トランプ米大統領はツイッターでロシア、シリアにイドリブ県の爆撃を止めるよう呼びかける(2019年6月2日)

ドナルド・トランプ米大統領はツイッターのアカウント(https://twitter.com/realdonaldtrump?lang=ja)で「ロシアやシリア、それより小規模だがイランが、シリアのイドリブ県を爆撃し、罪もない市民を無差別に殺戮しているという。世界がこの残虐行為に目を向けている。目的な何なんだ。何を得ようとしているのか? 止めろ!」と綴った。

AFP, June 3, 2019、ANHA, June 3, 2019、AP, June 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2019、al-Hayat, June 4, 2019、Reuters, June 3, 2019、SANA, June 3, 2019、SOHR, June 3, 2019、UPI, June 3, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍報道官はT4ではなくクナイトラ県、ダマスカス郊外県に報復攻撃を行ったと発表(2019年6月2日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて、1日の占領下ゴラン高原へのロケット弾飛来への報復として、イスラエル軍がシリア領内の軍事的標的多数を狙い、ゴラン高原の砲台2カ所、監視拠点および諜報機関拠点多数、SA-2中距離地対空ミサイル発射台1基を破壊したと発表、その映像と写真を公開した。

 

公開された映像・写真は、ダマスカス郊外県ハーン・シャイフ町近郊の砲台、クナイトラ県北部の監視所、同県タッル・シャッアール丘の諜報機関拠点など。

AFP, June 2, 2019、ANHA, June 2, 2019、AP, June 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2019、al-Hayat, June 3, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 2, 2019、SOHR, June 2, 2019、UPI, June 2, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイスラエル軍戦闘機がヒムス県のT4航空基地をミサイル攻撃し、兵士複数が死傷したと発表(2019年6月2日)

シリア軍消息筋は、2日未明(午前3時頃)にイスラエル軍が占領下ゴラン高原方面から飛来し、ヒムス県東部のタイフール航空基地(T4航空基地)に向けて複数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がこれを撃破したと発表した。

しかし、イスラエル軍が発射したミサイルのうち1発が基地に着弾し、兵士3人が死亡、7人が負傷、武器弾薬庫が被弾、そのほか一部の施設が被害を受けたという。

SANA(6月2日付)が伝えた。

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一方、シリア人権監視団によると、ミサイルはイスラエル軍戦闘機が発射したもので、シリア軍兵士少なくとも5人が死亡、多数が負傷したという。

タイフール航空基地には、イラン・イスラーム革命防衛隊の倉庫、基地があるという。

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ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、爆撃は6回にわたり、ダマスカス郊外県キスワ市近郊のアブー・サアーリブ丘、第165中隊基地にも及んだという。

AFP, June 2, 2019、ANHA, June 2, 2019、AP, June 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2019、al-Hayat, June 3, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 2, 2019、SOHR, June 2, 2019、UPI, June 2, 2019などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相は1日深夜のゴラン高原に対するシリア領からのロケット弾飛来への報復を決意(2019年6月2日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はツイッターのアカウント(https://twitter.com/netanyahu?lang=ja)で、1日深夜に占領下ゴラン高原にロケット弾2発が撃ち込まれたことに関して「力をもって対応する」と綴った。

ツイッターでの書き込みの内容は以下の通り:

「私は昨日、ゴラン高原にロケット弾が撃ち込まれたことを受けて、安全保障会議を開催し、イスラエル国防軍に断固たる行動をとるよう指示した。

我が国領内への攻撃を容認することなどできない。我々は我々に対するいかなる攻撃に対しても力をもって対応する。

これは私がこれまで一貫して推し進めてきた方針であり、今後もイスラエルの安全保障をためにこれを続ける」。

AFP, June 2, 2019、ANHA, June 2, 2019、AP, June 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2019、al-Hayat, June 3, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 2, 2019、SOHR, June 2, 2019、UPI, June 2, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍はイドリブ県、ハマー県などへの爆撃を続けるとともに反体制派と交戦、民間人7人を含む18人が死亡(2019年6月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから33日目となる6月2日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より18人(民間人7人、シリア軍兵士6人、反体制武装集団戦闘員5人)増えて988人となった。

うち、327人が民間人(女性72人、子供78人を含む)、679人がシリア軍兵士(282人)および反体制武装集団戦闘員(397人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は106回、投下した「樽爆弾」の数は16発を記録、ロシア軍戦闘機も33回の爆撃を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、フバイト村、シャイフ・ムスタファー村、フィキーア村、カルサア村、カフルラーター村、スフーフン村、トゥラムラー村、カンスフラ村一帯、マアッルシューリーン村、ブナイン村、イフスィム町、タッルアース村、マアッラト・ハルマ村、ハザーリーン村一帯、ファッティーラ村、ラカーヤー村、バーラ村に爆撃を実施した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、フバイト村を爆撃した。

爆撃により、バーラ村では女性1人と子供1人を含む3人が、カフルラーター村では1人が死亡した。

また、シリア軍地上部隊の砲撃では、アルバイーン山で1人が死亡した。

一方、SANA(6月2日付)によると、シリア軍がマイダーン・ガザール村、フバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハミーディーヤ村、ラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市、シャフルナーズ村に爆撃を実施した。

ロシア軍もカフルズィーター市、ハミーディーヤ村、アミーカ村、ハウワーシュ村、ラターミナ町を爆撃した。

また、シリア軍地上部隊の砲撃では、ザカート村で1人が死亡した。

一方、SANA(6月2日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町を砲撃し、住居などが被害を受けた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がクルド山地方のカッバーナ村一帯にあるシリア軍拠点を攻撃、交戦した。

これに対し、シリア軍はヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でICARDA地区に爆撃を実施した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県9件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(イドリブ県1件、ハマー県6件)確認した。

AFP, June 2, 2019、ANHA, June 2, 2019、AP, June 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2019、al-Hayat, June 3, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 2, 2019、SOHR, June 2, 2019、UPI, June 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから456人、ヨルダンから331人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月2日付)を公開し、6月1日に難民1,583人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは456人(うち女性118人、子供200人)、ヨルダンから帰国したのは331人(うち女性100人、子供168人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は243,435人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者84,736人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者158,669人(うち女性47,639人、子ども80,924人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 472,715人(うち女性140,998人、子供221,579人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2019をもとに作成。

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イスラエル軍報道官:シリアから占領下のゴラン高原にロケット弾2発が飛来したと発表(2019年6月1日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて、「シリアからヘルモン山地帯(占領下ゴラン高原)に向けてロケット弾2発が発射されたのを補則した。詳細は調査中」と発表した。

AFP, June 2, 2019、ANHA, June 2, 2019、AP, June 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2019、al-Hayat, June 3, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 2, 2019、SOHR, June 2, 2019、UPI, June 2, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部でトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局支配地域を砲撃(2019年6月1日)

アレッポ県では、ANHA(6月1日付)によると、トルコ国境に近いユーフラテス川河畔のジャラーブルス市近郊に駐留するトルコ軍が、北・東シリア自治局支配下のアイン・アラブ(コバネ)市近郊のシュユーフ・タフターニー町を砲撃した。

また、トルコの支援を受ける反体制武装集団がバーブ市東に位置するブーガーズ村にあるバーブ軍事評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属)の拠点複数カ所を攻撃した。

AFP, June 1, 2019、ANHA, June 1, 2019、AP, June 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 1, 2019、SOHR, June 1, 2019、UPI, June 1, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県などに対するシリア・ロシア軍の攻撃は続き、民間人7人が死亡(2019年6月1日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから33日目となる6月1日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より7人(民間人7人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて988人となった。

うち、320人が民間人(女性70人、子供77人を含む)、668人がシリア軍兵士(276人)および反体制武装集団戦闘員(392人)。

シリア・ロシア軍の爆撃は54回に達した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、シャイフ・ダーミス村、フライフィル村を爆撃し、女性1人を含む民間人4人が死亡した。

シリア軍戦闘機はまた、ヒーシュ村、ダイル・サンバル村、カフルムース村、カンスフラ村一帯、スフーフン村、イフスィム町、トゥラムラー村、フィキーア村、カルサア村、カフル・ウワイド村、フバイト村、アリーハー市一帯、ダイル・サンバル村、アルバイーン山、シャイフ・ムスタファー村、アミーカ村を爆撃、シャフシャブー山、バスカラー村、フバイト村を機銃掃射した。

シリア軍はさらに、地上部隊がハーン・シャイフーン市をナパーム弾で砲撃し、同市一帯の農場で火災が発生、民間人15人以上が火傷を負った。

また、シリア軍は、トゥラムラー村を白リン弾で砲撃した。

一方、SANA(6月1日付)によると、シリア軍がカフル・ウワイド村、イフスィム町、ハーン・シャイフーン市、フバイト村、シャイフ・ムスタファー村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカフルズィーター市、アンカーウィー村、サイヤード村を砲撃し、サイヤード村一帯の農場で火災が発生した。

一方、SANA(6月1日付)によると、反体制武装集団が無人航空機(ドローン)を使用してジュッブ・ラムラ町一帯への攻撃を行った。

また、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、カルアト・マディーク町、シャトハ町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍も同地一帯を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がICARDA地区、アターリブ市、バルクーム村一帯を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ラタキア県12件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(ハマー県)確認した。

AFP, June 1, 2019、ANHA, June 1, 2019、AP, June 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 1, 2019、Reuters, June 2, 2019、SANA, June 1, 2019、SOHR, June 1, 2019、UPI, June 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから456人、ヨルダンから861人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月1日付)を公開し、5月31日に難民1,317人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは456人(うち女性118人、子供200人)、ヨルダンから帰国したのは861人(うち女性202人、子供343人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は241,852人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者84,405人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者157,447人(うち女性47,005人、子ども79,763人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 469,815人(うち女性140,998人、子供221,579人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 1, 2019をもとに作成。

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トルコ軍特殊部隊がハタイ県国境地帯に展開(2019年5月31日)

アナトリア通信(5月31日付)は、トルコ軍特殊部隊が、シリア・ロシア軍によるイドリブ県への攻撃激化を受けてハタイ県に展開したと伝えた。

各地からハタイ県に集結した特殊部隊は軍用車輌50輌からなり、国境地帯に配置されるという。

AFP, May 31, 2019、Anadolu Ajansı, May 31, 2019、ANHA, May 31, 2019、AP, May 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2019、al-Hayat, June 1, 2019、Reuters, May 31, 2019、SANA, May 31, 2019、SOHR, May 31, 2019、UPI, May 31, 2019などをもとに作成。

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EUはシリア、ロシア、トルコ、イランにイドリブ県での民間人保護を求める(2019年5月31日)

欧州連合(EU)は声明を出し、「シリア政府およびアスタナ会議保障国(ロシア、トルコ、イラン)に対して自らの責任と義務を果たし、民間人を直ちに保護する」よう呼びかけた。

声明のなかでEUは「いかなる事情であれ、女性、子供などの民間人への無差別攻撃や強制退去、公共インフラの破壊は正当化され得ない」と付言した。

AFP, May 31, 2019、ANHA, May 31, 2019、AP, May 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2019、al-Hayat, June 1, 2019、Reuters, May 31, 2019、SANA, May 31, 2019、SOHR, May 31, 2019、UPI, May 31, 2019などをもとに作成。

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ハマー県北部ではシャーム解放機構、国民解放戦線がシリア軍への攻撃を激化させる一方、シリア軍はトルコ軍の監視所を砲撃(2019年5月31日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから32日目となる5月31日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より34人(民間人4人、シリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員23人)増えて981人となった。

うち、313人が民間人(女性66人、子供77人を含む)、668人がシリア軍兵士(276人)および反体制武装集団戦闘員(392人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は77回、投下した「樽爆弾」の数は17発を記録、ロシア軍戦闘機も15回の爆撃を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアムキーヤ町、ハウワーシュ村、フワイジャ村、サイヤード村、カフルズィーター市、ラトミーン村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでアムキーヤ町、ハウワーシュ村、フワイジャ村、シャフルナーズ村、カラ・ジュルン村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍地上部隊は、ハウワーシュ村、フワイズ村一帯を砲撃し、シャーム解放機構の戦闘員15人を殺害し、同地での戦闘で戦闘員8人を殺害した。

対するシャーム解放機構もこの戦闘でシリア軍兵士7人を殺害した。

これに関して、シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官は、トルコの支援を受ける国民解放戦線、イッザ軍とともに、フワイズ村一帯でシリア軍の拠点を襲撃し、多数の兵士を殺傷したと発表した。

また、国民解放戦線も同地奪還を目的とする軍事作戦を開始したと発表した。

一方、SANA(5月31日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町を砲撃し、住居などに被害が出た。

これに対して、シリア軍はフワイジャ村、シャフルナーズ村、アンカーウィー村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃するとともに、フワイズ村方面から潜入しようとした反体制武装集団を撃破した。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、シリア軍はシール・マガール村にあるトルコ軍監視所一帯を砲撃、トルコ軍側に複数の負傷者が出た。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサルジャ村一帯、ブナイン村灌木地帯、カフル・ウワイド村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ウライニバ村、ハーン・シャイフーン市一帯、カフル・ジャーリス村一帯、アイン・ラールーズ村一帯、イドリブ市西部郊外、イフスィム町、フバイト村、タッルアース村、フィキーア村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市一帯、フバイト村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカフルアイン、ハーン・シャイフーン市、フバイト村を爆撃した。

またシリア軍は地上部隊は、ダイル・サンバル村、イドリブ県を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(アレッポ県1件、ラタキア県10件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, May 31, 2019、ANHA, May 31, 2019、AP, May 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2019、al-Hayat, June 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 31, 2019、Reuters, May 31, 2019、SANA, May 31, 2019、SOHR, May 31, 2019、UPI, May 31, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから377人、ヨルダンから857人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年5月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月31日付)を公開し、5月30日に難民1,234人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは377人(うち女性118人、子供200人)、ヨルダンから帰国したのは857人(うち女性202人、子供343人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は240,535人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者83,949人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者156,586人(うち女性47,005人、子ども79,763人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 469,815人(うち女性140,998人、子供221,579人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 31, 2019をもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2019年4月末の段階で1,302人(2019年5月31日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2014年8月から2019年4月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる7件の新たな報告を受け、すでに報告されている122件と併せて調査を行い、18件の調査を完了した。

調査を完了した18件のうち3件で意図せずに民間人5人が死亡したことが確認された。

111件については調査が継続される。

なお、2014年8月から2019年4月までに有志連合が実施した空爆34,503回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,302人となった。

CENTCOM, May 31, 2019をもとに作成。

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トルコ軍はハマー県、アレッポ県、イドリブ県の反体制派支配地域に設置している監視所に増援部隊を派遣(2019年5月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)、ANHA(5月30日付)は、トルコ軍がイドリブ県カフルルースィーン村の国境通行所を通じて、シリア領内に戦車、装甲車など30輌からなる増援部隊を派遣、同部隊は緊張緩和地帯第1ゾーンとシリア政府支配地域が境界に位置する反体制派支配下のハマー県ムーリク市にある監視所に向かった。

またこれに先立ち、トルコ軍は29日、戦車、装甲車など50輌からなる増援部隊を派遣、同部隊はアレッポ県アイス丘、イドリブ県タッル・トゥーカーン村、サルマーン村にある監視所向かった。

AFP, May 30, 2019、ANHA, May 30, 2019、AP, May 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2019、al-Hayat, May 31, 2019、Reuters, May 30, 2019、SANA, May 30, 2019、SOHR, May 30, 2019、UPI, May 30, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県などに対するシリア・ロシア軍の爆撃は若干減少するも、民間人6人、反体制派戦闘員16人が犠牲に(2019年5月30日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから31日目となる5月30日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より22人(民間人6人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員16人)増えて947人となった。

うち、309人が民間人(女性64人、子供77人を含む)、638人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(369人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は61回を記録、ロシア軍戦闘機も9回の爆撃を行った。

ただし、シリア軍ヘリコプターが投下した「樽爆弾」は6発にとどまり、またシリア軍地上部隊と反体制武装集団の砲撃戦も限定的なものとなった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でウライニバ村、フバイト村、カフルルーマー村、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、フィキーア村、カルサア村、マルイヤーン村、カフルムース村、マンタフ村、トゥラムラー村、アルバイーン山一帯、アービディーン村、ハザーリーン村への爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでトゥラムラー村に「樽爆弾」2発を投下した。

またシリア軍は地上部隊がハーン・シャイフーン市を砲撃した。

ロシア軍もフバイト村、ハーン・シャイフーン市、スフーフン村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する爆撃で、女性と子供を含む民間人5人が死亡、10人以上が負傷したという。

一方、SANA(5月30日付)によると、シリア軍がフバイト村、カルサア村、トゥラムラー村、サルジャ村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市への爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシャフルナーズ村に「樽爆弾」2発を投下した。

またシリア軍は地上部隊がザカート村、アルバイーン村を砲撃した。

一方、SANA(5月30日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町を砲撃し、住民5人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯への爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊が、同地一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が、ハミーラ村およびその一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県2件、ラタキア県7件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県2件、ラタキア県2件、ハマー県2件)確認した。

AFP, May 30, 2019、ANHA, May 30, 2019、AP, May 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2019、al-Hayat, May 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 30, 2019、Reuters, May 30, 2019、SANA, May 30, 2019、SOHR, May 30, 2019、UPI, May 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから356人、ヨルダンから945人の難民が帰国、避難民210人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者202人)が帰宅(2019年5月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月30日付)を公開し、5月29日に難民1,301人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは356人(うち女性107人、子供181人)、ヨルダンから帰国したのは945人(うち女性284人、子供482人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は239,301人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者82,572人(うち女性25,222人、子ども42,540人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者155,729人(うち女性46,729人、子ども79,409人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 468,581人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,638,968人(うち女性1,991,690人、子供3,385,874人)。

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一方、国内避難民210人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性2人、子供5人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは5人(うち女性1人、子供3人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは202人(うち女性68人、子供81人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,453人(うち女性4,383人、子供5,48人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,299,049人(うち女性386,338人、子供648,448人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した202人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は202人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 30, 2019をもとに作成。

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ロシアとシリアはルクバーン、フール両キャンプの避難民が「米国に管理された武装ギャング」に人質にとられていると非難(2019年5月29日)

シリア国外難民帰還調整委員会とロシア当事者和解調整センターは共同声明を出し、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内のヨルダン国境との緩衝地帯に位置するヨルダン国境のルクバーン・キャンプと、北・東シリア自治局の支配下にあり、有志連合が駐留するハサカ県のフール・キャンプの状況に関して、「米国に管理された武装ギャング」によって避難民が人質にとられていると非難した。

声明によると、ルクバーン・キャンプからは3月23日以降、1万3337人がシリア政府支配地域への帰還を果たしたが、約3万人が非人道的な状況下でキャンプにとどまることを余儀なくされている。

キャンプに身を寄せる避難民は85%以上が帰還を希望しているという。

一方、フール・キャンプの状況はさらに劣悪で、過去4ヶ月間で収容者数が4倍に増加、7万3000人とされる避難民が非衛生で劣悪な環境に置かれているという。

シリア国外難民帰還調整委員会はロシア当事者和解調整センターはこうした状況を鑑み、国際社会、国連関連機関、人道支援機関に対して、米国に影響力を行使し、同国が違法に占領する地域から即時撤退を求めるよう呼びかけた。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2019をもとに作成。

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トルコのアカル国防大臣はロシアに対してイドリブ県へのシリア軍の攻撃を停止させるよう求める(2019年5月29日)

トルコのフルシ・アカル国防大臣は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するシリア・ロシア軍の激しい攻撃が続いていることに関して、「我々はロシアとイドリブ県における早急な安定の実現と停戦に向けて連絡を取り続けている」と述べた。

アカル国防大臣は「ロシアにはさまざまなチャンネルがあり、このために行動している」と付言、「シリア政府はこの地域に対して陸と空から攻撃を続けており、数万の女性、子供、老人が非難を余儀なくされている…。悲劇だ」と非難した。

アナトリア通信(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2019、Anadolu Ajansı, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

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ダマスカスとオマーンの首都マスカットを結ぶ定期旅客便再開(2019年5月29日)

シャーム・ウィングス社は声明を出し、ダマスカスとオマーンの首都マスカットを結ぶ定期旅客便を再開したと発表した。

定期旅客便は週2回、月曜日と木曜日に就航するという。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合はハサカ県で空挺作戦を敢行し、ダーイシュのメンバー15人を拘束(2019年5月29日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍特殊部隊とともに、県南部のカーナー村で空挺作戦を敢行し、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバー約15人を拘束した。

https://www.youtube.com/watch?v=WOenSmCnP9s

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍がイドリブ県などへの攻撃を続け、反体制派戦闘員43人、民間人18人が死亡(2019年5月29日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから1ヶ月目となる5月29日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より61人(民間人18人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員43人)増えて925人となった。

うち、303人が民間人(女性63人、子供72人を含む)、622人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(353人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回、投下した「樽爆弾」の数は46発を記録、ロシア軍戦闘機も15回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は565発以上にのぼった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアリーハー市、シャイフ・ムスタファー村、ハーン・シャイフーン市、カンスフラ村、スフーフン村、アービディーン村、サルジャ村、カルサア村、マアッルズィーター村、ムサイビーン村一帯、ウライニバ村、タルナバ村一帯、ナキール村、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、ハッサーナ村、カッサービーヤ村に爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでフバイト村、バーラ村、アービディーン村、ナキール村、ウライニバ村、マアッラト・ハルマ村一帯、カフルズィーター市に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が、県南部各所を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、フバイト村一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月29日付)によると、サルジャ村に対するシリア軍の爆撃で女性5人、子供1人を含む民間人7人が死亡、バーラ村では「樽爆弾」によって子供2人を含む民間人3人が死亡した。

またフバイト村に対する爆撃で、ロシア軍は燃料気化爆弾を使用し、民間人3人が死亡したという。

一方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月29日付)によると、シャーム解放機構の治安部隊が「アサド政権」のために活動する一家3人を拘束したと伝えた。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月30日付)によると、人民抵抗連隊が、反体制派支配地域の境界地帯でシリア軍の進軍に備えるため、「汝のくにを防御せよ」と銘打った作戦を開始したと発表した。

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ハマー県では、SANA(5月29日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のカムハーナ町、シャトハ町、サルハブ市、スカイラビーヤ市を砲撃し、女性1人が死亡、7人が負傷した。

これに対して、シリア軍はイドリブ県のカフルサジュナ村、バーラ村一帯から県北部に進入・展開したシャーム解放機構に対して砲撃を加えた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍は戦闘機でクマイナース村に爆撃を実施、地上部隊が県北部各所を砲撃した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月29日付)によると、トルコの支援を受ける国民火砲戦線がカルア山にあるシリア軍拠点複数カ所を襲撃し、兵士多数を殺傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部各所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が、県西部各所を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(ハマー県2件、アレッポ県1件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, May 29, 2019、ANHA, May 29, 2019、AP, May 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2019、May 30, 2019、al-Hayat, May 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 29, 2019、Reuters, May 29, 2019、SANA, May 29, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 29, 2019、SOHR, May 29, 2019、UPI, May 29, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県で車2台を爆撃(2019年5月28日)

ダイル・ザウル県では、ザマーン・ワスル(5月28日付)などによると、米主導の有志連合がナムリーヤ村とアブー・ナイタル村間の街道で車2台に対して爆撃を行った。

AFP, May 28, 2019、ANHA, May 28, 2019、AP, May 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2019、al-Hayat, May 29, 2019、Reuters, May 28, 2019、SANA, May 28, 2019、SOHR, May 28, 2019、UPI, May 28, 2019、Zaman al-Wasl, May 28, 2019などをもとに作成。

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フランス外務大臣「我々はイドリブ県一帯で化学兵器が使用されたことを示す兆候を持っているが、まだ調査は完了していない」(2019年5月28日)

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は国民議会(下院)の外交委員会で、「我々はイドリブ県一帯で化学兵器が使用されたことを示す兆候を持っているが、まだ調査は完了していない」と述べた。

AFP(5月28日付)が伝えた。

AFP, May 28, 2019、ANHA, May 28, 2019、AP, May 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2019、al-Hayat, May 29, 2019、Reuters, May 28, 2019、SANA, May 28, 2019、SOHR, May 28, 2019、UPI, May 28, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県などへのシリア軍の爆撃は続き、民間人30人が死亡、ダール・ヒクマ病院(カフルナブル市)、ラカーヤー救急医療センターが利用不要に(2019年5月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから29日目となる5月28日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より30人(民間人30人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて864人となった。

うち、285人が民間人(女性59人、子供68人を含む)、579人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(310人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は134回、投下した「樽爆弾」の数は86発を記録、ロシア軍戦闘機も19回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は790発以上にのぼった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に17回、ヒーシュ村に8回、ハーン・シャイフーン市に7回、カフルナブル市、カフル・ウワイド村、シャイフ・ムスタファー村、ラカーヤー村、カルサア村、トゥラムラー村にそれぞれ5回、カッサービーヤ村、バウワービーヤ村一帯、ハーン・スブル村、イフスィム町にそれぞれ3回、マアッラト・マーティル町、サラーキブ市、ラカーヤー村、ハザーリーン村、ナキール村、カフルサジュナ村、バーブーリーン村、マアッルハッタート村、フライフィル村にそれぞれ2回の爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでフバイト村に「樽爆弾」55発、ハーン・スブル村に10発、スフーフン村、ヒーシュ村、カッサービーヤ村、カフル・アイン村に3発を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部各所を砲撃した。

ロシア軍もマアッラト・ヌウマーン市、フィキーア村を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、イフスィム町、マアッラト・マーティル町、スフーフン村、ハーン・スブル村に対するシリア軍の爆撃で子供2人と女性1人を含む5人が死亡した。

また、カフルナブル市のダール・ヒクマ病院とラカーヤー村の救急医療センターが破壊され利用不能となり、ハーン・スブル村のアブー・バクル・スィッディーク・モスクが破壊された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフル・ハラブ村に5回、アターリブ市およびその一帯に5回、ハーン・アサル村に3回、バスィーダー村、バシュカーティーン村、第46中隊基地(アターリブ市近郊)、ICARDA地区に2回の爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊が県西部各所を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、シリア軍の爆撃ではカフル・ハラブ村の市場が標的となり、女性と子供を含む市民10人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村に7回の爆撃を実施した。

またシリア軍は地上部隊が県北部各所を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルズィーター市、サイヤード村、シャフルナーズ村を爆撃した。

またシリア軍は地上部隊が県北部各所を砲撃した。

一方、SANA(5月28日付)によると、シリア軍がムーリク市、ザカート村、アルバイーン村にあるシャーム解放機構など反体制武装集団の拠点を重点的に砲撃し、外国人を含む複数の戦闘員を殺傷した。

これに対して、反体制武装集団は、シリア政府支配下のカムハーナ町、サルハブ市を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(ハマー県3件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(イドリブ県3件、アレッポ県4件、ラタキア県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, May 28, 2019、ANHA, May 28, 2019、AP, May 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2019、al-Hayat, May 29, 2019、Reuters, May 28, 2019、SANA, May 28, 2019、SOHR, May 28, 2019、UPI, May 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから288人、ヨルダンから618人の難民が帰国、避難民8人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月28日付)を公開し、5月27日に難民906人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは288人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは618人(うち女性198人、子供336人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は236,747人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者82,824人(うち女性24,360人、子ども41,079人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者153,923人(うち女性46,021人、子ども78,173人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 466,027人(うち女性139,861人、子供237,569人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民8人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性3人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は30,239人(うち女性9,477人、子供44,736人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,298,835人(うち女性386,338人、子供648,448人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2019をもとに作成。

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ロシアとYPGはトルコの侵攻が懸念されるアレッポ県北部タッル・リフアト市近郊にロシア軍監視所3カ所の設置と合同パトロール実施で合意(2019年5月27日)

バスニュース(5月27日付)は、複数のメディア筋の話として、ロシアが人民防衛隊(YPG)との3日におよぶ協議の末、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の侵攻が懸念されているアレッポ県北部のタッル・リフアト市近郊にロシア軍監視所3カ所を新設し、アフリーン郡一帯のトルコ占領地域との境界地帯で合同パトロールを行うことを合意したと伝えた。

タッル・リフアト市一帯は、北・東シリア自治局がシャフバー地区と呼び、シリア政府と共同統治を行っている。

AFP, May 27, 2019、ANHA, May 27, 2019、AP, May 27, 2019、Basnews, May 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2019、al-Hayat, May 27, 2019、Reuters, May 27, 2019、SANA, May 27, 2019、SOHR, May 27, 2019、UPI, May 27, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍の爆撃はイドリブ県に集中、シャーム解放機構支配下のアリーハー市では民間人6人が死亡(2019年5月27日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから28日目となる5月27日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より20人(民間人19人、シリア軍兵士37人、反体制武装集団戦闘員45人)増えて834人となった。

うち、255人が民間人(女性53人、子供53人を含む)、579人がシリア軍兵士(269人)および反体制武装集団戦闘員(310人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は134回、投下した「樽爆弾」の数は144発を記録、ロシア軍戦闘機も8回の爆撃を行った。

また、シリア軍地上部隊が発射した砲弾は400発以上にのぼった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフバイト村に26回、ハーン・シャイフーン市に20回、マアッラト・ハルマ村に19回、カフルナブル市に8回、シャイフ・ムスタファー村に6回、ハザーリーン村に5回、アリーハー市、イブリーン村にそれぞれ3回、バーラ村一帯、バーティンタ村、イフスィム町、カフル・ウワイド村、ナキール村、マアッルズィーター村、カルサア村、フィキーア村、スフーフン村、トゥラムラー村、カンスフラ村、マアッラト・スィーン村、マシューン村、カフルサジュナ村にそれぞれ2回の爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでマアッラト・ハルマ村に「樽爆弾」39発、フバイト村に35発、カフルサジュナ村に19発、ハーン・シャイフーン市に16発、シャイフ・ムスタファー村に11発、サルマーニーヤ村、マアッルズィーター村、ヒーシュ村、ナキール村にそれぞれ2発を投下した。

シリア軍地上部隊も県南部を砲撃した。

ロシア軍戦闘機もカルサアに4回、ナキール村、フバイト村にそれぞれ2回の爆撃を行った。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)によると、このうちアリーハー市に対する爆撃では、女性4人を含む民間人6人が死亡、12人が瓦礫の下敷きになった。

一方、SANA(5月27日付)によると、シリア軍がカフルナブル市、トゥラムラー村にあるシャーム解放機構の拠点を重点的に砲撃し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に14回の爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで同地に「樽爆弾」16発を投下した。

シリア軍地上部隊も同地を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県北部を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県西部を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県10件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県2件、ハマー県13件)確認した。

AFP, May 27, 2019、ANHA, May 27, 2019、AP, May 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2019、al-Hayat, May 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 27, 2019、Reuters, May 27, 2019、SANA, May 27, 2019、SOHR, May 27, 2019、UPI, May 27, 2019などをもとに作成。

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イスラエル軍がクナイトラ県内のシリア軍拠点をミサイル攻撃、兵士1人が死亡、複数が負傷(2019年5月27日)

シリア軍筋は、イスラエル軍が27日晩(午後9時10分)、クナイトラ県ハーン・アルナバ市東部に位置するシリア軍の拠点1カ所を攻撃、兵士1人が死亡、1人が負傷したと発表した。

イスラエル軍はこの攻撃に先立って、同県タッル・シャッアール丘に対してもミサイル攻撃を行い、複数人が負傷した。

SANA(5月27日付)が伝えた。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍による攻撃は地対地ミサイルによるもので、シリア軍防空部隊を狙ったもののだという。

AFP, May 27, 2019、ANHA, May 27, 2019、AP, May 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2019、al-Hayat, May 27, 2019、Reuters, May 27, 2019、SANA, May 27, 2019、SOHR, May 27, 2019、UPI, May 27, 2019などをもとに作成。

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