ロシアのショイグ国防大臣はイドリブ県の反体制派と平和的解決に向けた協議を行っていると述べるも、国民解放戦線はこれを否定(2018年8月28日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は、「当事者和解調整センターの職員が、イドリブ県の反体制武装集団の司令官やシャイフたちとシリア危機の平和的解決に向けて協議を行っている」と述べた。

協議を行っている武装集団の組織名や司令官の名前は明らかにしなかったが、「現在協議されているもっとも重要な問題はイドリブ県の緊張緩和地帯の状況、そして難民の帰還だ」としつつ、「かつて「穏健な反体制派」と呼ばれていた彼らとの協議はあらゆるレベルで困難なもののだが…、その目的は、ダルアー県やダマスカス郊外県東グータ地方での危機解決と同じように、この地域で平和的に事態を収拾することになる」と付言した。

スプートニク・ニュース(8月28日付)が伝えた。

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これに対して、国民解放戦線は声明を出し、ロシア側との交渉の事実はないと発表した。

AFP, August 28, 2018、ANHA, August 28, 2018、AP, August 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 28, 2018、al-Hayat, August 29, 2018、Reuters, August 28, 2018、SANA, August 28, 2018、Sputnik News, August 28, 2018、UPI, August 28, 2018などをもとに作成。

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ロバック元駐バーレーン米国大使ら有志連合高官がロジャヴァ支配下のダイル・ザウル県東部でアラブ系部族長と会談(2018年8月28日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるダイル・ザウル県東部を視察訪問中のウィリアム・ロバック(William Roebuck)元駐バーレーン米国大使ら有志連合高官一行は、ブサイラ市でアラブ系部族長および同地一帯の地元評議会幹部らと会談した。

会談は非公開で行われ、地域のインフラ整備や社会問題などについて意見が交わされたという。

ANHA(8月28日付)が伝えた。

https://youtu.be/ukRWjH_yV4g

ANHA, August 28, 2018

AFP, August 28, 2018、ANHA, August 28, 2018、AP, August 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 28, 2018、al-Hayat, August 29, 2018、Reuters, August 28, 2018、SANA, August 28, 2018、UPI, August 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:7月18日以降に帰国したシリア難民は9,207人のまま(2018年8月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月28日付)を公開し、7月18日以降に帰国したシリア難民の数が9,207人に達したと発表した。

内訳は、レバノンからの帰国者8,889人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は698万2302人(うち女性209万4961人、子供356万974人)。

 

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(ラタキア県10件、イドリブ県2件、アレッポ県14件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 28, 2018をもとに作成。

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トルコはシリアのアル=カーイダを解体し、メンバーを非アル=カーイダ系組織に吸収するため説得工作を続ける(2018年8月28日)

『ハヤート』(8月28日付)は、「自由シリア軍」の複数の幹部筋の話として、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構を解体し、アル=カーイダの系譜を汲まない組織にメンバーを吸収するため、トルコが説得工作を続けていると伝えた。

同消息筋によると、トルコの申し出に対して、シャーム解放機構内の一部の勢力が応じようとしているが、急進勢力は拒否の姿勢を貫き、イスラーム国家の樹立をめざし続けようとしているという。

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ドゥラル・シャーミーヤ(8月28日付)も、トルコ当局が反体制武装集団と連携し、シャーム解放機構に圧力をかけ、解体を迫っていると伝えた。

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一方、シャーム解放機構に近いイバー通信(8月28日付)は、同組織の高官筋の話として、組織解体に関する情報が事実ではないと否定した、と伝えた。

AFP, August 27, 2018、ANHA, August 27, 2018、AP, August 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018, August 28, 2018、al-Hayat, August 28, 2018、Reuters, August 27, 2018、SANA, August 27, 2018、UPI, August 27, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, August 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:26日に難民367人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は9,207人に(2018年8月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月27日付)を公開し、26日に難民367人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は9,207人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者8,889人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,98万2,302人(うち女性209万4,691人、子供356万974人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 27, 2018をもとに作成。

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イランのハータミー国防大臣はシリアでの「テロとの戦い」への参加継続と復興支援に向けた「防衛技術合意」を交わしたことを明らかにする(2018年8月27日)

イランのエミール・ハータミー国防大臣は、訪問先のシリアで「シリアは危機的段階を終え、復興段階に入っている」としたうえで、シリアでの「テロとの戦い」への参加継続と復興支援に向けた「防衛技術合意」を交わしたことを明らかにした。

タスニーム通信(8月27日付)が伝えた。

Naharnet, August 27, 2018

ハータミー国防大臣は26日、アサド大統領やアリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣と会談し、シリア軍による「テロとの戦い」の成果などについて意見を交わしていた。

AFP, August 27, 2018、ANHA, August 27, 2018、AP, August 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018、al-Hayat, August 28, 2018、Reuters, August 27, 2018、SANA, August 27, 2018、Tasnim News Agency, August 27, 2018、UPI, August 27, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領「アサド退陣は我々の外交人道活動の前提条件ではないが彼が留まるのは「グロテスク」な過ち…。アサド政権が化学兵器を再び使用したら4月と同じ行動をとる」(2018年8月27日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は各国駐在のフランス大使を前に演説、そのなかで「私は、アサドの退陣を我々の外交人道活動の前提条件とはしない。だが、彼が権力の座にとどまることは「グロテスクとでも言うべき過ち」になるだろう」と述べた。

マクロン大統領はしかし、「シリアにおける我々の第1の敵はダーイシュ(イスラーム国)だ」と強調、「シリア国民が誰によって支配されるかを決める」と述べ、アサド政権に退陣を求めない姿勢を示した。

一方、シリア軍がイドリブ県で準備しているとされる戦闘で化学兵器を使用しているとの一部情報については、「フランス政府は、ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市での化学兵器攻撃への対抗措置として、米英政府と協力してこの4月にシリア政府の拠点に対して実施した…。もし化学兵器の使用が新たに確認されれば、我々はこれと同じ方法を続けるだろう」と述べた。

フランス24(8月27日付)などが伝えた。

al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018

AFP, August 27, 2018、ANHA, August 27, 2018、AP, August 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018、France 24, August 27, 2018、al-Hayat, August 28, 2018、Reuters, August 27, 2018、SANA, August 27, 2018、UPI, August 27, 2018などをもとに作成。

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ロバック元駐バーレーン米国大使ら有志連合幹部がロジャヴァ支配下のダイル・ザウル県東部を視察(2018年8月27日)

米主導の有志連合顧問を務めるウィリアム・ロバック(William Roebuck)元駐バーレーン米国大使をはじめとする有志連合高官が、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊主体のシリア民主軍によって制圧されたダイル・ザウル県東部のカスラ村一帯を視察、同村にあるダイル・ザウル民政評議会の本部を訪問し、同評議会のガッサーン・ユースフ代表ら幹部と会談した。

https://youtu.be/7tllojvWEYo

ANHA, August 27, 2018

会談は非公開で行われた。

ロバック氏は会談後、記者団に対して「有志連合はダーイシュ(イスラーム国)を完全に敗北させるまでユーフラテス川東岸地域に残留する」と述べた。

https://youtu.be/8EnO2PP5kzU

ANHA, August 27, 2018

ANHA(8月27日付)が伝えた。

AFP, August 27, 2018、ANHA, August 27, 2018、AP, August 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018、al-Hayat, August 28, 2018、Reuters, August 27, 2018、SANA, August 27, 2018、UPI, August 27, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はスワイダー県東部に隣接するサファー丘で対ダーイシュ掃討戦を継続(2018年8月27日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月27日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を継続した。

AFP, August 27, 2018、ANHA, August 27, 2018、AP, August 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 27, 2018、al-Hayat, August 28, 2018、Reuters, August 27, 2018、SANA, August 27, 2018、UPI, August 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2018年8月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県5件、イドリブ県1件、アレッポ県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 27, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は8月20日~8月26日までの7日間でシリア領内で12回の爆撃を実施(2018年8月27日)

米中央軍(CENTCOM)は、8月20日~8月26日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

8月20日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し2回の爆撃を実施、シリア領内での爆撃は実施されなかった。

8月21日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し4回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は4回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月22日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し4回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は3回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月23日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月24日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月25日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は3回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

8月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、シリア領内での爆撃は実施されなかった。

なお、8月18、19日に関して、シリア領内のブーカマール市近郊に対して実施された2回の爆撃が、前回の発表内容に含まれていなかったとの訂正がなされた。

CENTCOM, August 27, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは13件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ラタキア県3件、ハマー県1件、アレッポ県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 26, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省報道官「複数の外国人専門家が、塩素ガスを用いて化学兵器攻撃を自作自演するため、イドリブ県に到着、医療行為を演じ、捏造された現場を撮影するためのシリア人の一団もハマー県北部で待機」(2018年8月26日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、報道向け声明を出し、複数の外国人専門家が、塩素ガスを装填した砲弾を用いて「化学兵器攻撃」を自作自演するため、イドリブ県に到着したと発表した。

イドリブ県の住民によると、英語を話す外国人専門家が過去2日間にわたり、「自作自演劇」を準備しているという。

また、ハマー県カフルズィーター市には、この「自作自演劇」に救援部隊として参加し、医療行為を演じ、捏造された現場を撮影するため、シリア人の一団(ホワイト・ヘルメット)がシリア北部から派遣され、待機しているという。

al-Hayat, August 27, 2018

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これに対して、カフルズィーター地元評議会のウマル・ハリール議長は、ドゥラル・シャーミーヤ(8月26日付)の取材に応じ、「ホワイト・ヘルメットが化学兵器攻撃を準備しているとロシアが主張し、政権が同様の嫌疑を強めるなか、カフルズィーターの住民は、政権とロシアが化学兵器攻撃を準備していると確信している」と述べた。

AFP, August 26, 2018、ANHA, August 26, 2018、AP, August 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2018、al-Hayat, August 27, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 26, 2018、Reuters, August 26, 2018、SANA, August 26, 2018、UPI, August 26, 2018などをもとに作成。

ロジャヴァ支配地域を訪問中のロバック元駐バーレーン米国大使「ダーイシュを完全に敗北させるまでシリアに長期的に留まり、イランを撤退させるための作戦に注力する」(2018年8月25日)

米主導の有志連合顧問を務めるウィリアム・ロバック(William Roebuck)元駐バーレーン米国大使は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)が実効支配するハサカ県シャッダーディー市を訪問し、同地の自治評議会(シャッダーディー市自治評議会)代表と会談した。

ロバック氏は、会談後に記者会見を開き、同地が直面する諸問題、衛生、教育、電力などのインフラ・福祉復旧などについて意見を交わしたことを明らかにしたうえで、同地の治安と生活が改善するまで、住民を支援するとの意向を示した。

ロバック氏はまた、「我々は、ドナルド・トランプ米大統領が明言した通り、ダーイシュ(イスラーム国)が最終的に敗北したことを確認するまで、シリアに長期的に留まる準備をしている。我々はまた、イランの部隊やその同盟者たちを撤退させるための作戦に注力し続ける」と強調した。

ANHA, August 25, 2018

https://youtu.be/OlzIgpC4FXc

AFP, August 25, 2018、ANHA, August 25, 2018、AP, August 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018、al-Hayat, August 26, 2018、Reuters, August 25, 2018、SANA, August 25, 2018、UPI, August 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省報道官「シリアのアル=カーイダが英国民間軍事会社とともにイドリブ県で化学兵器攻撃を準備をしており、米国はこれを攻撃にシリアをミサイル攻撃しようとしている」(2018年8月25日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は声明を出し、複数の消息筋から得た情報として、塩素が入った樽8本が、ラタキア県に近いイドリブ県から7キロの地点に位置する村に搬入され、中国新疆ウィグル自治区出身者からなるトルキスタン・イスラーム党とシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構による「化学兵器攻撃」に使用されようとしていると発表した。

この攻撃には英国の諜報機関も参加し、米英仏がシリアに対する敵対行為を正当化する口実にしようとしているという。

ロシア国防省が得た情報によると、英国の民間軍事会社オリーヴ・グループで教練を受けた「テロ集団」(ホワイト・ヘルメット)が、化学兵器攻撃の犠牲者を救出する「演技」をするために、ジスル・シュグール市に到着したという。

コナシェンコフ報道官はまた、シリアをミサイル攻撃するため、トマホーク巡航ミサイル56発を搭載した米海軍のミサイル駆逐艦USSザ・サリヴァンズがアラビア湾に展開、またAGM-158 JASSMミサイル24発を搭載した米空軍のB-1B戦略爆撃機がカタールのウデイド航空基地に配備されたと主張、米国がシリアへの攻撃を画策していると批判した。

al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018

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これを受け、ロシア海軍は、最新鋭フリゲート艦のアドミラル・グリゴロヴィチとアドミラル・エッセンをシリア沖に展開させることを決定したと発表した。

AFP, August 25, 2018、ANHA, August 25, 2018、AP, August 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018、al-Hayat, August 26, 2018、Reuters, August 25, 2018、SANA, August 25, 2018、UPI, August 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア陸軍の国際軍事技術フォーラムでシリアの反体制派から捕獲した武器が展示(2018年8月25日)

スプートニク・ニュース(8月25日付)は、ロシアの首都モスクワ市郊外のクベンカ市で8月21日から26日の日程で開催されているロシア陸軍の「国際軍事技術フォーラム」(アールミヤ2018)に、シリアの反体制武装集団が使用していた兵器が展示されたと伝えた。

展示されたのは、装甲兵員輸送車OT-64 SKOT、装輪装甲車RG-31(UNDOFから武装集団が2014年に捕獲)、装甲車パンテーラF9、歩兵携行型対戦車ロケット弾発射器APILAS 、対戦車ミサイルTOW2など。

これらはシリア国内での反体制武装集団との戦闘で、シリア軍側が捕獲したものだという。

AFP, August 25, 2018、ANHA, August 25, 2018、AP, August 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018、al-Hayat, August 26, 2018、Reuters, August 25, 2018、SANA, August 25, 2018、UPI, August 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年8月25日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月25日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県5件、ハマー県1件、アレッポ県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも2件(イドリブ県1件、アレッポ県1件)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 25, 2018をもとに作成。

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レバノンのヒズブッラーの幹部:サウジアラビアのムハンマド皇太子はアサド大統領にヒズブッラー、イランと断交すれば、生涯大統領職に留まることを保証すると申し出る(2018年8月24日)

レバノンのヒズブッラーの幹部の一人で、国民議会内会派の抵抗への忠誠ブロックに所属するナウワーフ・ムーサウィー議員は、マヤーディーン(8月24日付)とのインタビューで、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が、シリアのアサド政権に「空想的」とも言える申し出を行ったと語った。

al-Durar al-Shamiya, August 25, 2018

ムーサウィー議員によると、ムハンマド皇太子は、アサド大統領に対して、ヒズブッラーやイランとの関係を完全に絶つことの代償として、大統領職に死ぬまで留まること、シリアでの憲法改正や政治改革を求めないこと、シリア復興に参与すると申し出た。

アサド大統領はこの申し出を拒否したという。

 

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Qanat al-Mayadin, August 24, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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トルコの外務大臣、国防大臣、MiT長官がロシアを訪問、ロシア側とイドリブ県の処遇を協議:テロ撲滅は支持するも、県全域での戦闘には反対(2018年8月24日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、フルシ・アカル国防大臣、ハカン・フィダン国家諜報機構(MİT)長官がロシアを訪問し、モスクワでヴラジミール・プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、セルゲイ・ショイグ国防大臣らと会談し、シリア情勢、とりわけイドリブ県の処遇について意見を交わした。

AP, August 25, 2018

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チャヴシュオール外務大臣はラブロフ外務大臣との会談後の共同記者会見で、「シリア北部のイドリブ県での軍事的解決は災難をもたらす…。民間人とテロリストを区別しなければならない…。アスタナ会議での決定を遵守し、停戦しなければならない」と主張した。

チャヴシュオール外務大臣は「イドリブ県で過激なテロ集団を無力化することは、トルコ、ロシア、そして地域全体にとって非常に重要だ。これらの組織がトルコ、そしてシリアに駐留するロシアの脅威となってはならない…。ロシアの懸念を払拭し、シリアにおけるロシアの基地への脅威をなくすことが重要だ」とする一方、「過激なテロ手段を根絶するためにイドリブ県全域を攻撃することは、数百万の人々を殺害し、300万ものシリア人を避難民とし、新たな人道災難をもたらすことになる…。イドリブ県を攻撃するのではなく、懸念を払拭し、地域の安定を守るために共に行動すべきだ」と述べた。

これに対する、ラブロフ外務大臣は「我々はシリアでの安定回復と政治プロセスに向けて共に努力をしている…。我々はシリアでテロを撲滅し、和平を実現するために行動する」と強調した。

また、近くロシア、トルコ、そしてイランの首脳会議を開催することを明らかにした。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月24日付)、『ハヤート』(8月25日付)などが伝えた。

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一方、インターファクス(8月24日付)は、ショイグ国防大臣がアカル国防大臣との会談で、イドリブ県の処遇に関してトルコ側に「複数の提案」を行ったと伝えた。

提案の中味については明らかにしなかった。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、9月11~12日にスイスのジュネーブで、シリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会について協議するための会合を開くと発表、ロシア、イラン、トルコに参加を呼びかけた。

ロイター通信(8月24日付)が伝えた。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Interfax, August 24, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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ポンペオ米国務長官はロシアのラヴロフ外務大臣との電話会談でイドリブ県への攻撃への懸念を伝える(2018年8月24日)

マイク・ポンペオ米国務長官はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と電話会談を行い、シリア情勢などについて意見を交わした。

米国務省のヘザー・ナウアート報道官によると、会談でポンペオ国務長官は、シリア軍が準備しているとされるイドリブ県への攻撃に懸念を表明した。

AFP, August 24, 2018、ANHA, August 24, 2018、AP, August 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2018、al-Hayat, August 25, 2018、Reuters, August 24, 2018、SANA, August 24, 2018、UPI, August 24, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月24日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月24日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(ラタキア県8件、アレッポ県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 24, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:22日に難民215人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は8,305人に(2018年8月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月23日付)を公開し、22日に難民215人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は8,305人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者7,987人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は698万2,302人(うち女性209万4,691人、子供356万974人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2018をもとに作成。

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ロシア外務省報道官「米軍のシリア駐留は完全に違法…他の国に国際法遵守を求めるのなら、まず米国がそれを始めなければならない…」(2018年8月23日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、「シリア政府が化学兵器を使ったら、我々は何の迷いもなく、非常に強い対応をとるだろう」と述べたジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官の発言に関して、「どこに、どのように、そしていかなる目的で米軍はシリアに駐留しているのか? どのような根拠で駐留しているのか? 米軍の進入に誰が同意したのか? その駐留は完全に違法だ…。他の国に国際法遵守を求めるのなら、まずあなた自身がそれを始めなければならない…。米軍はシリアで何をしているのか? シリアで果たしている役割とはいったい何なのか?」と批判した。

AFP, August 23, 2018、ANHA, August 23, 2018、AP, August 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2018、al-Hayat, August 24, 2018、Reuters, August 23, 2018、SANA, August 23, 2018、UPI, August 23, 2018などをもとに作成。

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アーバン米中央軍報道官はダーイシュのバグダーディー指導者と思われる人物の音声声明に関して「彼は我々が抹殺しようとしている人物であることに変わりない」とコメント(2018年8月23日)

ウィリアム・アーバン米中央軍報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー指導者と思われる人物の音声声明が出されたことに関して、CNN(8月23日付)に対して「音声については承知している…。だが、我々がこれをどう評価しているかはコメントしない。バグダーディーがどこにいるか現時点では分からない。だが、彼は依然として、我々が戦場で抹殺しようとしている人物であることには変わりない」と述べた。

AFP, August 23, 2018、ANHA, August 23, 2018、AP, August 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2018、al-Hayat, August 24, 2018、Reuters, August 23, 2018、SANA, August 23, 2018、UPI, August 23, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは14件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年8月23日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月23日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県7件、アレッポ県7件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも5件(ハマー県3件、イドリブ県1件、アレッポ県1件)の停戦違反を確認した。

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ロシア軍当事者和解調整センターのアレクセイ・ツィガノフ・センター長(少将)は声明を出し、21日にシリア軍が、イドリブ県南部の反体制派支配地域を離陸し、アブー・ダーリー村西部のシリア軍拠点に近づいた無人航空機3機を防空兵器で撃破した、と発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省は、6万3000人以上がシリアに駐留していると初めて発表(2018年8月22日)

ロシア国防省は、シリア駐留ロシア軍の規模を初めて明らかにした。

ロシア攻防省が発表した映像によると、シリア駐留ロシア軍は6万3000人以上からなり、うち士官は2万6000人、将官は434人だという。

また、シリア国内でダーイシュ(イスラーム国)やシャーム解放機構などへの爆撃を開始した2015年9月末以降、ロシア海軍は189回の作戦航海を実施、艦船86籍、潜水艦14籍、支援船83籍がこれに参加し、100発のカリブル巡航ミサイルを発射した。

ロシア軍はさらに、無人航空機などの近代兵器231種類の実験を行ったという。

AFP, August 23, 2018、ANHA, August 23, 2018、AP, August 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2018、al-Hayat, August 24, 2018、Reuters, August 23, 2018、SANA, August 23, 2018、UPI, August 23, 2018などをもとに作成。

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ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官「シリア政府が化学兵器を使ったら、非常に強い対応をとるだろう」(2018年8月22日)

ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、イスラエルのエルサレムを訪問中に記者会見を開き、シリア情勢に言及、シリアのアサド政権がイドリブ県奪還に向けた攻撃で化学兵器を再び使用したら「非常に強い」かたちで対抗措置をとるだろう、と述べた。

ボルトン補佐官は「我々はシリア政府がイドリブ県に軍事攻撃を再開しようと計画しているのを目の当たりにしている…。我々はアサドが再び化学兵器を使用する可能性を強く懸念している…。もしシリア政府が化学兵器を使ったら、我々は何の迷いもなく、非常に強い対応をとるだろう。彼らはこのことをずっと考えておくべきだ」と述べた。

ロイター通信(8月22日付)などが伝えた。

AP, August 22, 2018

AFP, August 22, 2018、ANHA, August 22, 2018、AP, August 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2018、al-Hayat, August 23, 2018、Reuters, August 22, 2018、SANA, August 22, 2018、UPI, August 22, 2018などをもとに作成。

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米英仏は2013年8月のダマスカス郊外県グータ地方での化学兵器使用疑惑事件発生から5年が経ったのに合わせるかたちで共同声明を出し、「アサド政権が再び化学兵器を使用したら行動に訴える」と脅迫(2018年8月22日)

米国、英国、フランスは、2013年8月21日のダマスカス郊外県グータ地方での化学兵器使用疑惑事件発生から5年が経ったのに合わせるかたちで共同声明を出し、シリア国内で「化学兵器が再び違法なかたちで使用される可能性を懸念している」と表明、「アサド政権が再び化学兵器を使用した場合、行動に訴える」と脅迫した。

三カ国は「アサド政権による化学兵器使用に対する我々の姿勢は変わっていない。これまでと同様、我々は、シリア政府による化学兵器再使用に対して、適切なかたちで対応するだろう」と強調した。

al-Durar al-Shamiya, August 22, 2018

AFP, August 22, 2018、ANHA, August 22, 2018、AP, August 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 22, 2018、al-Hayat, August 23, 2018、Reuters, August 22, 2018、SANA, August 22, 2018、UPI, August 22, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月22日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(イドリブ県1件、ラタキア県8件、アレッポ県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 22, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:20日に難民310人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は8,034人に(2018年8月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月21日付)を公開し、20日に難民310人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は8,034人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者7716人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は698万2,302人(うち女性209万4,691人、子供356万974人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 21, 2018をもとに作成。

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