サウジアラビアのジュバイル外務担当国務大臣「シリアのアラブ連盟復帰は時期尚早」(2019年3月4日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務担当国務大臣は、モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談後の共同記者会見で、シリアのアラブ連盟の復帰について「時期尚早だ」と述べた。

シリア情勢やイエメン情勢などについてラブロフ外務大臣と意見を交わしたジュバイル外務担当国務大臣は「サウジアラビアは常にシリアの領土統一と政治的解決を強調してきた」としたうえで、「サウジアラビア大使館の(シリアでの)再開は政治プロセスの進展次第だ…。シリアのアラブ連盟への復帰は時期尚早だ」などと述べた。

アラビーヤ・チャンネル(3月4日付)が伝えた。

AFP, March 4, 2019、Alarabia, March 4, 2019、ANHA, March 4, 2019、AP, March 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2019、al-Hayat, March 5, 2019、Reuters, March 4, 2019、SANA, March 4, 2019、UPI, March 4, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と反体制武装集団がアフリーン郡(アレッポ県)の村を砲撃(2019年3月4日)

アレッポ県では、ANHA(3月4日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン郡シーラーワー町近郊のブルジュ・カース村、アーキーブ村、スーガーニカ村を砲撃した。

AFP, March 4, 2019、ANHA, March 4, 2019、AP, March 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2019、al-Hayat, March 5, 2019、Reuters, March 4, 2019、SANA, March 4, 2019、UPI, March 4, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市内をパトロール中のロシア軍憲兵隊が武装集団の襲撃を受ける(2019年3月4日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月4日付)によると、アレッポ市シャイフ・ナッジャール地区に展開しているロシア軍憲兵隊とシリア諜報機関の合同パトロール部隊が、武装集団の襲撃を受け、シリア諜報機関のメンバー4人が死亡、ロシア軍憲兵隊員2人が負傷した。

ロシア軍憲兵隊がアレッポ市内で襲撃されたのは、2016年12月に同市がシリア軍によって解放されて以降初めて。

AFP, March 4, 2019、ANHA, March 4, 2019、AP, March 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2019、al-Hayat, March 5, 2019、Reuters, March 4, 2019、SANA, March 4, 2019、UPI, March 4, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハマー県に設置されているトルコ軍監視所の近くにシリア軍が撃った砲弾が着弾(2019年3月4日)

ハマー県では、アラビーヤ・チャンネル(3月4日付)などによると、県内に設置されているトルコ軍の監視所1カ所がシリア軍の砲撃を受けた。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月4日付)によると、砲撃を受けたのはムーリク市にあるトルコ軍の監視所。

複数の消息筋によると、バッザーム丘に展開するシリア軍部隊が迫撃砲複数発を発射、トルコ国旗が掲げられていた監視所の200~500メートルの地点に砲弾は着弾、直撃はしなかったという。

砲撃を受けた監視所に駐留するトルコ軍部隊は、トルコ南部のインジルリク航空基地に航空支援を要請、同基地の航空部隊が警戒レベルを上げた。

一方、SANA(3月4日付)によると、シリア軍はラターミナ町で反体制武装集団の車輌を攻撃、これを破壊した。

シリア軍はまた、ムーリク市の反体制武装集団拠点、サキーク村(イドリブ県)方面からシリア政府支配地域に潜入しようとした武装集団を砲撃した。

さらに、ラトミーン村にあるイッザ大隊(イッザ軍)の攻撃に対し、応戦した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を35件(ハマー県8件、イドリブ県12件、ラタキア県7件、アレッポ県8件)を確認した。

AFP, March 4, 2019、Alarabia, March 4, 2019、ANHA, March 4, 2019、AP, March 4, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 4, 2019、al-Hayat, March 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 4, 2019、Reuters, March 4, 2019、SANA, March 4, 2019、UPI, March 4, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから267人、ヨルダンから607人の難民が帰国、避難民214人が帰宅(2019年3月4日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月4日付)を公開し、3月3日に難民874人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは267人(うち女性80人、子供137人)、ヨルダンから帰国したのは607人(うち女性182人、子供310人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は149,840人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者58,119人(うち女性17,568人、子ども29,560人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者91,721人(うち女性27,542人、子ども46,762人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 379,120人(うち女性113,768人、子供193,244人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民214人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは37人(うち女性14人、子供11人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは23人(うち女性12人、子ども6人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは154人(うち女性42人、子ども87人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は11,564人(うち女性4,013人、子供5,015人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,280,160人(うち女性386,572人、子供648,781人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 4, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから96人、ヨルダンから484人の難民が帰国、避難民281人が帰宅(2019年3月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月3日付)を公開し、3月2日に難民580人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは96人(うち女性28人、子供49人)、ヨルダンから帰国したのは484人(うち女性145人、子供247人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は148,966人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者57,852人(うち女性17,488人、子ども29,423人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者91,114人(うち女性27,360人、子ども46,452人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 378,246人(うち女性113,506人、子供192,797人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民281人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは34人(うち女性16人、子供11人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは29人(うち女性13人、子ども9人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは218人(うち女性52人、子ども124人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は11,350人(うち女性3,945人、子供4,911人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,279,946人(うち女性386,504人、子供648,677人)となった。

CENTCOM, March 3, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

『クドス・アラビー』:アサド政権との関係修復に抗ってきたサウジアラビアが駐シリア大使館に領事と職員2人を派遣(2019年3月3日)

『クドス・アラビー』(3月3日付)は、サウジアラビアがシリアの首都ダマスカスにある大使館に領事と職員2人を派遣したと伝えた。

サウジアラビアは、ヨルダン、UAE、バーレーンがシリア政府との関係を修復するなか、カタールとともにこの動きにもっとも強く抗ってきた国。

同紙によると、大使館は再開していないが、派遣された領事らは、メッカやメディアへのシリア人の巡礼にかかる査証の発給などにあたると思われるという。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、al-Quds al-‘Arabi, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネルは反体制派を「テロリスト」、イランの民兵を「武装勢力」と伝える(2019年3月3日)

サウジアラビアの衛星テレビ局アラビーヤ・チャンネルは、ハマー県マサースィナ村近郊のシリア軍拠点に対するアンサール・タウヒードの特攻自爆(インギマースィー)攻撃に関する報道で、反体制派を「テロリスト」(إرهابيون)、「イランの民兵」を「武装勢力」(المسلحين)と評した。

アラビーヤ・チャンネルはインターネットを通じて配信した記事のなかで、シリア人権監視団の発表を引用するかたちで、「シリア政権軍と親政権武装勢力21人が、日曜未明のテロリストによる攻撃で死亡した」と伝えた。

 

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのラヴロフ外務大臣はトルコにイドリブ県での非武装地帯にかかる合意を完全履行するよう求める(2019年3月3日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はKUNA(3月3日付)のインタビューに応じ、そのなかで、トルコに対して、2018年9月にソチでの首脳会談で交わされたイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンでの非武装地帯設置にかかる合意を遵守するよう求めるとともに、「停戦を口実にテロ組織の存在」を強化しないよう警告した。

ラブロフ外務大臣は「我々ははトルコに2018年9月17日に調印されたイドリブ県の緊張緩和地帯事態収拾にかかる覚書を遵守するよう求める…。この合意はイドリブ県を非武装地帯に宣言し、すべての急進派を排除し、重火器を撤去すると定めているが、まだ完全に履行されていない…。トルコと合意した停戦を口実にして、テロの存在が強化されないことが重要だ」と述べた。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)については、シリア国内で安定が実現し、ダーイシュが根絶されたとはいえ、テロが最終的に消滅したと言うのは時期尚早だと述べ、「急進派のスリーパー・セルを無力化するために大いなる努力を行う必要がある」と強調した。

KUNA(3月2日付)が伝えた。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、KUNA, March 3, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロバック元駐バーレーン米国大使がシリア民主評議会本部を訪問し、ダーイシュ壊滅後について協議(2019年3月3日)

ウィリアム・ロバック(William Roebuck)元駐バーレーン米国大使が、ラッカ県タッル・アブヤド市近郊のアイン・イーサー市にあるシリア民主評議会(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体)の本部を訪問、イルハーム・アフマド執行委員会共同議長、ジハード・ウマル渉外局共同議長、ファルハード・ハンムー渉外局局員と会談した。

シリア民主評議会の広報局の発表によると、会談では、シリア北部および東部での情勢、とりわけシリア民主軍と有志連合によるダイル・ザウル県南東部バーグーズ村でのダーイシュ(イスラーム国)との戦いについて意見を交わした。

会談ではまた、バーグーズ村でのダーイシュ壊滅後についても協議され、シリア民主軍がロバック氏に対して、シリア北部および東部に対するトルコの侵攻の脅威が続くなか、同地域がダーイシュのスリーパー・セルの反撃の脅威にも直面していると強調したという。

会談出席者は、ダーイシュを完全に根絶するまでシリア民主軍と有志連合が連携・協力する必要があることを確認した。

ANHA(3月3日付)が伝えた。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍がクナイトラ県ハドル村西の無人地帯を砲撃(2019年3月3日)

SANA(3月3日付)は、イスラエル軍がクナイトラ県のハドル村西の無人地帯を砲撃したと伝えた。

人的・物的被害はなかった。

AFP, March 3, 2019、ANHA, March 3, 2019、AP, March 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2019、al-Hayat, March 4, 2019、Reuters, March 3, 2019、SANA, March 3, 2019、UPI, March 3, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構はイドリブ県での自爆テロ事件への報復として拘束中のダーイシュ・メンバー10人を処刑(2019年3月2日)

イドリブ県を中心とする反体制派支配地域の軍事・治安権限を掌握しているシャーム解放機構は、1日にイドリブ市で発生した自爆事件への報復として、拘束中のダーイシュ(イスラーム国)のメンバー10人を処刑した。

シャーム解放機構に近いイバー・ネット(3月2日付)が伝えた。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヨルダンのサファディー外務大臣「ルクバーン・キャンプの処遇について、米国およびロシアと協議している」(2019年3月2日)

ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣は、米国が違法に占領するヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に隣接するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプの処遇について、米国およびロシアと協議していることを明らかにした。

サファディー外務大臣はスカイ・ニュース・アラビック(3月2日付)のインタビューに応じ、そのなかで「ヨルダンは、ルクバーン・キャンプで暮らす人々を、ダーイシュ(イスラーム国)の支配から解放された彼らの都市や村に帰還させる仕組みを作りだすため、ロシアおよび米国と対話を行っている」と述べた。

また「ルクバーン・キャンプはシリア領内にあるシリア人の避難民キャンプだ(ただし、実際にはヨルダン領に存在)。シリア、そして国際社会の問題であって、ヨルダンの問題ではない…。シリア領内からキャンプに人道支援を搬入するのは現地情勢うえにかつては困難だった。それゆえ、ヨルダンが人道的な役割を果たし、国境経由でキャンプに支援物資が通れるよう許してきた…。しかし、状況は変わった、シリアからルクバーンに支援物資が可能性が与えられた…。ルクバーンの住民がいたダーイシュから解放された都市や地域は解放され、彼らが自分たちが住んでいた地域に戻ることができるようになった」と付言した。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、Sky News Arabic, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省副報道官はシリア政府がロシアとともに派遣を決定した「人道移送団」を拒否(2019年3月2日)

米国務省のロバート・パラディーノ副報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/statedeputyspox)で、ヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に隣接するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプで暮らすシリア難民を帰国させるためにシリア政府がロシアとともに派遣を決定した「人道移送団」を拒否する意思を示した。

パラディーノ副報道官のツイートは以下の通り:

「米国は、防護基準に沿い、すべての当事者と連携して、ルクバーンの問題を恒久的に解決するとした国連の呼びかけを支持している。ロシアの一方的なイニシアチブは、国連や域内当事者と連携しておらず、こうした基準をみたさない」。

「米国と国連は、退去を希望する人々の安全で、自発的で、通告された退去に向けた連携努力を行う用意がある」。

https://twitter.com/StateDeputySPOX/status/1101587668956340224

https://twitter.com/StateDeputySPOX/status/1101587673775521792

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はダイル・ザウル県南東部での爆撃で白リン弾を使用(2019年3月2日)

ダイル・ザウル県では、SANA(3月2日付)が複数の地元情報筋の話として伝えたところによると、米主導の有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の残党を掃討するとして、バーグーズ村近郊の農場地帯を白リン弾で爆撃した。

一方、ANHA(3月2日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がバーグーズ村でダーイシュ(イスラーム国)の武器庫を爆破、これを破壊した。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米国が「人道移送団」の55キロ地帯の通過を拒否したと非難(2019年3月2日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのセルゲイ・ソロマティン(Sergei Solomatin)センター長(大将)は、ヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)を違法に占領する米軍が、同地に隣接するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプで暮らすシリア難民の帰国を阻止し続けていると批判した。

ソロマティン・センター長は、ロシアの合同連携センター(国外難民と国内避難民の帰還を支援するためのロシア国防省と外務省の合同調整センター)とシリアの国外難民帰還調整委員会の合同委員会本部が難民の帰還に向けた「人道移送団」の通過を要請したにもかかわらず、これを拒否したと述べた。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

OPCWは2018年4月にドゥーマー市で塩素ガスが兵器として使用されたと結論づける(2019年3月1日)

化学兵器禁止機関(OPCW)の事実調査団(FFM)は、2018年4月7日にダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市で発生した化学兵器使用疑惑事件に関する最終報告書を発表した。

報告書は、FFMが現地で採取した環境サンプルの分析データ、目撃者の証言、収拾されたデータをもとに作成したもので、有毒化学物質が兵器として使用された合理的根拠があると結論づけた。

この有毒化学物質には、反応性塩素が含まれているほか、分子状塩素も使用されたと思われるという。

FFMは、シリアで化学兵器や有毒化学物質が兵器として使用されたか否かを調査することが任務で、誰が攻撃を行ったかと特定することは任務に含まれていない。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主評議会高官「シリア領内の外国部隊の撤退についてロシアと協議する用意がある」(2019年3月1日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の在米ワシントンDC代表のバッサーム・イスハク氏なリア・ノヴォースチ通信(3月2日付)に対して、シリア領内の外国部隊の撤退についてロシアと協議する用意があると述べた。

イスハク氏は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領が27日のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との会談で、シリア国内で活動する外国の部隊の撤退を検討するための合同作業チームを設置することを提案したことに関して、「我々はあらゆる提案をロシアの高官と検討することを喜んで受け入れる。ロシアはシリアにおける重要な政治大国で、我々は何度もモスクワを訪れてきた…。ロシアはシリア民主評議会とダマスカスの連絡を仲介する役割を果たしている。一方、米国はトルコとの連絡において同じ役割を果たしている…。我々はロシア、米国、そしてシリアの問題に関与しているすべてのプレーヤーが協力を続けることを切に願う」と述べた。

一方、米軍の進駐については「我々は米国が撤退するだろうということは承知していた。我々はこの決定を尊重したい」と付言した。

AFP, March 2, 2019、ANHA, March 2, 2019、AP, March 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 2, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 2, 2019、RIA Novosti, March 2, 2019、SANA, March 2, 2019、UPI, March 2, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表「YPGではなく、シリアのクルド人が政治プロセスの当事者だ」(2019年3月1日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、シリア情勢への対応を協議する国連安全保障理事会での会合後、記者団の質問に対して、「クルド人はシリアの危機解決に向けた政治プロセスの当事者なのであって、人民防衛隊(YPG)がそうではない」と述べた。

ペデルセン氏はまた、危機解決に向けたシリア人の主導のもとに「国際合同フォーラム」を設置すると示唆した。

アナトリア通信(3月1日付)が伝えた。

AFP, March 1, 2019、Anadolu Ajansı, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア合同連携センターとシリア国外難民帰還調整委員会の合同会合が開催:タンフ国境通行所一帯を占領し、ルクバーン・キャンプからの難民帰還を妨害する米国を非難(2019年3月1日)

ロシアの合同連携センター(国外難民と国内避難民の帰還を支援するためのロシア国防省と外務省の合同調整センター)とシリアの国外難民帰還調整委員会の合同会合がモスクワとシリア各所をテレビ会議システムで結び開催され、難民、避難民の帰還状況、ロシアによる人道支援状況などについて報告が行われた。

会合では、とくに、ルクバーン・キャンプの人道状況、米国による難民帰国阻止の実態について報告が行われ、合同連携センター議長を務めるミハイル・ミズィンツェフ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が「タンフ国境通行所一帯に展開する米軍部隊は…ルクバーン・キャンプ住民の帰国の意志を妨害している」と批判した。

AFP, March 1, 2019、ANHA, March 1, 2019、AP, March 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2019、al-Hayat, March 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2019、Reuters, March 1, 2019、SANA, March 1, 2019、UPI, March 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから108人、ヨルダンから473人の難民が帰国、避難民49人が帰宅(2019年3月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(3月1日付)を公開し、2月28日に難民581人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは108人(うち女性33人、子供55人)、ヨルダンから帰国したのは473人(うち女性142人、子供241人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は146,617人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者56,469人(うち女性17,073人、子ども28,717人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者90,148人(うち女性27,070人、子ども45,959人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 375,897人(うち女性112,801人、子供191,598人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。

一方、国内避難民49人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは31人(うち女性12人、子供15人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは18人(うち女性6人、子ども8人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は11,009人(うち女性3,838人、子供4,747人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,279,605人(うち女性386,397人、子供648,513人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 1, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアとイスラエルはシリアからの外国部隊撤退を検討するための合同作業チームを設置することを決定(2019年2月28日)

タス通信(2月28日付)は、イスラエル政府筋の話として、ロシアとイスラエルが、シリア国内で活動する外国の部隊の撤退を検討するための合同作業チームを設置することを決定したと伝えた。

このチームには、ロシア、イスラエルのほかに複数の国が参加するという。

しかし、具体的な三カ国については明らかにされなかった。

決定に先立ち、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が27日にモスクワを訪問し、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と会談していた。

会談は、イスラエル軍のラタキア市に対する攻撃を迎撃しようとしたシリア軍がロシア空軍IL-20を誤って撃墜した事件が2017年9月に起きて以降初めてで、ロシア大統領府によると、シリア情勢、中東和平問題などについて意見が交わされた。

**

『ハヤート』(3月1日付)によると、この報道に関して、プーチン大統領も、シリアにおけるテロ根絶後のシリア政府と反体制派、諸外国との最終的な関係正常化の一環として作業チームを設置することが検討されたことを明らかにした。

プーチン大統領は「このアイデアは、テロの温床を根絶した後、事態を最終的に収束させるための取り組みを行う作業枠組みを構築することのなかに要約されている…。すべての関係当時者…、とりわけシリア・アラブ共和国の指導部、反体制派、地域諸国、この紛争に参加しているすべての当事者が参加する」と述べた。

また「作業グループ設置は、シリア国内からすべての(外国の)武装部隊を撤退させることに関わる」と付言した。

AFP, February 28, 2019、ANHA, February 28, 2019、AP, February 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2019、al-Hayat, February 28, 2019、Reuters, February 28, 2019、Orient News, February 28, 2019、SANA, February 28, 2019、TASS, February 28, 2019、UPI, February 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国がダイル・ザウル県南東部のダーイシュ最後の支配地からバグダーディー指導者と幹部の妻子21人を車で移送させる(2019年2月28日)

イラクのバグダード・ヤウム(2月28日付)は、イラク情報筋の話として、米軍の護衛を受けた車で、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バグル・バグダーディー指導者や幹部の妻子をダイル・ザウル県南東部にあるダーイシュ最後の支配地バーグーズ村から移送されたと伝えた。

同情報筋によると、移送は、バーグーズ村引き渡しにかかる人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュの合意に基づくもので、青色の大型車輌1台が同地に入り、バグダーディー指導者や幹部の妻子21人を乗せて、同地を後にしたという。

移送先は不明。

AFP, February 28, 2019、ANHA, February 28, 2019、AP, February 28, 2019、Baghdad al-Yawm, February 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 28, 2019、al-Hayat, February 28, 2019、Reuters, February 28, 2019、Orient News, February 28, 2019、SANA, February 28, 2019、UPI, February 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから137人、ヨルダンから349人の難民が帰国、避難民118人が帰宅(2019年2月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(2月28日付)を公開し、2月27日に難民486人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは137人(うち女性40人、子供68人)、ヨルダンから帰国したのは349人(うち女性105人、子供178人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は146,036人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者56,361人(うち女性17,040人、子ども28,662人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者89,675人(うち女性26,928人、子ども45,718人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 375,316人(うち女性112,626人、子供191,302人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,673,308人(うち女性2,002,592人、子供3,404,407人)。


一方、国内避難民118人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは35人(うち女性14人、子供12人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは32人(うち女性16人、子ども9人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは51人(うち女性11人、子ども21人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は10,960人(うち女性3,820人、子供4,724人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,279,556人(うち女性386,379人、子供648,490人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 28, 2019、SANA, February 28, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2019年1月末の段階で1,257人(2019年2月28日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2014年8月から2019年1月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる22件の新たな報告を受け、すでに報告されている182件と併せて調査を行い、63件の調査を完了した。

調査を完了した63件のうち12件で意図せずに民間人67人が死亡したことが確認された。

141件については調査が継続される。

なお、2014年8月から2019年1月までに有志連合が実施した空爆33,921回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,257人となった。

CENTCOM, February 28, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は2月10日~23日までの14日間でシリア・イラク領内で221回の爆撃を実施(2019年2月28日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月10日~23日の14日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対する爆撃回数は211回で、うちシリア領内での回数は186回、イラク領内での回数は25回だった。

各日の爆撃回数、標的(場所)の詳細は開示されなかった。

CENTCOM, February 28, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

レバノン日刊紙:アサド大統領のイラン訪問は外交儀礼上の準備なく行われ、ロウハーニー大統領も知らされていなかった(2019年2月27日)

シリア政府寄りのレバノン日刊紙『アフバール』(2月27日付)は、25日のアサド大統領によるイランへの訪問が、「何らの外交儀礼上の準備もなく行われた」と伝えた。

同紙によると、アサド大統領の訪問は、安全対策上の理由でシリア政府側から何らの外交儀礼上の準備もなく行われ、イラン大統領も訪問の数時間前までそのことを知らなかった」という。

訪問の調整を行ったのは、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官で、訪問の工程などを把握していたのはごく少数で、それゆえに空港への出迎えなどもなかったという。

**

アサド大統領の訪問をめぐっては、一部活動家が、最高指導者アリー・ハーメネイー師やハサン・ロウハーニー大統領との会談時に、シリア国旗が会場に設置されていなかったため、アサド大統領が軽んじられているなどと揶揄していた。

**

一方、SANA(2月27日付)は、ザリーフ外務大臣がワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相と電話会談を行ったと伝えた。

電話会談で両外相は、アサド大統領によるイラン訪問での成果を受けるかたちで、シリアとイランの戦略的関係強化の方途について意見を交わした。

**

また、IRNA(2月27日付)は、駐イラン・シリア大使が電話会談後にザリーフ外務大臣にシリアへの招待状を手渡したと伝えた。

AFP, February 27, 2019、al-Akhbar, February 27, 2019、ANHA, February 27, 2019、AP, February 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2019、al-Hayat, February 27, 2019、Reuters, February 27, 2019、SANA, February 27, 2019、UPI, February 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省はアサド大統領のイラン訪問を「イラン国民の富が国際テロと抑圧体制を支援するために費やされた」と酷評(2019年2月27日)

米国務省が管理するツイッター・アカウントのDOS連絡チーム(https://twitter.com/DOTArabic/)は、25日のアサド大統領のイラン訪問に関して、「イランの体制は、イラン国民の富を国際テロと地域の抑圧体制の支援のために費やした。一方、シリアの体制は、数百万というシリア人を殺戮し、ねじ曲げ、追放している。ハーメネイーとアサドのハグに、両国民への哀悼の意は込められていない」と綴った。

AFP, February 27, 2019、ANHA, February 27, 2019、AP, February 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2019、al-Hayat, February 27, 2019、IRNA, February 27, 2019、Reuters, February 27, 2019、SANA, February 27, 2019、UPI, February 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府はロシア、ヨルダン、国連の協力のもと、3月1日にルクバーン・キャンプで「強制的に引き留められている」難民を米占領下のタンフ国境通行所一帯地域を経由して帰国させるための「人道移送団」を結成(2019年2月27日)

ロシア国防省は声明を出し、ヨルダン北東部のルクバーン・キャンプで「強制的に引き留められている」難民を自発的な帰国を実現するため、シリア政府は、ロシアとの連携のもとに、2019年3月1日付で、「人道移送団」を結成すると発表した。

また、キャンプ北に位置するヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55地帯)を違法に占領する米国に対して、反体制派に難民を強制的に引き留めるのを止めさせ、55キロ地帯に「人道移送団」が通行可能な状況を作り出すことで、難民帰還を促すよう求めた。

**

ロシア国防省は声明のなかで、ロシアの当事者和解調整センター(ラタキア県フマイミーム航空基地)はシリア政府とともに、2019年2月19日にルクバーン・キャンプから帰国する難民を受け入れるため、ヒムス県のジャバル・グラーブ(グラーブ山)に通行所を開設したと改めて強調、ルクバーン・キャンプの難民帰国に向けた取り組みが、国連、ヨルダンの支持を受けており、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)はさらなる帰還に向けた包括的な計画を作成中であることを明らかにした。

これに対して、ルクバーン・キャンプや55キロ地帯で米国の支援を受けて活動を続ける革命特殊任務軍(Mahavir as-Saura)は、帰国を望む難民を強制的に引き留め、ルクバーン・キャンプを去ろうとする難民に法外な金銭の支払いを要求していると批判、また、難民の状況は困窮し、さまざまな病弊に苦しんでおり、「食糧奴隷」と化していると懸念を表明した。

しかし、米国はこうした難民の惨状がシリアとロシアの責任だと主張し、両国が難民への人道支援を妨害しているとの誤った情報を国際社会に発信していると批判した。

声明によると、ルクバーン・キャンプへの2度目となる人道支援搬入に際して、国連とシリア赤新月社が難民にインタビューに行ったところ、95%がキャンプを去ることを、83%が避難前に居住していた地域に戻ることを望んでいると回答、このうちシリア政府支配地域への帰還を望むのは80%、反体制派支配地域は3%は、「決めていない」と答えたのは17%だったという。

また、難民が帰国を望んでいる地域のうち、アレッポ市ハーリディーヤ地区(アレッポ県)、ヒムス市アマーラ地区(ヒムス県)、マヒーン町(ヒムス県)、カルヤタイン市、ダマスカス郊外県、ラッカ県は受け入れ態勢が整っており、シリア政府は帰国者の身の安全を保証、帰国にかかる書類の再発行の手続きを簡略化しているという。

なお、2019年3月1日付で結成される「人道移送団」は、上記の地域への難民の帰還を実現するためのもので、55キロ地帯の通過は、国連の協力のもとに行われるという。

**

SANA(2月27日付)によると、ヨルダンで避難生活を送っていたシリア難民数十人がダルアー県のナスィーブ国境通行所を経由して、シリアに帰還したと伝え、写真や映像を公開した。

AFP, February 27, 2019、ANHA, February 27, 2019、AP, February 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 27, 2019、al-Hayat, February 27, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 27, 2019、Reuters, February 27, 2019、SANA, February 27, 2019、UPI, February 27, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのタブロイド紙:ロシア・シリアの諜報機関はシリア国内の刑務所で逮捕者を被験者として有毒ガスの人体実験を行っている?!(2019年2月26日)

ロシアのタブロイド紙『ノーヴァヤ・ガゼータ』(2月26日付)は、ロシア諜報機関がシリア諜報機関とともに、シリア国内の刑務所で逮捕者(兵役忌避者ら)を被験者として有毒ガスの人体実験を行っていると伝えた。

これまでの実験で士官1人が死亡、5人が中毒症状を訴えたという。

同紙によると、シリアの諜報機関は、リシンやトリカブトなどの麻薬、有毒ガスを逮捕者に投与し、死傷させてきたという。
Novaya Gazeta https://www.novayagazeta.ru/

AFP, February 26, 2019、ANHA, February 26, 2019、AP, February 26, 2019、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2019、al-Hayat, February 27, 2019、Reuters, February 26, 2019、SANA, February 26, 2019、UPI, February 26, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.