ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は4件の違反を確認(2018年8月8日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月8日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県2件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも4件(ラタキア県2件、ハマー県2件)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 8, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:6日に難民207人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は5,985人に(2018年8月7日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月7日付)を公開し、6日に難民207人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は5,985人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者5,667人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は695万6,573人(うち女性198万1,039人、子供336万7,766人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 7, 2018をもとに作成。

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マニング米国防総省報道官はトルコ閣僚の資産凍結がマンビジュ市一帯での両国の連携に悪影響を及ぼさないと述べる(2018年8月7日)

米国防総省のロバート・マニング報道官(大佐)は、「トルコを信頼できる同盟国とみなしており、トルコの安全保障上の懸念を尊重する…。トルコはNATOにおける我々のパートナーであり、同国との軍事的関係は極めて信頼できるものだ」と述べた。

マニング報道官はまた、トルコ当局がテロ組織を支援したなどとして米国人牧師(アンドリュー・ブランソン氏)を長期拘束していることへの対抗措置として、米国がアブドゥルハミト・ギュル法務大臣とシュレイマン・ソイル内務大臣の資産凍結や米国人との商取引禁止といった制裁を科したが、アレッポ県マンビジュ市一帯の処遇をめぐる両国の行程表の実施に悪影響を及ぼさないかとの問いに対して、「トルコとの合同パトロール任務の実施にかかる問題は期限が必要で、熟慮する必要がある。だが、地域の安全保障を危機に晒すことはできない」と答え、これを否定した。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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ナウアート米国務省報道官はシリア政府による民間人の体系的に逮捕、拷問、殺害を非難(2018年8月7日)

米国務省のヘザー・ナウアート報道官は、シリア国内の刑務所で政治犯数千人が死亡しているとの情報に関して、報道向け声明で「国際社会は、(シリア)政府が、自由、権利、政治改革を合法的且つ非暴力的に求めるシリアの市民数万人を体系的に逮捕、拷問、殺害していると長らく疑ってきた。そしてそのことを決して忘れることができない」と非難した。

ナウアート報道官はまた「複数の人権団体によると、2011年にシリアで騒乱が始まって以降、少なくとも11万7000人が拘束、ないしは失踪した…。そのほとんどが、政府に拘束されたと信じられている」としたうえで、「米国はアサド政権の残酷な行為を改めて非難し、国際法や国際的基準を遵守するよう求める」と付言した。

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なお、反体制派支配地域での被害状況について情報発信する反体制派系NGOのシリア人権ネットワークは8月2日、2018年7月の1ヶ月間に、547人がシリア当局の拷問を受けて殺害されたと主張していた(http://sn4hr.org/blog/2018/08/02/52517/)。

同ネットワークによると、2011年3月から2018年8月に当局の拷問で殺害された市民の総数は1万3692人。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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中国外務省はロシア・シリア両軍によるイドリブ県奪還作戦への軍派遣を否定(2018年8月7日)

中国外務省は声明を出し、新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党などが活動を続けるイドリブ県に対するロシア・シリア軍の攻撃への参加を中国が検討しているとの一部情報を否定した。

中国外務省は声明で「我々は中華人民共和国がイドリブでの作戦に参加するために部隊を派遣するとの報道が誤りで、大使や駐在武官の発言が誤訳されたことによると告知したい…。中国の立場は明確且つ周知の通りで、それはシリア危機の解決を政治的に支援するというものだ」と表明した。

中国の部隊派遣に関しては『ワタン』紙(8月1日付)が中国大使館の大使および駐在武官の発言として伝えていた。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018、al-Watan, August 7, 2018などをもとに作成。

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スルターン・ムラード師団と対立していた第51旅団の司令官がトルコの実質占領下のアレッポ県アフリーン郡で遺体で発見(2018年8月7日)

アレッポ県では、ANHA(8月7日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ジンディールス町近郊で、第51旅団の司令官の1人ウマル・カドルー氏が遺体で発見された。

カドルー氏は何者かによって拉致されており、それがきっかけでバーブ市で第51旅団とスルターン・ムラード師団の対立が激化、武力衝突に発展していた。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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YPGに近い「オリーブの怒り」作戦司令室はトルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡でシャーム軍団メンバーを殺害(2018年8月7日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)に近い「オリーブの怒り」作戦司令室は声明を出し、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡(アレッポ県)のジンディールス町近郊で8月6日に、シャーム軍団のメンバー1人を殺害したと発表した。

ANHA(8月7日付)が伝えた。

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アレッポ県では、ANHA(8月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の実効支配下にあるマンビジュ市で爆発が発生した。

死傷者はなかった。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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トルコはアル=カーイダと共闘関係にあった元親米のヌールッディーン・ザンキー運動の司令官をアレッポ県アフリーン郡で拘束(2018年8月7日)

アレッポ県では、ANHA(8月7日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡のカフルサフラ村で、トルコ軍が、バラク・オバマ前米政権の支援を受け、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構にも一時合流していたヌールッディーン・ザンキー運動の司令官の1人であるフサイン・バルマジャ氏とそのいとこで憲兵隊の隊員を務めるラーリシュ・アブドゥッラフマーン氏を拘束した。

拘束した理由は不明。

ANHA, August 7, 2018

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県を爆撃し、ダーイシュ戦闘員28人を殺害(2018年8月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県東部のミルフ油田一帯を爆撃・砲撃し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員少なくとも28人が死亡した。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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ハック国連事務総長副報道官はイドリブ県へのロシア・シリア両軍の攻撃を非難(2018年8月7日)

ファルハーン・ハック国連事務総長副報道官は、反体制武装集団最後の拠点であるイドリブ県に対してロシア・シリア両軍が準備しているとされる攻撃に関して、「イドリブで暴力が続き、民間人が殺害され、都市インフラが破壊されることを大いに懸念する…。国連は民間人、救援隊員、都市インフラ、人道インフラへの攻撃を強く非難し、すべての当事者、そして彼らに影響力を行使できる者(ロシア)に、民間人とインフラの保護を補償するよう呼びかけ続ける」と述べた。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は、シリア政府との関係改善が支配地域の人権団体の活動を阻害しないと明言(2018年8月7日)

クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体のシリア民主評議会は、シリア民主軍支配地域で活動する人権団体の代表とラッカ県アイン・イーサー市で会合を開いた。

会合には、イルハーム・アフマド執行委員会共同議長、アブドゥルカーディル・ムワッハド開発人権問題局共同議長、ズーザーン・アッルーシュ同共同議長が出席した。

アフマド執行委員会共同議長は会合で、7月26日のダマスカスでのシリア政府高官との会合の内容について説明、シリア政府との関係修復が支配地域の人権団体の活動を阻害することはないと明言した。

ANHA(8月7日付)が伝えた。

ANHA, August 7, 2018

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党などがラタキア県北東部のシリア軍拠点を攻撃(2018年8月7日)

ラタキア県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍が県北東部のハヤート村方面に侵攻しようとした反体制武装集団を撃退した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(8月7日付)によると、イスラーム山地大隊を名乗る武装集団がトゥルクマン山にあるシリア軍拠点を攻撃した。

また、シリア人権監視団によると、トルキスタン・イスラーム党をはじめとするイスラーム過激派が、同地に侵攻し、シリア軍兵士、親政権民兵少なくとも8人が死亡した。

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ハマー県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍が県北部のラハーヤー村、ラターミナ町にある反体制武装集団(イッザ軍、トルキスタン・イスラーム党など)の拠点を砲撃した。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はスワイダー県のダーイシュ支配地域への進軍と攻撃を続ける(2018年8月7日)

スワイダー県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに、ダーイシュ(イスラーム国)が活動を続ける県東部および北東部の砂漠地帯への展開を続けるとともに、ダーイシュの拠点に対する爆撃・砲撃を行った。

攻撃は、ヒルバト・アンバーシー地区東部のカブル・シャイフ・フサイン地区にあるダーイシュの司令拠点などに対して行われ、同拠点に対する爆撃では、戦闘員70人以上を殲滅したという。

一連の攻撃で、シリア軍は、タムゥーナ地区、ハーウィヤト・アブド地区、ラフフ丘、ズバイリーヤート地区、ルスーム・マナーティール地区、シャーム丘、ジャムラ峰などを制圧した。

また、フスン地区、カラーア地区などでダーイシュと交戦した。

SANA, August 7, 2018

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クナイトラ県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍工兵部隊による爆発物撤去完了を受け、に戦火を避けて避難していた住民がジュバーター・ハシャブ村、タルジャナ村、ウーファーニヤー村、アイン・バイダ村への帰宅を開始した。

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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『ニューヨーク・タイムズ』:ミスヤーフ科学研究センターのイスビル所長暗殺はイスラエルのモサドの犯行(2018年8月7日)

『ニューヨーク・タイムズ』(8月7日付)は、イスビル氏暗殺に関して、中東地域の諜報機関の匿名高官の話として、イスラエルが過去3年で少なくとも4回、外国領内で武器関連分野の技術者の暗殺に関与したとしたうえで、イスラエルのモサドが、シリアのミサイル開発において重要な役割を担っていたイスビル氏の車に爆弾を仕掛けたと思われると伝えた。

同紙によると、イスビル氏はアサド大統領やイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官ら、シリア、イラン両政府の交換に自由に連絡することを認められ、第4セクターと呼ばれる極秘武器開発施設の責任者を務め、シリア製のSM600ティシュリーン・ミサイルの改良や、地下兵器工場(うち1カ所は2017年にイスラエルが爆撃で破壊)の建設にあたっていたという。

The New York Times, August 7, 2018

AFP, August 7, 2018、ANHA, August 7, 2018、AP, August 7, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 7, 2018、al-Hayat, August 8, 2018、Reuters, August 7, 2018、SANA, August 7, 2018、The New York Times, August 7, 2018、UPI, August 7, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは12件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年8月7日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月7日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県7件、ラタキア県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも2件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 7, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:5日に難民274人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は5,778人に(2018年8月6日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月6日付)を公開し、5日に難民274人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は5,778人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者5,460人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は695万6,573人(うち女性198万1,039人、子供336万7,766人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 6, 2018をもとに作成。

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SANAはミスヤーフ科学研究センターのイスビル所長暗殺がイスラエルと米国の犯罪の一環と非難(2018年8月6日)

SANA(8月6日付)は、ミスヤーフ市の科学研究センターのアズィーズ・イスビル所長の暗殺に関して、シリア内戦の混乱に乗じ、「シリアの先端科学の記念碑」とも言える化学技術機構施設に対して幾度となく直接攻撃を加える敵国イスラエルと米国の犯罪を補完するために行われた、と伝えた。

同通信社によると、イスビル氏は4日(5日でなく)、ハマー県ミスヤーフ郡内で乗っていた車に仕掛けられた爆弾が爆発し、死亡した。

シリアでは、2011年に100もの特許を取得している発明家のイーサー・アッブード氏が、また2012年にミサイル開発の専門家であるナビール・ズガイブ少将とその家族が暗殺されている。

SANA, August 6, 2018

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018などをもとに作成。

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反体制派系サイトは東グータ地方の若者約350人が当局に免罪を拒否される一方で、トルコの実質占領地域から帰還した住民多数が逮捕されていると伝える(2018年8月6日)

反体制派系のザマーン・ワスル(8月6日付)は、複数の消息筋の話として、ダマスカス郊外県東グータ地方で4日、シリア北部(イドリブ県、アレッポ県)に退去せずにシリア政府との和解に応じた若者約350人が免罪を拒否されたと伝えた。

ザマーン・ワスルはまた、シリア北部に一旦退去した後、トルコの実質占領下にある同地での生活に満足できず、シリア政府の支配下に復帰した東グータ地方に帰還した住民多数(女性や子供も含む)が当局によって逮捕されていると伝えたが、真偽は定かではない。

同消息筋によると、免罪の拒否は、彼らを徴兵するためだという。

Zaman al-Wasl, August 6, 2018

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018、Zaman al-Wasl, August 6, 2018などをもとに作成。

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反体制派系サイトは治安当局がダイル・ザウル県出身者6万人以上からなる指名手配者リストを作成したと伝える(2018年8月6日)

反体制派系のユーフラテス・ポスト(8月6日付)は、複数の地元消息筋の話として、シリアの治安当局が、ダイル・ザウル県出身者6万人以上からなる指名手配者リストを作成したと伝えた。

リストには女性も含まれており、ブーカマール市、マヤーディーン市に政治治安部、軍事情報局、空軍情報部、総合情報部が支部を復活させ、同地一帯での活動を再開したのを受けて作成・回付されたという。

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、Euphrates Post, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はハマー県北部を激しく砲撃(2018年8月6日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月6日付)によると、シリア軍がザイズーン村など県北部および県北西部を激しく砲撃し、住民約6,500人がトルコ国境方面への避難を余儀なくされた。

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018などをもとに作成。

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シリア軍は、和解に応じた「自由シリア軍」諸派とともに、スワイダー県東部のダーイシュ支配地域への攻撃を本格化(2018年8月6日)

スワイダー県では、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)が活動を続ける県東部および県北東部の砂漠地帯方面に通じるすべての街道一帯への展開を強化するとともに、ダーイシュに対する爆撃・砲撃を激化させた。

スワイダー24(8月6日付)によると、戦闘には、シリア軍第1師団、第10師団、第15師団のほか、ドゥルーズ派の民兵「カラーマの男たち」、バアス大隊などの親政権民兵、そしてスンナ青年旅団などダルアー県でシリア政府との和解に応じた反体制武装集団約100人、砂漠特殊任務旅団などダマスカス郊外県東カラムーン地方で和解に応じた自由シリア軍諸派の戦闘員約100人も参加しているという。

Zaman al-Wasl, August 6, 2018

爆撃は、ワアル地区、カラーア地区、ハティーブ農場、スナイム・ガラズ地区一帯、ディヤーサ地区、ヒルバト・フスン地区、ラズィーン丘などに対して重点的に行われた。

シリア人権監視団によると、シリア軍はスィブキー村東方の拠点2カ所を制圧した。

SANA, August 6, 2018

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ダルアー県では、SANA(8月6日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配から解放されたクーヤ村、サフム・ジャウラーン村で、撤去されていなかった地雷や爆発物が爆発し、住民4人が死亡、15人が負傷した。

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、Suwayda 24, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018などをもとに作成。

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レバノンはシリア難民の自発的帰国を促すために各地に帰国希望者申請受付センターを開設(2018年8月6日)

レバノンの総合治安局は声明を出し、シリア難民の自発的な帰国を促すための措置として、首都ベイルート、レバノン山地県のブルジュ・ハンムード地区、バイトッディーン町、北部県のトリポリ市、クーラ郡、アブダ村、ハルバー市、ブカイア村、南部県のシドン市、ナバティーヤ県のナバティーヤ市、シャブアー農場、ベカーア県のザフレ市、ジュッブ・ジャニーン村、バアルベック市、ヘルメル村、アルサール村に帰国希望者申請受付センターを開設したと発表した。

NNA(8月6日付)が伝えた。

AFP, August 6, 2018、ANHA, August 6, 2018、AP, August 6, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2018、al-Hayat, August 7, 2018、NNA, August 6, 2018、Reuters, August 6, 2018、SANA, August 6, 2018、UPI, August 6, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月6日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月6日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県4件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 6, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月30日~8月5日までの7日間でシリア領内で14回の爆撃を実施(2018年8月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月30日~8月5日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

7月30日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

7月31日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は2回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月2日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は6回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月3日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は4回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月4日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

8月5日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

なお、7月29日に関して、シリア領内のブーカマール市近郊に対して実施された2回の爆撃が、前回の発表内容に含まれていなかったとの訂正がなされた。

CENTCOM, August 6, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:4日に難民274人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は5,778人に(2018年8月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月5日付)を公開し、4日に難民274人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は5,778人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者5,460人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は695万6,573人(うち女性198万1,039人、子供336万7,766人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 5, 2018をもとに作成。

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北朝鮮専門家と親交があり、イラン製ミサイルの開発に携わっていたミスヤーフ科学研究センター所長が暗殺される(2018年8月5日)

ハマー県では、『ワタン』(8月5日付)によると、ミスヤーフ市の科学研究センターのアズィーズ・イスビル所長が乗った車に仕掛けられていた爆弾がラブウー村近郊で爆発し、イスビル所長が死亡した。

al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018

同紙はイスラエルが関与した可能性が高いと指摘したが、アブー・アマーラ特殊任務中隊が声明を出し、暗殺に関与したと発表した。

al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018

ドゥラル・シャーミーヤ(8月5日付)によると、イスビル氏は、アサド大統領の信頼が厚く、北朝鮮の専門家とも親交があり、ヒズブッラーの武器庫建設や、イラン製のファーティフ・ロケットの開発などにあたっていたという。

AFP, August 5, 2018、ANHA, August 5, 2018、AP, August 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018、al-Hayat, August 6, 2018、Reuters, August 5, 2018、SANA, August 5, 2018、UPI, August 5, 2018、al-Watan, August 5, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュはスワイダー県東部で拉致した住民1人を処刑、要求に応じるよう迫る(2018年8月5日)

ダーイシュ(イスラーム国)は、7月25日にスワイダー県東部で拉致した住民(女性・子供)の1人、ムハンナド・ズーカーン・アブー・アンマール氏(19歳)を処刑し、その映像をインターネットを通じて公開した。

映像では、処刑される直前のアンマール氏が、「私はシブキー村出身のムハンナド・ズーカーン・アブー・アンマールです。イスラーム国とドゥルーズ派の交渉が失敗したため、このような運命を辿ることになりました。交渉を行っている人々がイスラーム国の要求に応じなければ、皆が私と同じ運命を辿ります。2018年8月2日木曜日」と述べている。

Facebook, August 5, 2018

AFP, August 5, 2018、ANHA, August 5, 2018、AP, August 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018、al-Hayat, August 6, 2018、Reuters, August 5, 2018、SANA, August 5, 2018、UPI, August 5, 2018などをもとに作成。

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YPG系の「オリーブの怒り」作戦司令室がシャーム自由人イスラーム運動メンバーとトルコの内通者を殺害(2018年8月5日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の系譜を汲む「オリーブの怒り」作戦司令室は声明を出し、トルコの実質占領下にあるアレッポ県バーブ市近郊で、シャーム自由人イスラーム運動を要撃し、メンバー1人を殺害したと発表した。

https://youtu.be/NOoL-nQSskw

「オリーブの怒り」作戦司令室はまた別の声明で、アフリーン郡のダイル・サワーン村でトルコに内通していたアッカーシュ・ハッジ・アフマド・アリー氏を粛正したと発表した。

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一方、ANHA(8月5日付)によると、反体制武装集団はムーバーター村近郊のバアディーナー村の住民9人(うち女性1人)を拉致連行した。

AFP, August 5, 2018、ANHA, August 5, 2018、AP, August 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018、al-Hayat, August 6, 2018、Reuters, August 5, 2018、SANA, August 5, 2018、UPI, August 5, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡で武装集団がヤズィーディー派宗徒にイスラーム教を強要(2018年8月5日)

ANHA(8月5日付)は、トルコの実質占領下にあるアレッポ県アフリーン郡シーラーワー町近郊のバースーファーン村の消息筋の話として、トルコの支援を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団がヤズィーディー派宗徒の住民にイスラーム教の強要していると伝えた。

同消息筋によると、シャーム軍団は、村の子供たちをモスクに通わせ、これを拒否する住民を逮捕しているという。

ANHA, August 5, 2018

またムーバーター村近郊のカーヒラ村でも、ハムザート大隊が住民にイスラーム教を強要しているという。

AFP, August 5, 2018、ANHA, August 5, 2018、AP, August 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018、al-Hayat, August 6, 2018、Reuters, August 5, 2018、SANA, August 5, 2018、UPI, August 5, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍「スワイダー県東部でダーイシュによって拉致された女性と子供を解放するため、拘束中のダーイシュ戦闘員を釈放する用意がある」(2018年8月5日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、7月25日にスワイダー県東部でダーイシュ(イスラーム国)によって拉致された女性と子供を解放するため、拘束中のダーイシュ戦闘員を釈放する用意があると表明した。

AFP, August 5, 2018、ANHA, August 5, 2018、AP, August 5, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 5, 2018、al-Hayat, August 6, 2018、Reuters, August 5, 2018、SANA, August 5, 2018、UPI, August 5, 2018などをもとに作成。

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