米主導の有志連合がダーイシュ支配下のダイル・ザウル県東部で空挺作戦を実施(2017年4月17日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(4月17日付)によると、米軍主導の有志連合が15日深夜、県東部のマヤーディーン市郊外の砂漠地帯で空挺作戦を実施した。

クッルナー・シュラカーの特派員によると、空挺作戦は、ガラーニージュ市とサーリヒーヤ村の境界一帯で約20分間にわたり実施され、ヘリコプター2機および戦闘機6機が参加した。

ARA News(4月17日付)によると、降下地点はマヤーディーン市南部のT2石油ステーション近く。

クッルナー・シュラカーによると、このほかにも、ワーリジュ・ダム、ヒシャーム油田、CONOCOなどに対して空爆が実施されたという。

AFP, April 17, 2017、AP, April 17, 2017、ARA News, April 17, 2017、Champress, April 17, 2017、al-Hayat, April 18, 2017、Iraqi News, April 17, 2017、Kull-na Shuraka’, April 17, 2017、al-Mada Press, April 17, 2017、Naharnet, April 17, 2017、NNA, April 17, 2017、Reuters, April 17, 2017、SANA, April 17, 2017、UPI, April 17, 2017などをもとに作成。

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英自由民主党議員団がアスマー・アフラス大統領夫人の英国籍剥奪を内務大臣に要求(2017年4月16日)

英自由民主党議員団がアサド大統領の妻で英国生まれのアスマー・アフラス氏から英国籍の剥奪を求める書簡をアンバー・ラッド内務大臣に提出した。

AP(4月16日付)が伝えた。

AFP, April 16, 2017、AP, April 16, 2017、ARA News, April 16, 2017、Champress, April 16, 2017、al-Hayat, April 17, 2017、Iraqi News, April 16, 2017、Kull-na Shuraka’, April 16, 2017、al-Mada Press, April 16, 2017、Naharnet, April 16, 2017、NNA, April 16, 2017、Reuters, April 16, 2017、SANA, April 16, 2017、UPI, April 16, 2017などをもとに作成。

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米国家安全保障問題担当大統領補佐官「シリアへの部隊増派の必要はないと考えている」(2017年4月16日)

ドナルド・トランプ政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めるハーバート・マクマスター陸軍中将は、ABC(4月16日付)のインタビューに応じ、そのなかでダーイシュ(イスラーム国)の中心拠点であるラッカ市解放に向けた米軍の部隊増援の可能性について、「派遣の必要の有無があるかを見極め続けている」としたうえで、「その必要はないと考えている」と述べた。

ABC News, April, 16, 2017、AFP, April 16, 2017、AP, April 16, 2017、ARA News, April 16, 2017、Champress, April 16, 2017、al-Hayat, April 17, 2017、Iraqi News, April 16, 2017、Kull-na Shuraka’, April 16, 2017、al-Mada Press, April 16, 2017、Naharnet, April 16, 2017、NNA, April 16, 2017、Reuters, April 16, 2017、SANA, April 16, 2017、UPI, April 16, 2017などをもとに作成。

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ラッカ市一帯、タブカ市で、YPG主体のシリア民主軍が有志連合の支援を受け攻勢(2017年4月16日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点として利用されているラッカ市北部第17師団基地を空爆した。

また西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、有志連合および米特殊部隊の支援を受けて、タブカ市内の旧市街一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 16, 2017、AP, April 16, 2017、ARA News, April 16, 2017、Champress, April 16, 2017、al-Hayat, April 17, 2017、Iraqi News, April 16, 2017、Kull-na Shuraka’, April 16, 2017、al-Mada Press, April 16, 2017、Naharnet, April 16, 2017、NNA, April 16, 2017、Reuters, April 16, 2017、SANA, April 16, 2017、UPI, April 16, 2017などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はアレッポ県からの避難民が身を寄せていたスッカリーヤ村(ダイル・ザウル県)を爆撃し、子供ら8人を殺害(2017年4月15日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機が15日夜、県東部のスッカリーヤ村を空爆し、子供を含む8人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(4月16日付)によると、有志連合が標的としたのはアレッポ県からの避難民が身を寄せていた住居で、9人が死亡、数十人が負傷した。

AFP, April 16, 2017、AP, April 16, 2017、ARA News, April 16, 2017、Champress, April 16, 2017、al-Hayat, April 17, 2017、Iraqi News, April 16, 2017、Kull-na Shuraka’, April 16, 2017、al-Mada Press, April 16, 2017、Naharnet, April 16, 2017、NNA, April 16, 2017、Reuters, April 16, 2017、SANA, April 16, 2017、UPI, April 16, 2017などをもとに作成。

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米国防総省はYPG主体のシリア民主軍にタッル・リフアト市(アレッポ県)一帯の「穏健な反体制派」への譲渡を要求(2017年4月14日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(4月14日付)によると、アレッポ市北部で活動する反体制武装集団の一つで「穏健な反体制派」と目されているムウタスィム旅団は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とタッル・リフアト市と同市周辺の村の引き渡しに関する交渉を行った。

匿名消息筋によると、米国防総省が13日、シリア民主軍に対して、タッル・リフアト市周辺の14カ村をムウタスィム旅団に引き渡すよう要求、シリア民主軍側は回答まで4日間の猶予を求めたという。

タッル・リフアト市はアレッポ県北部の拠点都市の一つだったが、2016年2月15日にシリア民主軍が制圧した。

なお、ムウタスィム旅団はトルコ国境に近いマーリア市を拠点としている。

Kull-na Shuraka’, April 14, 2017

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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トルコのアクダー保健大臣はハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑の被害を受けた子供6人が新たに死亡したと発表(2017年4月14日)

トルコのレジェップ・アクダー保健大臣は、4月4日に起こったイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃で被害者でトルコに搬送されていた34人のうちの子供6人が死亡下と発表した。

アナトリア通信(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 14, 2017、Anadolu Ajansı, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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ロシア・シリア・イラン外相会合:米ミサイル攻撃を国際法や国連憲章の違反と非難するとともに、化学兵器攻撃疑惑に関して透明性のある独立調査を呼びかける(2017年4月14日)

シリアのワリード・ムアッリム外務在外居住大臣(兼副首相)、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はモスクワで参加国外相会合を開き、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑、米国によるシリアへのミサイル攻撃への対応について協議した。

SANA(4月14日付)によると、会談で三者は、ミサイル攻撃を国際法や国連憲章の違反と非難するとともに、化学兵器攻撃疑惑に関しては、透明性のある独立調査の実施を呼びかけた。

SANA, April 14, 2017

会談後の共同記者会見では、ムアッリム外務在外居住大臣は、三カ国が米国およびその同盟諸国に対して、ミサイル攻撃に類するいかなる措置もとらないよう警告すると述べた。

そのうえで「シリア政府は、ロシアおよびイランの支援のもと、シリアからテロを浄化するための行動を継続することを決意している」と述べた。

化学兵器攻撃疑惑に関しては、シリア政府・軍が化学兵器を保有していないと改めて強調、トルコ国内での調査が中立性を欠くと非難、「一部の諸外国がシリア南部でシリア軍に対する新たな戦端を開こうとしている」と警鐘を鳴らした。

ラブロフ外務大臣は「シリアで体制打倒を再び試みても成功しないだろう…。こうした敵対行為は国連安保理決議が定める和平協議を頓挫させようとするもの」と述べた。

また、ロシア、シリア両国政府がアレッポ市での化学兵器使用に関してロシア政府、シリア政府が提出した情報について化学兵器禁止機関が検証を行っていないと不快感を露わにした。

一方、和平協議については、アスタナ・プロセス再開に向けて準備を行うと表明した。

「一部の諸外国がシリア南部で戦端を開くための準備をしている」とのムアッリム外務在外居住者大臣の発言に関しては、米国からシリアとイラクを結ぶダーイシュ(イスラーム国)の兵站路を遮断するため、米国が反体制武装集団への武器・装備を供与しているとの連絡を非公式に受けているとしつつ、「この問題をフォローしている。なぜなら、シリア領内での武力行使は「テロとの戦い」以外に利用されてはならないから」と付言、アサド政権に対する反体制武装闘争再活性化に警戒感を示した。

ザリーフ外務大臣は、ロシア、シリアとともに化学兵器拡散阻止に向けて協力を継続すると述べるとともに、独立した調査の実施の必要性を強調した。

米国のミサイル攻撃については、「一方的な振る舞い」としたうえで「こうした行為がダーイシュ、ヌスラ戦線(シャーム解放機構)を作り出した」と批判した。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月13日、ラッカ市、タブカ市近郊で10回の爆撃を実施(2017年4月14日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月13日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ダイル・ザウル市近郊(3回)、ラッカ市近郊(4回)、タブカ市近郊(2回)で実施された。

AFP, April 14, 2017、AP, April 14, 2017、ARA News, April 14, 2017、Champress, April 14, 2017、al-Hayat, April 15, 2017、Iraqi News, April 14, 2017、Kull-na Shuraka’, April 14, 2017、al-Mada Press, April 14, 2017、Naharnet, April 14, 2017、NNA, April 14, 2017、Reuters, April 14, 2017、SANA, April 14, 2017、UPI, April 14, 2017などをもとに作成。

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シリアのムアッリム外務大臣がロシアのラヴロフ外務大臣と会談し、公正且つ中立的でバランスのとれた調査委員会によるハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑の調査を求める(2017年4月13日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣はロシアを訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、米国によるシリアへのミサイル攻撃などへの対応について協議した。

ムアッリム外務在外居住者大臣には、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官、ファイサル・ムクダード副大臣らも同行した。

SANA(4月13日付)によると、ムアッリム外務在外居住者大臣は会談で、米国によるミサイル攻撃を「敵対行為」、「国際法違反」、ジュネーブ会議やアスタナ会議といった和平協議を「反故にしようとする行為」と非難した。

また、ミサイル攻撃の根拠となったイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑に関しては、化学兵器禁止機関に、公正且つ中立的でバランスのとれた調査委員会を設置し真相究明を行うよう求めたことを明らかにした。

これに対して、ラブロフ外務大臣も「化学兵器禁止機関と独立した専門家による客観的で独立した調査が必要と強く考えている」とシリア側に伝えたという。

SANA, April 13, 2017

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、バングラデシュ外相との会談後の記者会見で、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に発生した化学兵器攻撃疑惑事件に関して、米国のレックス・ティラーソン米国務長官との12日の会談で、化学兵器禁止機関や、ロシア、欧米諸国などの専門家からなる専門家チームの設置と真相究明調査の実施を提案し、合意に達したことを明らかにした。

SANA(4月13日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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OPCW英国代表「ハーン・シャイフーン市で採取したサンプルからサリン・ガスないしはそれに類する物質が検出された」(2017年4月13日)

化学兵器禁止機関(OPCW)は、シリアのイドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑事件に関する特別会合をオランダのハーグで開催した。

会合で、英国代表は「ハーン・シャイフーン市で採取したサンプルを英国の専門家が分析した結果、サリン・ガスないしはそれに類する物質の存在を確認した」と主張した。

『ハヤート』(4月14日付)が伝えた。

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル県ハトラ村で米主導の有志連合がダーイシュの武器庫を破壊、有毒ガスが飛散し住民ら数百人が死亡したと発表、地元活動家は否定(2017年4月13日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、米軍主導の有志連合戦闘機複数機が12日午後5時半から5時50分にかけての20分間、ダイル・ザウル県のハトラ村にあるダーイシュ(イスラーム国)の巨大武器弾薬庫を空爆し、火災が発生、倉庫内で保管されていた有毒ガスが飛散し、民間人多数を含む数百人が呼吸困難などの症状を訴えて死亡した、と発表した。

SANA(4月13日付)が伝えた。

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しかし、地元の活動家らはクッルナー・シュラカー(4月13日付)に対して、こうした事件は発生していないと述べ、シリア軍の発表を否定した。

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県の3市でデモが発生、カタール仲介によるファトフ軍とイラン革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意を「強制移住」「住民交換」と非難(2017年4月13日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(4月12日付)によると、ヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市で、カタール仲介によるファトフ軍とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意において、3市を停戦対象に含めれていることに抗議するデモが発生し、住民数千人が参加した。

デモ参加者は、ダマスカス郊外県ザバダーニー市、マダーヤー町からの反体制武装集団戦闘員およびその家族の退去、イドリブ県フーア市、カファルヤー町の住民の退去を「強制移住」「住民交換」と非難、地元から離れることに異議を唱えた。

Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017

Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017
Kull-na Shuraka’, April 13, 2017

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合がYPG主体のシリア民主軍をタブカ市近郊で誤爆し、隊員18人を殺害(2017年4月13日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(4月13日付)などによると、米主導の有志連合がタブカ市南部で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を誤爆、戦闘員18日を誤って殺害した。

こうしたなか、米国防総省はシリア領内で活動する同盟者からの要請を受け、有志連合がタブカ市南部を空爆したとしたうえで、誤爆によって戦闘員を殺害したことを認めた。

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西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、「ユーフラテスの怒り」作戦第4段階を開始すると発表、ラッカ市解放に向けて同市北部郊外一帯に進攻を開始すると発表した。

また、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合の航空支援を受け、ラッカ県タブカ市東部、南東部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア領内での爆撃実施地点の詳細を初めて公表せず(2017年4月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月12日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、うち7回はラッカ市近郊で実施され、残り8回は「シリア国内」で実施された。

シリア領内の空爆カ所を「シリア国内」として明示しなかったのは、2014年9月のシリア領内での空爆実施以降初めて。

また、21回中のこる6回の空爆については言及すらされなかった。

AFP, April 13, 2017、AP, April 13, 2017、ARA News, April 13, 2017、Champress, April 13, 2017、al-Hayat, April 14, 2017、Iraqi News, April 13, 2017、Kull-na Shuraka’, April 13, 2017、al-Mada Press, April 13, 2017、Naharnet, April 13, 2017、NNA, April 13, 2017、Reuters, April 13, 2017、SANA, April 13, 2017、UPI, April 13, 2017などをもとに作成。

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トランプ米大統領はアサド大統領を「邪悪な人間」「動物」と非難(2017年4月12日)

ドナルド・トランプ米大統領はフォックス・ビジネス(4月11日付)のインタビューで、シリア情勢について言及、そのなかでアサド大統領を「邪悪な人間」「動物」と非難した。

トランプ大統領は「ロシアがこの動物(アサド大統領)を支援しなければ、問題にならないだろう…。(しかしヴラジミール・プーチン大統領がアサド大統領を支援すれば)それはロシアにとって良くないこととなり、人類にとっても良くないことになる」と述べた。

Fox Business, April 12, 2017

AFP, April 12, 2017、AP, April 12, 2017、ARA News, April 12, 2017、Champress, April 12, 2017、Fox Business, April 12, 2017、al-Hayat, April 13, 2017、Iraqi News, April 12, 2017、Kull-na Shuraka’, April 12, 2017、al-Mada Press, April 12, 2017、Naharnet, April 12, 2017、NNA, April 12, 2017、Reuters, April 12, 2017、SANA, April 12, 2017、UPI, April 12, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍はロジャヴァ支配下のアレッポ県アフリーン市郊外の国境地帯で防護壁建設のためにオリーブ畑を伐採(2017年4月12日)

アレッポ県では、ARA News(4月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアフリーン市郊外の国境地帯にトルコ軍が重機を搬入し、防御壁建設のためにオリーブの木約150本を伐採した。

伐採作業が行われたオリーブ畑は11ヘクタールにおよぶという。

ARA News, April 12, 2017

AFP, April 12, 2017、AP, April 12, 2017、ARA News, April 12, 2017、Champress, April 12, 2017、al-Hayat, April 13, 2017、Iraqi News, April 12, 2017、Kull-na Shuraka’, April 12, 2017、al-Mada Press, April 12, 2017、Naharnet, April 12, 2017、NNA, April 12, 2017、Reuters, April 12, 2017、SANA, April 12, 2017、UPI, April 12, 2017などをもとに作成。

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ロシアはシリア政府による化学兵器使用を非難する米英仏の国連安保理決議案に拒否権発動(2017年4月12日)

国連安保理で、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器使用に関する会合が開かれ、米英仏はシリア政府による使用を非難する決議案を提出した。

決議案は、前回会合でロシア側が提出した対案に沿ったかたちで文言が修正されていたが、採決では、米国、英国、フランス、スウェーデン、イタリア、日本、セネガル、エジプトが賛成票を投じたのに対して、ロシアとボリビアが反対、中国、カザフスタン、エチオピアが棄権、ロシアの拒否権発動で廃案となった。

決議案に拒否権を発動した理由に関して、ロシアのヴラジーミル・サフロンコフ国連次席大使は、モスクワでのレックス・ティラーソン米国務長官との会談で、セルゲイ・ラブロフ外務大臣が化学兵器禁止機関にハーン・シャイフーン市での化学兵器使用を調査するための国連との合同調査団の設置を求める共同声明を出すことを準備し、この案に対する米国からの回答を待っているためだとしたうえで、米英仏による決議案を「こうした状況を踏まえると、今日採決を行っても無駄になる」と述べた。

一方、採決に先立って、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア人が武装テロ集団の第1の被害者であると強調、「西側諸国のずるがしこい政策に基づくいかなる決議案に対して我々は異議を唱える」と述べた。

SANA(4月12日付)が伝えた。

SANA, April 12, 2017

AFP, April 12, 2017、AP, April 12, 2017、ARA News, April 12, 2017、Champress, April 12, 2017、al-Hayat, April 13, 2017、Iraqi News, April 12, 2017、Kull-na Shuraka’, April 12, 2017、al-Mada Press, April 12, 2017、Naharnet, April 12, 2017、NNA, April 12, 2017、Reuters, April 12, 2017、SANA, April 12, 2017、UPI, April 12, 2017などをもとに作成。

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ティラーソン米国務長官はモスクワでラヴロフ外務大臣、プーチン大統領と会談(2017年4月12日)

ロシアを訪問したレックス・ティラーソン米国務長官は、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と個別に会談した。

会談冒頭でラブロフ外務大臣は、米軍によるミサイル攻撃に関して「法に反するきわめて懸念すべき行動」と非難、「今後このような行動を繰り返さないことが肝要」と述べ、米国を牽制した。

これに対して、ティラーソン国務長官は「両国の間になぜ鮮明な違いがあるかを理解し、違いを埋める機会にしたい」と応えた。

会談は4時間以上続き、ティラーソン国務長官は、そのなかでアサド政権への支援・支持を停止するようにラブロフ外務大臣に求めたものと見られる。

ラブロフ外務大臣とティラーソン国務長官は会談後合同記者会見を開いた。

このなかでティラーソン国務長官は、米ロ関係について「最悪の状態」にあると明言、「両国間の信頼は最低レベルだ」と述べた。

また、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器攻撃疑惑については、「事実を見れば疑う余地はない」と強調し、アサド政権の関与を改めて断定した。

一方、ラブロフ外務大臣は「この問題に関して両国の間に意見相違があることは明らか」だと述べ、シリア軍の空爆によって反体制武装集団の武器弾薬庫に保管されていた化学物質が飛散したとの見方を改めて示すとともに、「ロシアは客観的な調査を求めている」と付け加えた。

米国のミサイル攻撃については、「非常にやっかいな行動だ」だと非難、「こうした行動の再発を防ぐことが非常に重要だと考えている」と述べた。

その一方、「両国は譲歩せずに国際テロと戦う決意を確認した」と述べた。

SANA(4月12日付)などが伝えた。

SANA, April 12, 2017

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ラブロフ外務大臣との会談後、ティラーソン国務長官は、ヴラジミール・プーチン大統領と2時間にわたって会談した。

プーチン大統領との会談は実現が危ぶまれていたが、ロシア側が会談に応じることで米国との対立激化を回避する姿勢を示したかたちとなった。

AFP, April 12, 2017、AP, April 12, 2017、ARA News, April 12, 2017、Champress, April 12, 2017、al-Hayat, April 13, 2017、Iraqi News, April 12, 2017、Kull-na Shuraka’, April 12, 2017、al-Mada Press, April 12, 2017、Naharnet, April 12, 2017、NNA, April 12, 2017、Reuters, April 12, 2017、SANA, April 12, 2017、UPI, April 12, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月11日、タブカ市のみで4回の爆撃を実施(2017年4月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月11日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して12回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は4回で、タブカ市で実施された。

AFP, April 12, 2017、AP, April 12, 2017、ARA News, April 12, 2017、Champress, April 12, 2017、al-Hayat, April 13, 2017、Iraqi News, April 12, 2017、Kull-na Shuraka’, April 12, 2017、al-Mada Press, April 12, 2017、Naharnet, April 12, 2017、NNA, April 12, 2017、Reuters, April 12, 2017、SANA, April 12, 2017、UPI, April 12, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍はアレッポ市北西部のロジャヴァ支配地域を越境砲撃(2017年4月11日)

アレッポ県では、ARA News(4月11日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期の支配下にあるウンム・クラー村、ウンム・フーシュ村(いずれもアアザーズ市近郊)を越境砲撃し、民間人多数が死傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ出身の男性がトルコへの越境を試み、トルコ国境警備隊に射殺された。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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ハマー航空基地に駐留していたロシア軍部隊がラタキア県のフマイミーム航空基地に撤収(2017年4月11日)

ハマー県では、クッルナー・シュラカー(4月11日付)によると、ハマー市東部のハマー航空基地に駐留していたロシア軍部隊が装備を解体し、ラタキア県のフマイミーム航空基地に撤収した。

この移転は、ロシアに近いとされるハーフィズ・スライマーン大佐の異動に合わせたもの。

スライマーン大佐は、ハマー市で住民数百人と拉致・逮捕した容疑をかけられており、また「虎」の異名で知られるスハイル・ハサン准将と鋭く対立していたという。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍歩兵部隊兵士2人が迫撃砲による攻撃で死亡、3人が重傷(2017年4月11日)

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部の報道官は声明で、シリア軍による「テロとの戦い」を支援するかたちで戦闘地域に展開していたロシア軍歩兵部隊の兵士2人が迫撃砲を被弾し死亡、3人が重傷を負ったと発表した。

声明は、ロシア軍歩兵部隊の展開場所について言及していないが、クッルナー・シュラカー(4月11日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、シャーム解放機構、シャーム解放機構、シャーム軍団などのアル=カーイダ系・非アル=カーイダ系の反体制武装集団との戦闘が続くアレッポ市西部郊外だと思われるという。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(4月12日付)によると、インヒル市・スラヤー村間の街道に仕掛けられた爆弾が爆発し、ハムザ師団の戦闘員3人が死亡した。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、April 12, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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首都ダマスカスの国連事務所前で米国のミサイル攻撃を非難するデモ(2017年4月11日)

ダマスカス県では、SANA(4月11日付)によると、シリア学生国民連合ダマスカス大学支部が、米軍によるシリアへのミサイル攻撃に対する抗議デモを国連ダマスカス事務所前で行い、多数の学生らが参加した。

SANA, April 11, 2017

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ロシアのプーチン大統領「シリア軍の化学兵器使用を断じるような新たな挑発的な動きがダマスカス県南部郊外などで準備されている」(2017年4月11日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はモスクワでのイタリアのセルジョ・マッタレッラ首相との会談後の記者会見で、イドリブ県ハーン・シャイフーン市での化学兵器使用疑惑や米軍のシリアへのミサイル攻撃について言及し、シリア軍の化学兵器使用を断じるような新たな挑発的な動きが、シリア政府の責任を追及するために準備されていると述べた。

プーチン大統領は「我々は複数の消息筋から、化学兵器を断じるような新たな挑発的な動きが、首都ダマスカス南部郊外などのシリアの他の場所でも準備されているとの情報を得ている。これらの場所では、何らかの物質を投下し、シリア当局を非難する計画がある」と述べた。

プーチン大統領はまた「この事件(米軍のシリアに対するミサイル攻撃)は、2003年の事件(イラク戦争)を思い出させる。あの時、国連安保理で米国の代表はイラクで化学兵器が見つかったと主張した」と付言した。

SANA(4月11日付)が伝えた。

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ロシア・イラン国防大臣が電話会談「米国がシリアへの攻撃を繰り返すなら、大きな代償を払わねばならない」(2017年4月11日)

イランのホセイン・デフガーン国防大臣は、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣と電話会談を行い、米軍によるシリアへのミサイル攻撃への対応など地域情勢について協議した。

SANA(4月11日付)によると、会談でデフガーン国防大臣は、「米国はこうした攻撃を繰り返すなら、大きな代償を払わねばならないだろう」と述べたという。

これに対して、ショイグ国防大臣は、シリア軍による「テロとの戦い」支援を改めて強調した。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外相「アサド政権は依然として化学兵器を使用する能力を有している」(2017年4月11日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、訪問先のイタリアで報道声明を出し、そのなかで、シリア情勢について、アサド政権が依然として化学兵器を使用する能力を有しているとの充分な証拠をトルコは有しているとしたうえで、再利用を阻止することが必要だと強調した。

ARA News(4月11日付)が伝えた。

ARA News, April 11, 2017

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スパイサー米ホワイト・ハウス報道官「無垢の市民に「樽爆弾」が落とされたら、大統領からの報復を見ることになるだろう」(2017年4月11日)

米ホワイト・ハウスのショーン・スパイサー報道官は、記者会見で化学兵器だけでなく、「樽爆弾」が無垢の市民に対して使用された場合も、ドナルド・トランプ大統領が対抗措置を講じるだろうと脅迫した。

スパイサー報道官は「もし子供が有毒ガスでの攻撃を受けたり、無垢の市民に「樽爆弾」が落とされたら、大統領からの報復を見ることになるだろう」と述べた。

「樽爆弾」は鉄製の筒などに爆薬や鉄くずなどを詰め込んだ爆弾で、反体制派は、シリア軍ヘリコプターから投下する爆弾の総じてこの呼称で呼び、これによりシリア軍が「無差別空爆」を行っていると非難している。

一方、シリア政府は、「樽爆弾」という呼称の兵器は有してないと主張、高性能兵器の破壊力・殺傷力を踏まえると、兵器そのもの「無差別性」の有無を議論することは意味がないとの立場をとっている。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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米ホワイト・ハウス高官「シリア軍の化学兵器攻撃をロシアは事前に承知していた」「ロシア軍は化学兵器の被害者が搬送された病院を爆撃し、証拠隠滅を図ろうとした」(2017年4月11日)

AP(4月11日付)、『ワシントン・ポスト』(4月11日付)などは、米ホワイト・ハウス高官の話として、4日にシリア軍がイドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器を使用したとされる事件に関して、ロシアが攻撃を事前に知っていた、と伝えた。

同高官によると、米国はハーン・シャイフーン市での化学兵器使用事件について調査した結果、ロシアがシリア軍による攻撃実施を事前に承知していたとの結論に達したという。

同高官はさらに、ロシア軍の無人航空機が、化学兵器攻撃による被害者が搬送される病院上空を旋回しており、その数時間後に今度はロシア軍戦闘機がこの病院を空爆し、化学兵器使用の証拠を隠蔽しようとしたのだと述べている。

また、ホワイトハウスのジェームズ・S・ブレディ記者会見室でのブリーフィングで、高官(匿名)は、公開されているビデオや画像、レポート、地理空間情報(GEOINT)、通信情報(SIGINT)、犠牲者から採取した物理的サンプルの検査結果から、シリア軍がサリン・ガスによる空爆を行ったことが改めて確認されたと述べた。

そのうえで、シリア人パイロットが操縦するロシア製のSU-22戦闘機がヒムス県シャイーラート航空基地から出撃し、午前6時55分頃にハーン・シャイフーン市上空に飛来、約20分にわたり空爆を行い、塩素ガスではなく、サリン・ガスを装填した爆弾少なくとも1発を投下、また空爆が行われた4日に同基地に化学兵器関連の専門家がいたと述べているという。

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米国家安全保障会議(NSC)は11日、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で行われたシリア軍の化学兵器によるとされる空爆に関する報告書を発表した。

公開されているビデオや画像、レポート、地理空間情報(GEOINT)、通信情報(SIGINT)、犠牲者から採取した物理的サンプルの検査結果から、シリア軍がサリン・ガスを使用したと断定、また「シリア政府とその主要な支援国であるロシアは、今回の攻撃、そしてそれ以前の攻撃でシリア国民に対する化学兵器使用の責任が誰にあるのかをめぐって世界を混乱させようとしてきた」と指摘し、ロシアが、化学兵器使用を隠蔽する情報操作に関与してきたと非難した。

報告書によると、化学兵器を使用した空爆を行ったシリア軍戦闘機は、6時55分にハーン・シャイフーン市に飛来、20分にわたり空爆を行い、被害が報告された直後に現地を離れたという。

また、シャイーラート航空基地には3月末からシリアの化学兵器担当者らが詰め、攻撃を準備していたと指摘している。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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ティラーソン米国務長官は、国家機関の衰退をもたらさないかたちで、アサド大統領を排除する移行プロセスを受け入れるようロシアに求める模様(2017年4月11日)

イタリア中部のルッカで10日夜に開幕したG7外相会合は、北朝鮮情勢、シリア情勢などについて協議し、11日に共同声明して閉会した。

共同声明では、北朝鮮に関して、核実験やミサイル発射実験を「もっとも強い表現」で非難し、挑発行為の自制と国連安全保障理事会決議の完全な順守を求めた。

また、シリア情勢に関しては、化学兵器使用に対して深刻な懸念を表明するとともに、「米軍の軍事行動は注意深く計算され、対象が限定されていた」として米国への支持を表明、ロシアに対しては、イランとともに化学兵器真摯条約の義務を順守させるとともに、紛争を終結させるため、シリア政府に影響力を行使するよう求めた。

その一方、「ロシアとの協力なくしては解決できない諸課題がある」と付言、ロシアとの関係悪化を回避しようとする意図が見え隠れした。

会合では、英国のボリス・ジョンソン外務大臣が、シリアのアサド政権への軍事支援を停止させるため、ロシアに追加制裁を科すことを提案したが、三カ国が合意にいたることはなかった。

一方、『ハヤート』(4月12日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)によると、レックス・ティラーソン米国務長官は会合で、12日のモスクワ訪問でロシア側に提示する「提案」を示し、各国に理解を求めたという。

この「提案」は、①対ロシア制裁の軽減とロシアのG7(G8)への復帰、②シリアでの完全な停戦を条件とする「テロとの戦い」での協力、③国家機関を維持したかたちで、アサド大統領の排除をもたらすような政治移行プロセスの立ち上げ、を骨子としているという。

三カ国との協議は、①ウクライナ情勢、クリミア情勢といかに連動させること、②ロシアが「提案」に応じない場合の追加制裁を科すこと、③アサド大統領の処遇、について意見が交わされたという。

このうち、アサド大統領の処遇については、移行プロセス開始前の退陣を条件づけず、「国家機関の衰退をもたらさないかたちでアサド大統領を排除する信頼できる移行プロセスを受け入れる」ことをロシア政府に求めようとしているという。

AFP, April 11, 2017、AP, April 11, 2017、ARA News, April 11, 2017、Champress, April 11, 2017、al-Hayat, April 12, 2017、Iraqi News, April 11, 2017、Kull-na Shuraka’, April 11, 2017、al-Mada Press, April 11, 2017、Naharnet, April 11, 2017、NNA, April 11, 2017、Reuters, April 11, 2017、SANA, April 11, 2017、UPI, April 11, 2017などをもとに作成。

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