米主導の有志連合と思われる戦闘機はダーイシュの中心都市ラッカ市の水道管本線、橋複数本を爆撃で破壊(2017年2月3日)

ラッカ県では、シリア人権監視団などによると、米主導の有志連合に所属すると思われる戦闘機が未明に、ラッカ市内の爆撃し、同市に水道水を供給する水道管本線を破壊した。

戦闘機はまた、ラッカ市北部に架かる橋本を破壊した。

これに関して、SANA(2月3日付)は、複数の地元住民筋およびメディア消息筋の話として、有志連合が早朝にラッカ市の旧橋および新橋と水道管本線を攻撃し、ラッカ市内への水道供給が完全に途絶えたと伝えた。

SANA, February 3, 2017
SANA, February 3, 2017

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一方、ARA News(2月3日付)によると、ロシア軍戦闘機がジスル・シュグール市などを空爆した。

AFP, February 3, 2017、AP, February 3, 2017、ARA News, February 3, 2017、Champress, February 3, 2017、al-Hayat, February 4, 2017、Iraqi News, February 3, 2017、Kull-na Shuraka’, February 3, 2017、al-Mada Press, February 3, 2017、Naharnet, February 3, 2017、NNA, February 3, 2017、Reuters, February 3, 2017、SANA, February 3, 2017、UPI, February 3, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は2月2日、ラッカ市近郊だけで21回の爆撃を実施(2017年2月3日)

米中央軍(CENTCOM)は、2月2日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して41回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は31回で、ブーカマール市近郊(2回)、バーブ市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ラッカ市近郊(21回)、ダイル・ザウル市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, February 3, 2017、AP, February 3, 2017、ARA News, February 3, 2017、Champress, February 3, 2017、al-Hayat, February 4, 2017、Iraqi News, February 3, 2017、Kull-na Shuraka’, February 3, 2017、al-Mada Press, February 3, 2017、Naharnet, February 3, 2017、NNA, February 3, 2017、Reuters, February 3, 2017、SANA, February 3, 2017、UPI, February 3, 2017などをもとに作成。

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シリア外務在外居住者省はトルコ軍によるバーブ市近郊の2カ村の「占領」を非難(2017年2月2日)

外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、そのなかでトルコ軍によるシリア国民への度重なる敵対行為と領土・主権侵犯について報告、安保理に対して、国際の平和と安全を守るための責任を果たすよう要請した。

提出された書簡は、トルコ軍がアレッポ県バーブ市に侵攻するため、同市西部のグーズ村とアブー・ザンディーン村を「占領」(2月1日にトルコ軍が掌握)していると指摘するとともに、トルコ政府が過去5年以上にわたり、シリア領内のテロ組織に軍事、資金、兵站面での支援を行ってきたと告発している。

なお、トルコ軍による両村の制圧は、アレッポ市・バーブ市街道に沿ってバーブ市南西部から進軍を続けるシリア軍の進路を遮るかたちで行われた。

AFP, February 2, 2017、AP, February 2, 2017、ARA News, February 2, 2017、Champress, February 2, 2017、al-Hayat, February 3, 2017、Iraqi News, February 2, 2017、Kull-na Shuraka’, February 2, 2017、al-Mada Press, February 2, 2017、Naharnet, February 2, 2017、NNA, February 2, 2017、Reuters, February 2, 2017、SANA, February 2, 2017、UPI, February 2, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍とハワール・キリス作戦司令室はバーブ市近郊の5カ村を新たに制圧するなか、エルドアン大統領はバーブ市掌握後のシリア領内での作戦継続は不要と発表(2017年2月2日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市北東部で、トルコ軍およびその支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

戦闘はムクリー丘一帯で激しく行われ、トルコ軍側がバーブ市包囲に向けて攻勢をかけたという。

ハワール・キリス作戦司令室は、この戦闘でガジュラーン村、アワースィー村、ラワーヒジャ村、フサーニー村、アミーヤ村の5カ村を新たに制圧したと発表した。image003

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコ軍がバーブ市での任務をまもなく終えるとしたうえで、同地掌握後にシリア領内での作戦継続は不要だとの見解を示した。

『ハヤート』(2月3日付)が伝えた。

AFP, February 2, 2017、AP, February 2, 2017、ARA News, February 2, 2017、Champress, February 2, 2017、al-Hayat, February 3, 2017、Iraqi News, February 2, 2017、Kull-na Shuraka’, February 2, 2017、al-Mada Press, February 2, 2017、Naharnet, February 2, 2017、NNA, February 2, 2017、Reuters, February 2, 2017、SANA, February 2, 2017、UPI, February 2, 2017などをもとに作成。

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有志連合はラッカ市近郊での爆撃で民間人7人を意図せず殺害したことを認める(2017年2月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)がシリア、イラク領内での空爆によって民間人が犠牲となったとの12件の新たな報告を受け検証、また11件の報告についての検証を継続していると発表した。

検証された12件の新たな報告の結果、2016年12月7日にラッカ市近郊に対して実施された空爆において、民間人7人が犠牲となったことが確認されただけで、それ以外は空爆自体が実施されていなかった誤報か、空爆は実施されたが民間人の犠牲は確認できなかったという。

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CENTCOMはまた、2月1日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は19回で、ブーカマール市近郊(4回)、バーブ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(7回)、ダイル・ザウル市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

AFP, February 2, 2017、AP, February 2, 2017、ARA News, February 2, 2017、Champress, February 2, 2017、al-Hayat, February 3, 2017、Iraqi News, February 2, 2017、Kull-na Shuraka’, February 2, 2017、al-Mada Press, February 2, 2017、Naharnet, February 2, 2017、NNA, February 2, 2017、Reuters, February 2, 2017、SANA, February 2, 2017、UPI, February 2, 2017などをもとに作成。

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国連のグテーレス新事務総長「重要なのは我々がジュネーブ4会議を成功させるために行動すること」(2017年2月1日)

国連のアントニオ・グテーレス新事務総長は、就任後初めてとなる記者会見を行い、シリア情勢に関して「(シリアの政治移行プロセスは2月8日に予定されている)ジュネーブ(4会議)で諸々の政治的な問題とともに議論される中心的な問題となろう」としたうえで、反体制派に対して「前提条件なしでの自由な対話」に応じるよう呼びかけた。

一方、シリア情勢に関する安保理会合で、2月8日までに反体制派が統一代表団の人選できない場合、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表自身が反体制派の代表団を人選すると述べたことに関しては、「デミストゥラ氏は国連安保理決議第2254号の文言から逸脱はしていない」としつつ、「重要なのは、我々がジュネーブの交渉を成功させるために行動することだ。そのためには反体制派にとって意味のある代表団を発足させる必要がある。我々はそのために可能なあらゆることをするだろう」と述べた。

そのうえで「今はそれ以外の問題を検討する時ではなく、ジュネーブでの会合を成功させるために行動するべきだ…。ジュネーブは中心的な問題を議論するよい機会となるだろう」と付言した。

AFP, February 2, 2017、AP, February 2, 2017、ARA News, February 2, 2017、Champress, February 2, 2017、al-Hayat, February 3, 2017、Iraqi News, February 2, 2017、Kull-na Shuraka’, February 2, 2017、al-Mada Press, February 2, 2017、Naharnet, February 2, 2017、NNA, February 2, 2017、Reuters, February 2, 2017、SANA, February 2, 2017、UPI, February 2, 2017などをもとに作成。

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有志連合によるタブカ市近郊(ラッカ県)爆撃でダーイシュのトルコ系オランダ人幹部が死亡(2017年2月1日)

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(2月1日付)によると、米主導の有志連合がタブカ市近郊を空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部でトルコ系オランダ人のサーリフ・ヤフヤー・ガザーリー・ユルマズ氏を殺害した。

AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表「反体制派が統一代表団を発足させる準備ができていないためジュネーブ4会議を20日に延期」(2017年2月1日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、シリア情勢への対応を協議するための国連安保理会合後の記者会見で、シリア国内の停戦常態に関して、ロシア、トルコ、イランの3カ国が保証国として監視にあたっていることを高く評価、2月8日にカザフスタンの首都アスタナで開催が予定されている停戦実施に関するフォローアップ会合に出席する以降を示した。

デミストゥラ氏はまた、スイスで2月8日に予定されていたジュネーブ4会議に関して、「反体制派が統一使節団の発足発表の準備ができていない」として、2月20日への延期を決定したことを明らかにした。

 

そのうえで、「反体制派が2月8日までに立場を一つにして(ジュネーブ4会議に)参加する用意ができなければ、可能な限り包括的になるよう私が反体制派の代表団を人選することになろう」と強調した。

SANA, February 1, 2017
SANA, February 1, 2017

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最高交渉委員会のサーリム・ムスラト報道官は声明を出し「反体制派の使節団を自身で発足させようとする彼(デミストゥラ氏)の決断は受け入れられない」と反論した。


AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣はトランプ米大統領に「安全保障地帯」の詳細を開示するよう求める一方、シリアのアラブ連盟復帰を主唱(2017年2月1日)

アラブ首長国連邦のアブダビで、第4回アラブ・ロシア協力フォーラムが開催され、アラブ連盟加盟国外務大臣、アフマド・アブー・ガイト連盟事務局長、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が出席した。

シリア情勢に関して、会談に出席した各国外務大臣は閉幕声明で、シリアの統合、主権、独立、領土を維持する必要、「シリア危機の政治的解決が唯一の方法」であることを確認し、「すべての当事者に、2012年6月のジュネーブ合意に基づく政治プロセスへの参加」を主唱した。

主催国UAEのシャイフ・アブドゥッラー・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン外務大臣は、ロシアのラブロフ外務大臣との記者会見で、ドナルド・トランプ米大統領が設置をめざしている「安全保障地帯」に関して「それが一時的なもので、なおかつ人道目的に沿い、国連が監視するのであれば、歓迎されるべきだが…、我々はこのアイディアを支持する前に米国政府から詳細を聞きたい」と述べた。

一方、ラブロフ外務大臣は「安全保障地帯」に関して「より詳しく示すべきだ」としたうえで、「米国側とこの計画について検討する用意がある」と述べた。

一方、「アラブ連盟の正当な加盟国であるシリア政府が、アラブ連盟の今日に参加できない事態は共通の取り組みにしさない…。シリア政府が加盟国であれば、より重要でより効果的な役割を果たすことができる」と主張、シリア政府の加盟資格停止処分を解除するよう求めた。

これに対して、アラブ連盟のアブー・ガイト事務総長は、「決定は加盟国の意思に準じる。仮に、この問題が議論されれば…、連盟はこの決定(加盟資格停止処分解除)を実施するだろう。

SANA, February 1, 2017
SANA, February 1, 2017

AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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有志連合所属と思われる無人戦闘機がシリア赤新月社が拠点を置くイドリブ市内のホテルを爆撃(2017年2月1日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がシリア赤新月社の事務所が入っているイドリブ市内のカールトン・ホテルを空爆し、赤新月社の医療チーム・スタッフ9人(マアムーン・ハルブート隊長ら)が負傷した。

ARA News(2月1日付)は、地元の活動家の話として、空爆は有志連合の無人戦闘機が、イドリブ市内のシャーム解放機構の拠点2カ所を狙って実施したものだと伝えた。

しかし、空爆を実施した戦闘機の所属に関しては、「越境して飛来した」、「シリア政府支配下の基地方面から飛来した」などの情報が錯綜している。

Kull-na Shuraka', February 1, 2017
Kull-na Shuraka’, February 1, 2017


AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア軍の進路を阻むかたちでバーブ市南西部一帯でのダーイシュへの攻撃を激化させ、2カ村を制圧(2017年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市南西部一帯で、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、ダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦し、トルコ軍側はグーズ村、アブー・ザンディーン村を制圧した。

これにより、トルコ軍は、バーブ市とアレッポ市を結ぶ街道の1.5キロ地点にまで接近した。

複数の消息筋によると、トルコ軍は度重なるバーブ市攻略に失敗したことを受け、同市制圧ではなく、シリア軍の進軍を遮るかたちでバーブ市とアレッポ市方面を結ぶ街道を掌握しようとしているという。

一方、シリア軍は、バーブ市南西7キロの地点にまで進軍している。

シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下に復帰したばかりのバーブ市南部ラスム・スィルハーン村で大きな爆発が発生した。

爆発は、ダーイシュが仕掛けた爆弾によるもので、これによりシリア軍兵士、親政権武装勢力戦闘員複数が死傷した。

なお、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部校外の航空士官学校の北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対して集中的な攻撃を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタドムル市西部郊外の柑橘農園、ドゥーワ地区、アブー・ファワーリス地区、ティヤース山一帯、タイフール航空基地(T4)北部の丘陵地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

一方、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外のフィッダ農場、バイト・フィッダ村、西ハイル城一帯、アーイド・ハッスーン丘、ウンム・ハイイル丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部の工場地区、墓地地区などでダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆、交戦した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がスィーン航空基地東部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は1月31日、ブーカマール市、ラッカ市近郊などに対して11回の爆撃を実施(2017年2月1日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月31日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、ブーカマール市近郊(5回)、ラッカ市近郊(3回)、アイン・イーサー市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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ロシア軍がダーイシュ支配下のバーブ市近郊を爆撃し、4人が死亡(2017年1月31日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(2月1日付)によると、ロシア軍がダーイシュ(イスラーム国)支配下のバーブ市近郊のカスル・ブライジュ村を空爆し、4人が死亡した。

AFP, February 1, 2017、AP, February 1, 2017、ARA News, February 1, 2017、Champress, February 1, 2017、al-Hayat, February 2, 2017、Iraqi News, February 1, 2017、Kull-na Shuraka’, February 1, 2017、al-Mada Press, February 1, 2017、Naharnet, February 1, 2017、NNA, February 1, 2017、Reuters, February 1, 2017、SANA, February 1, 2017、UPI, February 1, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍、有志連合がダーイシュの拠点都市バーブ市(アレッポ県)一帯を爆撃(2017年1月31日)

アレッポ県では、ARA News(1月31日付)によると、トルコ軍と同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、バーブ市サカン・シャバービー地区などのダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して攻撃を行った。

またトルコ軍と有志連合の航空部隊がバーブ市一帯を個別に空爆した。

AFP, January 31, 2017、AP, January 31, 2017、ARA News, January 31, 2017、Champress, January 31, 2017、al-Hayat, February 1, 2017、Iraqi News, January 31, 2017、Kull-na Shuraka’, January 31, 2017、al-Mada Press, January 31, 2017、Naharnet, January 31, 2017、NNA, January 31, 2017、Reuters, January 31, 2017、SANA, January 31, 2017、UPI, January 31, 2017などをもとに作成。

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米軍はオバマ前政権の指示に従い、トランプ新大統領の許可を得ず、YPG主体のシリア民主軍にSUVモデルの装甲車複数輌を供与(2017年1月31日)

有志連合のジョン・ドリアン報道官は、ラッカ市孤立化に向け「ユーフラテスの怒り」作戦を続行している西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して、米軍がSUVモデルの装甲車複数輌を供与したと発表した。

装甲車の供与は、バラク・オバマ米政権末期に決定され、同政権は米軍司令官に引き渡しの権限を委ねていたもので、ドナルド・トランプ新大統領の許可を得ずに実行されたという。

『ハヤート』(2月1日付)が伝えた。

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ハサカ県では、ARA News(1月31日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がイラク領内からマルカダ町に無人航空機を移送した。

AFP, January 31, 2017、AP, January 31, 2017、ARA News, January 31, 2017、Champress, January 31, 2017、al-Hayat, February 1, 2017、Iraqi News, January 31, 2017、Kull-na Shuraka’, January 31, 2017、al-Mada Press, January 31, 2017、Naharnet, January 31, 2017、NNA, January 31, 2017、Reuters, January 31, 2017、SANA, January 31, 2017、UPI, January 31, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるハワール・キリス作成司令室がダーイシュからバーブ市(アレッポ県)東部の要衝2カ所を奪取(2017年1月30日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(1月30日付)によると、トルコ軍の全面支援を受けるハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、バーブ市東部のカルーム丘、第511丘を制圧した。

Kull-na Shuraka', January 30, 2017
Kull-na Shuraka’, January 30, 2017
Kull-na Shuraka', January 30, 2017
Kull-na Shuraka’, January 30, 2017


AFP, January 30, 2017、AP, January 30, 2017、ARA News, January 30, 2017、Champress, January 30, 2017、al-Hayat, January 31, 2017、Iraqi News, January 30, 2017、Kull-na Shuraka’, January 30, 2017、al-Mada Press, January 30, 2017、Naharnet, January 30, 2017、NNA, January 30, 2017、Reuters, January 30, 2017、SANA, January 30, 2017、UPI, January 30, 2017などをもとに作成。

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ムアッリム外相はシリア人難民に帰国を呼びかける一方、トランプ米大統領が設置をめざす「安全保障地帯」についてはシリア政府との調整がなければ主権侵害と警告(2017年1月30日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、近隣諸国に逃れているシリア人難民に対して帰国を呼びかけた。

発言は、ドナルド・トランプ米大統領が、シリア領内ないしは周辺諸国にシリア難民を収容するための「安全保障地帯」を設置するとの意思を表明したことや、米国内への難民受け入れを停止する大統領令に署名したことを意識したもの。

SANA(1月30日付)が伝えたところによると、ムアッリム外務在外居住者大臣は、ダマスカスでのフィリポ・グランディ国連難民高等弁務官との会談で、「シリア政府は、近隣諸国にいるシリア人難民に対して改めて帰国するよう呼びかける…。シリア政府は彼らを受け入れ、生活に必要なものを保障する用意がある」と述べた。

また、「安全保障地帯」に関しては、「シリア政府との調整を欠いたかたちでこうした地域を設置しようとするいかなる試みも安全ではなく、シリアの主権に対する侵害だとの見方で双方(シリア政府と国連難民高等弁務官との会談)は一致した」と述べたという。

SANA, January 30, 2017
SANA, January 30, 2017

 

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また、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、国連難民高等弁務官事務所と、内務省民生局への技術支援協力に関する合意を締結した。

AFP, January 30, 2017、AP, January 30, 2017、ARA News, January 30, 2017、Champress, January 30, 2017、al-Hayat, January 31, 2017、Iraqi News, January 30, 2017、Kull-na Shuraka’, January 30, 2017、al-Mada Press, January 30, 2017、Naharnet, January 30, 2017、NNA, January 30, 2017、Reuters, January 30, 2017、SANA, January 30, 2017、UPI, January 30, 2017などをもとに作成。

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シリア軍は内紛が深刻化するファトフ軍支配下のイドリブ県、アレッポ県西部を爆撃(2017年1月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がナーウーラ検問所一帯、イドリブ市各所を空爆し、シリア軍もジスル・シュグール市西部郊外一帯を砲撃した。

また、ARA News(1月30日付)によると、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動の対立が深刻化するファトフ軍所属組織支配下のイドリブ市、タルマラ村などに対して、シリア軍が空爆を実施した。

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アレッポ県では、ARA News(1月30日付)によると、シャーム解放機構とシャーム自由人イスラーム運動の対立が深刻化するファトフ軍(ないしはアレッポ・ファトフ軍、アレッポ軍)所属組織支配下のアレッポ市西部郊外のアターリブ市、第46連隊基地、ジャムイーヤト・ムハンディスィーン地区に対して、シリア軍が空爆を実施し、子供2人が死亡、10人あまりが負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ・スルターン村一帯、ナシャービーヤ町一帯(ビラーリーヤ村、カースィミーヤ町方面)でシリア軍、親政権武装勢力が、イスラーム軍などからなる反体制武装集団と交戦した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月30日付)、ARA News(1月29日付)が、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官の話として伝えたところによると、反体制武装集団はシリア軍兵士10人以上を殺害、またシリア軍の無人航空機をフーシュ・ダワーヒラ村で29日、撃墜したと伝えた。

ARA News, January 29, 2017
ARA News, January 29, 2017

シリア軍と反体制武装集団はまた、ハズラマー村一帯でも交戦し、シリア軍は地対地ミサイルと思われる砲弾で砲撃を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村およびその一帯を砲撃し、タルディーン村、ハッダーダ村一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市近郊の街道で爆弾が爆発し、ジハード主義武装集団の戦闘員およびその妻子が死亡した。

AFP, January 30, 2017、AP, January 30, 2017、ARA News, January 29, 2017、January 30, 2017、Champress, January 30, 2017、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2017、al-Hayat, January 31, 2017、Iraqi News, January 30, 2017、Kull-na Shuraka’, January 30, 2017、al-Mada Press, January 30, 2017、Naharnet, January 30, 2017、NNA, January 30, 2017、Reuters, January 30, 2017、SANA, January 30, 2017、UPI, January 30, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は1月27~29日の3日間にシリア領内で31回の爆撃を実施2017年1月30日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月27~29日の3日間のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

1月27日はシリア、イラク領内のダーイシュ(ダーイシュ)拠点などに対して9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(2回)、ラッカ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

1月28日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は15回で、ブーカマール市近郊(2回)、バーブ市近郊(1回)、ラッカ市近郊(12回)に対して攻撃が行われた。

1月29日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して15回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊(3回)、バーブ市近郊(2回)、ラッカ市近郊(4回)、ダイル・ザウル市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

AFP, January 30, 2017、AP, January 30, 2017、ARA News, January 30, 2017、Champress, January 30, 2017、al-Hayat, January 31, 2017、Iraqi News, January 30, 2017、Kull-na Shuraka’, January 30, 2017、al-Mada Press, January 30, 2017、Naharnet, January 30, 2017、NNA, January 30, 2017、Reuters, January 30, 2017、SANA, January 30, 2017、UPI, January 30, 2017などをもとに作成。

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トルコ軍がバーブ市でダーイシュに対する攻撃を再開する一方、シリア軍も同市南東部の3カ村を制圧(2017年1月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍および同軍の支援を受けるハワール・キリス作戦司令室が、バーブ市一帯および同市北東部の農村地帯でダーイシュ(イスラーム国)と再び激しく交戦した。

ARA News(1月29日付)によると、この戦闘でトルコ軍兵士1人が死亡したという。

一方、バーブ市南東部では、「虎」の愛称で知られるスハイル・ハサン准将率いるシリア軍部隊がダーイシュと交戦、同市から7キロの地点にまで接近した。

ARA News(1月29日付)によると、シリア軍は新たに、トゥーマーン村、ウワイシーヤ村、シャフラ村を制圧したという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月29日付)によると、シリア軍がサルダ山一帯、アイヤーシュ村近郊の武器弾薬庫一帯、ダイル・ザウル航空基地東部、バルーク丘西部、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ジュバイラ地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

一方、ARA News(1月29日付)によると、ロシア軍戦闘機がダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラサーファ地区、ジュバイラ地区、ウルフィー地区、墓地地区などを激しく空爆した。

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ヒムス県では、SANA(1月29日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、タドムル市東部郊外の放棄された大隊基地(T3)一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地を奪還した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月29日付)によると、シリア軍がスィーン航空基地一帯に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, January 29, 2017、AP, January 29, 2017、ARA News, January 29, 2017、Champress, January 29, 2017、al-Hayat, January 30, 2017、Iraqi News, January 29, 2017、Kull-na Shuraka’, January 29, 2017、al-Mada Press, January 29, 2017、Naharnet, January 29, 2017、NNA, January 29, 2017、Reuters, January 29, 2017、SANA, January 29, 2017、UPI, January 29, 2017などをもとに作成。

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トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領と就任後初となる電話会談で、ダーイシュに対する「テロとの戦い」での協力強化を確認(2017年1月28日)

ドナルド・トランプ米大統領は就任後初めて、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と約40分にわたり電話会談を行った。

ロシア大統領府が会談後に出した声明によると、両首脳はシリア情勢についても意見を交わし、同国におけるダーイシュ(イスラーム国)をはじめとするテロ組織根絶に向け協力を強化することを確認した。

RT(1月28日付)などが伝えた。

AFP, January 28, 2017、AP, January 28, 2017、ARA News, January 28, 2017、Champress, January 28, 2017、al-Hayat, January 29, 2017、Iraqi News, January 28, 2017、Kull-na Shuraka’, January 28, 2017、al-Mada Press, January 28, 2017、Naharnet, January 28, 2017、NNA, January 28, 2017、Reuters, January 28, 2017、RT, January 28, 2017、SANA, January 28, 2017、UPI, January 28, 2017などをもとに作成。

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バーブ市一帯での戦闘激化を受け、住民1,450人がロジャヴァ支配下のアフリーン市方面に避難(2017年1月28日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区のアサーイシュが発表したところによると、バーブ市一帯でのトルコ軍とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘激化を受け、1,450人以上の避難民が同地を去り、アフリーン市一帯に逃れた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機が、タブカ市一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, January 28, 2017、AP, January 28, 2017、ARA News, January 28, 2017、Champress, January 28, 2017、al-Hayat, January 29, 2017、Iraqi News, January 28, 2017、Kull-na Shuraka’, January 28, 2017、al-Mada Press, January 28, 2017、Naharnet, January 28, 2017、NNA, January 28, 2017、Reuters, January 28, 2017、SANA, January 28, 2017、UPI, January 28, 2017などをもとに作成。

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シリア軍がダーイシュとの戦闘の末にバーブ市南東部での支配地域を拡大し、トルコ軍占領地域に到達(2017年1月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市南西部郊外で、シリア軍、親政権武装勢力がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア軍はアイン・ジャフシュ村を制圧した。

また、ARA News(1月28日付)によると、シリア軍はバーブ市南東部郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ブライジュ村、バーブ市郊外のアブー・タルタル村とターディフ市を結ぶ街道を見下ろすシャルファ丘一帯を制圧した。

これにより、シリア政府支配地域は初めて、トルコ軍および同軍の後援を受けるハワール・キリス作戦司令室の支配地域と接することになったという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がバーブ市南西部方面で進軍を続けるなか、トルコ軍とその支援を受けるハワール・キリス作戦司令室も、バーブ市近郊のカッバースィーン村一帯でダーイシュと交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタドムル市西部郊外のタイフール航空基地(T4)一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市墓地地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、シリア・ロシア両軍の戦闘機が同地一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市労働者住宅地区、ハウィーカ地区、フワイジャト・サクルを爆撃した。

一方、SANA(1月28日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、また同地のほか、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、カナーマート地区、アルディー地区、ムッラート村、ヒシャーム村近郊のCONOCOガス工場一帯などでダーイシュの拠点に対する空爆を行った。

Kull-na Shuraka', January 28, 2017
Kull-na Shuraka’, January 28, 2017

AFP, January 28, 2017、AP, January 28, 2017、ARA News, January 28, 2017、Champress, January 28, 2017、al-Hayat, January 29, 2017、Iraqi News, January 28, 2017、Kull-na Shuraka’, January 28, 2017、al-Mada Press, January 28, 2017、Naharnet, January 28, 2017、NNA, January 28, 2017、Reuters, January 28, 2017、SANA, January 28, 2017、UPI, January 28, 2017などをもとに作成。

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国連ESCWAは「シリアの未来のための国民アジェンダ」(NAFS)の第1段階を終了、第2段階開始を発表(2017年1月27日)

国連西アジア経済社会委員会(ESCWA、本部ベイルート)は、「シリアの未来のための国民アジェンダ」(National Agenda for the
Future of Syria, NAFS)の第1段階の終了と第2段階の開始を発表した。

ベイルートのESCWA本部で開催された会合では、第1段階の最終報告書「戦略的政策オルターネティブの枠組み:紛争後のシリア」(Strategic
Policy Alternatives Framework: Post Conflict Syria)と第2段階のヴィジョンが示された。

会合では、1月末に世界銀行に異動する予定のアブドゥッラー・ダルダリー事業推進担当事務次長、ハウラ・マタル事業支援担当事務次長、バースィル・カグドゥーNAFS調整官らが報告を行い、各国外交官、国連各機関の代表、国際NGOの代表らが出席した。

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会合では、ダルダリー事業推進担当事務次長が第1段階の最終報告書「戦略的政策オルターネティブの枠組み:紛争後のシリア」に従って、これまでの成果と提言を報告した。

報告のなかで、ダルダリー氏は、紛争後のシリアのヴィジョンを以下の通り列挙した:

  • すべての社会成員がすべての避難民、難民の帰国実現をめざす国。
  • 政治的意思を実行するための平和的手段が保障され、「人間の安全保障」が最優先事項として保障され、これら二つが真の国益を実現するために重視され、平和構築プロセスと国家建設プロセスを「国民的財産」とする国。
  • 多様性が保障され、シリア全体のアイデンティティのなかで完全なかたちで市民権概念が体現される国。
  • 社会的な調和が社会的な結束や社会資本を特徴づける国。
  • 基盤をなす成員が公共空間におり、機能する国。
  • すべての分野において、包括的でバランスのとれた代表が選定されている国。
  • 国民経済が包括的で衡正な開発を支援する衡正なモデルをなし、すべての社会階層に必要な社会的保護を提供し、市民の開発プロセスへの参加を実現する国。
  • 行政が適切に行われ、分権が実現し、国民的な行政の枠組みが包括的で透明性を有する国。
  • 公正な復興の実現、インフラ復興、知識やイノベーションの創出と利用のもと、すべての世代のニーズに対応したかたちでの資源の運営や保護がなされ、情報通信テクノロジーが和平と成長を支えるために用いられる国家。

ダルダリー氏はそのうえで、第1段階を振り返り、NAFSが三つの原則に依拠してきたことを強調した。

第1の原則は「国民的財産」という発想で、この原則ゆえに、多くのシリア人が参加し、シリア社会に対して結果を示すことができたと自賛した。

第2の原則は「包括性を参加の基礎」とすることで、この原則ゆえに、NAFS参加者がシリアの社会的な構成を代表するさまざまな階層を代表していると強調しつつ、第2段階の運営には、より多くの技術者、専門家の参加が求められると述べた。

なお、ダルダリー氏によると、これまでにNAFSには関係者170人、50以上にわたる開発分野の専門家165人、市民団体約200人が参加してきたという。

第3の原則は、「客観的で自由な対話を活動の基礎」とすることで、この原則のもと、社会分野、経済分野、ガヴァナンス分野という三つの分野に力点を置いた柔軟な対話が保障されたと述べた。

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ダルダリー氏の報告に続いて、マタル事業支援担当事務次長から第2段階のヴィジョンについての説明を行った。

第2段階の目的は主に以下の2点からなるという。

  • 第1段階において実施された作業がシリアの広範な利害関係者によって実施されるか、またシリア国内の状況変化に対応し続けられるかを確認すること。
  • 第1段階において実施された理論的作業を具体的な手段に移行させ、復興、安定化、和解に向けた介入計画を主導し、紛争の平和的解決に向けた政治的交渉を支援すること。

 

マタル女史はこのなかで、第2段階において4つの成果が見込まれるだろうと述べた。

期待される第1の成果とは、第1段階において達成された問題にかかわる様々な利害関係者の対話に基づく協力関係の構築、紛争の平和的解決策の導出、第2の成果とは、第1段階において達成された作業の妥当性の保障、第3の成果とは、理論の実践へ転換、そして第4の成果とは、紛争の政治的解決に向けた交渉やシリアにかかわる国内外のプロジェクト策定プロセスなどにおける意思決定を行うための情報の拡充、だという。

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なお、NAFTは2013年1月に始動したUNESCWAのプロジェクトで、シリア人の専門家や利害関係者が、紛争後の移行プロセスを見据えて、復興や和解に際して戦略的、論理的に何が必要かを特定し、その実施に必要な条件を作り出すこと。

そのために国民レベルでの対話のプラットフォームを立ち上げ、そこでの専門家と利害関係者が議論を通じて、衡平で持続的な開発、国民統合、主権などといった概念への知識を拡充し、長期的な開発政策を策定することをめざす。

具体的には、現下のシリアの人的、財政面での制約を踏まえつつ、①復興と経済再建、②社会的和解と結束の実現、③制度構築、ガヴァナンスの実現、民主化に向けた移行プロセスの先導することをめざす。

工程は3段階からなり、第1段階(当初終了予定は2013年4月)は、現状評価、NAFSのアウトラインの最終確定、第2段階(当初終了予定は2013年8月)は、具体的な政策報告書の作成と政策実施に向けた準備、第3段階(終了予定は2015年8月)は、政策実施の支援、を骨子とするという。

UNESCWA, January 27, 2017などをもとに作成。

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トルコのNGO組織IHHはシリア領内の反体制派に拘束されていたウクライナ人夫婦の釈放に成功(2017年1月27日)

クッルナー・シュラカー(1月27日付)によると、シリア領内の反体制派支配地域で活動するトルコのNGO組織IHH(人道支援基金)が数日前、反体制派支配地域で拘束されていたウクライナ人男性とその妻の解放に成功した。

このウクライナ人夫婦は2013年にシリア領内に不法入国し、イスラエル占領下のエルサレムの向かっていたところを、反体制派によって拘束されていたという。

Kull-na Shuraka', January 27, 2017
Kull-na Shuraka’, January 27, 2017

AFP, January 27, 2017、AP, January 27, 2017、ARA News, January 27, 2017、Champress, January 27, 2017、al-Hayat, January 28, 2017、Iraqi News, January 27, 2017、Kull-na Shuraka’, January 27, 2017、al-Mada Press, January 27, 2017、Naharnet, January 27, 2017、NNA, January 27, 2017、Reuters, January 27, 2017、SANA, January 27, 2017、UPI, January 27, 2017などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣はモスクワでの反体制派代表との会談直前にジュネーブ4会議の延期を発表(2017年1月27日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでシリアの反体制派の代表と、アスタナ会議の成果のフォローアップと、2月8日に開催が予定されているジュネーブ4会議の準備に向けた会合を行った。

会合には、シリア国内の反体制派・野党からなる「フマイミーム・グループ」(アルヤーン・マスアド氏代表)、「カイロ宣言グループ」(ジハード・マクディスィー氏、ジャマール・スライマーン氏)、「モスクワ・リスト」(ジャミール・カドリー前副首相、ランダー・カスィース氏)、民主的変革諸勢力国民調整委員会(ハサン・アブドゥルアズィーズ氏)、民主統一党(ハーリド・イーサー氏)が参加した。

トルコ、サウジアラビア、カタール、欧米諸国が後押しするシリア革命反体制勢力国民連立、最高交渉委員会は参加を拒否した。

ラブロフ外務大臣は会合に先だって、アスタナ会議によって国連がジュネーブでの和平協議再開に向けて動きを再活性化させたことを評価しつつ、2月8日に予定されていたジュネーブ会議が2月末に延期されたことを明らかにした。

また、会合への参加を拒否したシリア革命反体制勢力国民連立の姿勢については「もはや受け入れられず、彼らは拒否しているだけにしか見えない」と批判した。

一方、アスタナ会議で開示された「シリア共和国憲法」草案に関しては、「シリア人に何も押しつけようとしていない」としつつ、「ジュネーブ会議の新ラウンドに先立って、すべてのシリア人が憲法草案に目を向けて欲しい」と述べした。

そのうえで、イラク戦争後の米国によるイラク占領支配とロシアの対シリア政策を比較することに関して「比較は正しくない。イラクでは…憲法が占領軍によって策定され、妥協のないかたちでイラク国民に押しつけられた。これに対してロシア政府は自国の提案を他者に押しつけるつもりはない」と強調した。

なお、ラブロフ外務大臣によるジュネーブ4会議延期発言に対して、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表付報道官のヤーラー・シャリーフ氏は「2月の会合の延期は確定してない」と述べた。

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なお、『ハヤート』(12月29日付)によると、この会談で、民主統一党のハーリド・イーサー氏が、ロシア側に、連邦制樹立、西クルディスタン移行期民政局による外交権の享受、人民防衛隊の合法化などを柱とする独自の憲法草案を提出したという。

AFP, January 27, 2017、AP, January 27, 2017、ARA News, January 27, 2017、Champress, January 27, 2017、al-Hayat, January 28, 2017、January 29, 2017、Iraqi News, January 27, 2017、Kull-na Shuraka’, January 27, 2017、al-Mada Press, January 27, 2017、Naharnet, January 27, 2017、NNA, January 27, 2017、Reuters, January 27, 2017、SANA, January 27, 2017、UPI, January 27, 2017などをもとに作成。

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ラッカ市郊外でYPG主体のシリア民主軍とダーイシュの戦闘続く(2017年1月27日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市西部郊外でのダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘で、シリア民主軍戦闘員11人が過去72時間に戦死した。

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ハサカ県では、ARA News(10月27日付)によると、トルコ軍がダイリーク市近郊のマズラ村を砲撃し、女性1人が負傷した。

AFP, January 27, 2017、AP, January 27, 2017、ARA News, January 27, 2017、Champress, January 27, 2017、al-Hayat, January 28, 2017、Iraqi News, January 27, 2017、Kull-na Shuraka’, January 27, 2017、al-Mada Press, January 27, 2017、Naharnet, January 27, 2017、NNA, January 27, 2017、Reuters, January 27, 2017、SANA, January 27, 2017、UPI, January 27, 2017などをもとに作成。

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米主導の有志連合は1月26日、ラッカ市近郊などに対して12回の爆撃を実施(2017年1月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月26日のシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

それによると、有志連合は両国領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(9回)、タンフ国境通行所近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, January 27, 2017、AP, January 27, 2017、ARA News, January 27, 2017、Champress, January 27, 2017、al-Hayat, January 28, 2017、Iraqi News, January 27, 2017、Kull-na Shuraka’, January 27, 2017、al-Mada Press, January 27, 2017、Naharnet, January 27, 2017、NNA, January 27, 2017、Reuters, January 27, 2017、SANA, January 27, 2017、UPI, January 27, 2017などをもとに作成。

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ロシアが作成した「シリア憲法」草案の内容とシリア政府の修正提案の内容が明らかに:ロジャヴァ、地元評議会の権限を認めず、再選時の大統領の任期は憲法ではなく特別憲法法廷が決定(2017年1月27日)

『ハヤート』(1月27日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、1月23~24日にカザフスタンのアスタナで開催されたシリア政府と反体制派の和平協議(アスタナ会議)で、ロシアが反体制派に提示した「シリア憲法」草案のコピーを入手したと伝え、その概要を明らかにした。

シリア政府はこれまで、ロシア側から政治移行プロセスに向けた新憲法案が提示されたことを否定していた。

「シリア憲法」草案は全24頁、85条からなっており、『ハヤート』が入手したコピーには、シリア政府による修正提案が手書きで書き込まれていたという。

この修正提案は、シリア政府からロシアおよびイランに対してさらなる文言の推敲を求めるために書き込まれたものだという。

「シリア憲法」草案とシリア政府が示した修正提案の概要は以下の通り:

表題:「シリア共和国憲法」。シリア政府は国号の変更、およびクルド人の権利を明文化することを拒否。

第8条第7項:「政権移行」の文言に対して、シリア政府は「憲法と法律が定めた平和的かつ民主的な方法での政権交代」との文言への修正を要求。

第4条第8項:「クルド人の文化的自治機関はアラビア語とクルド語を等しく用いる」との文言に関して、シリア政府は、私立学校での非アラビア語の使用を認めつつ、「各地域においては、公用語(アラビア語)に加えて、大多数の住民が使用する言語を地域での新任投票によって合意のうえ用いる」との文言への修正を要求。

第9条:「シリア領土の分割や国境変更は、国民の意思によって実施される国民投票以外の手段では変更し得ない」との文言全文の削除を要求。

第10条:シリア政府以外の武装組織を結成を定めた条文に関しては、「政治、住民の脅迫、移行プロセスにおける非政府系の武装集団の投入を禁止する」との文言への変更を要求。

第15条:「行政ユニット」との文言を削除し、「地方自治体」への変更を要求。

第40条:「地方ユニット」の代表者の立法、地方自治への参加を保証するための地域団体のを設置する」(第1項)を含む全文の削除を要求。

第49条:現職大統領の再選資格に関して、「同一人物の大統領の再選は、現在の任期に引き続き1度だけ認められる」との文言を、「2期連続で認められる」との文言に変更することを要求。

第50条:大統領就任資格(40歳以上、シリア国籍)の文言を現行憲法の文言に戻すよう要求。

第55条:大統領の職務に関して「三権の仲介、および国家と社会の仲介を職務とし、合意に基づく措置を通じて国家機関間の対立を収束させる権限を有する」、「幹部公務員を任命する」、「大統領は立法権も有する」といった文言への修正を求める。

第82条:大統領の任期に関して「大統領の権限は就任宣誓から7年で失効し、大統領は再立候補の権利があり、その任期については特別憲法法廷が判断を下す」。

al-Hayat, January 27, 2017をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がダーイシュの拠点都市バーブ市などを激しく爆撃・砲撃し、住民10人以上が死亡(2017年1月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍が26日夜、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市であるバーブ市やターディフ市を激しく空爆・砲撃し、子供1人を含む住民10人以上が死亡した。

これに関して、アナトリア通信(1月27日付)は、過去24時間にバーブ市および同市東部の農村でダーイシュの戦闘員22人を殺害したと伝えた。

AFP, January 27, 2017、Anadolu Ajansı, January 27, 2017、AP, January 27, 2017、ARA News, January 27, 2017、Champress, January 27, 2017、al-Hayat, January 28, 2017、Iraqi News, January 27, 2017、Kull-na Shuraka’, January 27, 2017、al-Mada Press, January 27, 2017、Naharnet, January 27, 2017、NNA, January 27, 2017、Reuters, January 27, 2017、SANA, January 27, 2017、UPI, January 27, 2017などをもとに作成。

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