トルコのエルドアン大統領「米政府は約束を守らねばならない。マンビジュ市の約90%はアラブ人のものだ」(2019年6月26日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、大阪でのG20参加に先だってアンカラのエセンボーア国際空港で開いた記者会見で、米国とシリアを厳しく非難した。

エルドアン大統領は「トルコはシリアのマンビジュ情勢を監視している…。米政府は約束を守らねばならない。なぜなら、マンビジュ市の約90%はアラブ人のものだからだ」と述べた。

一方、シリア政府については「イドリブ県にかかる合意に違反している」と非難、対応について米・ロシア両首脳と会談する付言した。

アナトリア通信(6月26日付)が伝えた。

AFP, June 26, 2019、Anadolu Ajansı, June 26, 2019、ANHA, June 26, 2019、AP, June 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2019、al-Hayat, June 27, 2019、Reuters, June 26, 2019、SANA, June 26, 2019、SOHR, June 26, 2019、UPI, June 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから326人、ヨルダンから975人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月26日付)を公開し、6月25日に難民1,301人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは326人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは975人(うち女性253人、子供429人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は277,172人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者93,483人(うち女性28,100人、子ども47,430人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者183,689人(うち女性29,536人、子ども50,152人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 506,452人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣は北朝鮮の崔最高人民会議常任委員会委員長と会談(2019年6月25日)

北朝鮮を公式訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、首都平壌で最高人民会議常任委員会委員長の崔竜海(チェリョンヘ)氏と会談した。

SANA(6月25日付)によると、会談では、両国友好関係の発展の方途や、両国に対する米国をはじめとする西側諸国の経済テロへの対応、さらには両国情勢について意見が交わされた。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県内のトルコ占領地域、北・東シリア自治局支配地域で爆発が相次ぐ(2019年6月25日)

アレッポ県では、ANHA(6月25日付)によると、北・東シリア自治局(マンビジュ民政局)の統治下にあるマンビジュ市のダッルー交差点近くで爆発が発生し、マンビジュ民政局内務治安部隊の隊員1人が負傷した。

一方、アフリーン解放軍団が声明を出し、23日から24日にかけて、トルコ占領下のバーブ市近郊のダーギリー・バーシュ村、マーリア市近郊のタッル・マーリド村、マアバトリー(マーバーター)町近郊(ハッスィー村)の街道で、シャーム戦線、アムシャート師団の拠点を攻撃し、戦闘員複数を殺傷した。

また、オリーブの怒り作戦司令室も声明を出し、アフタリーン市で地元評議会議長を務めるハーリド・ディーブー氏を狙って爆弾を爆発させ、重傷を負わせたと発表した。

さらに、ANHA(6月25日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市のシャリーア公園内で爆発が2回続けて発生した。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍は反体制派支配下のイドリブ県、ハマー県、アレッポ県、ラタキア県への爆撃・砲撃を続ける(2019年6月25日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから55日目となる6月25日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より23人(民間人0人、シリア軍兵士17人、反体制武装集団戦闘員6人)増えて1,930人となった。

うち、513人が民間人(女性102人、子供130人を含む)、631人がシリア軍兵士、786人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は51回を記録、ロシア軍も34回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は320発におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、タマーニア町およびその一帯、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、ハザーリーン村、マアッルハッタート村、アルバイーン山、カフルサジュナ村、ナキール村に対して爆撃を実施した。

ロシア軍もタフタナーズ航空基地、ナキール村、アービディーン村、ハーン・シャイフーン市、フバイト村を爆撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアブー・ライーダ村、アトシャーン村一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ムーリク市、カフルズィーター市、サフル村、ジャイサート村、フワイジャ村、アリーマ村、マシーク村などを砲撃した。

ロシア軍もハスラーヤー村、カフルズィーター市およびその一帯、ジャビーン村、アトシャーン村一帯を爆撃した。

またアトシャーン村、ハマーミーヤート村一帯では、シリア軍と反体制武装集団が交戦し、シリア軍側に18人の死者が出た。

一方、SANA(6月25日付)によると、ラターミナ町とカフルズィーター市で活動を続ける反体制武装集団が、シリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃、シリア軍が直ちに応戦し、ラターミナ町とカフルズィーター市を砲撃した。

シリア軍はまた、マシーク村、ズィヤーラ町、アトシャーン村にあるシャーム解放機構など反体制武装集団の拠点を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でズィルバ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がザンマール町一帯、ジャズラーヤー村、アレッポ市ラーシディーン地区などを砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施した。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

IMLebanon:パレスチナのハマースはシリアのアサド政権との関係改善を望んでいる(2019年6月24日)

IMLebanon(6月24日付)は、パレスチナのハマースがシリアのアサド政権との関係改善を望んでいるとするレポート(アフマド・マフムード氏寄稿)を配信した。

ハマースは、「アラブの春」がシリアに波及した2011年に、抗議デモに容赦ない弾圧を加えたアサド政権と断交し、ハーリド・ミシュアル政治局長ら幹部がシリア国外に移動したが、同サイトによると、ハマースをめぐる政治情勢の変化を受けて、同政権との関係修復を望んでいるという。

関係修復に向けて動いているとされるのが、レバノンで活動するハマース幹部の一人サーリフ・アールーリー氏。

イランやヒズブッラーに近いアールーリー氏は、早くからアサド政権との関係修復を試みてきたとされ、「軍事活動を再開し、より自由な活動を行う」ことがその主要な目的だという。

アサド政権と断交した後のハマースは、新たな支援国となったトルコからさまざまな「嫌がらせ」を受けており、また一部の政治勢力もトルコに対してハマースを支援しないよう非難してきたという。

ハマースが活動を活発化させようとしていることへのトルコ、そして諸外国の不満がその背景にあるという。

また、トルコ政府は、ハマースがシリア国内での活動を再開することに関して、安全保障面、そして経済面での支援を行おうとしておらず、そのこともアサド政権との関係修復の妨げになっているという。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、IMLebanon, June 24, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バチェレ国連難民高等弁務官はダーイシュ外国人戦闘員の家族の国籍剥奪に反対(2019年6月24日)

国連難民高等弁務官のミシェル・バチェレ氏は、ジュネーブでの第41回国連人権理事会の開会式での演説で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーだと疑われている男女、そして子供5万5000人以上がシリア、イラクで逮捕されているとしたうえで、ダーイシュ・メンバーの家族の国籍を剥奪することは受け入れられないと警鐘を鳴らした。

バチェレ氏は、逮捕者のほとんどがシリア人かイラク人のいずれかだとしつつ、「50カ国あまりから来たとされる外国人戦闘員も含まれている…。ダーイシュの外国人戦闘員の家族だと疑われている1万1000人以上が今もシリア北東部のフール・キャンプの劣悪な環境下で拘束されている」と指摘した。

UNICEF(国際連合児童基金)の報告によると、シリアには外国人戦闘員の子供2万9000人がおり、うち3分の2がイラク出身で、12歳に満たないという。

バチェレ氏はまた、ダーイシュ外国人戦闘員や家族の出身国の一部が、彼らの国籍を剥奪し、帰国を阻止しようとしていると非難、「彼らを無国籍にすることは決して受け入れられない選択肢だ。無国籍の子供たちは教育、医療、さらには人間の尊厳にかかわる基本的な必須要素を得ることができなくなる。既に多くの苦しみに直面している子供たちを無国籍にすることは,無責任で酷な行為だ…。国籍剥奪は復讐をもたらしかねない」と警鐘を鳴らした。

そのうえで「開国人家族を祖国に帰さねばならない…。特に子供たちは、深刻な権利侵害を被ってきた。そのなかには、ダーイシュから教育を受けたり、徴兵され、暴力行為を犯した者もいる。もっとも考慮すべきは、彼らを社会復帰させ、保護し、彼らのためになることでなければならない」と訴えた。

AFP, June 25, 2019、ANHA, June 25, 2019、AP, June 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 25, 2019、al-Hayat, June 26, 2019、Reuters, June 25, 2019、SANA, June 25, 2019、SOHR, June 25, 2019、UPI, June 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダン農業省は自国民の健康と地元農家を保護するためシリア産農産物の持ち込みを禁止(2019年6月24日)

ヨルダン農業省はジャービル国境通行所(シリア側はナスィーブ国境通行所)を経由して、シリア産の野菜や果物を持ち込むことを禁止することを決定した。

持ち込み禁止は、「シリアの農産物が高い割合の残留農薬を含んでおり…、ヨルダン人の健康や安全を配慮」するとともに、「シリアの産品が廉価で…、地元農家を不正な競争から守る」ための措置だという。

農業省は、国民と業者に対して、「シリア産品を見つけても流通させず、産地が分からな農産物を取り扱わない」よう呼びかけた。

ジャービル国境通行所(ナスィーブ国境通行所)は、ダルアー県における反体制派支配地域が消滅したのを受けて、2018年10月に再開され、シリア難民が帰国を続ける一方、ヨルダン人によるシリア訪問も増加傾向にあった。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍はハマー県シール・マガール村の監視所に多連装ロケット・システムを配備(2019年6月24日)

ドゥラル・シャーミーヤ(6月24日付)は、複数の地元筋の話として、トルコ軍増援部隊がイドリブ県のカフルルースィーン村に設置された通行所からシリア領内に入り、ハマー県シール・マガール村にあるトルコ軍監視所に向かったと伝えた。

増援部隊は装甲車、兵員輸送車だけでなく、多連装ロケット・システムも含まれている。

トルコ軍が多連装ロケット・システムをシリア国内に配備するのはこれが初めてだという。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

オーストラリア政府はダーイシュ・メンバーの遺児8人の身柄を引き取ったと発表(2019年6月24日)

オーストラリアのスコット・モリソン首相は、ダーイシュ(イスラーム国)に参加していたオーストラリア人メンバーの遺児8人の身柄を引き取ったに応じたと発表した。

オーストラリア政府が身柄を引き取ったのは、ダーイシュのメンバーでシドニー出身のハーリド・シャルーフ氏の遺児3人と孫娘2人を含む8人で、シャルーフ氏は米主導の有志連合の爆撃で死亡している。

ANHA(6月24日付)が伝えた。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合民生部門使節団がハサカ県カーミシュリー市で北・東シリア自治局を構成するジャズィーラ地域カーミシュロー地区幹部と会談(2019年6月24日)

ハサカ県では、ANHA(6月24日付)によると、米主導の有志連合の民政部門使節団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるカーミシュリー市を訪問、北・東シリア自治局を構成するジャズィーラ地域カーミシュロー地区幹部と会談した。

会談はカーミシュロー地区本部で行われ、共同議長を勤めるイフラーム・イスハーク氏、バルウィーン・ユースフ氏議長評議会メンバーのスライマーン・ハリール氏、サーフィヤー・クウード氏、議長評議会顧問のマズルーフ・ユースフ氏、タルファー・アフマド氏、経済委員会、地方自治体社会問題労働委員会の高官が参加、同地区の福祉・経済の状況、多発する農場の火災などへの対応について意見を交わした。

ANHA(6月24日付)が伝えた。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣は北朝鮮の李容浩外務大臣と公式会談を行い、両国政治対話委員会の設置にかかるMoUに署名(2019年6月24日)

北朝鮮を公式訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、首都平壌で李容浩外務大臣と公式会談を行った。

SANA(6月24日付)によると、会談では、二国間の友好関係、とりわけ経済分野での関係強化の方途について意見を交わした。

会談は最高人民会議で行われ、米国およびその同盟国による経済テロや経済制裁をはじめとする脅威に対抗するため、二国間で協力連携を行うとともに、通商、経済、文化といった分野での協力を定めた合意を活性化させる必要が確認された。

両外相はまた、中東、東アジア情勢についても意見を交わすとともに、シリア・北朝鮮政治対話委員会の設置にかかる基本合意書(MoU)に署名した。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣兼副首相、タマーム・スライマーン在北朝鮮シリア大使、ムハンマド・ウムラーニー外務在外居住者省専門事務総局長が同席した。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍によるイドリブ県、ハマー県への爆撃はやや減少(2019年6月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから54日目となる6月24日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人1人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,907人となった。

うち、513人が民間人(女性102人、子供130人を含む)、614人がシリア軍兵士、780人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は13回を記録、ロシア軍も爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は450発におよんだ。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルスィーター市、アルバイーン村、ジャイサート丘、サフル丘に対して爆撃を実施、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ジャビーン村一帯を爆撃した。

一方、SANA(6月24日付)によると、カフルズィーター市やラターミナ町を拠点とする反体制武装集団がシリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃した。

これに対して、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、「必勝」の戦いの一環として、サルマーニーヤ村に近い前線でシリア軍の戦車・装甲車複数輌を地対地ミサイルで破壊したと発表、その映像を公開した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハーン・シャイフーン市、サイヤード村に対して爆撃を実施、シリア軍地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

一方、人民抵抗連隊ははビデオ声明を出し、イドリブ県アティマ村および同村近郊の国内避難民キャンプの住民が連隊の支部を結成したと発表した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(アレッポ県1件、ラタキア県9件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県2件、ハマー県4件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, June 24, 2019、ANHA, June 24, 2019、AP, June 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 24, 2019、al-Hayat, June 25, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 24, 2019、Reuters, June 24, 2019、SANA, June 24, 2019、SOHR, June 24, 2019、UPI, June 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから364人、ヨルダンから1,190人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月24日付)を公開し、6月23日に難民1,554人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは364人(うち女性109人、子供185人)、ヨルダンから帰国したのは1,190人(うち女性357人、子供607人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は274,645人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者92,850人(うち女性28,008人、子ども47,273人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者181,795人(うち女性54,571人、子ども92,704人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 503,925人(うち女性151,237人、子供256,899人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

**

一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは4人(うち女性1人、子供1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,740人(うち女性14,414人、子供20,399人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,300,549人(うち女性392,576人、子供658,471人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した4人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 24, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍の爆撃が続くなか、ダーイシュはサラーキブ市(イドリブ県)でメディア活動家のウマル・ディマシュキー氏を暗殺(2019年6月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから53日目となる6月23日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より11人(民間人8人、シリア軍兵士3人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,906人となった。

うち、512人が民間人(女性102人、子供130人を含む)、614人がシリア軍兵士、780人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」43発を投下、ロシア軍も10回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は520発以上におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフル・ウワイド村、カルサア村、スフーフン村、ジューズィフ村、マアッラータ村、バサーミス村、ウライニバ村、マアッラト・ハルマ村およびその一帯、ハザーリーン村、バルユーン村、ナキール村、カフルナブル市、ミンタール村、シャイフ・ムスタファー村、タッルアース村、タフタナーズ市、カフルバッティーフ村に対して爆撃を実施した。

ロシア軍もブスライヤー村、タマーニア町、スカイク村を爆撃した。

シリア軍の砲撃では白リン弾が使用され、ハーン・シャイフーン市住宅街、農地で火災が発生した。

一方、SANA(6月23日付)によると、シリア軍がマアッルズィーター村、カフルサジュナ村、カフル・ウワイド村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(6月23日付)によると、サルマダー市で、メディア活動家で救援活動にも従事してきたウマル・ディマシュキー氏の車に仕掛けられた爆弾が爆発、ディマシュキー氏が重傷を負い、搬送先のトルコ国内の病院で死亡した。

これに関して、シャーム解放機構に近いイバー通信(6月23日付)は、シャーム解放機構の治安部隊がサルマダー市でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー4人を逮捕したと伝えた。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターが「樽爆弾」を投下、地上部隊が同地を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

またロシア軍がムーリク市を爆撃した。

一方、SANA(6月23日付)によると、シリア軍がタッル・ミルフ村、カフルズィーター市、ラターミナ町にあるシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

**

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月23日付)によると、イラク人民動員隊の一つでアレッポ国際空港に進駐するヌジャバー運動がタッルアラン村近郊に監視塔などを新たに設置した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県8件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(アレッポ県4件、イドリブ県1件、ハマー県11件)確認した。

AFP, June 23, 2019、ANHA, June 23, 2019、AP, June 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2019、al-Hayat, June 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2019、Reuters, June 23, 2019、SANA, June 23, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 23, 2019、SOHR, June 23, 2019、UPI, June 23, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから338人、ヨルダンから1,055人の難民が帰国、避難民8人が帰宅(2019年6月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月23日付)を公開し、6月22日に難民1,393人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは338人(うち女性102人、子供173人)、ヨルダンから帰国したのは1,055人(うち女性317人、子供538人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は273,091人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者92,486人(うち女性27,899人、子ども47,088人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者180,605人(うち女性54,214人、子ども92,097人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 502,371人(うち女性150,771人、子供256,107人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

**

一方、国内避難民8人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは8人(うち女性2人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,736人(うち女性14,413人、子供20,398人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,300,545人(うち女性392,575人、子供658,470人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイドリブ県を激しく爆撃、民間人7人を含む12人が死亡(2019年6月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから53日目となる6月22日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より12人(民間人7人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員5人)増えて1,895人となった。

うち、504人が民間人(女性100人、子供126人を含む)、611人がシリア軍兵士、780人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」24発を投下、ロシア軍も25回の爆撃を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサラーキブ市、マアッラト・スィーン村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村、ハーン・シャイフーン市、カフル・アイン村一帯、ウライニバ村、フバイト村、アービディーン村、ハーン・スブル村、カフルサジュナ村、マアッラト・ヌウマーン市、マダーヤー村、タッル・ナール村、バルユーン村、ナキール村、イフスィム町、カンスフラ村、カルサア村、マアッラト・ハルマ村に対する爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、タッル・ナール村、カフルサジュナ村一帯、マアッラト・スィーン村に「樽爆弾」を投下した。

爆撃により、サラーキブ市で子供3人と女性1人、マアッラト・ヌウマーン市で子供2人、カンスフラ村で1人、マアッルズィーター村で子供1人が死亡した。

一方、SANA(6月22日付)によると、シリア軍がナキール村一帯でシャーム解放機構の武装車輌を攻撃、これを破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカースィミーヤ村およびその一帯に対して爆撃を実施した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでジャビーン村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もラターミナ町、ザカート村、タッル・ミルフ村、ジャビーン村を爆撃した。

一方、SANA(6月22日付)によると、反体制武装集団がブライディージュ村の農地を砲撃し、火災が発生した。

これに対して、シリア軍は県北部で反体制武装集団の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

無人航空機は爆発物を搭載していたという。

シリア軍はまた、ジャビーン村一帯でシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

**

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月22日付)によると、ダーイル町で何者かがシリア軍の拠点を攻撃した。

AFP, June 22, 2019、ANHA, June 22, 2019、AP, June 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 22, 2019、al-Hayat, June 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 22, 2019、Reuters, June 22, 2019、SANA, June 22, 2019、SOHR, June 22, 2019、UPI, June 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣は北朝鮮を公式訪問し、李容浩外務大臣と会談(2019年6月21日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は北朝鮮の首都平壌を公式訪問し、李容浩外務大臣と会談した。

ムアッリム外務在外居住者大臣の訪朝は、李外務大臣の招待を受けたもので、会談では、二国関係の強化の方途、中東情勢、東アジア情勢などについて意見が交わされた。

SANA(6月21日付)が伝えた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は北朝鮮訪問に先立って中国を訪問していた。

AFP, June 21, 2019、ANHA, June 21, 2019、AP, June 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 21, 2019、al-Hayat, June 22, 2019、Reuters, June 21, 2019、SANA, June 21, 2019、SOHR, June 21, 2019、UPI, June 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構支配下のシリア北西部でシリア・ロシア軍の爆撃続く(2019年6月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから52日目となる6月21日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より19人(民間人12人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員2人)増えて1,883人となった。

うち、497人が民間人(女性100人、子供121人を含む)、611人がシリア軍兵士、775人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は46回を記録、ロシア軍も35回の爆撃を行った。

またシリア軍地上部隊による砲撃は430発以上におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村、ヒーシュ村、マダーヤー村、マストゥーマ村、アルバイーン山、マアッルバリート村、サルミーン市一帯、ラカーヤー村、ナイラブ村一帯、ハーン・シャイフーン市、シャイフ・ムスタファー村に対して爆撃を実施、地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

一方、SANA(6月22日付)によると、シリア軍はマストゥーマ村、アルバイーン山一帯からアリーハー市方面に移動中のシャーム解放機構の車列を攻撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジャビーン村、タッル・ミルフ村、カフルズィーター市、アルバイーン村、ザカート村、ラトミーン村、ハスラーヤー村、ラターミナ町に対して爆撃を実施、地上部隊が県北部、北西部の戦闘地域を砲撃した。

この攻撃により、カフルズィーター市では女性1人が死亡した。

ロシア軍もザクーム村、ザカート村、カフルズィーター市、ハスラーヤー村、ラターミナ町、タッル・ミルフ村、ジャビーン村を爆撃した。

これに対して、反体制武装集団も県北部、北西部のシリア軍拠点に対して砲撃を行った。

一方、SANA(6月21日付)によるとシリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

シリア軍はまた、シャイフ・ハディード村、ジャルニーヤ村に対するシャーム解放機構の砲撃に応戦した。

**

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月21日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部郊外のムハンディスィーン地区を砲撃し、女児1人を含む民間人4人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(イドリブ県1件、ラタキア県11件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(イドリブ県4件、ラタキア県8件、ハマー県1件)確認した。

AFP, June 21, 2019、ANHA, June 21, 2019、AP, June 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 21, 2019、al-Hayat, June 22, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 21, 2019、Reuters, June 21, 2019、SANA, June 21, 2019、SOHR, June 21, 2019、UPI, June 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

2011年以降にトルコ国内で誕生したシリア人新生児は40万人以上、シリア難民360万人のうち60歳以上は10万人(2019年6月20日)

トルコ内務省高官は、シリアに「アラブの春」が波及した2011年以降にトルコ国内で生まれたシリア人新生児の数が40万人以上に達していることを明らかにした。

内務省移民局のアブドゥッラ・アヤズ局長は、首都アンカラで開催されたPAM(地中海議会会議)で以下のように発言した。

「トルコにおけるシリア人人口は若年層からなっている。トルコ国内にいるシリア人360万人のうち60歳以上は10万人に過ぎない…。危機発生以降、415万人以上のシリア人新生児がトルコ国内で誕生した」と述べた。

アナトリア通信(6月20日付)が伝えた。

AFP, June 21, 2019、Anadolu Ajansı, June 21, 2019、ANHA, June 21, 2019、AP, June 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 21, 2019、al-Hayat, June 22, 2019、Reuters, June 21, 2019、SANA, June 21, 2019、SOHR, June 21, 2019、UPI, June 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と反体制派が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃、トルコ占領下のアフリーン市で爆発が発生、バーブ市で反体制派どうしが交戦(2019年6月20日)

アレッポ県では、ANHA(6月20日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村(いずれもアフリーン郡)を砲撃した。

一方、トルコ占領下のアフリーン市では中心街のスィヤーサ通りで車に仕掛けられた爆弾が爆発し、反体制武装集団の戦闘員複数人が死傷した。

**

同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市内で、ハムザード師団とスルターン・ムラード師団の戦闘員どうしが交戦し、ハムザ師団の戦闘員1人が死亡、双方にそれぞれ3人の負傷者が出た。

衝突の原因は不明。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使がシリアを訪問し、アサド大統領と会談(2019年6月20日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使はシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

SANA(6月20日付)によると、会談では、シリア情勢の進捗、「テロとの戦い」などへのシリア・ロシアの取り組みなどについて意見が交わされ、ラヴレインティフ特使はシリア全土での治安と安定回復に向けて引き続き支援を行うことを確認した。

会談ではまた、政治プロセス活性化に向けた取り組みについても意見が交わされた。

会談には、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、アレクサンドル・エフィモフ駐シリア・ロシア大使が同席した。

AFP, June 20, 2019、ANHA, June 20, 2019、AP, June 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 20, 2019、al-Hayat, June 21, 2019、Reuters, June 20, 2019、SANA, June 20, 2019、SOHR, June 20, 2019、UPI, June 20, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ移民管理局は不法入局社の自発的帰国を支援する仕組みを構築すると発表(2019年6月19日)

トルコの内務省移民管理局は、トルコへの不法入国者の自発的帰国を支援する仕組みを構築すると発表した。

移民管理局の発表は、アブドゥッラ・アヤズ移民管理局長、ハトゥン・デミレル外務省領事局長、TIKA(トルコ協力調整機構)のラフマン・ヌルドゥン総裁、トルコ赤新月社のイブラヒム・アルタン代表が出席したLOI(予備的合意書)調印式に合わせて行われ、不法入国を阻止し、不法入国者の自発的帰国を促すこと、そして人権を重視したアプローチを通じて彼らをトルコ社会に統合することが目的だという。

トゥルク・プレス(6月19日付)が伝えた。 なお、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、2019年1月3日現在のトルコでのシリア難民登録数は360万6737人。

AFP, June 19, 2019、ANHA, June 19, 2019、AP, June 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2019、al-Hayat, June 19, 2019、Reuters, June 19, 2019、SANA, June 19, 2019、SOHR, June 19, 2019、Turk Press, June 19, 2019、UPI, June 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合がダイル・ザウル県で空挺作戦を実施するも、拘束しようとしていた武器密売人を取り逃がす(2019年6月19日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(6月19日付)によると、米主導の有志連合が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とともに、シュハイル村で空挺作戦を実施した。

作戦は、武器密売人のスバーヒー・アブー・ハムザ氏らを拘束することが目的だったが、反撃を受けてアブー・ハムザ氏本人は取り逃し、息子のイブラーヒーム氏を拘束するにとどまった。

なお、シリア民主軍は1年前に、バーグーズ村から逃走を試みたアブー・ハムザ氏の兄弟のアブドゥッラフマーン氏を拘束している。

AFP, June 19, 2019、ANHA, June 19, 2019、AP, June 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2019、al-Hayat, June 19, 2019、Reuters, June 19, 2019、SANA, June 19, 2019、SOHR, June 19, 2019、UPI, June 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

北・東シリア自治局アサーイシュは親政権のテレビ局特派員の身柄を米当局に引き渡す(2019年6月19日)

ドゥラル・シャーミーヤ(6月19日付)は、親政権ブロガー(ウマル・ラフムーン)のフェイスブックアカウントから得た情報として、親政権のイフバーリーヤ・チャンネルの記者で北・東シリア自治局のアサーイシュに拘束されたと見られるムハンマド・サギール氏の身柄が米当局に引き渡されたと伝えた。

AFP, June 19, 2019、ANHA, June 19, 2019、AP, June 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2019、al-Hayat, June 19, 2019、Reuters, June 19, 2019、SANA, June 19, 2019、SOHR, June 19, 2019、UPI, June 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア軍がイドリブ県での爆撃を再開してから50日:民間人463人を含む1,754人が死亡(2019年6月19日)

シリア人権監視団は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯に対するシリア・ロシア軍の爆撃が再開(4月29日)されてから50日が経ったのに合わせて、同地での攻撃および人的被害の状況に関する統計結果を発表した。

それによると、4月29日以降のシリア軍による爆撃回数は3,806回、投下した「樽爆弾」は3,192発、砲撃回数は2万8110回以上を記録、ロシア軍も1,397回の爆撃も実施したという。

また、シリア・ロシア軍の攻撃と反体制派との戦闘での死者は1,754人を記録、うち463人が民間人(女性97人、子供110人を含む)、571人がシリア軍兵士、720人が反体制武装集団戦闘員だという。

AFP, June 19, 2019、ANHA, June 19, 2019、AP, June 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2019、al-Hayat, June 19, 2019、Reuters, June 19, 2019、SANA, June 19, 2019、SOHR, June 19, 2019、UPI, June 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・ロシア両軍はイドリブ市一帯などへの爆撃を継続(2019年6月19日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから50日目となる6月19日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より32人(民間人16人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員15人)増えて1,754人となった。

うち、463人が民間人(女性97人、子供110人を含む)、571人がシリア軍兵士、720人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は76回を記録、ロシア軍も16回の爆撃を実施した。

またシリア軍地上部隊による砲撃は300発以上におよんだ。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でイドリブ市一帯、アリーハー市、カフルルーマー村、ダイル・サンバル村、ハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、ヒーシュ村、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、ハーッス村およびその一帯、イフスィム町、アルバイーン山、ブサンクール村灌木地帯、ムサイビーン村、カルサア村、カンスフラ村、トゥラムラー村、サラーキブ市に対して爆撃を実施した。

この爆撃により、バイニーン村で子供2人、カンスフラ村で女性1人と子供2人、トゥラムラー村で1人、イドリブ市郊外で1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県北部の戦闘地域を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町に対して爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊が県北部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ラターミナ町、タッル・ミルフ村を爆撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアターリブ市近郊の第46中隊基地に対して爆撃を実施した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(ハマー県11件、イドリブ県2件)確認した。

AFP, June 19, 2019、ANHA, June 19, 2019、AP, June 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 19, 2019、al-Hayat, June 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 19, 2019、Reuters, June 19, 2019、SANA, June 19, 2019、SOHR, June 19, 2019、UPI, June 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還帰還調整委員会の合同会合は「ゲットー」化したルクバーン・キャンプとフール・キャンプを閉鎖し、避難民の惨状を解決すべきと呼びかける(2019年6月19日)

ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会の合同会合は声明を出し、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプと、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県にあるフール・キャンプが「ゲットー」と化していると指摘、これを閉鎖することで国内避難民の惨状を解決すべきだとしたうえで、国連に両キャンプでの人道危機を軽減するために責任を果たすよう呼びかけた。

声明によると、ルクバーン・キャンプでは、これまでに1万4000人の避難民がシリア政府支配地域への帰還を果たしたが、2万8000人が劣悪な環境のもとで依然としてキャンプにとどまることを余儀なくされている。

また、フール・キャンプでは、7万2000人が収容されており、うち91%が女性と子供、65%が12歳以下だという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから347人、ヨルダンから905人の難民が帰国、避難民5人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月19日付)を公開し、6月18日に難民1,252人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは347人(うち女性104人、子供177人)、ヨルダンから帰国したのは905人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は267,131人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者90,931人(うち女性27,432人、子ども46,294人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者176,200人(うち女性52,892人、子ども89,850人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 496,411人(うち女性148,982人、子供253,066人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

**

一方、国内避難民5人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは5人(うち子供1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は31,388人(うち女性9,850人、子供14,438人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,984人(うち女性392,409人、子供658,204人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した5人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は中国の王外交部長と会談「イドリブ県のテロ組織は根絶される。シリア国内に違法に駐留するすべての外国軍が撤退すべき」(2019年6月18日)

中国を訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、王毅外交部長と会談した。

SANA(6月18日付)によると、会談では両国友好関係の発展に向け、相互訪問の継続と連携を強化することの重要性が確認された。

会談後の共同記者会見で、ムアッリム外務在外居住者大臣は、イドリブ県情勢に言及、同地で活動を続けるテロ組織が根絶されるだろうと述べるとともに、シリア国内に違法に駐留するすべての外国軍が撤退すべきだと訴えた。

これに対して、王外交部長は、シリアでの「テロとの戦い」への支援を継続するとの意思を示した。

AFP, June 18, 2019、ANHA, June 18, 2019、AP, June 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 18, 2019、al-Hayat, June 18, 2019、Reuters, June 18, 2019、SANA, June 18, 2019、SOHR, June 18, 2019、UPI, June 18, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.