米国務省はシリア政府が関与しているとされるカプタゴンの生産や拡散に対抗するための戦略を記した報告書を議会に提出(2023年6月29日)

米国務省は、シリア政府が関与しているとされるカプタゴンの生産や拡散に対抗するための戦略を記した報告書を議会に提出した。

報告書は以下4点を骨子とする。

1. 法執行機関の捜査に対する外交面および諜報面の支援。
2. シリアの体制の密輸ネットワークを標的とした経済制裁やそのほかの金融措置の活用。
3. 麻薬を撲滅し、カプタゴンなどの違法薬物の製造に使用される違法合成薬物の供給を絶つのに必要な能力を構築するための協力国への支援や教練、多国間による関連機関の協力。
4. シリアの体制への外交圧力。

AFP, June 30, 2023、ANHA, June 30, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2023、Reuters, June 30, 2023、SANA, June 30, 2023、SOHR, June 30, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領長男のハーフィズ氏がモスクワ大学で純粋数学の修士号を取得、アスマー夫人がモスクワでの修了式・学位授与式に参列(2023年6月29日)

シリアの優秀創造性機構(DCA)はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/DCA.SYRIA/)などを通じて、アサド大統領の長男のハーフィズ・バッシャール・アサド氏がロシアのM.V.ロモノーソフ・モスクワ国立総合大学(モスクワ大学、МГУ)の大学院修士課程を修了し、純粋数学の修士号を取得したと発表した。

https://www.facebook.com/DCA.SYRIA/posts/pfbid02zRkrBBJj1FiuGdCWexr2CuE58RnnXP5RfF4XxzYuwg4QaAUuKqacpbqx5ADajgC4l

ハーフィズ氏のウラジーミル・チュバリコフ教授の指導のもと、「整数の二次関数の値の合計として現れる整数」と題した修士論文を提出し、論文審査試験を優秀な成績を収めて、修了証書を受け取った。

ハーフィズ氏は、大学が優秀な学生に対して認める措置として、2年間の課程を1年で修め、修士号を取得した。

なお、ハーフィズ氏は、国際科学オリンピックへの参加経験があり、2018年に高等教育を優秀な成績で修了、応用科学テクロノジー高等研究所に就学、その後2022年にモスクワ大学の大学院に進学していた。

修了式・学位授与式には、母親で、DCCの会長を務めるアスマー・アフラス大統領夫人も参列した。

RIAノーヴォスチ通信(6月29日付)によると、アスマー夫人は、ヴィクトル・A・サドーヴニチィ総長の招待を受け、ロシアを訪問した。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、RIA Novosti, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル占領下のゴラン高原で巨大な爆発が発生(2023年6月29日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるハドル村に面するイスラエル占領下のゴラン高原(サヒータ地区)で巨大な爆発が発生した。

イナブ・バラディー(6月29日付)によると、爆発は、イスラエル軍が同地に敷設していた地雷を爆発させたことによるもの。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、‘Inab Baladi, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県とイドリブ県の各所でシャーム解放機構の活動に反対する抗議デモ続く(2023年6月29日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内に位置するアレッポ県のバーブ市、スーラーン・アアザーズ町、シャーム解放機構の支配下にあるアレッポ県のカフラ村、イドリブ県のカラーマ国内避難民(IDPs)キャンプ群、カフルタハーリーム町で、住民が、シャーム解放機構の活動やアブ・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に抗議するデモを行い、逮捕者の釈放を求めた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード2.1~4.9の地震が5回発生したと発表(2023年6月29日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にハマー県西部、トルコ、イラク・イラン国境地帯、シリア・トルコ国境地帯を震源とするマグニチュード2.1~4.9の地震が5回発生したと発表した。

SANA(6月29日付)が伝えた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国連総会はシリアが反発するなか、同国での行方不明者の消息を調査するための独立機関の設置を決定する一方、安保理では越境(クロスボーダー)人道支援延長をめぐる審議が本格化(2023年6月29日)

国連総会(193ヵ国)は、2011年以降シリアで、当局によって拘束されるなどして失踪したとされる行方不明者約10万人の消息を調査するための独立機関(シリア・アラブ共和国における失踪者にかかる独立機関)の設置を定めた決議案を賛成多数で決定した。

決議案はルクセンブルグが提出、米英仏、日本など83ヵ国が賛成、シリア、ロシア、中国、イラン、キューバ、北朝鮮、ベネズエラなど11ヵ国が反対、インドなど62ヵ国が棄権した。

決議採択を受けて、シリアのバッサーム・サッバーグ国連代表は、この機関設置を定めて決議について、「シリアを標的とした、政治利用された新たな決議で、シリアの内政にあからさまに干渉しようとする姿勢を明らかに反映しており、米国を筆頭とする一部西側諸国がシリアに対して敵対的な手法を継続しようとするさらなる証拠だ」と非難した。

賛成した83ヵ国は、アルバニア、アンドラ、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ベニン、ボスニアヘルツェゴビナ、ブラジル、ブルガリア、カーボベルデ、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、キプロス、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、ドミニカ、エクアドル、エストニア、フィジー、フィンランド、フランス、ガンビア、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、ホンジュラス、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、キリバス、クウェート、ラトビア、リベリア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、マーシャル諸島、メキシコ、ミクロネシア、モナコ、モンテネグロ、ミャンマー、オランダ、ニュージーランド、北マケドニア、ノルウェー、パラオ、パナマ、パプアニューギニア、ペルー、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、モルドバ、ルーマニア、サモア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、スペイン、スリナム、スウェーデン、スイス、トンガ、トルコ、ウクライナ、英国、米国、ウルグアイ、バツアツ。

反対した11ヵ国、バラルーシ、ボリビア、中国、キューバ、北朝鮮、エリトリア、イラン、ニカラグア、ロシア、シリア、ザンビア。

棄権した62ヵ国は、アルジェリア、アンゴラ、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレーン、バングラデシュ、ベリーズ、ブルネイ、ブルンジ、カンボジア、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、ジプチ、エジプト、エルサルバドル、エチオピア、ガボン、ガーナ、ガイアナ、インド、インドネシア、イラク、ヨルダン、カザフスタン、ケニヤ、キルギスタン、ラオス、レバノン、マダガスカル、マレーシア、モーリタニア、モーリシャス、モンゴル、モロッコ、ネパール、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、フィリピン、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、サウジアラビア、セネガル、セルビア、シンガポール、ソロモン諸島、南アフリカ、スリランカ、タジキスタン、タイ、東チモール、トーゴ―、トリニダード・トバゴ、チュニジア、ウガンダ、アラブ首長国連邦、タンザニア、ウズベキスタン、ベトナム、イエメン。

**

国連安保では、シリアの人道・政治情勢にかかる会合が開かれた。

会合では、マーティン・グリフィス国連人道問題担当事務次長とナジャート・ルシュディー国連シリア担当副特使が、7月10日に失効するシリアへの越境(クロスボーダー)での人道支援の期間を12ヵ月再延長するよう訴えた。

**

これに対して、シリアのバッサーム・サッバーグ国連代表は、シリアにおける人道状況の改善には、シリアへの持続的な支援を充実させることが必要だとしたうえで、早期復旧プロジェクトへの支援を求めた。

また、難民の帰還をめぐる問題を政治利用すべきでないと主張するとともに、境界経由(クロスライン)による人道支援の輸送に何らの進展が見られず、越境支援では物資を届けることができない要支援者への支援が、テロ組織による境界経由支援への妨害によって行えていないと訴えた。


イナブ・バラディー(6月29日付)、SANA(6月29日付)などが伝えた。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省はスウェーデンでイスラーム教の聖典コーランが燃やされた事件をもっともも厳しい表現で非難(2023年6月29日)

外務在外居住者省の公式筋は声明を出し、スウェーデンでイスラーム教の聖典コーランがイラクからの難民とされる男性によって燃やされた事件について「もっともも厳しい表現で非難する」と発表した。

また、アラブ作家連合、ビラード・シャーム・ウラマー連合も声明を出し、これを非難した。

SANA(6月29日付)が伝えた。

**

スウェーデンでは、首都ストックホルムで28日、コーランを燃やす抗議行動があった。

ロイター通信(6月29日付)などによると、モスクの前で行われた抗議行動は2人の男性による小規模なもので、2人のうちの1人がモスクの外でコーランを破き、それで自分の靴を拭いた後に燃やした。

火をつけた男性は、イラクから数年前に逃れてきたという難民で、コーランの内容を批判していたとされる。

周囲にいた約200人がこの様子を目撃し、「(コーランを)燃やせ」などと叫ぶ賛同者もいたという。

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合がシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に10回違反したと発表(2023年6月29日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合がシリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」への違反を続けているとしたうえで、29日の1日間で10回の違反を確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(6月29日付)が伝えた。

RIA Novosti, June 29, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局はシリア難民40人をシリアに強制退去(2023年6月28日)

ラッカ県では、ANHA(6月29日付)が地元筋の話として伝えたところによると、トルコの当局が、同国で暮らしていたシリア難民40人あまりに「自発的帰還」を望むとする書類への署名を強要、トルコの占領下にある「平和の泉」地域内に位置するタッル・アブヤド市のシリア国民軍憲兵隊に身柄を引き渡した。

シリア人権監視団によると、強制退去を余儀なくされたのは約30人で、250トルコ・リラの一時金を支給され、シリア国民軍に身柄を引き渡されたという。

**

一方、イナブ・バラディー(6月29日付)は、キリス県にあるいわゆるキリス・キャンプで暮らしていた難民約40人がキャンプからの逃走を図ったことを受け、130人をシリアに強制退去させたと伝えた。

https://www.facebook.com/ahmed.katiee/posts/pfbid035xHfGmp9vwFcbp9H7gJypJ4G6GKA92sFq4W6iCXR9ZgrW2fct36Q2njhbPM1mvqql?ref=embed_post

AFP, June 29, 2023、ANHA, June 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2023、‘Inab Baladi, June 29, 2023、Reuters, June 29, 2023、SANA, June 29, 2023、SOHR, June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国防総省高官はシリア国内でワグネル・グループ社の司令官多数が拘束されたと主張する一方、『ウォール・ストリート・ジャーナル』はロシアがシリアに対して同社の部隊をロシアに送還しないよう求めたと伝える(2023年6月28日)

スカイ・ニュース・アラビア語版(6月28日付)は、米国防総省の高官の話として、ロシア軍の諜報機関がシリア国内でワグネル・グループ社の司令官多数を拘束したと伝えた。

同サイトによると、これに関して、ドイツの国防省の元高官も、シリア軍とロシア軍がシリア国内でワグネル・グループ社の要員多数を拘束したと主張していた。

**

一方、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月28日付)は、26日のロシアのセルゲイ・ヴェルシニン外務副大臣のシリア訪問とアサド大統領との会談について、ヴェルシニン外務副大臣がシリア側に対して、ロシア政府と連携せずにワグネル・グループ社の部隊をロシアに送還しないよう求めるとともに、シリア各地に駐留する同社の戦闘員に対して、シリア駐留ロシア軍の司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に帰還するよう指示したことを粗かにした、と伝えた。

Sky News Arabic, June 28, 2023、The Wall Street Journal, June 28, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:ロシア軍はシリアで活動するワグネル・グループ社の部隊に、シリアを立ち去るか、ロシア軍に従軍しするかを選ぶよう求める(2023年6月28日)

シリア人権監視団は、ロシア軍が、シリアで活動するワグネル・グループ社の部隊に対して、シリアを立ち去るか、ロシア軍に従軍し、シリア駐留ロシア軍司令部のもとで任務を継続するかのいずれかを選ぶための猶予を与える一方、同社の業務を請け負ってきたシリアの業者との契約解除を進めていると発表した。

この動きは、ワグネル・グループ社の創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏がロシアで武装反乱(24日)を企てたことを受けたもの。

同監視団によると、シリアにはワグネル・グループ社によって雇われた、旧ソ連諸国出身の戦闘員が2,000人以上駐留している。

**

なお、同監視団によると、シリア国内には、旧ソ連構成諸国出身の戦闘員2,000人以上が駐留している一方、シリア人3,000人以上を戦闘員として雇用している。

戦闘員には、月額で1200~4000米ドルが報酬として支払われてきた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023、June 29, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved

イドリブ県、アレッポ県でシリア軍と「決戦」作戦司令室の戦闘続く(2023年6月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるカフルナブル市近郊の森林地帯の前線でシリア軍兵士を狙撃、1人を負傷させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、シャーム解放機構に所属するズバイル・ブン・アウワーム旅団がカフルバッティーフ村近郊のシリア軍の12.7mm砲の砲座を攻撃、これを破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がシリア政府の支配下にある第46中隊基地一帯を砲撃した。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県アズバ村でダーイシュのスリーパーセルと見られる武装グループが住民1人を殺害(2023年6月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるアズバ村にあるガソリンスタンド近くで、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと見られるオートバイに乗った武装グループが、住民1人を銃で撃ち、殺害した。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がハサカ県アームーダー市近郊を移動中の車をドローンで爆撃(2023年6月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアームーダー市近郊を移動中の車を無人航空機(ドローン)で爆撃した。

爆撃による死傷者はなかった。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県、アレッポ県各所でシャーム解放機構の活動を批判するデモが行われる一方、同機構を批判するビラが貼られる(2023年6月28日)

シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「ユーフラテスの盾」地域内に位置するアレッポ県のアアザース市、バーブ市、スーラーン・アアザーズ町、シャーム解放機構の支配下にある同県のアターリブ市、サッハーラ村、バービカ村、イドリブ県のタルマーニーン村、ダイル・ハッサーン村近郊の国内避難民(IDPs)キャンプで、住民数十人がシャーム解放機構の活動やアブ・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に抗議するデモを行い、逮捕者の釈放を求めた。

一方、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のカフルタハーリーム町、ハルブヌーシュ村、アレッポ県のアターリブ市の墓地、カフル・ヌーラーン村、アブザムー町、ジーナ村で、同機構とジャウラーニー指導者を批判するビラが何者かによって貼られていたのが発見された。

ビラには、「我々は体制に引き渡された。地上よりも土の下の方が(お前にとって)ふさわしい」、「ジャウラーニーは倒れる」などと書かれていたという。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

PYDに近いハーワール通信(ANHA)は、シリア人権団体・機関連合運営機構がシリア・ロシア軍によるジスル・シュグール市爆撃を非難する声明を出したと伝える(2023年6月28日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いハーワール通信(ANHA)は、シリア人権団体・機関連合運営機構が声明を出し、6月25日にシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県ジスル・シュグール市の大衆市場に対してシリア軍とロシア軍が行った爆撃を非難、犠牲者に弔意を示すとともに、すべての暴力を即時に停止するよう呼びかけたと伝えた。

シリア人権団体・機関連合運営機構は、96の人権団体、人権機関からなる連合体だという。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】UAEでの治療を終えた被災者3人がシリアに帰国し、ラタキア県知事の慰問を受ける(2023年6月28日)

ラタキア県のアーミル・ヒラール知事は、アサド大統領とアスマー・アフラス夫人の名代として、アラブ首長国連邦(UAE)での治療を終えて帰国した被災者3人(マフムード・スクールさん、ラウワーン・イーサーさん、アリー・ランムーさん)を慰問した。

3人は、28日朝にダマスカス国際空港に帰国、ラタキア県に移動していた。


SANA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はイード・アル=アドハーを記念して、シリア軍武装部隊の将兵、軍関係の民間職員らに祝意を表す(2023年6月28日)

アサド大統領(兼軍・武王部隊総司令官、大将)は、イスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)を記念して、シリア軍武装部隊の将兵、軍関係の民間職員らに祝意を表し、その健康と愛国的義務遂行における成功を祈るメッセージを送った。

SANA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アッバース国防大臣はイード・アル=アドハーを記念して、アレッポ県の部隊、航空基地、ダマスカス県のティシュリーン軍事病院などを視察(2023年6月28日)

アリー・マフムード・アッバース国防大臣(兼軍・武装部隊副司令官)は、アサド大統領(兼軍・武装部隊総司令官)の指示を受け、イスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)を記念して、シリア軍総司令部の士官を伴い、アレッポ県の部隊、航空基地、ダマスカス県のティシュリーン軍事病院などを視察した。



SANA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領はムハンマドUAE大統領とイード・アル=アドハーの祝電を交わす(2023年6月28日)

アサド大統領はアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領とイスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)の祝電を交わした。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は首都ダマスカスのモスクで、イスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)の集団礼拝を行う:導師を務めたブーティー博士はシリアの勝利を宣言(2023年6月28日)

アサド大統領は、首都ダマスカスのムハージリーン地区にあるアフラム・モスクを訪れ、イスラーム教の犠牲祭(イード・アル=アドハー)の集団礼拝を行った。

集団礼拝は、ビラード・シャーム・ウラマー連合のムハンマド・タウフィーク・ラマダーン・ブーディー博士の主導のもとに行われ、アサド大統領のほか、ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣をはじめとするフサイン・アルヌース内閣閣僚、人民議会議員、バアス党幹部、イスラーム教のウラマー、住民らとともに行った。

ブーディー博士はまた、アサド大統領らを前に説教を行い、以下の通り述べた。

今年のイードは、より良い明日への吉報を携えている点で、過去数年のイードとは異なっている。おそらくそれは、長らく続いてきた苦しもが終わることへの希望だ。我々のウンマは幾年も凶作のなかで暮らし、その間、そして今も危機と苦難に苦しんでおり、多くの人々が貧困にあえいできた。我々は、傲慢な者でなければ否定しないような豊かな暮らしを送ってきたが、その後多くの血が流された。
我々の祖国と同胞が享受してきたこの繁栄と安定にうんざりしている者も一部にはいたようだ。こうした彼らが自らのツールを駆使して、反乱や危機を煽り、多くの災難をもたらした。おそらくは、そうした災難のなかで、西側諸国にいた我々の同胞は道に迷い、祖国が作り出した能力が西側に資するところとなった。彼らの子供たちは囚われの身となり、彼らにふさわしいとされる行動や教育の型にはめられ、人口減少を補うための単なる人的な物質に成り下がった。
我々の祖国は多くの苦しみを味わい、同胞は指導部の不屈の精神のもと、凶作の年を耐え抜いた…。敵対的な行動をとることで、祖国とウンマの崩壊に賭けた者たちは、それが誰であれ、我々のウンマが、勝利を目指して毅然とした態度をとるという決断を下していたことを悟るべきだ。
我々が勝利の兆候が表れているのを目にするなかで、アラブの姉妹国は、我々のウンマに寄り添うことを決意した。祖国の空から逆境の雲を消し去る善の兆しが現れた。賭けを行った者たちは自分たちの賭けが失敗したことを理解した。明日は昨日とは異なっていることを。シリアが勝利したことを。アッラーがウンマを救援し、支え、この試練を経たウンまいをより強力に復活させ、より良い状態しますように。














https://www.youtube.com/shorts/arUGwigndMA?feature=share

SANA(6月28日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/pfbid0RdeMuJM7Bfrm4n6ekbJi2bwitQxwDszEGC5ZKakvuhnwE2WQwLpgLwp6n8HXrPzGl

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国防省はロシア空軍との協力のもと、イドリブ県アルバイーン山地方にあるテロリストの拠点複数ヶ所を攻撃し、テロリスト数十人を殺害、複数を負傷させたと発表(2023年6月28日)

国防省は声明を出し、ロシア空軍との協力のもと、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県アルバイーン山地方にあるテロリストの拠点複数ヶ所を攻撃し、テロリスト数十人を殺害、複数を負傷させたと発表した。

シリア人権監視団などによると、ロシア軍は26日にイドリブ県のザーウィヤ山地方のサルジャ村とアルバイーン山地方一帯を7回にわたって爆撃、これによってザーウィヤ山地方にあるシャーム解放機構の拠点が標的となり、同機構に所属するハムザ旅団のメンバー8人が死亡、複数が負傷していた。

爆撃は、ハマー県の住宅地区の民間人に対してテロ組織が連日繰り返す攻撃への報復で、シリア軍はロシア軍の協力ものと、爆撃および高性能精密ミサイルで、武器、装備、偵察用および爆撃用の無人航空機(ドローン)、盗聴妨害機などを貯蔵していたテロ組織の拠点複数ヶ所を攻撃し、これを完全に破壊、テロリスト数十人を殺傷した。

殺害したテロリストのなかには、アブー・カラムー・ムーラク、ダーウード・ムハンマド、アブー・サイフ・ムスタファー・サーヒリー、ハイダラ・マフムード・イドリブ、アブー・バラー・アビーン、アブー・サイフー・ハマウィー、アブー・ムジャーヒド・ラビーウ・ガーブ、アブー・ズバイル・サルジー、ラドワーン・ライハーン、アブドゥルハミード・アカル、アブー・アフマド・シャイフ・スィンディヤーンといった指導者が含まれていた。

https://youtu.be/ERw4wh8qFoU

https://www.facebook.com/mod.gov.sy/videos/1058450642199759/

SANA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 26, 2023、June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード2.0~3.9の地震が8回発生したと発表(2023年6月28日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にアレキサンドレッタ地方(トルコのハタイ県)、トルコを震源とするマグニチュード2.0~3.9の地震が8回発生したと発表した。

SANA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2023、ANHA, June 28, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2023、Reuters, June 28, 2023、SANA, June 28, 2023、SOHR, June 28, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア公式筋:ワグネル・グループ社は現在、シリアでの軍事作戦に参加していない(2023年6月27日)

RTアラビア語版(6月27日付)は、シリアの複数の公式筋の話として、シリア国内でロシアのワグネル・グループ社が現在いかなる活動も行っていないと伝え、同国での軍事作戦に参加しているとの見方を否定した。

RT Arabic, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県サルマダー市で住民らがシャーム解放機構の活動に抗議するデモを行い、逮捕者の釈放を求める(2023年6月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるサルマダー市で、住民らがシャーム解放機構の活動に抗議するデモを行い、同機構によって拘束された逮捕者の釈放を求めた。

イナブ・バラディー(6月27日付)によると、住民数十人はテントを設営し、抗議のための座り込みを行った。

これに対して、シャーム解放機構の総合治安機関はデモが行われた地域を包囲、参加者を強制排除した。

https://www.facebook.com/ahmadasmar12848/posts/pfbid02QdYTuneeBaAuU8ZT8gxzx7CTjKpevdpU7qL9uLrXbLdwyh3KxFLKStAG8J2t5DNbl?ref=embed_post

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、‘Inab Baladi, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプに支援物資が輸送される(2023年6月27日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、米国が違法に駐留するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)内にあるルクバーン・キャンプにタンフ国境通行所の基地方面から支援物資が輸送された。

物資が輸送されるのは20日に続いて2回目。

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県でダーイシュのスリーパーセルと見られる武装グループがシリア軍兵士1人とアサーイシュの女性隊員1人を殺害(2023年6月27日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと見られるオートバイに乗った武装グループがスバイハーン市でシリア軍兵士を銃で撃ち、殺害した。

また、ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるブサイラ市近郊の街道で、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと見られるオートバイに乗った武装グループが、内務治安部隊(アサーイシュ)の女性隊員を襲撃、殺害した。

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍戦闘機がイドリブ県ザーウィヤ山地方などを7回にわたって爆撃し、シャーム解放機構メンバー8人を殺害(2023年6月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のサルジャ村、アルバイーン山地方一帯を7回にわたって爆撃した。

この爆撃で、ザーウィヤ山地方にあるシャーム解放機構の拠点が狙われ、同機構に所属するハムザ旅団のメンバー8人が死亡、複数が負傷した。

シリア軍も、ザーウィヤ山地方のバーラ村一帯を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村を砲撃し、住民2人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、サフワ村とジュビーブ村を結ぶ街道に設置されているシリア軍第5軍団の検問所で、静止を振り切って通過しようとした若者2人と検問所に駐留する部隊が交戦、若者1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構は同機構の軍事部門の幹部と総合治安局の幹部複数人をシリア政府や米主導の有志連合と内通していた容疑で逮捕(2023年6月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がトルコの国家情報機関(MIT)から得た情報をもとに、同機構の軍事部門の幹部と総合治安局の幹部複数人をシリア政府や米主導の有志連合と内通していた容疑で逮捕した。

逮捕された場所は不明だが、シャーム解放機構は数日前からイドリブ市、ジスル・シュグール市、サルキーン市、アティマ村で厳戒態勢を強めていた。

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍戦闘機1機ダルアー県ダーイル町とヤードゥーダ村の一帯に対して2回の爆撃を実施(2023年6月27日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍所属と見られる戦闘機1機が、ダーイル町とヤードゥーダ村の一帯に対して2回の爆撃を実施した。

爆撃は2018年半ば以来約5年ぶり。

この爆撃により、爆撃現場近くのテントに家族と居住している子供2人が負傷した。

HFL(6月27日付)によると、爆撃を行ったのはシリア軍に所属するSu-24戦闘機で、ヒムス県のタイフール航空機(T4航空基地)を離陸して、爆撃を行った。

AFP, June 27, 2023、ANHA, June 27, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2023、HFL, June 27, 2023、Reuters, June 27, 2023、SANA, June 27, 2023、SOHR, June 27, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.