爆発が発生し民間人に負傷者が出る一方、ダーイシュはダイル・ザウル県で有志連合とシリア民主軍の空挺作戦を迎撃し、複数の兵士を殺害したと発表(2019年7月17日)

ハサカ県では、SANA(7月17日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ市のグワイラーン地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、民間人2人が負傷した。

ANHA(7月17日付)によると、負傷した民間人は3人。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)によると、負傷者は人民防衛隊(YPG)の隊員だという。

**

ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)によると、県北部のカーリタ村に至る街道で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、シリア民主軍兵士3人が死亡、複数が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(7月17日付)によると、ダーイシュの幹部を拘束することを目的として、トゥカイヒー村に対する降下作戦を行った米主導の有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して、ダーイシュが応戦し、複数の兵士を殺害した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、ハマー県へのシリア・ロシア軍は爆撃は大幅に減少したものの、民間人2人が死亡(2019年7月17日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから77日目となる7月17日、シリア・ロシア軍は爆撃は大幅に減少したものの、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦を続けた。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人2人、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,521人となった。

うち、667人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、896人がシリア軍兵士、958人が反体制武装集団戦闘員。

なお、死亡した民間人2人はいずれも前日の攻撃での重篤者。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でズィヤーラ町、サルマーニーヤ村、カルクール村、ドゥワイル・アクラード村、アムキーヤ町、タッル・ワースィト村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、サフル村、ハマーミーヤート村、サルマーニーヤ一帯、フワイジャ村、ハウワーシュ村、サフリーヤ村を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機カフルサジュナ村、ハザーリーン村、マダーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がダイル・サンバル村を砲撃した。

ロシア軍もがトゥラムラー村、カフル・アイン村を爆撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ラタキア県4件、ハマー県1件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(ハマー県6件、イドリブ県5件)確認した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから352人、ヨルダンから1,131人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月17日付)を公開し、7月16日に難民1,483人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは352人(うち女性105人、子供180人)、ヨルダンから帰国したのは1,131人(うち女性201人、子供342人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は311,579人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者102,268人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者209,311人(うち女性61,827人、子ども106,736人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 540,859人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

**

一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は33,794人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,390人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 17, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局はイスタンブール在住のシリア難民26人を占領下のアレッポ県アフリーン郡に追放(2019年7月16日)

グータ情報センター(7月16日付)によると、トルコ当局はイスタンブール県エセンユルト地区で、ダマスカス県とダマスカス郊外県から逃れて来たシリア難民26人を拘束し、トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン郡に移送した。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Ghuta Media Center, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、ハマー県に対するシリア軍の爆撃で民間人20人死亡(2019年7月16日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから76日目となる7月16日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より27人(民間人20人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員2人)増えて2,515人となった。

うち、665人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、892人がシリア軍兵士、958人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は60回を記録、ロシア軍も47回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は460発におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ジスル・シュグール市、マアッルシューリーン村、スィフヤーン村、ハントゥーティーン村、ガッサーニーヤ村に対して爆撃を実施、マアッルシューリーン村で子供3人を含む10人が、ハーン・シャイフーン市で男性2人が、ガッサーニーヤ村で子供1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市およびその一帯、スィフヤーン村、ルブア・ジャウル村、カフルサジュナ村を爆撃した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がマアッルシューリーン村、ハーン・シャイフーン市にあるシャーム解放機構の拠点、ジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

他方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(7月16日付)によると、シャーム解放機構の治安機関が、4月24日にジスル・シュグール市で発生した爆発事件(22人が死亡、数十人が負傷)の容疑者を拘束した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ラトミーン村、ムーリク市、ザカート村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地帯を砲撃、ラターミナ町近郊で男性1人が死亡した。

ロシア軍もタッル・ミルフ村、ジャビーン村、アルバイーン村、ラターミナ町、カフルズィータ市およびその一帯を爆撃した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月16日付)によると、対する反体制武装集団はジューリーン村にあるシリア軍基地を激しく砲撃した。
https://eldorar.com/sites/default/files/styles/696×367/public/img_20190716_231407_945.jpg?itok=PYLXxxYi

他方、スプートニク・ニュース(7月16日付)によると、反体制武装集団がジスル・バイト・ラース村とシリア政府支配下のジャイイド村間に位置する橋(バイト・ラース橋)を爆破した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシリア政府の支配下にあるアレッポ市ハムダーニーヤ地区、アアザミーヤ地区を砲撃し、民間人1人が死亡、複数が負傷した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(アレッポ県2件、ハマー県5件)確認した。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, July 16, 2019、Sputnik News, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク人民動員隊が展開していたブーカマール国境通行所にシリア軍部隊数百人が展開(2019年7月16日)

アラビー・ジャディード(7月16日付)は、シリア軍部隊は先週、2014年以降初めて、ユーフラテス川沿いのイラクとの国境に到達したと伝えた。

シリア軍部隊が展開したのは、シリア側のブーカマール国境通行所とイラク側のカーイム国境通行所が接する地域で、イラク軍第8師団の複数の情報筋によると、その数は数百人。

イラク人民動員隊の一つヌジャバー運動の部隊とともに同地に入ったという。

なたヌジャバー運動のほかにも、ヒズブッラー大隊、イマーム・アリー大隊もシリア軍部隊に同行したという。

イラク軍第8師団の情報筋によると、同地は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討後はイラク人民動員隊が展開していた。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-‘Arabi al-Jadid, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから374人、ヨルダンから1,022人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月16日付)を公開し、7月15日に難民1,396人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは374人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,022人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は311,096人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者101,916人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者208,180人(うち女性4,559人、子ども7,722人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 539,376人(うち女性130,697人、子供222,002人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

**

一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は33,794人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,390人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノン日刊紙『アフバール』:北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸で生産される石油の販売にイスラエルが関与(2019年7月15日)

シリア政府寄りのレバノン日刊紙『アフバール』(7月15日、16日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸で生産される石油の販売にイスラエルが関与していると伝えた。

同紙が独自に入手した極秘文書によると、北・東シリア自治局の防衛を担う人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、北・東シリア自治局支配地域で生産される石油の販売をモティ・カハナなるイスラエル人ビジネスマンに委託したという。

シリア民主軍とイスラエルの連携は米国の支援を受けたもので、シリア民主軍はイスラエルとの関係を強めることなく、「米国の傘」の下に身を起き続けることができないと判断したという。

一方、イスラエルのi24News(7月16日付)によると、カハナ氏は自身が北・東シリア自治局支配地域で生産される石油の販売を委託されることになることを認めた。

同氏はまた「今日石油は、アサドとイランがシリアを掌握するのを阻止する方法の一つだ。なぜならダマスカスに燃料がなければ、バッシャール・アサドとその仲間たちは、自転車で移動することになる」と述べた。

AFP, July 16, 2019、al-Akhbar, July 15, 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、i24 News, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラン・イスラーム革命防衛隊はダイル・ザウル市の有力部族代表と会談し、反米抵抗闘争の活性化について協議(2019年7月15日)

ジュルフ・ニュース(7月16日付)は、イラン・イスラーム革命防衛隊が15日、ダイル・ザウル市の県庁舎で現地の有力部族の代表らと会談し、同地での反米抵抗闘争の活性化について協議したと伝えた。

会合では、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍、そして米国が主導する有志連合への抵抗を強化する方途が検討されたという。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Jurf News, July 15, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がラッカ県タッル・アブヤド市に面する国境地帯に設置していたコンクリート製の防護壁を撤去、北・東シリア自治局支配地区への攻撃準備か?(2019年7月15日)

反体制派系サイトのドゥラル・シャーミーヤ(7月15日付)は、トルコ軍がラッカ県タッル・アブヤド市に面する国境地帯に設置していたコンクリート製の防護壁を撤去し、北・東シリア自治局支配地区への攻撃準備を進めていると伝えた。

同サイトによると、防護壁撤去と時を同じくして、米軍の偵察機が同地上空での偵察活動を強化し、トルコ軍の進軍を阻止しようと牽制しているという。

また、アナトリア通信(7月15日付)は、トルコ軍の増援部隊がシリア国境地帯に配備されたと伝えた。

増援部隊は車輌15台から編成されているという。

なお、ユーフラテス・ポスト(7月15日付)は、14日版に人民防衛隊(YPG)の増援部隊がハサカ県ラアス・アイン市一帯に派遣されたと伝えていた。

AFP, July 15, 2019、Anadolu Ajansı, July 15, 2019、ANHA, July 15, 2019、AP, July 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2019、Euphrates Post, July 15, 2019、Reuters, July 15, 2019、SANA, July 15, 2019、SOHR, July 15, 2019、UPI, July 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

駐ロシア・シリア大使「ロシアによるトルコへのS-400供与は懸念ではない」(2019年7月15日)

リヤード・ハッダード駐ロシア・シリア大使は、ロシアがトルコがS-400ミサイル防空システムの供与を開始したことに懸念を抱いていないと述べた。

ハッダード大使は、RT(7月15日付)に対して「トルコは現在、アスタナ・プロセスの枠組みにおいてロシアとともに保障国の役割を果たし、ロシア指導部と共にこのプロセスの調整を行っている。それゆえ、この問題(S-400の供与)は我々の関心の範囲内にはない」と述べた。

AFP, July 15, 2019、ANHA, July 15, 2019、AP, July 15, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2019、Reuters, July 15, 2019、RT, July 15, 2019、SANA, July 15, 2019、SOHR, July 15, 2019、UPI, July 15, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.