シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県カルクール村近郊で、トルキスタン・イスラーム党の車輌をミサイル攻撃し、戦闘員2人を殺害(2021年5月4日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカルクール村近郊で、トルキスタン・イスラーム党の車輌をミサイル攻撃し、戦闘員2人を殺害した。

シリア軍はまた、ガーブ平原のカストゥーン村、ザイズーン村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるズィヤーディーヤ村を砲撃し、女性1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるミーズナーズ村、カフル・ヌーラーン村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるウンム・ワラド村でシリア軍兵士2人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるウンム・バーティナ村、ジャバー村の近郊にあるシリア軍の拠点が正体不明の武装集団の襲撃を受け、激しい戦闘となった。

この戦闘の数時間前、ロシア軍使節団がウンム・バーティナ村を訪問、地元の名士と会談していた。

ロシア軍使節団の訪問は5月3日の現地でのシリア軍襲撃事件を受けたものと思われる。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を28件(イドリブ県15件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を17件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, May 4, 2021、ANHA, May 4, 2021、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 4, 2021、Reuters, May 4, 2021、SANA, May 4, 2021、SOHR, May 4, 2021などをもとに作成。

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