スワイダー県で新たな停戦違反:ベドウィン系武装集団がニジュラーン村を攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦(2025年8月8日)

SANAによると、ダルアー県ブスラー・シャーム市に設置されている通行所に、スワイダー県への人道支援物資を積んだ車列が到着した。

車隊の派遣は今回が7回目で、28台の貨物車輛からなり、シリア・アラブ赤新月社、国連世界食糧計画(WFP)、国連人口基金(UNFPA)、アーガ・ハーン財団が準備した物資を積んでいる。

車輛の内訳は、食料バスケット、救援物資、宿泊用の備品(マットレスや毛布など)などを積んだシリア・アラブ赤新月社の貨物車輛19台、民間商業部門の貨物車輛9台、小麦粉を積載した貨物車輛1台、軽油輸送タンク車1台。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県では、新たな停戦違反が発生、武装集団(ベドウィン系)が北西部のニジュラーン村を中火器で攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦、これにより双方の戦闘員2人が死亡、民家の一部が焼失するなどの物的被害が発生した。

なお、7月13日(日)朝以降のスワイダー県での戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃による死者数は累計1,622人に達した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県民:723人(民間人166人、うち子ども21人、女性56人)
・国防省・内務省総合治安局関係者:475人(うちベドウィン部族出身40人、レバノン人武装者1人)
・イスラエル爆撃により死亡した国防省・内務省関係者:15人
・イスラエル爆撃により死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人)
・報道関係者:2人(スワイダーでの戦闘中に死亡)
・国防省・内務省関係者による即決処刑犠牲者:401人(女性26人、子ども14人、高齢者1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による即決処刑犠牲者(ベドウィン部族出身者):3人(女性1人、子ども1人を含む)

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スワイダー24によると、サルハド市やクライヤー町など県内の複数地域で平和的な座り込みデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権が行った虐殺を非難するスローガンが掲げられ、同県に対する包囲の解除が求められた。

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ハマー県でアラウィー派の男性が、ラタキア県でムルシド派の男性が殺害される(2025年8月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の内務省総合治安局の隊員が、ダイル・ザウル市内で女性と3人の子どもを、軍用車輌でひき殺した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アズィーズィーヤ村で、アラウィー派の若い男性が自宅内で銃撃を受け死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、2月にヒムス市内でアフマド・シャルア移行期政権の治安当局によって逮捕されていた男性の死亡が確認された。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、シースィニーヤ村で若い女性の技師が首を絞められ、さらに首の骨を折られるという残虐な方法で殺害された。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サラーフッディーン城で、ムルシド派の30歳代男性の遺体が発見された。

遺体には鋭利な凶器による打撃と損壊の痕が残されていた。

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シリア人権監視団はアサド政権が崩壊した2024年12月8日以降の8ヵ月で暴力、違反行為、戦闘などによって死亡した犠牲者が9,889人に達していると発表(2025年8月7日)

シリア人権監視団は、バッシャール・アサド政権が崩壊した2024年12月8日から8ヵ月が経つのに合わせて、この間(2024年12月8日~2025年8月6日)の暴力、違反行為、戦闘などによって死亡した犠牲者が9,889人に達していると発表した。

このうち7,449人は民間人で、子どもの犠牲者は396人、女性は541人に及んでいるという。

犠牲者数の内訳は以下の通り。
2024年12月8日〜同年末:2,354人
・民間人:1,894人(男性1,839人、女性21人、子ども34人)
・非民間人:460人
2025年1月:1,122人
・民間人:679人(男性480人、女性146人、子ども53人)
・非民間人:443人
2025年2月:603人
・民間人:435人(男性347人、女性46人、子ども42人)
・非民間人:168人
2025年3月:2,644人
・民間人:2,069人(男性1,828人、女性144人、子ども97人)
・非民間人:575人
2025年4月:452人
・民間人:352人(男性287人、女性40人、子ども25人)
・非民間人:100人
2025年5月:428人
・民間人:295人(男性227人、女性19人、子ども49人)
・非民間人:133人
2025年6月:391人
・民間人:360人(男性304人、女性31人、子ども25人)
・非民間人:31人
2025年7月:1,733人
・民間人:1,225人(男性1,076人、女性89人、子ども60人)
・非民間人:508人
2025年8月6日まで:162人
・民間人:140人(男性124人、女性5人、子ども11人)
・非民間人:22人

民間人死亡の状況は以下の通り。
・無差別発砲・戦闘:320人(男性235人、女性26人、子ども59人)
・その他:28人(男性21人、女性2人、子ども5人)
・シリア国民軍によるもの:19人(男性15人、女性3人、子ども1人)
・原因不明:1,750人(男性1,730人、女性10人、子ども10人)
・劣悪な生活環境によるもの:子ども1人
・車輌爆弾によるもの:55人(男性30人、女性22人、子ども3人)
・軍事作戦司令部(の刑務所での拷問死:男性50人
・シリア国民軍派閥の刑務所での拷問死:男性2人
・ダーイシュ(イスラーム国)によるもの:34人(男性32人、女性2人)
・イスラエルの砲撃によるもの:32人(男性31人、女性1人)
・トルコの砲撃によるもの:129人(男性90人、女性10人、子ども29人)
・ヨルダン国境警備隊の銃撃によるもの:男性4人
・トルコ治安部隊(ジャンダルマ)の銃撃によるもの:2人(男性1人、子ども1人)
・地雷・爆発物の爆発によるもの:58人(男性39人、女性7人、子ども12人)
・シリア民主軍によるもの:17人(男性7人、女性3人、子ども7人)
・シリア民主軍の刑務所での拷問死:男性1人
・殺人事件によるもの:381人(男性294人、女性64人、子ども23人)
・正体不明の者による銃撃:590人(男性538人、女性28人、子ども24人)
・軍事作戦司令部による銃撃:866人(男性784人、女性58人、子ども24人)
・戦争残存物によるもの:571人(男性383人、女性38人、子ども150人)
・身元・所属を理由とする処刑(虐殺):2,535件

元・所属を理由とする処刑(虐殺)の月別の内訳は以下の通り。
・2024年12月8日〜同年末:141件
・2025年1月:74件
・2025年2月:60件
・2025年3月:1,726件
・2025年4月:75件
・2025年5月:41件
・2025年6月:46件
・2025年7月:300件
・2025年8月6日まで:72件

非民間人死者(2,440人)の内訳は以下の通り。
・ダーイシュ(イスラーム国)構成員:29人
・軍事作戦司令部の構成員:1,010人
・シリア民主軍および関連軍事組織:268人
・反体制武装勢力・イスラーム勢力:630人
・地元武装勢力:374人
・旧政権軍の元軍人:83人
・その他:22人
・イラン系外国人武装勢力:10人
・トルコ人戦闘員:8人
・ジハード主義者:6人

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トルコのフィダン外務大臣がシリアを突如訪問し、シャルア暫定大統領、シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談:トルコ国防省報道官は、シリア民主軍がスワイダー県での衝突を受けるかたちで活動を活発化させていると批判(2025年8月7日)

SANAによると、トルコのハカン・フィダン外務大臣および随行団をシリアを突如訪問し、首都ダマスカスでアフマド・シャルア暫定大統領、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣と会談した。

会談では、地域および世界情勢の進展や、さまざまな分野における二国間協力の強化方法について協議が行われたという。

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TRTハベルによると、トルコ国防省のトゥーアミラル・ゼキ・アクテュルク報道官は、定例記者会見で、シリア民主軍が3月10日にアフマド・シャルア移行期政権と交わした合意に従って行動しておらず、スワイダー県での衝突を受けるかたちで活動を活発化させており、アレッポ県のマンビジュ市郊外などで移行期政権軍への攻撃を行っていると批判した。

そのうえで、「トルコはシリアの政治的一体性と領土保全を引き続き支持しており、シリア政府のテロ組織との戦いに対して、要請に応じて訓練・助言・技術支援などの形で引き続き支援を提供していく」と強調した。

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『デイリー・サバフ』によると、与党公正発展党(AKP)のオメル・チェリク報道官は、会談が行われた8月7日の記者会見で、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)が主導するシリア民主軍や北・東シリア地域民主自治局が、米国主導のもとで推し進められているシリアの移行期において統合的な国家機関の構築を妨げ、シリアの領土保全への直接的脅威となっているとしたうえで、シリア北東部におけるPYDの自治を「実のところ帝国主義的およびシオニズム的アジェンダの隠れ蓑にすぎない」と厳しく非難した。

それだけでなく、チェリク報道官は、スワイダー県の情勢に言及し、ドゥルーズ派による自治体制構築に向けた動きを「挑発的かつ便乗的な行動」と指弾、「スワイダー県からシリア民主軍の支配地に向けて回廊が開かれることを許すことはない」と伸べ、イスラエルによるシリア領内での勢力伸長に対して警戒心を露わにした。

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内務省はイドリブ県でイラク人からなるダーイシュのテロ細胞を摘発したと発表(2025年8月7日)

内務省はフェイスブックを通じて、イドリブ県内務治安部隊司令官のガッサーン・ムハンマド・バキール准将の声明を発表した。

声明の内容は以下の通り。

イドリブ県内務治安部隊は、総合情報機関と協力し、イドリブ県ハーリム郡で、ダーイシュ(イスラーム国)に属するテロ細胞を標的とした高度な治安作戦を実施した。
この作戦により、テロ細胞は完全に壊滅され、その構成員が以下の暗殺事件に関与していたことが判明した。
・サルキーン市における3件の暗殺
・イドリブ西部のアズマリーン村での1件の暗殺
・イドリブ北部のカフティーン村での1件の暗殺
これらの被害者はいずれもイラク国籍の人物であった。
作戦中、特殊任務部隊は、大量の武器が保管された武器庫を発見・押収した。そこには以下のような装備が含まれていた。
・自爆用ベスト
・爆発物各種
・狙撃銃
・軽機関銃
・迫撃砲弾
・爆薬
・製造および爆弾仕掛け専用の作業場
これらすべてが押収された。
我々は、シリア全土の国民の皆様に対し、国家と国民の安全を脅かすいかなる者に対しても断固として立ち向かうとの国家的責務を、揺るぎない決意と共に遂行し続けることを、改めてお伝えする。

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アフマド・シャルア移行期政権の司法省の高官筋はドゥルーズ派の高等法務委員会に名を連ねた判事らの違反行為を調査し、適切な措置を講じると表明(2025年8月7日)

アフマド・シャルア移行期政権の司法省の高官筋は報道声明を発表し、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会に名を連ねた判事らを、司法監察局に送致し、調査を行い、判事に課せられた義務に違反する行為への関与が確認された者に対して、司法権法の規定に基づいて、適切な措置を講じると表明した。

SANAによると、報道声明の内容は以下の通り。

SNS上で、スワイダー県に地元評議会が設立されたとの情報が拡散されており、その筆頭に「高等法務委員会」と称する組織がある。この組織は、行政、治安、サービスなどにかかる他の委員会を設立する複数の決定を出し、その構成メンバーには次の判事が含まれている。ムハンナド・アブー・ファウール、アイマン・ハルフーシュ、ムフィード・アンマーシャ、イサーム・アッラーウィー、シャーディー・ムルシド、ムウタッズ・サーイグ。
上記判事らは「委員会」のなかで活動を開始したが、それは司法権法の規定、とりわけ第78条以降が定める判事に課せられた義務に違反する行為である。これらの条文は、判事が司法職と他の職業、あるいは本人または代理人を通じて行う副次的な業務を兼ねることを禁じており、さらに政治的意見や志向を表明すること、政治活動への従事を禁じている。
上記判事らが開始した活動は、純粋に政治的なもので、国益に反し、分裂や分離の呼びかけを助長するものである。しかも、それは高等司法評議会以外の主体からの委任を受けて、判事ら自身が遂行したものである。また、イフラース・ダルウィーシュ判事、フザーマ・マスウード判事といった他の判事もこれらの活動に関与している可能性が伝えられている。このため、これらの判事を司法監察局に送致し、告発内容について調査を行い、関与が確認された者に対して適切な措置を取ることとした。

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シリア・アラブ赤新月社は、フェイスブックを通じて声明を出し、メソポタミア救援開発協会によるスワイダー県への人道支援物資提供を拒否した理由について、信頼性を保つために、物資の品質や消費期限を必ず確認しており、支援物資の輸送において事前の内容把握が必要であるためだと説明した。

シリア・アラブ赤新月社は、メソポタミア救援開発協会がスワイダー県に提供しようとしていた貨物車輛2台分の物資を、同社の倉庫で積み替えたが、メソポタミア救援開発協会がこれに応じなかったという。

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ヒムス県、イドリブ県で結婚式場に治安当局が突入し、喫煙を止めるよう命令、機材を押収(2025年8月6日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャッブーリーン村および周辺の村々の住民数百人が、5日にカニーヤト・アースィー村で殺害されたアラウィー派の少女2人の葬儀に参列した。

シリア人権監視団によると、カルヤタイン市で行われていた結婚式場に、治安当局とつながりがあると見られる武装したイスラーム主義者のグループが突入し、参列者に対して喫煙や水タバコを止めるよう命令した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サブーラ村の給油所で、県燃料公社営業部長が、住民からチップを受け取ったとする同所の従業員に暴行を加える事件が発生した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市で行われていた結婚式場に、内務省総合治安局の隊員らが突入し、一部機材を押収した。

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タルトゥース県のマロン派教会を狙った爆破テロを準備していた前政権の残党とつながりがある違法武装グループのメンバー2人を逮捕(2025年8月6日)

内務省はフェイスブックを通じて、タルトゥース県内務治安司令部が治安作戦を実施し、サーファーター市近郊のフライバート村にあるマロン派教会(マール・イリヤース教会)を狙った爆破テロを準備していた前政権の残党とつながりがある違法武装グループのメンバー2人を逮捕し、爆発物や住民への脅迫文が書かれた書類、ダーイシュ(イスラーム国)が使用している黒旗などを押収したとするアブドゥルアール・ムハンマド・アブドゥルアール内務治安司令官(大佐)の発表を掲載した。


内務省がフェイスブックを通じて明らかにしたところによると、逮捕されたのはラムズィー・ハンムード容疑者およびムンズィル・アリー容疑者の2人

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シリア・アラブ赤新月社は北・東シリア地域民主自治局からスワイダー県への人道支援物資の受け入れを拒否(2025年8月6日)

SANAによると、スワイダー県の住民492人を乗せたバス11台からなる車列が、シリア・アラブ赤新月社の監督のもと、ダルアー県ブスラー・シャーム市に設置されている通行所を経由して、アフマド・シャルア暫定政権の支配地に避難した。

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SANAによると、スワイダー県への人道支援物資を輸送するための2つの車列が、ダルアー県ブスラー・シャーム市に設置されている通行所に到着した。

車列はシリア・アラブ赤新月社の監督のもとで編成され、200トンの小麦粉、約8,700世帯分の食料バスケット、7トンのデーツ、男性用衛生バスケット5,481個、避難用バッグ3,500個、医薬品や医療用品、病院向けの食料・缶詰、インスリン、粉ミルク、高齢者用おむつ、被災世帯向けの衛生・食料品、水タンクや飲料水ボトルなどが積まれている。

また、サウジアラビアのサルマーン国王人道支援活センターがこれらの貨物車輛のうちの20台を提供している。

2つの車列は、サルマーン国王人道支援活センター、世界食糧計画(WFP)、赤十字国際委員会(ICRC)、国際赤十字・赤新月社連盟、ヨルダン・ハシミテ慈善機構、デンマーク赤十字社、国連児童基金(UNICEF)、カリタスなどからの支援・寄付によって支えられている。

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北・東シリア地域民主自治局の支配地で活動するメソポタミア救援開発協会は、フェイスブックを通じて声明を出し、スワイダー県への支援物資を輸送するため食料品など55とにを積んだ貨物車輛の車列を首都ダマスカスに向けて出発させ、シリア・アラブ赤新月社と調整を行ってきたが、配給の方法をめぐって折り合いがつかず、車列をハサカ県に一端撤収したと発表した。

声明によると、シリア・アラブ赤新月社側から「物資を全面的に引き取り、赤新月社が単独で配給を行う」との通告があり、メソポタミア救援開発協会のスタッフやボランティアが配布に同行することも拒否されたという。

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シリア人権監視団は、2025年7月13日以降のスワイダー県での衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃による死者数が8月6日現在1,568人を記録していると発表した。

内訳は以下の通り。
・722人:スワイダー県住民(うち民間人166人、子ども21人、女性56人を含む)
・474人:国防省・治安当局関係者(うちベドウィン部族出身40人、レバノン国籍の武装者1人を含む)
・15人:イスラエルによる爆撃で死亡した国防・内務省関係者
・3人:イスラエル空軍による国防省建物爆撃で死亡(女性1人と身元不明者2人)
・2人:スワイダー県での戦闘に巻き込まれて死亡したジャーナリスト
・349人:国防省・内務省の要員によって処刑された民間人(女性19人、子ども10人、高齢男性1人を含む)
・3人:ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者(女性1人、子ども1人を含む)

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シリア人権監視団スワイダー24によると、スワイダー県のクライヤー町にあるスルターン・バーシャー・アトラシュの記念碑前で、住民数十人が抗議デモを行い、アフマド・シャルア暫定政権による虐殺を非難、「封鎖を打ち破れ」、「民間人を救え」などといったスローガンを掲げ、封鎖措置の解除、被災したスワイダー県の村々からすべての部隊の撤退、人道的回廊の開設を求めた。

デモ参加者はまた、あらゆる人権侵害の停止、県農村地帯の住民が、軍事侵攻によって略奪・焼失された自宅に帰還できるようにすること、犠牲となった住民の遺体を埋葬できるよう、被災地域の安全確保を行うことなども合わせて要求、これらが達成されるまで、抗議行動を毎日継続すると宣言した。

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首都ダマスカスの人民宮殿において、シャルア暫定大統領の立ち会いのもと、移行期政権は、複数の国際企業との間でダマスカス地下鉄プロジェクトなどの投資覚書に署名(2025年8月6日)

SANAによると、首都ダマスカスの人民宮殿において、アフマド・シャルア暫定大統領の立ち会いのもと、移行期政権は複数の国際企業との間で投資覚書に署名した。

署名されたのは12件の投資プロジェクトで、その総額は140億米ドルにのぼり、シリア各地の県で実施される予定。

主な投資プロジェクトは以下の通り:
・ダマスカス国際空港の再建・開発・プロジェクト(投資額:40億ドル)
・ダマスカス地下鉄プロジェクト(20億ドル)
・ダマスカス・タワーズ・プロジェクト(20億ドル)
・バラームカ・タワーズ・プロジェクト(5億ドル)
・バラームカ・モール・プロジェクト(6,000万ドル)
・ヒムス勝利のブールヴァール・プロジェクト

調印式には、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使も出席した。

SANAによると、このうち、ダマスカス地下鉄プロジェクト(グリーン・ライン・プロジェクト)は、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市からダマスカス県カーブーン区までの総延長26.5キロメートルに及び、17駅を備え、1日75万人を輸送する都市型交通網の核になる予定。

SANAによると、ダマスカス・タワーズ・プロジェクトは60棟以上のタワー(うち4棟は45階建ての高層ビル「ロイヤルバタフライ・タワー」)に2万戸の住宅を擁する世界初の統合都市モデルで、イタリアとシリアの企業の合弁で建設される。

SANAによると、ヒムス勝利のブールヴァール・プロジェクトは、ウムラーン不動産開発投資社とヒムス県による事業で、染物工場地区、青果市場、カラービース地区での開発・整備(約4,500戸の住宅建設)、ナスル公園およびその付属サービス施設の設計・建設などを目的としており、総工費は140米ドルを見込んでいる。


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バッラク大使はXを通じて以下の通り綴った。

繁栄と平和を実現するシリアの未来は、シリア自身と、カタールのUCC社、トルコのジェンギズ社およびカリオン社といった地域パートナーの手に委ねられている。これらの企業は、新しいダマスカス国際空港の「建設・運営・譲渡(BOT)」プロジェクトを受注した。
米大統領による制裁解除を受け、本日ダマスカスで行われた署名式に出席できたことを嬉しく思う。
復興への道のりは、安全と安定の土台を築くための試行錯誤から始まり、次に行政制度、そして最終的には経済活動と繁栄へと続かなければならない。

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国防省は、Xを通じて、ムルハフ・アブー・カスラ国防大臣が英国のジョナサン・パウエル国家安全保障顧問および随行団と会談し、両国の利益に資するかたちで二国間関係を強化する方策について協議が行われたと発表した。

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イドリブ市では、両替店や為替取引会社の経営者らが、中央銀行傘下の司法警察による闇両替や不正送金に対する取り締まり措置に抗議しデモを実施(2025年8月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市では、両替店や為替取引会社の経営者らが、中央銀行傘下の司法警察による闇両替や不正送金に対する取り締まり措置に抗議し、デモを実施した。

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タルトゥース県とラタキア県で、シリア人権監視団によると、農業技師らが両県の農業局前で抗議集会を実施し、2024年4月3日付で発令された異動決定第292号が未だ履行されておらず、復職できていないことに対して不満を表明した。

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スワイダー県での7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数は1,531人に(2025年8月5日)

シリア人権監視団は、スワイダー県で新たに14人の民間人の死亡を確認、7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数が1,531人に達したと発表した。

内訳は以下の通り。

・スワイダー県出身者:722人(民間人166人、うち子供21人、女性56人を含む)
・国防省・治安当局関係者:474人(うち40人はベドウィン部族出身、レバノン国籍の武装者1人含む)
・国防省・内務省の要員:15人(イスラエル爆撃により死亡)
・国防省庁舎の爆撃による死亡者:3人(うち女性1人、身元不明の2人)
・ジャーナリスト:2人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員に処刑された者:312人(女性19人、子供10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者:3人(女性1人と子供1人を含む)

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ヒムス県でアラウィー派の少女2人が殺害される:ハマー県では治安当局が武器の捜索を口実に住民に「税金」の支払いを強要(2025年8月5日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カニーヤト・アースィー村で武装した2人組が民家を襲撃、アラウィー派の少女2人が殺害され、その妹が重傷を負った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア暫定政権の治安当局がブスターン・ファンダーラ村で武器の捜索を名目とした大規模な家宅捜索を実施し、住民6名を逮捕した。

関係筋によれば、当局は村の住民らに対して3日間の猶予を与え、銃器1丁を提出するか、10万シリア・ポンドを「税金」として支払うよう求めており、この猶予期間を過ぎてもいずれの選択にも応じなかった場合、「外国人部隊を投入し、広範な治安作戦を実施する」と脅しているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サラーフッディーン地区で、前政権下で人民議会の議員を務めていた男性が何者かによって至近距離から銃撃され、死亡した。

また、市内の別の場所では、前政権の軍事情報局に勤務していた男性が銃撃され、即死した。

さらに、サラーフッディーン地区では、若い男性が、武装グループよって殺害された。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カルダーハ市近郊に設置されている検問所に対して、男が手榴弾を投げつけ、内務省総合治安局の隊員1人と身元不明者1人が死亡、隊員1人が重傷を負った。

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シャルア暫定大統領は英国家安全保障顧問のジョナサン・パウエル氏と会談:英政府はシリア南部での暴力の被害者への総額170万ポンドの緊急援助を発表(2025年8月5日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、英国家安全保障顧問のジョナサン・パウエル氏と会談、二国間関係を強化する方策や、現在の地域・国際情勢について協議した。

会談には、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣、フサイン・サラーマ総合情報機関長官が同席した。

シャルア暫定大統領は、会談で、地域の安全と安定を支える誠実なあらゆるイニシアチブに対して、シリアは開かれていると強調した。

ただし、それらのイニシアチブはシリアの主権と独立した国家意思を尊重するものでなければならないと付言した。

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英国政府は、声明を出し、シリア南部で発生した最近の暴力によって被災した人々への緊急支援として、人道支援パッケージを提供すると発表した。

この支援には、避難民を含む被災者に対して緊急医療サービスを提供する移動医療チームの派遣、医薬品や外傷治療用機器の医療施設への供給、妊婦や新生児のための支援、さらに食料・清潔な水・衛生および公衆衛生用品の提供が含まれる。

総額170万ポンドにおよぶこの支援は、英国が国連人口基金(UNFPA)、インターナショナル・メディカル・コープス(IMC)、およびシリア国内の現地組織と連携し、「シリア援助基金(AFS)」を通じて実施される。

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外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣が、ステファニー・マコルム駐レバノン・カナダ大使と会談、両国間の二国間関係と、共通の関心事項に関する連携の強化について協議が行われた。

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米国職員代表団が内務省、財務省、通信省、シリア中央銀行、およびその他の関係機関と会合(2025年8月4日)

外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、米国務省のシリア地域プラットフォーム・プログラム(SRP)の責任者であるニコラス・グリンジャー氏が率いる米国職員代表団が、内務省、財務省、通信省、シリア中央銀行、およびその他の関係機関と会合を開き、政治、経済、人道、外交に関する複数の共通関心事項に集中して議論を行った。

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外務在外居住者省はまた、フェイスブックを通じて、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣がダマスカス県タダムーン区での虐殺事件に関する調査チームのウール・ウミット・ウンギョル教授およびアリ・ジャセム博士と会談した。

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シリア国民軍の複数部隊がアレッポ県東部のハフサ村とダイル・ハーフィル市の間に位置するイマーム村一帯のシリア民主軍支配地域を4方面から奇襲攻撃(2025年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、4日未明、トルコの支援を受けるシリア国民軍の複数部隊が、県東部のハフサ村とダイル・ハーフィル市の間に位置するイマーム村一帯のシリア民主軍支配地域を4方面から奇襲攻撃した。

この攻撃により、両者の間で戦闘が発生した。

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内務省はダマスカス県のマーリキー地区で3日に著名な音楽家のサルヒー・ワーディー氏の娘で英国籍を持つディヤーラー・ワーディー氏を殺害した武装強盗犯を県の内務治安司令部が逮捕したと発表(2025年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市フィルドゥース地区で前政権関係者とされる人物が、武装した正体不明のグループに襲撃され、殺害された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハマー県出身でアラウィー派の住民が、ヒムス市アッバースィーヤ地区で内務省総合治安局に拘束されたのち、殺害した。

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内務省は、フェイスブックを通じて、ダマスカス県のマーリキー地区で3日に著名な音楽家のサルヒー・ワーディー氏の娘で英国籍を持つディヤーラー・ワーディー氏を殺害した武装強盗犯を県の内務治安司令部が逮捕したと発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ブルーダーン村のホテルを内務省総合治安局が、ザバダーニー市の武装勢力と一斉捜査を行い、キリスト教徒の経営者らに対してドゥルーズ派の従業員を解雇するよう強要した。

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スワイダー県でシャルア移行期政権側による停戦違反相次ぐ(2025年8月4日)

SANAによると、前日の「ヒクマト・ヒジュリーの破壊分子」による停戦違反で閉鎖されていたダルアー県のブスラー・シャーム市の通行所が再開された。

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民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)は、Xを通じて、スワイダー県からブスラー・シャーム市の通行所を経由して90世帯(合計316人、うち女性と子どもを含む)が避難する一方、8世帯(合計31人)がスワイダー県に帰還したと発表した。

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シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア暫定政権の支配地からスワイダー県のイラー村に向かって重機関銃による砲撃が行われ、ドゥルーズ派武装勢力との間で一時戦闘が発生した。

また、同様の停戦違反は、アリーカ村でも発生した。

シリア人権監視団によると、このほかにもアティール村でも同様の停戦違反が発生した。

なお、シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月4日の時点で1,520人に達していると発表した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県住民:723名(うち民間人164名、子ども21名、女性56名を含む)
・国防省、内務省総合治安局の要員:474名(うちベドウィン部族出身者40名、レバノン人武装者1名を含む)
・国防省・内務省の要員:15名(イスラエルの爆撃による死亡)
・防衛省庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3名(うち女性1名、身元不明者2名)
・ジャーナリスト:2名(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員による処刑で死亡:300名(女性17名、子ども10名、高齢男性1名を含む)
ドゥルーズ派武装勢力による処刑:ベドウィン部族出身の民間人3名(女性1名、子ども1名を含む)
スワイダー24 によると、スワイダー県全域で光ファイバーケーブルの障害により、通信とインターネットのサービスが完全に停止した。

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トルコ占領下の「平和の泉」地域内のラッカ県で、シリア国民軍に所属するハムザ師団のメンバーが、ジャイス部族の男性1人を銃で撃ち殺害(2025年8月3日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域内のジャームース村とフィールー村を結ぶ街道で、シリア国民軍に所属するハムザ師団のメンバーが、ジャイス部族の男性1人を銃で撃ち殺害した。

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「シリア革命」初期から実名でメディアに登場し続けた著名な活動家がダイル・ザウル県で自宅で首を吊った状態で発見される(2025年8月3日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、数ヵ月前にアフマド・シャルア暫定政権の治安当局によって恣意的に逮捕されていたヒムス市アッバースィーヤ地区出身の若い男性が、ヒムス中央刑務所での拷問の末に死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヤードゥーダ村に至る街道を移動中のアフマド・シャルア暫定政権の国防省の要員が、正体不明の武装グループの要撃を受け、1人が死亡、他の者も負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市郊外にある農地で、身元不明の少女の遺体が謎の状況下で発見された。

遺体の頭部には銃弾による傷が見られた。

また、シリア人権監視団によると、活動家のキンディー・アダーイ氏が自宅で首を吊った状態で発見された。
遺体には殴打や拷問を受けた痕跡が見られた。

アダーイ氏は2011年に始まった「シリア革命」初期から実名でメディアに登場し続けた著名な活動家で、最近になってドイツからシリアに帰国していたが、先月、治安当局により逮捕され、その後釈放されていた。

逮捕に理由は明らかではないが、SNSでアフマド・シャルア暫定政権を批判する投稿を行ったことと関連があると見られる。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区でスワイダー県出身のドゥルーズ派の若い男性が、正体不明の武装グループによる銃撃を受け、殺害された。

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スワイダー県でベドウィン・部族系武装勢力とドゥルーズ派武装勢力の戦闘が再開(2025年8月3日)

シリア人権監視団によると、スワイダー県のイラー村近郊のキリスト教墓地を占拠するベドウィン・部族系武装勢力が2日深夜から3日未明にかけて同村を砲撃した。

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これに対して、内務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー県の反乱武装集団が、複数の方面で治安部隊に対して奇襲攻撃を仕掛け、複数の村をロケット弾や迫撃砲で砲撃し、これにより治安部隊の要員に死傷者が出ていると発表した。

また、SANAによると、スワイダー県のタッル・ハディード村、リーマト・ハーズィム村、ウルガー村で、「ヒクマト・ヒジュリーの民兵」が停戦合意を破り、アフマド・シャルア暫定政権の治安拠点に対して組織的な攻撃を仕掛け、同地一帯に侵攻、一時制圧したのに対して、内務省の治安部隊が応戦し、これを撃退、侵攻地域すべてを奪還した。

「ヒクマト・ヒジュリーの民兵」は早朝、治安部隊に対して複数方面で奇襲攻撃を仕掛け、複数の村落をロケット弾や迫撃砲で攻撃、治安部隊の隊員に死傷者が出たが、治安部隊は、当該地域を確保し、戦闘を停止させたことで、停戦が維持されたという。

シリア人権監視団によると、この攻撃で、シャルア暫定政権側の兵士5人とドゥルーズ系武装勢力のメンバー1人が死亡した。

また、シャルア移行期政権の部隊は支援部隊とともに、スワイダー市西部に位置するサアラ村一帯に増援部隊を展開させ、同村の住宅地に対して無差別発砲を行う方、スワイダー市の西部郊外に向けて重機関銃と迫撃砲による攻撃を加えた。

これに対して、ドゥルーズ系武装勢力は、タッル・ハディード村東部やスワイダー市の西部郊外でシャルア移行期政権の部隊の進軍を阻止することに成功した。

また、シャルア暫定政権の内務省総合治安局の部隊が、ダマスカス郊外県のカナーキル村方面からスワイダー県のラサース村に対して砲撃を行った。

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シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月3日の時点で1,496人に達していると発表した。
内訳は以下の通り。
・スワイダー県住民:708名(うち民間人164名、子ども21名、女性56名を含む)
・国防省、内務省総合治安局の要員:474名(うちベドウィン部族出身者40名、レバノン人武装者1名を含む)
・国防省・内務省の要員:15名(イスラエルの爆撃による死亡)
・防衛省庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3名(うち女性1名、身元不明者2名)
・ジャーナリスト:2名(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員による処刑で死亡:291名(女性17名、子ども10名、高齢男性1名を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による処刑:ベドウィン部族出身の民間人3名(女性1名、子ども1名を含む)

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ANHAによると、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・ヒジュリー師は、スワイダー県の住民およびその防衛部隊に対して声明を発表し、命の安全と尊厳を守ることを目的とした複数の指示を出した。

具体的な指示内容は以下の通り。
・あらかじめ定められた従来の防衛拠点への組織的撤退を徹底すること。
・あらゆる手段を用いて防御施設を強化し、あらゆる潜在的な侵入に備えること。
・共同作戦司令部との直接の調整なしに、個別に行動することを禁ずること。
・自制心を保ち、挑発に乗らないよう努めること。
・新たな指示が出るまでは、住民は自宅に留まること。

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アレッポ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区で、女性らがデモを行い、スワイダー県の女性との連帯を表明、アフマド・シャルア暫定政権による侵害行為を非難した。

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ダマスカス県でオートバイ押収命令に反対する抗議デモ(2025年8月3日)

ヒムス県では、SANAによると、ヒムス市でボーイスカウトが「我ら皆シリア」と銘打ったイベントを開催し、シリアの領土と国民の一体性と主権の堅持、分離主義的プロジェクトへの断固反対の意思を表明した。

を明確にし、シリア政府の努力を全面的に支持することを強調、スワイダー県で失踪した民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)のハムザ・アマーリーン氏の安否情報の公開と、関係当局によるあらゆる措置を講じた上での釈放と安全確保を求めた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、県当局が発出したオートバイ押収命令に反対する抗議デモがウマウィーイーン広場と県庁前で行われた。

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ヒムス県とラタキア県でアラウィー派が殺害される(2025年8月2日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のシャバービーヤ地区で、銃で撃たれて殺害されたアラウィー派の男性が遺体で発見された。

この男性は数日前に、サビール地区の自宅から外出したのを最後に行方不明となっていた。

また、シリア人権監視団によると、ヒムス市内にあるアフマド・シャルア暫定政権の刑務所で、数ヵ月前に拘束された若い男性が拷問によって死亡したことが明らかになった。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルカスィーヤ村でアラウィー派の70歳代の男性が、自宅に押し入った4人組の武装グループによって殺害された。

一方、内務省は、フェイスブックを通じて、ラタキア県内務治安司令部が、前政権下での民間人に対する人権侵害に関与していたナビール・ドゥライワスィー容疑者を逮捕したと発表した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バイト・カリーフ村で、7月30日に武装強盗グループの銃撃を受け、重傷を負っていた若い男性がタルトゥース国立病院で死亡した。

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ダイル・ザウル県は、フェイスブックを通じて、誘拐犯グループを逮捕したとの県内務治安司令官のダッラール・シャムラーン大佐の声明を発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団が2日に発表したところによると、ヤルダー市のダッフ・シャウク地区でアラウィー派の男性が武装グループによる至近距離からの銃撃を受けて死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団が2日に発表したところによると、前政権の防空部隊に所属していた元少尉が、ミスヤーフ市西のダイル・サリーブ村でオートバイに乗った武装グループにより銃撃され死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団が2日に発表したところによると、アレッポ市サラーフッディーン地区で、前政権関係者とされる男性が何者かに至近距離から銃撃され死亡した。

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トルコの占領下にある「平和の泉」地域内のアレッポ県スルーク町近郊でシリア国民軍諸派に所属するグループのメンバー1人が何者かによって殺害(2025年8月2日)

ラッカ県では、ANHAによると、トルコの占領下にある「平和の泉」地域内のスルーク町近郊のビール・アースィー村でシリア国民軍諸派に所属するグループのメンバー1人が何者かによって殺害された。

シリア人権監視団によると、殺害されたのは民間警察の要員。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウンム・アームード村で公安機関の職員1人が武装グループによって至近距離から銃で撃たれて死亡した。

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アレッポ県マンビジュ市郊外でシリア民主軍とシャルア移行期政権の軍、トルコ軍が交戦(2025年8月2日)

SANAによると、国防省広報局は、シリア軍が2日21時40分、アレッポ県マンビジュ市郊外のキヤーリーヤ村一帯に設置されている拠点の一つに対するシリア民主軍の部隊の侵入作戦を阻止した。

これに関して、イナブ・バラディーは8月3日、シリア民主軍がキヤーリーヤ村とサイイド村一帯をロケット砲で砲撃し、シリア軍兵士4人と民間人3人が負傷したと伝えた。

これに対して、ロケット弾の発射地を特定し、反撃を実施し、トルコ軍の無人航空機も同地を爆撃した。

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しかし、シリア民主軍は3日、Xを通じて、同軍がシャルア移行期政権の部隊の拠点を攻撃したとの発表を否定、実際には、移行期政権の部隊の一部をなす「無秩序な派閥」が、ダイル・ハーフィル市一帯の境界地で挑発行為と攻撃を繰り返しており、2日夜にも、これらの派閥が住民のいる地域に対して、10発以上の砲弾を根拠もなく発射したと反論した。

そのうえで、シリア民主軍は、これに対し、我が部隊は正当防衛の権利を全面的に行使し、砲弾発射地点に反撃したと主張した。

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シリアとトルコを結ぶガス輸送パイプラインの開通式が行われ、シリア、トルコ、アゼルバイジャンの関係閣僚、カタール開発基金の代表が出席(2025年8月2日)

SANAによると、シリアとトルコを結ぶガス輸送パイプラインの開通式が行われ、シリアのムハンマド・バシール電力大臣、トルコのアルプ・アルスラン・ビルクダル電力大臣、天然ガス供給国のアゼルバイジャンのミカイル・ジャバロフ経済大臣、ならびにカタール開発基金の代表が出席した。

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スワイダー県のクライヤー町、シャフバー町などで、シャルア暫定政権によるスワイダー県での「虐殺」に抗議するデモ(2025年8月2日)

SANAによると、食料や小麦粉などの人道支援物資を積んだシリア・アラブ赤新月社監督下の貨物車輛10台からなる車列がダルアー県のブスラー・シャームに設置されている通行所を通過し、スワイダー県に物資を輸送した。

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SANAによると、スワイダー県から避難してきた住民386人(大半が女性と子ども)がシリア・アラブ赤新月社の監督のもと、6台の大型バスに乗せられ避難、ダルアー県のブスラー・シャーム市に設置されている通行所に到着した。

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フェイスブックによると、スワイダー県のクライヤー町、シャフバー町などで、アフマド・シャルア暫定政権によるスワイダー県での「虐殺」に抗議するデモが行われた。
デモ参加者は、スワイダー県に対する包囲の解除、人道回廊の開設や、圧政と飢餓政策から市民を守る国際的保護の必要性を訴えた。

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シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月2日の時点で1,490人に達していると発表した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県出身者:707人(うち民間人164人、子ども21人、女性56人を含む)
・国防省および内務省総合治安局の要員:469人(うちベドウィン部族出身者40人、レバノン人戦闘員1人を含む)
・国防省・内務省所属の要員15人:イスラエルの爆撃によって死亡
・首都ダマスカスへのイスラエルの爆撃で死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人):
・スワイダー県での戦闘中に殺害されたメディア関係者2人
・国防省・内務省の要員によって処刑された住民291人(女性17人、子ども10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者3人(女性1人、子ども1人を含む)

また、シリア人権監視団は、7月13日以降の一連の衝突で、少なくとも560人が行方不明となっており、うち52人が女性、26人が子どもだと発表した。

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財務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー県の公務員への給与支払い、財務関連職員の安全確保、公金の保全のため、スワイダー県における給与支払いにかかる予算を、暫定的にイズラア市にある銀行支店に移管すると発表した。

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SANAによると、司法省の本庁舎で、「スワイダー事件」調査委員会の第1回会合がマズハル・ワイス司法大臣の主宰のもとに開催された。

会合後、委員たちは内部作業会議を行い、ハーティム・ナアサーン判事を委員長に、アンマール・イッズッディーン弁護士を報道担当に選出した。

さらに、司法省内に常設の委員会事務所を設置し、スワイダー県住民からの苦情受付のための専用電話回線を2本開設することも決定された。

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トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内のアレッポ県バーブ市で、シリア国民軍に所属する武装グループが人気歌手のウマル・ハイリー氏を拘束、暴行を加えたうえで髪を刈る(2025年8月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内のバーブ市で、シリア国民軍に所属する武装グループが市内の結婚式場の一つを急襲し、人気歌手のウマル・ハイリー氏を拘束、暴行を加えたうえで髪を刈るなどする事件が発生した。

同監視団が得た情報によると、ハイリー氏が前政権下のシリア軍を称賛する歌を歌ったことが拘束と暴行の理由で、「シャッビーハ」の容疑がかけられたという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で、正体不明の武装グループが内務省総合治安局の検問所を狙って銃撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町で、シーア派の若い男性がタクシー運転中に正体不明のグループの暴行を受け、死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、1ヵ月前にジャブラ市で内務省総合治安局に逮捕されていた若い男性が拷問の末に死亡した。

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スワイダー県各所でシャルア移行期政権を拒否する抗議デモ:首都ダマスカスなど移行期政権支配地では外国、とりわけイスラエルの干渉に反対するデモ(2025年8月1日)

シリア人権監視団スワイダー24によると、スワイダー県内の各所で一斉にデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権を拒否し、同政権の全ての部隊の県からの撤退を要求した。

デモが行われたのは、スワイダー市のカラーマ広場、シャフバー町、サリーム村など。

スワイダー24によると、デモはまた、サルハド市、カナワート市、マフアラ村、アブー・ズライク村など複数の村々でも行われ、市民数百人が参加した。

参加者たちは、スワイダー県の生活インフラが麻痺し、人道状況が悪化している現状を踏まえて、同県に対するアフマド・シャルア移行期政権による封鎖を解除すること、ヨルダンとの間に人道回廊を開設して民間人の生活必需品を確保し、自由な移動を保証することなどを訴えた。

また、同県での一連の事件を調査するために7月31日に司法省が設置した委員会が独立性と信頼性に欠けると批判、中立的な国際調査を開始するよう求めた。

デモでは、「お前らを信用しない」、「独立国際委員会を求める」、「シリア国営メディアは嘘つきだ」といったシュプレヒコールが連呼され、同様のスローガンが書かれた横断幕が掲げられ、シャルア移行期政権への不信感が表明された。








スワイダー24によると、スワイダー市のカラーマ広場でのデモには、数百人が参加した。

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一方、SANAによると、ダマスカス県のウマウィーイーン広場で、シリアの内政への外国、とりわけイスラエルからの干渉に反対し、国家によるシリア全土の治安強化の取り組みを支持するデモが行われ、市民らが参加した。

デモ参加者は、シリア国旗や、国民の団結を堅持し、一つの国民としての平和を守り、あらゆる扇動的な言動を拒否することを訴える横断幕を掲げた。

参加者たちはSANAの取材に対し、敵が押し付けようとする分裂の企図を拒み、違法な武装勢力との戦いにおいて軍と治安部隊を支持すると強調した。

また、参加者たちは、宗派主義的・分裂主義的な全ての声に対抗する愛国的な言説の必要性を訴え、シリアは国民の結束と自由な主権国家への強い願いによって、いかなる分断の試みをこれからも阻み続けると強調した。

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シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権支配下のダルアー県のサナマイン市とダマスカス郊外県のハラスター市でも同様のデモが行われた。

また、シリア人権監視団によると、同様の抗議デモは、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場、ラタキア市中心部の広場などでも行われた。

これらの集会は厳戒態勢のもと、国営メディアが大きく取り上げる中で行われ、活動家の一部は「当局による組織的な政治プロパガンダの演出」に近いものと評しているという。

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シリア外務省筋:「シャルア暫定大統領のロシア訪問はアサド前大統領の身柄引き渡しと裁判を求める声を妨げるものではない」(2025年8月1日)

外務在外居住者省は、フェイスブックを通じて、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣が滞在中のロシアの首都モスクワでシリア人コミュニティと会合を行ったと発表した。

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ハダス・チャンネルは、シリア外務省筋がインタビューに応じ、以下の通り述べたと伝えた。

アフマド・シャルア暫定大統領のロシア訪問は、アサド前大統領の身柄引き渡しと裁判を求める声を妨げるものではない。
我々はロシアとのバランスの取れた関係を望んでおり、過去の協定の見直しを行いたい。

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