ロシアのプーチン大統領「シリアでの化学兵器使用に関する根拠のない非難は受け入れられない」(2017年4月6日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との電話会談で、「根拠のない非難は受け入れられない」と述べ、米欧の姿勢を非難した。

ロシア大統領府によると、プーチン大統領はまた「綿密かつ公正な国際調査が行われるまで、根拠のない非難をすることは、誰に対してであれ認められない」と強調したという。

また、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件への対抗措置を米国が検討していることに関して、「イドリブ県での化学兵器使用は非常に深刻な問題で、卑劣な犯罪だ。我々はシリアでのいかなる化学兵器の使用も決して受け入れられないと考えている」としつつ、「シリア軍は化学兵器として使用可能な物質がテロリストの手にわたることを阻止するために必要なあらゆる措置を講じている」と述べ、シリア政府を擁護した。

そのうえで、「誰もイドリブで起きたことについて信頼できる情報を持っていない。米国もそうした情報は持っていない…。ホワイト・ヘルメットのような信用できない情報源に依拠して性急な評価をすべきでない」と強調した。

一方、ロシアセルゲイ・リバコフ外務副大臣も、シリア軍が「化学兵器を使用していない」としたうえで、西側以外の専門家も含めたかたちでの「バランスのとれた調査委員会」による調査を行う必要があると強調した。

AFP, April 6, 2017、AP, April 6, 2017、ARA News, April 6, 2017、Champress, April 6, 2017、al-Hayat, April 7, 2017、Iraqi News, April 6, 2017、Kull-na Shuraka’, April 6, 2017、al-Mada Press, April 6, 2017、Naharnet, April 6, 2017、NNA, April 6, 2017、Reuters, April 6, 2017、SANA, April 6, 2017、UPI, April 6, 2017などをもとに作成。

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ロシアがハーン・シャイフーン市での化学兵器使用に対する米英仏の安保理決議案に対抗して国連、OPCWによる調査を骨子とする代案を提出(2017年4月6日)

『ハヤート』(4月7日付)などによると、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件をめぐって米英仏が5日に国連安保理に提出した制裁決議案に対抗し、ロシアも代案を提出した。

ロシアが提出した決議案は、シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)と、国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の合同調査委員会に、事件が発生したイドリブ県ハーン・シャイフーン市およびその周辺地域への早急の派遣と調査実施を求めている。

AFP, April 6, 2017、AP, April 6, 2017、ARA News, April 6, 2017、Champress, April 6, 2017、al-Hayat, April 7, 2017、Iraqi News, April 6, 2017、Kull-na Shuraka’, April 6, 2017、al-Mada Press, April 6, 2017、Naharnet, April 6, 2017、NNA, April 6, 2017、Reuters, April 6, 2017、SANA, April 6, 2017、UPI, April 6, 2017などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「米国がシリアでの化学兵器使用への対抗措置を実施すれば、我々も自分たちに割り当てられたことを行う」(2017年4月6日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に対する対抗措置を米国が検討していることに関して、「彼に謝意を示したい。しかし、(対抗措置をとるとの)脅迫が言葉だけにならないことを願っている…。この脅迫が実行段階に入れば、我々トルコは自分たちに割り当てられたことを行う」と述べた。

AFP, April 6, 2017、AP, April 6, 2017、ARA News, April 6, 2017、Champress, April 6, 2017、al-Hayat, April 7, 2017、Iraqi News, April 6, 2017、Kull-na Shuraka’, April 6, 2017、al-Mada Press, April 6, 2017、Naharnet, April 6, 2017、NNA, April 6, 2017、Reuters, April 6, 2017、SANA, April 6, 2017、UPI, April 6, 2017などをもとに作成。

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米国は軍事介入を含む対抗措置を具体的に検討、トランプ大統領「化学兵器使用はシリア、そしてアサドに対する私の姿勢を実際に大きく変化させた」(2017年4月6日)

ドナルド・トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席との首脳会談のためフロリダ州パームビーチ(マール・ア・ラーゴ)に向かう大統領専用機内で記者団に対し、「アサド政権は多くのレッドラインを越えた…。あなたたちに言いたい。先日の事件は私には決して受け入れられない。事件は、シリア、そしてアサドに対する私の姿勢を実際に大きく変化させた」と述べた。

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レックス・ティラーソン米国務長官はイドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、「我々に疑う余地はない。我々の情報では、シリアとアサド政権下のシリアの政権にこの攻撃の責任がある…。アサドには未来のシリアで果たす役割はない」と述べた。

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ロイター通信(4月6日付)は、米高官の話として、米国防総省とホワイト・ハウスが、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件への対抗措置としての軍事的選択肢について具体的な協議を行っている、と伝えた。

同高官によると、軍事的選択肢のなかには、アサド政権軍の航空機の飛行阻止、米軍機の空爆によらない巡航ミサイルによる攻撃などが含まれているという。

AFP, April 6, 2017、AP, April 6, 2017、ARA News, April 6, 2017、Champress, April 6, 2017、al-Hayat, April 7, 2017、Iraqi News, April 6, 2017、Kull-na Shuraka’, April 6, 2017、al-Mada Press, April 6, 2017、Naharnet, April 6, 2017、NNA, April 6, 2017、Reuters, April 6, 2017、SANA, April 6, 2017、UPI, April 6, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月5日、タブカ市近郊を中心に20回の爆撃を実施(2017年4月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月5日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して29回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は20回で、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(2回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、タブカ市近郊(13回)に対して攻撃が行われた。

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イラン外務省「誰が使用し、誰が被害者となったかにかかわらず、化学兵器使用を非難する」(2017年4月5日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、「イランは誰が使用し、誰が被害者となったかにかかわらず、あらゆる化学兵器使用を非難する。我々はイランに被害者を搬送し支援する用意がある」と発表した。

タスニーム通信(4月5日付)が伝えた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、Tasnim News Agency, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

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トルコ保健大臣は4日のハーン・シャイフーン市での攻撃に関して化学兵器が使用されたとの結論に達したと発表(2017年4月5日)

トルコのレジェップ・アクダー保健大臣は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、化学兵器が使用されたとの結論に達したと発表した。

トルコ保健省は、世界保健機関(WHO)や化学兵器禁止機関(OPCW)の関係者立ち会いのもと遺体3体を解剖し、化学兵器が使用されたとの結論に達したという。

また、イドリブ県からトルコ領内に化学兵器を浴びたとされる住民トルコ31人が搬送された。

トルコ保健省はイドリブ県内での医療活動などの監督などを行っている。

『ハヤート』(4月6日付)が伝えた。

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シャーム解放機構やシャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団の支配下であるイドリブ県内で活動する国際NGOの「国境なき医師団」は声明を出し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる事件(4日)に関して、トルコ国境のバーブ・ハワー国境通行所の病院に搬送された患者のうち8人が、瞳孔拡張、痙攣などサリン・ガスに代表される神経ガスによると思われる症状を確認したと発表した。

また、患者の手当に利用されている別の病院に派遣された「国境なき医師団」の医療チームが強い塩素臭を感じたとも付言し、化学兵器が使用された可能性が高いとの見解を示した。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省報道官「ハーン・シャイフーン市での化学兵器による犠牲者の画像はねつ造、化学兵器の被害は反体制派の毒ガス貯蔵施設をシリア軍が攻撃した結果」(2017年4月5日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で化学兵器が使用されたとされる4日の事件に関して、シリア軍戦闘機がイラクから搬入された化学兵器が保管されていた同市内の巨大な武器弾薬庫と有毒ガスを爆弾に装填する工場を空爆した」としたうえで、「我々が持つ信頼できる客観的情報は、これらの兵器が過去にアレッポで使用されたことを確認するものだ」と述べた。

また「SNS上のビデオ映像に映っているハーン・シャイフーン市の民間人の中毒症状は、アレッポで昨年秋にテロリストの攻撃で民間人が被ったものと酷似している」と付言した。

なお、コナシェンコフ報道官によると、シリア軍の戦闘機は4日午前11時半から12時半にかけて、ハーン・シャイフーン市一帯で空爆を実施し、反体制武装集団の化学兵器貯蔵庫を爆撃し破壊、その直後に有毒ガスが飛散し、民間人ら多数が死亡、中毒症状を訴えたという。

しかし、クッルナー・シュラカー(4月4日付)などは、ホワイト・メルメットの隊員らの証言として、化学兵器が使用されたとされる空爆は午前6時半頃に行われたと伝えていた。

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ハーン・シャイフーン市での化学兵器事件を受け、国連安保理で緊急会合:米英仏は非難決議案を提出、ロシアは拒否権発動の意思表明(2017年4月5日)

国連安保理は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に化学兵器が使用されたとされる事件への対応を協議するための緊急会合を開催、米国、英国、フランスは非難決議案を提出した。

決議案は、ハーン・シャイフーン市での攻撃をもっとも厳しい表現し、攻撃を実行した当事者の制裁を要求、化学兵器禁止機関(OPCW)による調査を支持するとともに、国連とOPCWによる合同調査チームの即時派遣と調査を求めている。

また、シリア政府を含むすべての当事者に対して事件当日の航空作戦の飛行記録、司令官の氏名を提示するよう求めている。

そのうえで、国連憲章第7章に基づき、上記の規定への違反があった場合に対処する旨規定するとともに、安保理事務総長にシリア政府の協力などの評価するための報告書を2ヶ月後に提出することを求めている。

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会合では、ニッキー・ヘイリー米国連大使が化学兵器攻撃の被害に合ったとされる子供の写真を掲げ「卑劣な行為」と批判、事件にはアサド政権の「指紋が押されている…「この犯罪の実質的な責任はアサド政権にある」との疑いをかけた。

また、ロシアが決議案を「決して受け入れられない」とし、拒否権を発動する意思を示していることについては、「不道徳」と非難した。

ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、米英仏による安保理決議案が採決された場合、拒否権を発動すると述べていた。

英仏の国連代表大使も、シリア政府の関与を疑うとともに、ロシアの拒否権発動を牽制した。

これに対して、ロシアのヴラジミール・サフロンノフ国連大使は、化学兵器の使用はいかなる状況下においても、またいかなる当事者によるものであっても受け入れないとしつつ、シリア政府側が化学兵器を使用したという報告をねつ造したと反論、「武装組織」の犯行だと断じた。

他方、中国は、「シリアにおける最優先事項はテロとの戦い」とし、ロシアに同調するとともに、すでに設置されている国連の調査委員会の活動を支援するべきだと主張した。

エジプトも、真相究明と制裁に向けた真摯な行動を支援すると表明した。

このほか、ムンズィル・ムンズィル国連シリア副代表は、シリアが化学兵器禁止条約を完全り履行していると強調した。

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国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市で4日に化学兵器が使用されたとされる事件に関して「戦争犯罪」に値すると非難した。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの拠点都市タブカ市を完全包囲(2017年4月5日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つタブカ市を完全包囲したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダイル・ザウル市南部墓地地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ロシア軍はイドリブ県ハーン・シャイフーン市を爆撃(2017年4月5日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(4月5日付)によると、ロシア軍がハーン・シャイフーン市に対して空爆を実施した。

一方、SANA(4月5日付)によると、包囲下のフーア市をシャーム解放機構が砲撃し、2人が負傷した。

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ダルアー県では、ARA News(4月5日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がダルアー市マンシヤ地区制圧を目標とする「屈辱でなく死を」作戦を再開、シリア軍に対して攻勢を強めた。

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ハマー県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、県北部一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、バティーシュ村を奪還した。

これに対して、シャーム解放機構はムハルダ市、サルハブ市を砲撃し、1人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(4月5日付)によると、シリア軍がハウラ・ダム一帯、タッルドゥー市でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

これに対して、シャーム解放機構はマシュラファ村を砲撃し、女性1人が死亡、3人が負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(4月5日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がマズラア地区、バラームカ地区に着弾し、2人が負傷した。

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スワイダー県では、SANA(4月5日付)によると、アリーカ町とハルサー村を結ぶ街道で爆弾が爆発し、1人が負傷した。

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米主導の有志連合は4月4日、ダイル・ザウル県各所を中心に15回の爆撃を実施(2017年4月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月4日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ブーカマール市近郊(2回)、ラッカ市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(7回)、タブカ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

AFP, April 5, 2017、AP, April 5, 2017、ARA News, April 5, 2017、Champress, April 5, 2017、al-Hayat, April 6, 2017、Iraqi News, April 5, 2017、Kull-na Shuraka’, April 5, 2017、al-Mada Press, April 5, 2017、Naharnet, April 5, 2017、NNA, April 5, 2017、Reuters, April 5, 2017、SANA, April 5, 2017、UPI, April 5, 2017などをもとに作成。

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英仏EU外相はハーン・シャイフーン市での化学兵器による攻撃を非難、アサド政権の責任を追及(2017年4月4日)

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は声明で「化学兵器の使用は…受け入れられない違反行為で、シリア国民が長年にわたり晒されている蛮行が改めて明らかになった」と非難し、国連安保理に対して事態に対処するための緊急会合を開くよう要請した。

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英国のボリス・ジョンソン外務大臣はツイッターで「事件を調査し、実行者を制裁しなければならない」と綴った。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して「化学兵器による空爆によりイドリブ県で100人以上が死亡した…驚愕すべき事件だ」と述べた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

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トルコ大統領府報道官「国際社会は今後、シリアで6年以上続いている虐殺に対処するための必要な措置をとるべきだ」(2017年4月4日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は声明で、「女性や子供を含む多くの民間人を殺してきたアサド政権が停戦に違反し、シリア危機を解決するための政治プロセスを反故にした」と批判したうえで、「国際社会は今後、シリアで6年以上続いている虐殺に対処するための必要な措置をとるべきだ」と呼びかけた。

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また、トルコ大統領府によると、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、事態への対応について協議した。

大統領府によると、会談で、エルドアン大統領は「こうした攻撃は非人道的で拒否されるべきものだ」と述べたという。

ロイター通信(4月5日付)が伝えた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

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トランプ米大統領「アサド政権による化学兵器使用はオバマ前政権の弱さや容認姿勢の結果」(2017年4月4日)

ドナルド・トランプ米大統領は、イドリブ県ハーン・シャイフーン市に対する空爆でシリア軍(ないしはロシア軍)が化学兵器を使用したとされる事件に関して以下のような報道声明を発表した。

「今日(4日)にシリアで、女性や子供を含む無垢の人々に対して行われた化学兵器による攻撃は非難に値すべきことで、文明世界は無視し得ない。アサド政権が行うこうした極悪行為は、前政権の弱さや容認姿勢の結果だ。オバマ大統領は化学兵器使用に対してレッド・ラインを設けると言った。しかし、彼は何もしなかった。米国は世界のすべての同盟者とともに、耐えがたいこの攻撃を非難する」。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュはラッカ県タブカ市一帯での戦闘でYPG主体のシリア民主軍拠点を無人航空機で爆撃(2017年4月4日)

ラッカ県では、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州の広報局が、タブカ市西部のアブー・フライラ村にある西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して無人航空機で爆撃を行ったとする画像をインターネットを通じて公開した。

広報局によると、この爆撃で、シリア民主軍の戦闘員4人が死亡したという。

ARA News, March 4, 2017

一方、ARA News(4月4日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が3日深夜から4日未明にかけて、タブカ市一帯、タブカ航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

また、シリア人権監視団によると、ラッカ市西部郊外のシュアイブ・ズィクル村、ビール・ムライハーン村一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を戦闘機(有志連合)が空爆した。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4月3日、ダイル・ザウル県各所を中心に10回の爆撃を実施(2017年4月4日)

米中央軍(CENTCOM)は、4月3日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は14回で、ブーカマール市近郊(4回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、タドムル市近郊(2回)、タブカ市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, April 4, 2017、AP, April 4, 2017、ARA News, April 4, 2017、Champress, April 4, 2017、al-Hayat, April 5, 2017、Iraqi News, April 4, 2017、Kull-na Shuraka’, April 4, 2017、al-Mada Press, April 4, 2017、Naharnet, April 4, 2017、NNA, April 4, 2017、Reuters, April 4, 2017、SANA, April 4, 2017、UPI, April 4, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は3月31日~4月2日の3日間でラッカ市、タブカ市などを重点的に爆撃(2017年4月3日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月31日~4月2日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

3月31日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して11回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(4回)、タドムル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

4月1日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して16回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ラッカ市近郊(5回)、タドムル市近郊(2回)、タブカ市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

4月2日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して20回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)、タブカ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

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有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2017年2月にシリアおよびイラク領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる41の新たな報告を受け、すでに報告されている19件と併せて60件を調査、17件の調査を完了した。

調査を完了した17件のうち12件は事実と異なることが確認され、民間人の犠牲者が出たとされるのは5件のみだった。

民間人の犠牲者が確認できた5件はいずれもイラクでの空爆によるもので、シリアでの空爆は確認できなかった。

AFP, April 3, 2017、AP, April 3, 2017、ARA News, April 3, 2017、Champress, April 3, 2017、al-Hayat, April 4, 2017、Iraqi News, April 3, 2017、Kull-na Shuraka’, April 3, 2017、al-Mada Press, April 3, 2017、Naharnet, April 3, 2017、NNA, April 3, 2017、Reuters, April 3, 2017、SANA, April 3, 2017、UPI, April 3, 2017などをもとに作成。

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ヘイリー米国連大使「米国はアサドが問題だと見ている。しかし、ダーイシュの方が大きな問題だ」(2017年4月2日)

ニッキー・ヘイリー米国連大使はABC(4月1日付)に出演し、アサド大統領の退陣が米国の対シリア政策の最優先事項ではないと改めて述べた。

ヘイリー国連大使は、「米国はアサドが問題だと見ている。しかし、ダーイシュ(イスラーム国)の方が大きな問題だ。しかし、私たちはアサドを絶対に黙認することはないし、彼を裁くことを断念しない。しかし、我々はダーイシュの問題への取り組みから始め、再び中東に和平をもたらさなければならなず、イランの影響を排除したかたちでこれを行わなければならない。アサドの退任はその途上にある…。アサドは国民に化学兵器を使用した戦争犯罪者だ。彼は人道支援の配給を阻止し、和平への障害となっている」と述べた。

ABC News, April 2, 2017、AFP, April 2, 2017、AP, April 2, 2017、ARA News, April 2, 2017、Champress, April 2, 2017、al-Hayat, April 3, 2017、Iraqi News, April 2, 2017、Kull-na Shuraka’, April 2, 2017、al-Mada Press, April 2, 2017、Naharnet, April 2, 2017、NNA, April 2, 2017、Reuters, April 2, 2017、SANA, April 2, 2017、UPI, April 2, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダーイシュとの戦闘の末にヒムス市東部のアブー・ズフール山を制圧する一方、YPG主体のシリア民主軍はタブカ市一帯でダーイシュと攻防戦を続ける(2017年4月2日)

ヒムス県では、SANA(4月2日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、県東部のアブー・ズフール山を制圧、アブー・キッラ・ダムとワーディー・ハッスー一帯を射程圏内に収めた。

SANA, April 2, 2017

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)が展開する県東部のタドムル市郊外の砂漠地帯を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(4月2日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市ウルフィー地区、第137連隊基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が発表したところによると、タブカ市東部およびタブカ航空基地一帯でシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦した。

AFP, April 2, 2017、AP, April 2, 2017、ARA News, April 2, 2017、Champress, April 2, 2017、al-Hayat, April 3, 2017、Iraqi News, April 2, 2017、Kull-na Shuraka’, April 2, 2017、al-Mada Press, April 2, 2017、Naharnet, April 2, 2017、NNA, April 2, 2017、Reuters, April 2, 2017、SANA, April 2, 2017、UPI, April 2, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍がイドリブ県のトルコ国境近くで、イスラーム軍や「自由シリア軍」が拠点を置く村を爆撃(2017年4月2日)

イドリブ県では、『ハヤート』(4月3日付)が複数の反体制消息筋の情報として伝えたところによると、ロシア軍戦闘機が、トルコとの国境に近いバービスカー村を空爆した。

同消息筋によると、バービスカー村は、「穏健な反体制派」の「自由シリア軍」に所属する武装勢力の拠点だが、『ハヤート』によると、そのなかにはイスラーム過激派のイスラーム軍が含まれているという。

また、クッルナー・シュラカー(4月2日付)によると、ロシア軍戦闘機がマアッラト・ヌウマーン市にある国立病院を空爆し、同病院が利用不能となった。

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アレッポ県では、『ハヤート』(4月3日付)が複数の反体制消息筋の情報として伝えたところによると、ロシア軍と思われる戦闘機がアウラム・クブラー町を攻撃し、民間人5人が死亡したという。

これに関して、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、アレッポ県内での空爆への関与を否定した。

また、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のバナーン町、フーバル村、ムハンディスィーン地区を砲撃し、4人(うち子供3人)が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ウターヤー町、フーシュ・サーリヒーヤ町、ハズラマー村、ナシャービーヤ町、ジスリーン町をシリア軍が砲撃し、男性1人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ティシュリーン地区農園地帯などで、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦し、アッバースィーイーン地区は首都中心街に迫撃砲弾2発が着弾した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機・ヘリコプターがスーラーン市一帯を空爆する一方、シリア軍がハラファーヤー一帯でシャーム解放機構、イッザ軍などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月2日付)によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発がムハルダ市、マジュダル村に着弾した。

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ダルアー県では、SANA(4月2日付)によると、シリア軍がダルアー市各所(中心街、カラク地区)、ヌアイマ村、ティーハ村、イブタア町東部農場地帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(4月2日付)によると、シリア軍がガジャル・アミール村、カフルナーン村、カニーヤト・アースィー村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, April 2, 2017、AP, April 2, 2017、ARA News, April 2, 2017、Champress, April 2, 2017、al-Hayat, April 3, 2017、Iraqi News, April 2, 2017、Kull-na Shuraka’, April 2, 2017、al-Mada Press, April 2, 2017、Naharnet, April 2, 2017、NNA, April 2, 2017、Reuters, April 2, 2017、SANA, April 2, 2017、UPI, April 2, 2017などをもとに作成。

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英仏外相はアサド政権の進退に固執しない米政府の姿勢に反発(2017年4月1日)

RT(4月1日付)は、フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣がブリュッセルで、シリアの紛争を解決するにあたって、アサド大統領の進退に固執しないとする米国の姿勢に疑義を呈したと伝えた。

RTによると、エロー外務大臣は「我々は彼(アサド大統領)を残留させるかしないかについて議論を集中させようとする者がいるのなら、問題はそのようなかたちで提起されているのではないと言いたい。我々は国際社会が自らの誓約を履行するか否かを知ることが問題なのだ」と述べたという。

また、英国のモリス・ジョンソン外務大臣もエロー外務大臣に同調し、「ダーイシュ(イスラーム国)に対抗することに集中するのは良いことだ。だが、シリア国民に対する殺戮・破壊の大部分をもたらしたアサド政権を排除するかたちで移行がなされなければならない」と述べた。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、RT, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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米ホワイト・ハウス報道官「アサドに関して、我々には受け入れなければならない政治的現実がある」(2017年4月1日)

ショーン・スパイサー米ホワイト・ハウス報道官は、シリア情勢に関して「アサドに関して、我々には受け入れなければならない政治的現実がある」と述べ、「アサド大統領の進退は長期的にはシリア国民が決する」と述べたレックス・ティラーソン新国務長官や、「シリアにおける米国の最優先課題はもはやアサド大統領の退陣ではない」と述べたニッキー・ヘイリー米国連大使の姿勢を追認した。

スパイサー報道官はまた「我々の前にはチャンスがあり、我々は今、ダーイシュ(イスラーム国)を打ち負かすことに集中すべきだ…。米国にはシリアとイラクにおいて優先事項がある。我々は、「テロとの戦い」、とくにダーイシュを打ち負かすことがこの優先事項の筆頭であると明言したい」と付言した。

『ハヤート』(4月2日付)が伝えた。


AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はタブカ市一帯、ラッカ市東部郊外でダーイシュと激しく交戦(2017年4月1日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、タブカ市郊外一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、米軍主導の有志連合が同地を空爆した。

この戦闘でシリア民主軍は、ダーイシュの支配下にあるタブカ市を砲撃した。

またARA News(4月1日付)によると、タブカ航空基地南部一帯での戦闘でダーイシュの司令官を含む戦闘員24人が死亡したという。

シリア民主軍はまた、米軍特殊部隊とともに、ラッカ市東部のマダッル村近郊の回廊地帯でダーイシュとの戦闘を再開した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)のラッカ州広報局は声明を出し、ラッカ市東部郊外および西部郊外で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して特攻(インギマースィー)攻撃を敢行し、戦闘員65人を殺害したと発表した。

Kull-na Shuraka’, April 1, 2017

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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反体制派支配地域で活動する「国境なき医師団」はハマー県北部でシリア軍が「化学物質」を使用したと発表(2017年4月1日)

国境なき医師団は声明を出し、3月31日にシリア軍ヘリコプターがハマー県北部で実施した空爆で「化学物質」が使用され、2人が死亡したと発表した。

声明によると、「化学兵器」を争点した爆弾は、国境なき医師団が支援するラターミナ町の病院入口に着弾し、病院職員や患者が呼吸困難などの症状を訴え、うち2人が死亡、病院の施設は3日間にわたり利用不能となったという。

ハマー県北部では、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構が、米軍の支援を受けるイッザ軍、ナスル軍などとともに攻勢を強め、シリア軍と激しく交戦していた。

AFP, April 1, 2017、AP, April 1, 2017、ARA News, April 1, 2017、Champress, April 1, 2017、al-Hayat, April 2, 2017、Iraqi News, April 1, 2017、Kull-na Shuraka’, April 1, 2017、al-Mada Press, April 1, 2017、Naharnet, April 1, 2017、NNA, April 1, 2017、Reuters, April 1, 2017、SANA, April 1, 2017、UPI, April 1, 2017などをもとに作成。

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米CIAが統括する「軍事作戦司令室」とトルコ政府は、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構との戦いに向け「穏健な反体制派」に完全統合を指示(2017年4月1日)

『ハヤート』(4月1日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、米CIAが統括する「軍事作戦司令室」(通称MOC)は、国内で活動するすべての「穏健な反体制派」に対して、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)との戦闘に向けて完全統合するよう指示を下したと伝えた。

それ以外の反体制武装集団(イスラーム過激派のこと)も、トルコ政府からトルコでの憲法改正にかかる国民投票後に、「ユーフラテスの盾」作戦に推した作戦に向けた準備を行うよう指示があったという。

SANA, December 8, 2016

CIAが統括する作戦司令室「MOC」は、トルコ南部を拠点としており、その司令官が『ハヤート』に明らかにしたところによると、米国の軍事兵站資金援助の対象組織の各司令官に対して、シリア・ムスリム同胞団系のイスラーム過激派武装組織シャーム軍団のファドルッラー・ハーッジー大佐の指揮の下、完全統合するよう指示があり、またその見返りとして、戦闘員への給与支払い、そしてTOW対戦車ミサイルなどの武器供与を行う旨伝えたという。

統合要請を受けたのは、アレッポ県、ハマー県、ラタキア県、イドリブ県一帯で活動するナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍、ムジャーヒィーン軍、「命じられるまま正しく進め」連合を含む7組織で、兵力は3万人から3万5,000人に達しているという。

しかし、このうちナスル軍、イッザ軍、イドリブ自由軍は、ハマー県北部でシャーム解放機構と共闘している。

アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線(現シャーム解放機構)とシャーム自由人イスラーム運動が反体制武装集団の糾合を主導するなか、ドナルド・トランプ政権は、反体制武装集団が完全統合、ないしは合同作戦司令室を設置するまえで支援を凍結する方針をとってきた。

米国の方針の成否は、シャーム解放機構に対抗するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動の対応にかかっているとされ、米国は同組織にも「穏健な反体制派」と完全統合するよう求め、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動を軸とするイスラーム過激派の軍事連合組織のファトフ軍の解体を促すものと見られる。

AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュの拠点都市タブカ市完全包囲に向け攻勢を強める(2017年3月31日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米特殊部隊とともに、アサド湖北東端に位置する大スワイディーヤ村一帯からユーフラテス川を渡り、同川南岸に進攻し、タブカ市東部一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

シリア民主軍はタブカ市の包囲に向けて進軍を続けているという。

Kull-na Shuraka’, March 31, 2017

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ARA News(3月31日付)によると、米主導の有志連合航空機は、タブカ市にビラを散布し、ダーイシュ戦闘員にシリア民主軍への投降を呼びかけた。

ARA News, March 31, 2017

AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。

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シリア政府と反体制派の協議がないまま「ジュネーブ5会議」は閉幕(2017年3月31日)

スイスのジュネーブで開催されていたシリア政府と反体制派各派の和平協議「ジュネーブ5会議」(ジュネーブ4会議第2ラウンド)が閉幕した。

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シリア政府代表団のバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は記者会見を開き、シリア政府側がスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表に提示した文書に対して、反体制派各代表から何の対応も得ることなく、協議を終了したと発表した。

SANA, March 31, 2017

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一方、反体制派の代表団の一つ、最高交渉委員会の代表団を率いるナスル・ハリーリー氏は記者会見で、「アサドは戦争犯罪者で、和平の名のもと排除されるべき」としたうえで、シリア政府側が「テロとの戦い」以外の議題を協議することを拒否したと批判した。

また、最高交渉委員会の代表団に参加するファラフ・アタースィー氏は、ジュネーブで記者団に対して、「米国はロシアに圧力をかけるとともに、シリアの反体制派を、ダーイシュ(イスラーム国)だけでなく、イランが支援するヒズブッラーやイラン・イスラーム革命防衛隊といった武装勢力に対する「テロとの戦い」を行ううえでのパートナーとみなすべきだ」と述べた。

アタースィー氏によると、最高交渉委員会代表団は30日にジュネーブでマイケル・ラトニー米国務省シリア問題担当特使と会談し、良い感触を得えていたが、その後31日に、トルコ訪問中のレックス・ティラーソン国務長官が行った発言(アサド大統領の処遇はシリア国民が決するだろう)や、ニッキー・ヘイリー米国連大使の発言(シリアにおける米国の最優先課題はもはやアサド大統領の退陣ではない)に関して「米政権からこのような矛盾したメッセージを耳にして遺憾だ」と非難した。

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シリア・クルド国民評議会(アブドゥルハキーム・バッシャール代表)は声明を出し、最高交渉委員会が、クルド人民の権利支援を、2016年9月にロンドンで発表された政治文書のなかに新たに盛り込むことに同意しなかったとして、同委員会への参加を中止すると発表した。

ドゥラル・シャーミーヤ(3月31日付)が伝えた。

AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Durar al-Shamiya, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は3月30日、ダイル・ザウル県各所を中心に10回の爆撃を実施(2017年3月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、3月30日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊(4回)、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)、タブカ市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, March 31, 2017、AP, March 31, 2017、ARA News, March 31, 2017、Champress, March 31, 2017、al-Hayat, April 1, 2017、Iraqi News, March 31, 2017、Kull-na Shuraka’, March 31, 2017、al-Mada Press, March 31, 2017、Naharnet, March 31, 2017、NNA, March 31, 2017、Reuters, March 31, 2017、SANA, March 31, 2017、UPI, March 31, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合はラッカ市郊外各所を爆撃し、民間人19人を殺害(2017年3月30日)

ラッカ県では、「ラッカは沈黙によって惨殺される」(3月30日付)によると、米主導の有志連合がラッカ市郊外のマンスーラ市、ティシュリーン農場一帯、ラフヤート村を空爆し、民間人19人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタブカ市一帯、タブカ・ダム(ユーフラテス・ダム)一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、米主導の有志連合がシリア民主軍を航空支援し、空爆を実施した。

AFP, March 30, 2017、AP, March 30, 2017、ARA News, March 30, 2017、Champress, March 30, 2017、al-Hayat, March 31, 2017、Iraqi News, March 30, 2017、Kull-na Shuraka’, March 30, 2017、al-Mada Press, March 30, 2017、Naharnet, March 30, 2017、NNA, March 30, 2017、Raqqa-sl, March 30, 2017、Reuters, March 30, 2017、SANA, March 30, 2017、UPI, March 30, 2017などをもとに作成。

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