シリア・ロシア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所を爆撃し、民間人25人が死亡(2019年6月10日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから41日目となる6月10日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より63人(民間人25人、シリア軍兵士6人、反体制武装集団戦闘員32人)増えて1,496人となった。

うち、387人が民間人(女性81人、子供94人を含む)、500人がシリア軍兵士、609人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は105回を記録、ロシア軍戦闘機も爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は600発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジャバーラー村、カフルナブル市、マアッラト・ハルマ村、カフルサジュナ村、マアッラト・スィーン村、ウライニバ村、ヒーシュ村、カフルバッティーフ村、カフルアミーム村、シャイフ・イドリース村、タッル・マンスール村、タウィール・シャイフ村、フワイン村、マアッルシューリーン村、ハーン・シャイフーン市、タマーニア町、ナキール村に対して爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊が県南部各所を砲撃した。

シリア軍の爆撃により、ジャバーラー村で女性1人と子供2人を含む民間人13人が、マアッルシューリーン村で女性1人と女児1人が、マアッラト・ハルマ村で男性2人が、カフルバッティーフ村で女性1人と女児1人が、アリーハー市で女児1人が死亡した。

また、ロシア軍の爆撃により、ハーン・シャイフーン市で男性2人が死亡した。

一方、SANA(6月10日付)によると、シリア軍がマアッルシューリーン村一帯でシャーム解放機構を攻撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、サイヤード村、タッル・ミルフ村、ジャビーン村、ムーリク市、ザカート村に対して爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊がラターミナ町、カフルズィーター市、ラトミーン村などを砲撃した。

一方、SANA(6月10日付)によると、シリア軍がムーリク市、カフルズィーター市一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃するとともに、タッル・ミルフ村、ジャルマ村一帯で武装集団を追撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施、地上部隊が同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がズィルバ村を砲撃、女性1人と子供2人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(ハマー県)確認した。

AFP, June 10, 2019、ANHA, June 10, 2019、AP, June 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2019、al-Hayat, June 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2019、Reuters, June 10, 2019、SANA, June 10, 2019、SOHR, June 10, 2019、UPI, June 10, 2019などをもとに作成。

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ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還帰還調整委員会が合同会合を実施し、難民、避難民の帰還状況の進捗について報告(2019年6月10日)

ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会の合同会合が、ロシアの首都モスクワとシリア各地をテレビ会議システムで結んで開催され、難民、避難民の帰還状況の進捗についての報告が行われた。

会議には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、フサイン・マフルーフ地方行政・環境問題担当国務大臣、タラール・バラーズィー・ヒムス県知事、ロシア合同連携センター議長を務めるミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)、ロシア当事者和解調整センターのヴィクトール・クプチシン(Viktor Kupchishin)司令官らが出席した。

AFP, June 10, 2019、ANHA, June 10, 2019、AP, June 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2019、al-Hayat, June 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2019、Reuters, June 10, 2019、SANA, June 10, 2019、SOHR, June 10, 2019、UPI, June 10, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから379人、ヨルダンから642人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月10日付)を公開し、6月9日に難民1,021人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは379人(うち女性114人、子供194人)、ヨルダンから帰国したのは642人(うち女性193人、子供327人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は256,392人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者87,688人(うち女性26,459人、子ども44,640人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者168,704人(うち女性50,642人、子ども86,026人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 485,672人(うち女性145,759人、子供247,588人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,500人(うち女性9,558人、子供13,995人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,096人(うち女性387,485人、子供650,059人)のままだった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 10, 2019をもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるアレッポ県タッル・リフアト市一帯をトルコとその支援を受ける反体制派が砲撃、YPGの反撃でトルコ軍兵士1人が死亡(2019年6月9日)

アレッポ県では、ANHA(6月9日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村を砲撃した。

これに対して、アフリーン解放軍団は声明を出し、8日にアフリーン市とマアバトリー(マーバーター)町を結ぶ街道で国民軍憲兵隊の司令官を射殺、アアザーズ市近郊のカルジャブリーン村でトルコ軍の拠点を砲撃し、トルコ軍兵士1人を負傷させ、アフリーン市工業地区でムンタスィル・ビッラー大隊の車輌を爆破したと発表した。

一方、トルコ国防省は声明を出し、タッル・リフアト市一帯地域に展開する人民防衛隊(YPG)が「オリーブの枝」作戦地域(アフリーン郡)にあるトルコ軍の基地を砲撃し、トルコ軍兵士1人が死亡、5人が負傷したと発表した。

AFP, June 9, 2019、ANHA, June 9, 2019、AP, June 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2019、al-Hayat, June 10, 2019、Reuters, June 9, 2019、SANA, June 9, 2019、SOHR, June 9, 2019、UPI, June 9, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はイドリブ県、ハマー県での戦闘地域に激しい爆撃を行う(2019年6月9日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから40日目となる6月9日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より85人(民間人1人、シリア軍兵士52人、反体制武装集団戦闘員32人)増えて1,433人となった。

うち、362人が民間人(女性77人、子供87人を含む)、494人がシリア軍兵士、577人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は120回、投下した「樽爆弾」の数は90発を記録、ロシア軍戦闘機も74回の爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は890発におよんだ。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でザカート村、ラターミナ町、ハスラーヤー村、ムーリク市、カフルズィーター市、ジャビーン村、タッル・ミルフ村、ラトミーン村、アブー・ライーダ村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルズィーター市、ジャビーン村、カフルヌブーダ町一帯、ザカート村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県北部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ハスラーヤー村、カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市を爆撃した。

一方、SANA(6月9日付)によると、シリア軍がジャルマ村一帯でシャーム解放機構とイッザ大隊(イッザ軍)の拠点に対して重点的に攻撃を加え、多数の戦闘員を殺傷した。

シリア軍はまた、カフルズィーター市にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、マウカ村、イフスィム町、アリーハー市、アルバイーン山、アービディーン村、アブー・フッバ村、ムアイサルーナ村、ラカーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでヒーシュ村、ナキール村、ウライニバ村、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、アービディーン村、フバイト村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もアービディーン村、フバイト村を爆撃した。

一方、SANA(6月9日付)によると、シリア軍がナキール村、ウライニバ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、同地一帯を砲撃、反体制武装集団と交戦した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)によると、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室がトルコマン山にあるシリア軍の拠点複数カ所に対して攻撃を行い、兵士50人以上を殺傷した。

トルコの支援を受ける国民解放戦線に参加するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動の第82特殊任務連隊も県北部のアブー・アスアド丘にあるシリア軍拠点を攻撃し、士官1人を含む多数を殺傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(イドリブ県1件、ハマー県7件)確認した。

AFP, June 9, 2019、ANHA, June 9, 2019、AP, June 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2019、al-Hayat, June 10, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 9, 2019、Reuters, June 9, 2019、SANA, June 9, 2019、SOHR, June 9, 2019、UPI, June 9, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから341人、ヨルダンから543人の難民が帰国、避難民4人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月9日付)を公開し、6月8日に難民884人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは341人(うち女性103人、子供174人)、ヨルダンから帰国したのは543人(うち女性191人、子供324人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は255,371人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者87,309人(うち女性18,859人、子ども31,739人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者168,062人(うち女性29,266人、子ども49,694人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 484,651人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民4人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは4人(うち女性3人、子供1人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,500人(うち女性9,558人、子供13,995人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,096人(うち女性387,485人、子供650,059人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 9, 2019をもとに作成。

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フランスとオランダは北・東シリア自治局が保護していたダーイシュ戦闘員の子供14人の身柄を受け取る(2019年6月8日)

フランスとオランダの外務省高官からなる合同使節団が、ラッカ県アイン・イーサー市にある北・東シリア自治局渉外関係局(外務省に相当)を訪問し、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって拘束・保護されたフランス国籍のダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の子供12人、オランダ国籍の子供2人の身柄を引き渡すことで合意した。

ANHA(6月10日付)が伝えた。

AFP, June 10, 2019、ANHA, June 10, 2019、AP, June 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 10, 2019、al-Hayat, June 11, 2019、Reuters, June 10, 2019、SANA, June 10, 2019、SOHR, June 10, 2019、UPI, June 10, 2019などをもとに作成。

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ハマース幹部はシリア・メディア筋による非難に「シリア政府との関係は修復しない」と反論(2019年6月8日)

ハマースの西岸地区司令官を務めるナーイフ・ルジューブ氏は、7日のシリアのメディア筋による批判に対して、「シリア政府との関係は修復しないだろう。メディアで報じられていることは根拠のない言葉に過ぎない」と反論した。

ハリージュ・オンライン(6月8日付)が伝えた。

AFP, June 8, 2019、ANHA, June 8, 2019、AP, June 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2019、al-Hayat, June 9, 2019、al-Khalij Online, June 8, 2019、Reuters, June 8, 2019、SANA, June 8, 2019、SOHR, June 8, 2019、UPI, June 8, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県ではシャーム解放機構などからなる反体制派とシリア軍が激しく交戦、民間人4人を含む121人が死亡(2019年6月8日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから39日目となる6月8日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より121人(民間人4人、シリア軍兵士65人、反体制武装集団戦闘員51人)増えて1,348人となった。

うち、361人が民間人(女性77人、子供87人を含む)、442人がシリア軍兵士、545人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は120回、投下した「樽爆弾」の数は40発を記録、ロシア軍戦闘機も42回の爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は750発におよんだ。

http://www.syriahr.com/wp-content/uploads/2019/06/WhatsApp-Video-2019-06-08-at-9.57.08-PM.mp4?_=1

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジャバーラー村、ハーン・シャイフーン市、フバイト村、ハーッス村、カルサア村一帯、スフーフン村、マアッラト・ハルマ村、カフル・ウワイド村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャイフ・ムスタファー村、ナキール村、マアッラト・ヌウマーン市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もトゥラムラー村、カウカブ村を爆撃した。

シリア軍の爆撃で、カフルナブル市では民間人4人が、マアッラト・ヌウマーン市では女児1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハスラーヤー村、ムーリク市、カフルズィーター市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハスラーヤー村、アブー・ライーダ村、タッル・ミルフ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、県北部の戦闘地域やカフルズィーター市を砲撃、ジャルマ一帯で反体制武装集団と交戦を続けた。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月8日付)によると、砲撃はムーリク市近郊にあるトルコ軍の監視所一帯にも及んだ。

ロシア軍もザカート村、ハスラーヤー村、アルバイーン村、ラトミーン村、カフルズィーター市を爆撃した。

一方、SANA(6月8日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のシャイザル町を砲撃し、住民1人が死亡、3人が負傷した。

シャーム解放機構などからなる反体制武装集団はまた、前日に続いてタッル・ミルフ村、カフル・フード村に対する攻勢を続けたが、シリア軍がこれを撃破した。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月8日付)によると、シャーム解放機構は7日に開始した「必勝」の戦いの一環として、ジャルマ村内のシリア軍拠点に対して爆弾を積んだ車で攻撃を行い、シリア軍兵士多数を殺傷、戦車6輌を破壊したという。

トルコの支援を受ける国民解放戦線もカルナーズ町、シャイフ・ハディード村などにあるシリア軍の拠点を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下、地上部隊が同地を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(ラタキア県10件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(アレッポ県1件、イドリブ県1件、ハマー県14件)確認した。

AFP, June 8, 2019、ANHA, June 8, 2019、AP, June 8, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 8, 2019、al-Hayat, June 9, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 8, 2019、Reuters, June 8, 2019、SANA, June 8, 2019、SOHR, June 8, 2019、UPI, June 8, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから374人、ヨルダンから530人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月8日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月8日付)を公開し、6月7日に難民904人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは374人(うち女性112人、子供191人)、ヨルダンから帰国したのは530人(うち女性159人、子供270人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は254,487人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者86,968人(うち女性26,242人、子ども44,272人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者167,519人(うち女性50,286人、子ども85,422人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 483,767人(うち女性145,186人、子供246,616人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 8, 2019をもとに作成。

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反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市一帯地域を砲撃(2019年6月7日)

アレッポ県では、ANHA(6月9日付)によると、トルコ占領下のアアザーズ市とカフルハーシル村に展開する反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市一帯地域(シャフバー地区)を砲撃した。

これに対して、アフリーン解放軍団は声明を出し、5日にシーラーワー町近郊のジャルバラ村でトルコ軍の拠点を攻撃し、トルコ軍士官1人を含む2人を殺害、またシャッラー村近郊のマルサー村で反体制武装集団の拠点を爆破し、戦闘員3人を殺害、6日にはアアザーズ市
近郊のカフルハーシル村にある反体制武装集団の拠点を砲撃し、戦闘員1人を殺害、ジンディールス町で国民軍憲兵隊の車輌を爆破し、戦闘員1人を殺害したと発表した。

ANHA(6月9日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ANHA(6月9日付)によると、トルコ軍がラアス・アイン市近郊のアズィーズィーヤ村、アルナーン村、アブー・ジャラーディー村一帯に広がる小麦畑に砲火し、農地を焼き払った。

AFP, June 7, 2019、ANHA, June 7, 2019、AP, June 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2019、al-Hayat, June 8, 2019、Reuters, June 7, 2019、SANA, June 7, 2019、SOHR, June 7, 2019、UPI, June 7, 2019などをもとに作成。

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シリアのメディア筋:ハマースには「同胞団の血」が流れており、シリアでテロリストを支援したことで、イスラエルが欲する計略のなかに身を置いている(2019年6月7日)

SANA(6月7日付)は、シリアのメディア筋の話として、パレスチナのハマースがシリア政府との関係を改善したとの報道や噂は事実無根だと伝えた。

同メディア筋は、この問題に関するシリア政府の姿勢は不変で、ハマースをイスラエルに対するレジスタンス運動と見ているとしたうえで、ハマースには「同胞団の血」が流れており、シリアでテロリストを支援したことで、イスラエルが欲する計略のなかに身を置いてきたと非難した。

AFP, June 7, 2019、ANHA, June 7, 2019、AP, June 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2019、al-Hayat, June 8, 2019、Reuters, June 7, 2019、SANA, June 7, 2019、SOHR, June 7, 2019、UPI, June 7, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構などからなる反体制派はハマー県北部の要衝ジャルマ村の一部を制圧、シリア政府支配下のスカイラビーヤ市とムハルダ市を結ぶ街道を寸断(2019年6月7日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから38日目となる6月7日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より71人(民間人5人、シリア軍兵士32人、反体制武装集団戦闘員34人)増えて1,227人となった。

うち、357人が民間人(女性76人、子供86人を含む)、377人がシリア軍兵士、494人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は125回、投下した「樽爆弾」の数は42発を記録、ロシア軍戦闘機も38回の爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は830発におよぶ一方、反体制武装集団も520発以上の砲撃を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ナキール村、シャイフ・ムスタファー村、フバイト村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市、フバイト村、ナキール村、ファッティーラ村、カフルサジュナ村、ウライニバ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、シリア軍がハーン・スブル村、カフルバッティーフ村、マアッラト・ヌウマーン市一帯をクラスター弾などで砲撃し、カフルバッティーフ村では民間人5人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団はスカイラビーヤ市とムハルダ市を結ぶ街道上に位置する戦略的要衝のジャルマ村に進攻し、同地の一部を制圧、街道を寸断した。

これに対して、シリア軍は戦闘機でカフルズィーター市、アルバイーン村、ラターミナ町、ハスラーヤー村、ザカート村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルズィーター市、ムーリク市、サイヤード村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もザカート村、アルバイーン村、ハスラーヤー村、ラトミーン村、ラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市を爆撃した。

さらにシリア軍地上部隊が、県北部の戦闘地域を砲撃した。

反体制武装集団もシリア政府支配下のハマーミーヤート村、カルナーズ町、ジャルマ村、ジャディーダ村、カフル・フード村、シャイフ・ハディード村、カルカート村、ムスタリーハ村、カフルヌブーダ町、カッサービーヤ村、タッル・フワーシュ村を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月7日付)によると、シリア軍は反体制派支配下のガーブ平原の農地に火を放ったという。

一方、SANA(6月7日付)によると、シリア軍がジャビーン丘、タッル・ミルフ村一帯にある拠点を攻撃してきた反体制武装集団を迎撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制武装集団はまた、ムハルダ市の住宅街を砲撃し、民家やインフラに被害が出た。

また、スプートニク・ニュース(6月7日付)は、ザカート村、アルバイーン村一帯を拠点とするシャーム解放機構がタッル・ミルフ村、ジャビーン村のシリア軍拠点に対して有毒ガスを装填した砲弾で攻撃を行ったと伝えた。

他方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月7日付)は、シャーム解放機構をはじめとする反体制武装集団は、最近の戦闘でシリア軍に奪われた県北部を解放するための反攻作戦第2弾となる「必勝」の戦いを開始したと伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を16件(ラタキア県10件、アレッポ県2件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(アレッポ県1件、ハマー県7件、ラタキア県1件、イドリブ県5件)確認した。

AFP, June 7, 2019、ANHA, June 7, 2019、AP, June 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 7, 2019、al-Hayat, June 8, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 7, 2019、Reuters, June 7, 2019、SANA, June 7, 2019、Sputnik News, June 7, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 7, 2019、SOHR, June 7, 2019、UPI, June 7, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから264人、ヨルダンから1,022人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月7日付)を公開し、6月6日に難民1,286人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは264人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,022人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は253,583人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者86,594人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者166,989人(うち女性50,127人、子ども85,152人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 482,863人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 7, 2019をもとに作成。

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米占領地に隣接するルクバーン・キャンプで、ヨルダンでの治療を求めていた女性がイード・アル=フィトルの休暇を理由に入国を拒否され死亡(2019年6月6日)

米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部の国境地帯のクルバーン・キャンプで、ヨルダンでの治療を求めていた難民の女性が、入国を拒否され死亡した。

バーディヤ24(6月6日付)によると、治療を受けることができずに死亡した女性はヒムス県タドムル市出身で、ヨルダン当局は5日にラマダーン月明けのイード・アル=フィトル期間中だとして、彼女の入国を拒否していた。

女性はその後、キャンプ内のシャーム医療センターに救急搬送されたが、死亡したという。

AFP, June 6, 2019、ANHA, June 6, 2019、AP, June 6, 2019、al-Badiya 24, June 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 6, 2019、al-Hayat, June 7, 2019、Reuters, June 6, 2019、SANA, June 6, 2019、SOHR, June 6, 2019、UPI, June 6, 2019などをもとに作成。

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クナイトラ県ハドル村からイスラエル占領下のゴラン高原に地対空ミサイル4発が発射、イスラエル軍は全て撃破(2019年6月6日)

『ハアレツ』(6月6日付)などイスラエルの複数メディアは、6日晩に占領下ゴラン高原のヘルモン(シャイフ)山上空に向かってシリア側から対空砲4発が発射された、と伝えた。

対空砲はクナイトラ県ハドル村から発射され、イスラエル軍のレーターがこれを補則、砲弾すべてを撃破したという。

AFP, June 6, 2019、ANHA, June 6, 2019、AP, June 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 6, 2019mHaaretz, June 6, 2019、al-Hayat, June 7, 2019、Reuters, June 6, 2019、SANA, June 6, 2019、SOHR, June 6, 2019、UPI, June 6, 2019などをもとに作成。

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シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍はハマー県北部で反転攻勢を開始、最近の戦闘でシリア軍が制圧していたタッル・ミルフ村などを奪還(2019年6月6日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから37日目となる6月6日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より36人(民間人10人、シリア軍兵士21人、反体制武装集団戦闘員12人)増えて1,157人となった。

うち、352人が民間人(女性76人、子供84人を含む)、345人がシリア軍兵士、460人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍ヘリコプターが投下した「樽爆弾」の数は55発以上を記録、ロシア軍戦闘機も50回の爆撃を実施した(シリア軍戦闘機による爆撃は記録されなかった)。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は500発におよぶ一方、反体制武装集団も400発以上の砲撃を行った。

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ハマー県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月6日付)によると、反体制諸派が「市民シャイフ・ムウタスィム・ビッラー進攻」作戦と銘打ち、最近の戦闘でシリア軍によって制圧されたハマー県北部地域の奪還に向けた攻撃を開始した。

トルコの支援を受ける国民解放戦線も「敵を掃討せよ」作戦を、イッザ軍も「骨を砕け」作戦を開始したと発表した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団は、この反転攻勢で、シリア軍および親政権民兵との戦闘の末、ジャビーン村、タッル・ミルフ村、カフル・フード村を制圧、シリア政府支配下のムハルダ市とスカイラビーヤ市を結ぶ街道を寸断することに成功した。

同監視団によると、反体制武装集団はまた、シリア政府の支配下にあるカフルヌブーダ町、カッサービーヤ村、タッル・フワーシュ村、ハマーミーヤート村、ジャビーン村、タッル・ミルフ村、ムガイル村、ムハルダ市を砲撃した。

これに対して、シリア軍がヘリコプターでアルバイーン村に「樽爆弾」を投下、地上部隊がラトミーン村、サイヤード村、カフルズィーター市、ラターミナ町、ザカート村を砲撃した。

またロシア軍がハスラーヤー村、ザカート村、ラターミナ町、カフルズィーター市を爆撃した。

一方、SANA(6月6日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のムハルダ市、ジャビーン村、タッル・ミルフ村を砲撃し、住宅などに被害が出た。

これに対して、シリア軍はラターミナ町にあるシャーム解放機構の拠点に砲撃を行った。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月6日付)によると、イドリブ県のカフルルースィーン村の通行所からシリア領内に進入したトルコ軍の車列がムーリク市にある監視所に向かった。

車列は装甲車輌、救急車輌、四輪駆動車からなるという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村一帯、カフル・アイン村、タッルアース村、フバイト村、シャイフ・ムスタファー村に「樽爆弾」を投下、地上部隊がシャイフ・ムスタファー村、カフスサジュナ村、フバイト村、ハーン・シャイフーン市、アービディーン村、ウンム・スィール村、トゥラムラー村を砲撃した。

またロシア軍戦闘機がハーン・シャイフーン市を爆撃した。

一方、SANA(6月6日付)によると、シリア軍がマアッラト・ハルマ村にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(アレッポ県1件、ハマー県3件、ラタキア県3件、イドリブ県5件)確認した。

AFP, June 6, 2019、ANHA, June 6, 2019、AP, June 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 6, 2019、al-Hayat, June 7, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2019、Reuters, June 6, 2019、SANA, June 6, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 6, 2019、SOHR, June 6, 2019、UPI, June 6, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから286人、ヨルダンから1,725人の難民が帰国、避難民7人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月6日付)を公開し、6月5日に難民2,011人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは286人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,725人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は252,297人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者86,330人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者165,967人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 481,577人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民7人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは7人(うち女性4人、子供3人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,496人(うち女性9,555人、子供13,994人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,092人(うち女性387,482人、子供650,058人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した7人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 6, 2019をもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるアレッポ県北部各所をトルコ軍と反体制派が砲撃し、農地で火災が発生(2019年6月5日)

アレッポ県では、ANHA(6月5日付)によると、ユーフラテス川河畔の国境に面するジャラーブルス市一帯に展開するトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局支配下のアイン・アラブ(コバネ)市の西に位置するシュユーフ・タフターニー町近郊のアワースィー村を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、アフリーン郡シーラーワー町近郊のアキーバ村に対しても砲撃を行う一方、カッバースィーン村、カールータ村、ブルジュ・カース村一帯のオリーブ農場や農地を焼き払った。

シリア人権監視団も、北・東シリア自治局とシリア政府が共同統治するタッル・リフアト市近郊のタッル・マディーク村をトルコ軍が砲撃、民家や農場で火災が発生したと発表した。

しかし、反体制派系のザマーン・ワスル(6月5日付)は、トルコ占領下のマーリア市の住民の話として、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、反体制派の進軍を阻止するため、ハルバル村からシャイフ・サイード村にいたる農地約50ヘクタールを焼き払ったと伝えた。

AFP, June 5, 2019、ANHA, June 5, 2019、AP, June 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 5, 2019、al-Hayat, June 6, 2019、Reuters, June 5, 2019、SANA, June 5, 2019、SOHR, June 5, 2019、UPI, June 5, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県に対するシリア・ロシア軍の爆撃、シリア軍と反体制派の砲撃戦が再び激化(2019年6月5日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから36日目となる6月5日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より23人(民間人10人、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員9人)増えて1,121人となった。

うち、351人が民間人(女性73人、子供80人を含む)、770人がシリア軍兵士(324人)および反体制武装集団戦闘員(446人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は114回、投下した「樽爆弾」の数は14発を記録、ロシア軍戦闘機も26回の爆撃を実施した。

また、シリア軍地上部隊による砲撃は650発におよぶ一方、反体制武装集団も360発の砲撃を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでサイヤード村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカフルズィーター市、サハーブ村、サフリーヤ村を爆撃した。

爆撃により、ムーリク市で女性1人が死亡、アンカーウィー村の農地で火災が発生した。

これに対して、反体制武装集団は、シリア政府支配下のカルアト・マディーク町、カフルヌブーダ町、タッル・フワーシュ村、ムハルダ市、タッル・ミルフ村、ジャビーン村、ハマーミーヤート村、ジューリーン村を砲撃した。

これに関して、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が声明を出し、ヒルバト・ナークース村一帯に進攻しようとしたシリア軍を撃退したと発表した。

一方、SANA(6月5日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のムハルダ市の住宅街を砲撃し、民家やインフラが被害を受けた。

これに対して、シリア軍は、ザクーム村、クライディーン村、ザカート村、ハスラーヤー村一帯にあるイッザ大隊(イッザ軍)、シャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でマアッラト・ハルマ村、カフル・ウワイド村、マアッラト・スィーン村、ハザーリーン村、アルバイーン山、スフーフン村、カンスフラ村、イフスィム町、ダイル・サンバル村、フィキーア村、カフルナブル市一帯、ハーン・シャイフーン市、トゥラムラー村、シャイフ・ムスタファー村、ウライニバ村、カルサア村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでラカーヤー・サジュナ村、フバイト村、アービディーン村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もタッルアース村、マアッラト・ヌウマーン市、フバイト村、トゥラムラー村を爆撃した。

爆撃により、マアッラト・ヌウマーン市で女性1人と子供2人が、カフル・ウワイド村で女性1人が死亡、またアミーカ村の農地で火災が発生した。

またシリア軍は地上部隊が、カフルサジュナ村、カフルナブル市を白リン弾などで砲撃し、カフルナブル市内では火災が発生した。

これに対して、反体制武装集団は4日にシリア政府が制圧したカッサービーヤ村に砲撃を加えた。

これに関して、トルコの支援を受ける国民解放戦線が、カッサービーヤ村の前線でシリア軍の57ミリ砲を地対地ミサイルで破壊したと発表、その映像を公開した。

一方、SANA(6月5日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市一帯、トゥラムラー村、ナキール村でシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に爆撃を実施、地上部隊が同地一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(アレッポ県2件、ラタキア県10件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(イドリブ県1件、ハマー県8件)確認した。

AFP, June 5, 2019、ANHA, June 5, 2019、AP, June 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 5, 2019、al-Hayat, June 6, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2019、Reuters, June 5, 2019、SANA, June 5, 2019、SOHR, June 5, 2019、UPI, June 5, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから312人、ヨルダンから1,719人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月5日付)を公開し、6月4日に難民2,031人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは312人(うち女性117人、子供199人)、ヨルダンから帰国したのは1,719人(うち女性352人、子供598人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は250,296人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者86,044人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者162,242人(うち女性28,873人、子ども49,026人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 479,566人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は反体制派との戦闘の末、イドリブ県カッサービーヤ村、ジャアータ村を制圧。イドリブ県での支配地拡大は1年ぶり(2019年6月4日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから35日目となる6月4日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より23人(民間人7人、シリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員9人)増えて1,098人となった。

うち、341人が民間人(女性73人、子供80人を含む)、757人がシリア軍兵士(320人)および反体制武装集団戦闘員(437人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は64回、投下した「樽爆弾」の数は10発を記録した。

ロシア軍戦闘機による爆撃は確認されなかった。

ただし、ドゥラル・シャーミーヤ(6月4日付)によると、ロシア軍戦闘機はシリア軍とともにイドリブ県、ハマー県に対して爆撃を実施したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村、マアッラト・ハルマ村、トゥラムラー村、ハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市、シャイフ・ムスタファー村、ブサンクール村、アリーハー市一帯、イフスィム町、マシューン村、ファッティーラ村、マアッラト・スィーン村、ハザーリーン村、フィキーア村、スフーフン村、カルサア村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでナキール村に「樽爆弾」を投下した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(6月4日付)によると、ロシア軍戦闘機はダイル・サンバル村を爆撃した。

一方、SANA(6月4日付)によると、シリア軍がスフーフン村、ハーン・シャイフーン市一帯にある反体制武装集団拠点を砲撃した。

シリア人権監視団によると、一連の戦闘で、シリア軍は県南部のカッサービーヤ村とジャアータ村を制圧した。

シリア軍がイドリブ県内の市町村を奪還するのは、2018年初めに緊張緩和地帯第1ゾーンに含まれていたイドリブ県東部のアブー・ズフール町一帯を解放して以来初めて。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でクーラ村、サハーブ村、シャフルナーズ村に爆撃を実施した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(6月4日付)によると、ロシア軍戦闘機はサフリーヤ村、クーラ村、サハーブ村、シャフルナーズ村を爆撃した。

一方、SANA(6月4日付)によると、シリア軍がカイラータ村、ハミーラート村でシャーム解放機構と交戦、サハーブ村一帯、クーラ村一帯のシャーム解放機構の拠点に対して重点的な砲撃を行った。

他方、ANHA(6月4日付)によると、装甲車輌6輌と四輪駆動車約10台からなるトルコ軍部隊が、シリア領内に新たに進入、シール・マガール村に設置されている監視所に展開した。

このほか、シャーム解放機構と共闘する「穏健な反体制派」のイッザ軍は、シリア政府の支配下にある県西部のアイン・クルーム村にあるシリア軍検問所に対して特殊作戦を実施し、兵士3人を殺害したと発表した。

特殊作戦は3日に実行されたという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

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スワイダー県では、スワイダー24(6月4日付)によると、県西部の街道(ハッジ街道)でシリア軍第15師団所属のジャマール・アフマド准将が乗った車が武装集団の発砲を受けて、アフマド准将が死亡した。

ドライバーは無事だった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(ハマー県5件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, June 4, 2019、ANHA, June 4, 2019、AP, June 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2019、al-Hayat, June 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 4, 2019、Reuters, June 4, 2019、SANA, June 4, 2019、SOHR, June 4, 2019、Suwayda 24, June 4, 2019、UPI, June 4, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

WFP報道官「イドリブ県、ハマー県での戦闘で数千エーカーの農地が消失、少なくとも30万人が避難を余儀なくされている」(2019年6月4日)

国連世界食糧計画(WFP)のヘルヴェ・ヴェルホーセル(Hervé Verhoosel)報道官は、イドリブ県やハマー県の反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)でのシリア・ロシア軍の攻撃や、と、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構によって主導される反体制派とシリア軍・親政権民兵の戦闘に関して、「数千エーカーの農地が消失し、少なくとも30万人が避難を余儀なくされている」と述べ、危機感を訴えた。

AFP, June 4, 2019、ANHA, June 4, 2019、AP, June 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2019、al-Hayat, June 5, 2019、Reuters, June 4, 2019、SANA, June 4, 2019、SOHR, June 4, 2019、UPI, June 4, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから376人、ヨルダンから1,794人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月4日付)を公開し、6月3日に難民2,170人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは376人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,794人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は248,255人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者85,523人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者165,523人(うち女性28,370人、子ども48,171人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 477,535人(うち女性130,449人、子供221,579人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 4, 2019をもとに作成。

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ロシアはイドリブ県での戦闘停止、人道支援、難民帰宅を求める安保理報道声明案を廃案に(2019年6月3日)

国連安保理非常任理事国を務めるベルギー、ドイツ、クウェートの三カ国は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するシリア・ロシア軍の攻撃と、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構によって主導される反体制派とシリア軍・親政権民兵の戦闘の激化を受けて、同地での停止、人道支援、避難民の帰宅を求める報道声明案を提出したが、ロシアが「バランスを欠く」と非難、採決を経ずに廃案となった。

ロシアの国連代表は決議案に関して「北西部(イドリブ県など)の情勢はシリアの他の地域とは別個に捉えられねばならない」としたうえで、「声明案は、イドリブ県がテロ組織であるシャーム解放機構によって支配されているという事実を完全に無視している」と非難した。

また声明案には、米主導の有志連合がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあったダイル・ザウル県南東部のバーグーズ村などに対して違法な爆撃を続けてきたことへの言及がないと指摘、声明案を提案した三カ国が「シリア情勢に対して偏ったアプローチをしてきたこと」に遺憾の意を示した。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領がセルビア正教会イリネイ総主教一行と首都ダマスカスで会談(2019年6月3日)

セルビア正教会のイリネイ総主教を団長とする使節団がシリアを訪問し、首都ダマスカスでアサド大統領と会談した。

会談には、正教アンティオキアおよび全東方総主教区のヨハネ10世ヤーズジーも同席した。

アサド大統領は会談で、シリア、セルビア両国が外国の介入に晒され、両国内の社会的調和が破壊される脅威に直面しているとしたうえで、両国民がこれに対峙することで国民間の対話と協力に向けた確固たる基盤が作り出され、そのことが両国民に資すると述べた。

SANA(6月3日付)が伝えた。

これに先立って、イリネイ総主教一行は、ダマスカス郊外県マアルーラー市にある聖タクラー修道院、サイドナーヤー町にある修道院、ダマスカス県の聖十字架教会などを訪問した。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍による爆撃は続き、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)の市場、カフルナブル村の病院が狙われる(2019年6月3日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから34日目となる6月3日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より87人(民間人7人、シリア軍兵士49人、反体制武装集団戦闘員31人)増えて1,075人となった。

うち、334人が民間人(女性73人、子供78人を含む)、741人がシリア軍兵士(313人)および反体制武装集団戦闘員(428人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は126回、投下した「樽爆弾」の数は43発を記録、ロシア軍戦闘機も37回の爆撃を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッサービーヤ村一帯、ハーン・シャイフーン市、カフル・ウワイド村、バアルブー村、アービディーン村、フバイト村、マアッラト・ヌウマーン市、ウライニバ村、トゥラムラー村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村一帯、ハザーリーン村、マダーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、カフルサジュナ村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでアービディーン村、フバイト村、ラカーヤー村、カッサービーヤ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もシャイフ・ダーミス村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する爆撃では市場が狙われ、市民3人が死亡、ヒーシュ村でも1人が死亡したという。

またシリア軍は地上部隊が、カフルナブル市、タッルアース村、カフル・アイン村を砲撃し、カフルナブル村では民間人3人が死亡、同村にあるハティーブ外科病院が被弾した。

さらにカッサービーヤ一帯での戦闘では、反体制武装集団の戦闘員25人とシリア軍兵士15人が死亡した。

一方、SANA(6月3日付)によると、シリア軍がナキール村、トゥラムラー村、マアッラト・ハルマ村、マアッルズィーター村、カフルサジュナ村にあるシャーム解放機構などの反体制武装集団の拠点、マアッラト・ヌウマーン市一帯の兵站路を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

一連の爆撃で反体制武装集団戦闘員7人が死亡した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、クナイバ丘ではシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦し、シリア軍側に多数の死傷者が出たという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町に爆撃を実施した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県13件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を39件(アレッポ県1件、ハマー県23件、ラタキア県10件、イドリブ県5件)確認した。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局はダーイシュのノルウェー人メンバーの子供(孤児)5人の身柄引き渡しをノルウェーと合意(2019年6月3日)

ノルウェー外務省高官(クリステン・ニトランド)を団長とする使節団が北・東シリア自治区支配下のラッカ県アイン・イーサー市を公式訪問し、同自治局の渉外関係局(外務省に相当)のアブドゥルカリーム・ウマル共同議長と会談、自治局支配地域の人道状況、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族の処遇などについて協議した。

ANHA(6月3日付)によると、会談は約2時間におよび、両者はノルウェー国籍を有するダーイシュ・メンバーの子供(孤児)5人の身柄をノルウェー当局に引き渡すことを定めた合意に調印した。

5人はダイル・サウル県南東のバーグーズ村で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によって保護されていたという。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから620人、ヨルダンから2,030人の難民が帰国、避難民14人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月3日付)を公開し、6月2日に難民2,650人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは620人(うち女性186人、子供316人)、ヨルダンから帰国したのは2,030人(うち女性609人、子供1,035人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は264,085人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者85,356人(うち女性25,758人、子ども43,449人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者160,729人(うち女性48,248人、子ども81,959人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 475,365人(うち女性142,664人、子供242,330人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民14人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは11人(うち女性4人、子供5人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,489人(うち女性9,555人、子供13,994人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,085人(うち女性387,482人、子供650,058人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した202人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は202人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2019をもとに作成。

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ロシア大統領府報道官は爆撃停止を呼びかけたトランプ米大統領のツイッターの書き込みを一蹴(2019年6月3日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、トランプ大統領のツイッターでの書き込みを受けて、「イドリブ県には、依然としてテロリストや武装集団の一大拠点があり、そこから民間施設を狙って攻撃し、ロシア軍の軍事拠点にさまざまな攻撃を行っている。こうした状況は容認できない」と述べ、一蹴した。

また「ロシアは現在、イドリブ県でこうした攻撃が発生しないことに責任を負っているトルコ側と協力している」と付言した。

スプートニク・ニュース(6月3日付)が伝えた。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、Sputnik News, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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