ロシア国防省はイドリブ市の国立病院(30日)への爆撃を否定する一方、ラヴロフ外務大臣はヌスラ戦線と協力を続ける反体制派への爆撃再開を示唆(2016年5月31日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、30日にロシア軍戦闘機がイドリブ市の国立病院を空爆したとの報道に関してこれを否定、「ロシア軍航空機はイドリブ県でいかなる戦闘行為、空爆も実施しなかった」と発表した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は『コムソモルスカヤ・プラウダ』(5月30日付)のインタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して、米・ロシアによる敵対行為停止合意の遵守とシャームの民のヌスラ戦線排除を条件に再開を猶予している攻撃に関して、近く猶予を解除し、空爆を再開すると述べた。

ラブロフ外務大臣は、米国が猶予解除の期限を数日延期するよう求めてきたとしたうえで、今週中に期限が終了すると述べた。

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は5月20日、ヌスラ戦線を含むテロ組織への一方的空爆を25日から開始することを米国に提案したと発言したが、米国がこれを拒否したのを受け、25日には、ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官が声明を出し、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターがアレッポ県、ダマスカス郊外県などで活動する反体制武装集団に対して米・ロシアによる敵対行為停止合意を遵守し、シャームの民のヌスラ戦線を排除することを条件に空爆を実施しない旨、10度にわたり要請したと発表していた。

SANA(5月31日付)などが伝えた。

AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。

米軍主導の有志連合はラッカ県北部ではなくマンビジュ市(アレッポ県)近郊を重点的に爆撃(2016年5月30日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月30日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は11回で、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(9回)、ワフスィーヤ村近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 31, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ロシア軍の爆撃開始以降の8ヶ月間で6,340人が爆撃で死亡(2016年5月30日)

英国を拠点にシリアでの紛争の被害に関する情報を収集するシリア人権監視団は、ロシア軍がシリア領内での空爆を開始した2015年9月30日から2016年5月30日までの8ヶ月の間で空爆による死者数が6,340人を記録したと発表した。

同監視団によると、死者6,340人のうち、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーは2,270人、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党を含む反体制武装集団のシリア人および外国人戦闘員は1,971人、民間人は2,099人(18歳未満の子供500人、18歳以上の女性318人、18歳以上の男性1,281人)だという。

AFP, May 31, 2016、AP, May 31, 2016、ARA News, May 31, 2016、Champress, May 31, 2016、al-Hayat, June 1, 2016、Iraqi News, May 31, 2016、Kull-na Shuraka’, May 31, 2016、al-Mada Press, May 31, 2016、Naharnet, May 31, 2016、NNA, May 31, 2016、Reuters, May 31, 2016、SANA, May 31, 2016、UPI, May 31, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍がイドリブ市のヌスラ戦線拠点を爆撃し、国立病院が被弾、20人が死傷(2016年5月30日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市を15回以上にわたり空爆し、20人が死傷、イドリブ国立病院の建物が被害を受けた(シリア人権監視団によると、ロシア軍の空爆によるイドリブ市空爆での死者は23人、負傷者は数十人、トルコ外務省によると民間人60人が死亡)。

ARA News(5月30日付)によると、イドリブ市への空爆はシャームの民のヌスラ戦線の拠点とされる施設に対するものだという。

また、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がマストゥーマ村を空爆した。

一方、SANA(5月30日付)によると、フーア市を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃し、子供1人が死亡、複数人が負傷した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤー(5月30日付)によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市内東部の反体制武装集団支配地域を「樽爆弾」で空爆し、住民数十人が死傷した。

またシリア軍はアレッポ市カッラーサ地区、サールーフ地区、旧市街、ハイダリーヤ地区などを砲撃し、住民13人が死亡したという。

この空爆・砲撃と合わせて、シリア軍はクドス旅団とともにアレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯に進軍し、反体制武装集団と交戦した。

さらに、ARA News(5月30日付)によると、シリア軍はアレッポ市北西部のマアッラータ村に進軍し、反体制武装集団と交戦、アレッポ市南部郊外のハーン・トゥーマーン市一帯でもファトフ軍と交戦した。
した。

一方、SANA(5月30日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、ハムダーニーヤ地区、スィルヤーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、2人が死亡、20人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ・スルターン村一帯をシリア軍が砲撃し、看護師1人が死亡した。

また戦闘機(所属明示せず)がサラーム高速道路一帯(ハーン・シャイフ・キャンプ近郊)を12回にわたって空爆した。

一方、SANA(5月30日付)によると、ハラスター氏郊外の住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、2人が死亡、2人が負傷した。

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ヒムス県では、ARA News(5月30日付)によると、シリア軍戦闘機・ヘリコプターがガントゥー市、ウンム・シャルシューフ村、ザアフラーナ村、ラスタン市西部農場地帯などを空爆した。

一方、SANA(5月30日付)によると、反体制武装集団がヒムス市サビール地区を砲撃した。

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ハマー県では、SANA(5月30日付)によると、スカイラビーヤ市をシャーム自由人イスラーム運動が砲撃し、スカイラビーヤ国立病院が被弾した。

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クナイトラ県では、SANA(5月30日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がバアス市を砲撃し、保健局などが被弾した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、June 1, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍がダーイシュの拠点都市マンビジュ市(アレッポ県東部)を爆撃し、住民13人が死亡(2016年5月30日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミヤー(5月30日付)によると、ロシア軍戦闘機がダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市を空爆し、住民13人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地一帯上空を飛行中のシリア軍ヘリコプターが墜落し、乗組員1人が死亡した。

墜落の原因は不明だという。

一方、SANA(5月30日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル南西部一帯、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(5月30日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、フワイスィース村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同村を完全制圧した。

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スワイダー県では、SANA(5月30日付)によると、カスル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はアサド湖(ラッカ県)北部、ティシュリーン・ダム(アレッポ県)でダーイシュと交戦(2016年5月30日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「北ラッカ解放作戦」実施中のシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主導)がユーフラテス川の南岸に位置するタブカ市およびアサド湖北方に戦線を拡大、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またシリア軍との戦闘や有志連合による空爆で死亡したダーイシュ戦闘員の遺体16体と負傷者33人がラッカ市方面に搬送されたという。

遺体のなかには、フランス人司令官と「カリフの幼獣」と称される少年戦闘員24人が含まれていたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

アレッポ県東部を流れるユーフラテス川以西は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権が米国との合意に基づき「安全地帯」と位置づけ、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が勢力を拡大することを「レッド・ライン」とみなし、ダーイシュ(イスラーム国)の掃討を阻止している。

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AFP(5月30日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊に従軍していた元軍人で40歳代のオーストラリア人が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で戦死した。

人民防衛隊がフェイスブックを通じた発表したところによると、戦死したのはジミー・ブライト氏。

ブライト氏は25日にシャッダーディー市近郊のマーリハ村での戦闘で死亡したという。

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クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、クルド人活動家が声明を出し、クルド革命家大隊の結成を宣言、シリア政府および民主統一党に対抗すると発表した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュの攻勢を受けるアレッポ県北西部で戦うシャーム戦線は、避難経路の確保や食用支援に協力的な西クルディスタン移行期民政局が支配するアレッポ市シャイフ・マクスード地区への攻撃を続ける反体制武装集団に攻撃停止を呼びかける(2016年5月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区一帯では西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がジハード主義武装集団と交戦、反体制武装集団による迫撃砲攻撃で子供3人を含む9人が死亡、人民防衛隊隊員3人も戦死した。

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アレッポ県では、県北西部のトルコ国境地帯に位置するマーリア市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と戦闘中のシャーム戦線(アブー・ワリード・マーリイー司令官)が、シャイフ・マクスード地区を攻撃している反体制武装集団に攻撃停止を呼びかけ、県北西部のマーリア市方面に転戦するよう呼びかけた。

マーリイー司令官は、シャイフ・マクスード地区に展開するすべての武装集団に対して次のように呼びかけた。

「知恵を駆使し、(シャイフ・マクスード地区での)攻撃で包囲されているマーリア市住民を見殺しにするな。あなたたちがシャイフ・マクスード地区に対して行う攻撃はマーリア市で我々に影響を及ぼす。なぜなら我々は、負傷者をシリア民主軍が掌握する街道を通じて搬送し、我々は我々の家族を彼らの支配地域の街道を通じて脱出させているからだ。彼らは食糧が確保されるよう我々を支援し、我々に届けてくれている。シャイフ・マクスード地区を攻撃する必要などない。停戦を試みよ。なぜなら、マーリアはダーイシュからもっとも激しい攻撃を受けているからだ。シリア民主軍がマーリア西方の街道を封鎖したら、どうなるのか考えよ」。

『ハヤート』(5月31日付)が伝えた。

なお、シャーム戦線は2015年2月にアレッポ県で活動する武装集団が結成した連合組織で、「命じられるままに進め」連合、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動、シャームの鷹旅団(シャーム自由人イスラーム運動と完全統合)、アサーラ・ワ・タンミヤ運動、ハズム運動からなる。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「PYD(YPG)抜きでの合同特殊作戦実施を米国に提案している」(2016年5月30日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、アレッポ県北西部のトルコ国境地帯でのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢に関して記者団に、米国と合同特殊作戦の実施を提案しているが、この作戦は西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を排除するかたちで行われるべきだと述べた。

チャヴシュオール外務大臣は「本件に関して米国と協議しているのは、早急にマンビジュ一帯を封鎖し…、第2戦線を開くことだ…。彼ら(米国)には特殊部隊があり、我々にも特殊部隊がある…。しかし、我々は言いたい。新たな戦線を開かねばならないが、民主統一党抜きだ」と述べた。

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アレッポ県では、CNN Turk(5月30日付)によると、トルコ軍は県北西部一帯に対して越境砲撃を行い、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員28人を殺害した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、CNN Turk, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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反体制武装集団が籠城を続けるムウダミーヤト・シャーム市(ダマスカス郊外県)で、地元評議会がシリア政府当局より食糧物資を購入、市内に搬入(2016年5月30日)

ダマスカス郊外県では、ARA News(5月30日付)などによると、反体制武装集団が籠城を続けるムウダミーヤト・シャーム市でシリア政府当局と同市の地元評議会が食糧物資搬入に関する合意を結び、地元評議会がシリア政府より食糧物資60トン以上を購入、「自由警察」の認可のもと、市内に搬入した。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はYPG主体のシリア民主軍が「北ラッカ解放作戦」を実施するラッカ県北部で爆撃を実施せず、マンビジュ市(アレッポ県)近郊などを爆撃(2016年5月29日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月29日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 30, 2016などをもとに作成。

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「無所属活動家」を称する人物がヌスラ戦線に拉致されているとされる安田純平氏の画像をFacbookで公開(2016年5月29日)

「無所属活動家」を称するターリク・アブー・ムハンマド・アブドゥルハックを名乗る人物は29日、Facebookの自身のアカウント(https://www.facebook.com/tarikcham?fref=ts)を通じて、2015年6月にシリア北部で消息を絶った安田純平氏の画像を公開した。

アブドゥルハック氏のFacebookアカウントの自己紹介欄には「トルコとシリアでジャーナリストや通信社とのフィクサー(فيكسر)として働いています」と書かれ、トルコの国番号で始まる携帯電話番号が付記されている。

また同自己紹介欄によると、「殉教者ワリード・シャアバーン高等学校に在学していました」、「シリア、イドリブ県、ジスル・シュグール市在住」、「既婚」、「シリア、イドリブ県、ジスル・シュグール市出身」とある。

アカウントのバナーには「人民革命」と書かれ、その背景には、干上がった失地と思われる写真と「シリア革命旗」(委任統治時代のシリア国旗)を掲げる少年の写真が使用されている。

アブドゥルハック氏3月半ばにも安田氏の動画を公開している。

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今回公開された画像には、オレンジ色の囚人服を身につけた安田氏が、「助けて ください」「これが最後のチャンスです」「安田純平」と書かれた紙を持ち、白い壁を背景に写っている。

3月に公開された画像と同様、メッセージ自体には、安田氏を拉致しているとされるヌスラ戦線からの要求は明示されていない。

だが、シャームの民のヌスラ戦線に近い消息筋(アブドゥルハック氏と思われる)は、ARA News(5月30日付)に対して、「ヌスラ戦線は拘束中の日本人ジャーナリスト安田純平氏を、近く予定されている捕虜交換でダーイシュ(イスラーム国)に引き渡す意思がある」と語っている。

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一方、アーン・チャンネル(5月30日付)は、アブドゥルハック氏の話として、「ヌスラ戦線が要求している身代金額は100万米ドルで、画像公開日から30日間の猶予を与え、もしこの要求に応じなければ、安田氏を捕虜交換でダーイシュに引き渡すことになる」と伝えた。

AFP, May 30, 2016、Akhbar al-An, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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イドリブ県ビンニシュ市でジハード主義武装集団に対して何者かが自爆攻撃(2016年5月29日)

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、ビンニシュ市で2回にわたり自爆攻撃による爆発が発生、またその前後に銃撃戦も起こり、ファールーク大隊(ジハード主義武装集団)の戦闘員5人が死亡、13人以上が負傷した。

爆発と銃撃戦は、武装集団がファールーク大隊の拠点を襲撃したものだという。

AFP, May 30, 2016、AP, May 30, 2016、ARA News, May 30, 2016、Champress, May 30, 2016、al-Hayat, May 31, 2016、Iraqi News, May 30, 2016、Kull-na Shuraka’, May 30, 2016、al-Mada Press, May 30, 2016、Naharnet, May 30, 2016、NNA, May 30, 2016、Reuters, May 30, 2016、SANA, May 30, 2016、UPI, May 30, 2016などをもとに作成。

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イスラーム軍のアッルーシュ氏はリヤド交渉最高委員会の最高責任者を辞任、また交渉団団長を務めるズウビー氏も辞任か(2016年5月29日)

リヤド最高交渉委員会の交渉責任者を務めるイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ氏はツイッターの自身のアカウントを通じて声明(30日付)を出し、交渉責任者を辞任すると発表した。

シリア軍による攻撃の継続、人道支援物資搬入や包囲解除など人道問題にかかわる措置を国際社会が履行しないことが辞任の理由。

Kull-na Shuraka', May 29, 2016
Kull-na Shuraka’, May 29, 2016

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また、ARA News(5月29日付)によるは、リヤド最高交渉委員会に近い複数の消息筋の話として、アッルーシュ氏に加えて、交渉代表団の団長を務めていたアスアド・ズウビー准将(前シリア軍事高等アカデミー空軍学科長)が団長を辞任したと伝えた。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県、ハマー県、イドリブ県などでシリア軍による反体制派への爆撃続く(2016年5月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市カースティール地区一帯を空爆した。

また、ARA News(5月29日付)によると、シリア軍戦闘機がタッル・ダマーン村を空爆し、住民数十人が死傷した。

一方、SANA(5月29日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、アドゥニース地区、ブスターン・ザフラ地区を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃し、5人が死亡、21人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町を空爆した。

また、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、シリア軍がアクラブ町突入を試み、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサラーキブ市東部一帯、アリーハー市を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がザアフラーナ村、ガルナータ村を空爆、シリア軍がヒムス市ワアル地区を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機およびヘリコプター(所属明示せず)がダイル・ハビーヤ村、ハーン・シャイフ・キャンプ農村地帯を12回以上にわたり空爆、またシリア軍がザーキヤ町・ハーン・シャイフ・キャンプ間の街道を砲撃した。

ARA News(5月29日付)によると、この攻撃でシリア軍は同街道の一部の封鎖解除に成功したという。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月29日付)によると、南部戦線がハーッラ市に、巨大な「シリア革命旗」(委任統治領シリアの国旗)を掲揚したが、その数分後、シリア軍がこれを砲撃した。

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ハマー県では、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がバッザーム丘、フワイル丘、ムーラク市東部一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦し、戦闘員35人を殲滅、車輌、ロケット砲発車台などを破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(5月29日付)によると、ロシア軍の人道支援チームがハーン・アルナバ市の住民に人道支援物資を配給した。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、May 30, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部でのダーイシュとハワール・キリス作戦司令室の戦闘を受け、住民多数が避難するなか、反体制派の拠点都市アアザーズ市のシャリーア法廷は、難民受け入れ停止の布告を発令(2016年5月29日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、北西部のトルコ国境に近い反体制派の拠点の一つマーリア市および同市一帯(カフルカルビーン村近郊、バラーギーダ村一帯)では、マーリア市突入をめざすダーイシュと反体制武装集団が激しく交戦、ダーイシュ戦闘員47人、反体制武装集団戦闘員61人、民間人29人が死亡した。

またAP(5月29日付)は、地元調整諸委員会の情報として、反体制武装集団がダーイシュとの戦闘の末にカフルシューシュ村、バラーギーダ村を奪還したと伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、マーリア市の住民6,000人以上がダーイシュ(イスラーム国)による攻撃を受け、同地の西側に位置する西クルディスタン移行期民政局支配地域に避難した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、住民はこの地域を経て西クルディスタン移行期民政局の拠点都市でアフリーン市とタッル・リフアト市方面に向かったという。

また、『ハヤート』(5月30日付)は、ヌスラ戦線と「穏健な反体制派」の拠点都市のアアザーズ市方面、そしてトルコ国境方面にも数千人が避難していると伝えた。

しかし、ARA News(5月29日付)によると、アアザーズ市のシャリーア法廷は、マーリア市方面からの避難民受け入れを停止するとの布告と発表した。

Kull-na Shuraka', May 29, 2016
Kull-na Shuraka’, May 29, 2016

なおAFP(5月29日付)によると、ダーイシュはマーリア市で唯一稼働していたフッリーヤ病院を27日、10時間にわたり包囲し、医療スタッフ2人が負傷、残されたスタッフは停電下での手術を余儀なくされたという。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県、ダイル・ザウル県でダーイシュとの戦闘を続ける(2016年5月29日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、マザール山一帯、柑橘園一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がスフナ市およびその東部、タイバ村、ウンク・ハワー村、アブー・ハワーディード村、ラッフーム村、バールーダ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市で交戦し、シリア軍少佐が死亡した。

一方、SANA(5月29日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、サルダ山一帯、ダイル・ザウル市南西部パノラマ交差点一帯を空爆、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, May 29, 2016、AP, May 29, 2016、ARA News, May 29, 2016、Champress, May 29, 2016、al-Hayat, May 30, 2016、Iraqi News, May 29, 2016、Kull-na Shuraka’, May 29, 2016、al-Mada Press, May 29, 2016、Naharnet, May 29, 2016、NNA, May 29, 2016、Reuters, May 29, 2016、SANA, May 29, 2016、UPI, May 29, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はアレッポ県東部のマンビジュ市近郊、北西部のマーリア市近郊に爆撃を集中(2016年5月28日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月28日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して30回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(4回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 29, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市でシリア軍と反体制派の戦闘続く(2016年5月28日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月28日付)によると、シャーム戦線がアレッポ市サウフ・ダウラ地区でシリア軍が建設した地下トンネルを破壊した。

また、ARA News(5月28日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区を反体制武装集団が砲撃し、女性、子供など15人が負傷した。

一方、SANA(5月28日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ブスターン・バーシャー地区、マイダーン地区を砲撃し、子供2人を含む4人が死亡、19人が負傷した。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月28日付)によると、シリア軍がムサイフラ町近郊を砲撃し、女性と女児の2人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(5月28日付)によると、シリア軍がイッズッディーン村でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー中央刑務所で収監者が暴動を起こし、刑務所長、ハマー警察署長ら11人を拘束した。


AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、May 30, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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有志連合はラッカ市北部郊外一帯を爆撃し、ダーイシュの司令官を殺害(2016年5月28日)

ラッカ県では、『ハヤート』(5月29日付)によると、米軍主導の有志連合がファーティサ村、ヒーシャ村、タッル・サマン村などラッカ市北部郊外一帯(タッル・アブヤド市郊外、アイン・イーサー市国外)のダーイシュ(イスラーム国)拠点への空爆を継続し、同地でダーイシュと戦闘を続ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を支援した。

有志連合はまた、ラッカ市に投降と避難を呼びかけるビラを空中散布した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月28日付)などが複数の消息筋の話として、米軍主導の有志連合によるラッカ市近郊への空爆によりダーイシュ(イスラーム国)のラッカ州北部地区のアミール(司令官)ウマル・アッカール氏と思われる男性が死亡したと伝えた。

AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部でのダーイシュの攻勢を受け、反体制武装集団はPYD主導のシリア民主軍に所属する革命家軍と停戦、マーリア市近郊のアイン・イーサー村をシリア民主軍に譲渡(2016年5月28日)

アレッポ県では、ARA News(5月28日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に参加する革命家軍が、マーリア市から約2キロの地点に位置するアイン・イーサー村を支配していた反体制武装集団と同市の支配権の移譲に関して合意、これを受け、反体制武装集団がアイン・イーサー村を撤退、これに代わってシリア民主軍が同地を制圧した。

アイン・イーサー村からの反体制武装集団の撤退は、マーリア市一帯へのダーイシュ(イスラーム国)の攻勢を受けたもので、この合意と合わせて両者は、マーリア市から避難した住民数千世帯を西クルディスタン移行期民政局支配地域に受け入れることで合意した。

AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県北西部のマーリア市一帯でダーイシュとハワール・キリス作戦司令室の一進一退の攻防続くなか、有志連合の爆撃で住民7人が死亡(2016年5月28日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月29日付)がマーリア市広報局の情報として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲攻撃を受けるマーリア市一帯を米軍主導の有志連合が空爆し、住民7人が死亡、多数が負傷した。

また『ハヤート』(5月29日付)によると、県北西部のマーリア市一帯で反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)とダーイシュ(イスラーム国)が激しく交戦し、双方の戦闘員や住民少なくとも106人が死亡した。

ロイター通信(5月28日付)が複数のトルコ軍消息筋の話として、米軍主導の有志連合およびトルコ軍が行った同地一帯で行った空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員104人が死亡したと伝えた。

また『サバフ』(5月28日付)などによると、ダーイシュはトルコ領内のキリス市一帯を越境砲撃し、5人が負傷したという。

シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)などによると、戦闘はマーリア市北部および東部で激しく行われ、ダーイシュはタラーリーン村、アンサブル村、タッル・マーリド村の三方面から戦車、装甲車、爆弾を仕掛けた車などを投入し、マーリア市に突入を試みたが、ハワール・キリス作戦司令室はこれを阻止したという。

この攻撃でダーイシュ側の戦闘員約60人が死亡したという。

なお、シャフバー・プレス(5月28日付)によると、ダーイシュの攻撃によりマーリア市一帯の住民数万人がアアザーズ市、アフリーン市方面に避難する一方、ダーイシュに包囲されたマーリア市には約1万5,000人の住民が取り残され、そのほとんどは女性と子供だという。

一方、クッルナー・シュラカー(5月28日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、ナッダ村およびナイヤーラ村の近郊に位置する科学研究センターを奪還した。

AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、May 29, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、Shahba Press, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダイル・ザウル市一帯でダーイシュと交戦(2016年5月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(5月28日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南西部パノラマ交差点一帯に侵攻しようとしたダーイシュ(イスラーム国)と交戦、これを撃退した。

シリア軍はまた、サルダ山一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯でダーイシュの拠点を食う悪した。

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スワイダー県では、SANA(5月28日付)によると、人民防衛諸集団が県東部砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃し、武器、弾薬を押収した。

AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領は米軍特殊部隊によるPYD紋章の着用を「誤った措置」と非難(2016年5月28日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を支援する米特殊部隊が、人民防衛隊の紋章を着用していた問題に関連して、米・トルコ関係を害するものだと批判した。

エルドアン大統領は訪問先のディアルバクル市での演説で「トルコの友人であり、NATO加盟国である彼ら(米国)は、シリアに兵を派遣し、人民防衛隊の紋章を身につけてはならないし、そういうことはあってはならない」と述べた。

エルドアン大統領はまた「人民防衛隊を支援し続けると言う者たちは、我々のところにやって来て、我々から教わるべきだ。我々は彼らにテロ組織に関する文書を提示したが、彼らは誤った措置を講じている」と非難した。

AFP, May 28, 2016、AP, May 28, 2016、ARA News, May 28, 2016、Champress, May 28, 2016、al-Hayat, May 29, 2016、Iraqi News, May 28, 2016、Kull-na Shuraka’, May 28, 2016、al-Mada Press, May 28, 2016、Naharnet, May 28, 2016、NNA, May 28, 2016、Reuters, May 28, 2016、SANA, May 28, 2016、UPI, May 28, 2016などをもとに作成。

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米軍主導の有志連合はシリア国内で6回の爆撃を実施(2016年5月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、5月27日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して34回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は6回で、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

CENTCOM, May 28, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県内の反体制武装集団支配地域が爆撃を受ける一方、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動らはハマー県の発電所を攻撃(2016年5月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がフライターン市、カフルハムラ村を空爆し、妊婦1人、子供2人を含む4人が死亡、またシリア軍戦闘機がアレッポ市バーブ街道地区、マイサル地区、ハラク地区、ブアイイディーン地区、ハイダリーヤ地区、カースティールー地区を「樽爆弾」で空爆した。

クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、空爆を行ったのはロシア軍戦闘機だという。

一方、SANA(5月27日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市マイダーン地区、シャイフ・マクスード地区を砲撃し、女性1人が死亡、9人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(5月27日付)によると、シリア軍がマアーン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、戦闘員50人以上を殲滅した。

これに対して、ラターミナ町に展開する反体制武装集団がムハルダ市の発電所を砲撃し、従業員複数人が負傷した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、イドリブ市内西部のシュアイブ・モスク近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、3人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月27日付)によると、ダーライヤー市でシリア軍が反体制武装集団との戦闘を続けた。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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シリア軍が完全制圧したダマスカス郊外県東グータ地方南部一帯の住民数十世帯が帰宅(2016年5月27日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月27日付)は、19日にシリア軍が奪還したダイル・アサーフィール市など東グータ地方南部一帯でのインフラ復旧作業が進められるなか、避難していた住民数十世帯が帰宅したと伝え、その映像(https://youtu.be/wrFXJgDyFzU)を公開した。

SANA, May 27, 2016
SANA, May 27, 2016

なお、ARA News(5月27日付)によると、シリア軍は26日に反体制武装集団との戦闘の末、東グータ地方南部一帯地域を完全制圧していた。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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ラッカ県北部で有志連合の支援を受けるYPG主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘を続ける(2016年5月27日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、「北ラッカ解放作戦」を継続中の西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタッル・アブヤド市・第17師団基地・アイン・イーサー市を結ぶ三角一帯制圧をめざして、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

AFP(5月27日付)によると、米軍主導の有志連合は、シリア民主軍を支援するため空爆を実施、過去4日間で150回以上の空爆を実施したという。

しかし、 米軍中央司令部(CENTCOM)の発表によると25日のシリア領内での空爆実施回数は5回のみ(26、27日の空爆実績については27日現在公表されていない)。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍は、人民防衛隊、女性防衛部隊に加え、サナーディード軍、シリア正教軍事評議会、北の太陽大隊、ジュンド・ハラマイン旅団、ラッカ革命家戦線、ラッカ自由人旅団、解放旅団、第455特殊任務旅団、第99歩兵師団、カアカーア旅団、クルド戦線、サラージカ旅団、スルターン・サリーム旅団、アイン・ジャールート旅団、アレッポ部族軍団、ジャズィーラ旅団連合などからなり、米特殊部隊がこれを後援しているという。

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スワイダー県では、SANA(5月27日付)によると、シリア軍がカスル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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ハマー県では、SANA(5月27日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにイスリヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、車輌を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月27日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、ジバーブ・ハマド村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはYPGと有志連合による「北ラッカ解放作戦」を尻目に、アレッポ県のトルコ国境地帯で勢力を一気に拡大(2016年5月27日)

アレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門アアマーク通信、シリア人権監視団によると、ダーイシュが県北西部のトルコ国境地帯(マーリア市およびアアザーズ市近郊)でトルコが支援するハワール・キリス作戦司令室に攻勢を強め、カフルカルビーン村、カルジャブリーン村、ナッダ村、ナイヤーラ村(および近郊の科学研究センター)、カフルブライシャ村、ターティーヤ村、タッル・フサイン市を制圧した。

シリア人権監視団によると、これによりダーイシュはアアザーズ市とマーリア市を結ぶ反体制武装集団の兵站線を遮断、マーリア市そしてその近郊のシャイフ・イーサー村への包囲が強化された。

これに関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)は、ダーイシュによる侵攻を認めたうえで、ハワール・キリス作戦司令室がその後、有志連合の空爆による航空支援を受け、このうちカルジャブリーン村内の複数拠点を奪還したと伝え、シリア人権監視団も有志連合の空爆などで、ナイヤーラ近郊の科学研究センターへのダーイシュの包囲が解除されたと発表した。

なお、シリア人権監視団によると、数週間前に、ダーイシュ最強部隊と目されるアブー・アンサーリー・ムハージル大隊がハサカ県南部およびラッカ県北部の前線からの撤退を命じられ、同大隊戦闘員約400人がアレッポ県北西部のトルコ国境地帯に再配置されていたという。

Kull-na Shuraka', May 27, 2016
Kull-na Shuraka’, May 27, 2016

ARA News(5月27日付)によると、ダーイシュの進軍を受け、住民約500人が、西クルディスタン移行期民政局の支配下のアフリーン市方面に避難した。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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大統領府はロシアが地方分権などを定めた新憲法案をシリア政府に提示したとの報道を全面否定(2016年5月27日)

シリア大統領府はFacebookの公式アカウントを通じて声明を出し、ロシアがシリア政府に新憲法草案を提示したとする一部報道に関して、事実に反するとして全面否定、「将来の憲法は、それがいかなるものであれ、外国から提示されず、シリア人によるものとなる」と強調した。

ロシアからの新憲法案提示は、シリア政府に近い立場をとるレバノン日刊紙『アフバール』(5月24日付)が最初に報じたもので、草案は国号を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に改め、大統領の宗教をイスラーム教と定めた条項の廃止、議会解散権などを有する大統領の権限縮小、地方分権などが定められているという。


AFP, May 27, 2016、al-Akhbar May 24, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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西側諸国は人道支援物資の空からの投下を求めるデミストゥラ特別代表の提案に対し国連安保理で消極姿勢を示す(2016年5月27日)

国連安保理で、シリア情勢への対応を協議するための非公式会合が開かれた。

会合には、スイスの首都ジュネーブからスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がビデオ会議システムで参加、シリア政府と反体制派の和平協議の進捗などについて報告した。

『ハヤート』(5月28日付)によると、米国、英国、フランスといった西側諸国は会合で、人道支援物資を空から投下することが「困難、複雑、そして費用がかかる」とし、デミストゥラ国連特別代表の案に消極的な姿勢を占めす一方、ロシアに対して、人道支援物資の陸路での搬送をシリア政府に認めさせるべく圧力をかけるよう要請したという。

一方、SANA(5月27日付)によると、会合でシリアのバッシャール・ジャアラフィー国連代表は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線と共闘するシャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍を、アル=カーイダおよび関連組織に対する国連安保理の制裁委員会が定める制裁対象リストに追加するよう求めたロシアの提案を拒否した国々(米英仏など)が、シリア国民に対して不当な措置を講じていると指摘、これを非難した。

AFP, May 27, 2016、AP, May 27, 2016、ARA News, May 27, 2016、Champress, May 27, 2016、al-Hayat, May 28, 2016、Iraqi News, May 27, 2016、Kull-na Shuraka’, May 27, 2016、al-Mada Press, May 27, 2016、Naharnet, May 27, 2016、NNA, May 27, 2016、Reuters, May 27, 2016、SANA, May 27, 2016、UPI, May 27, 2016などをもとに作成。

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