親政権日刊紙『ワタン』はイランのヴェラーヤティー最高指導者顧問を痛烈に批判(2018年7月15日)

親政権日刊紙『ワタン』(7月15日付)は、イランのアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問に関して「一部のメディアやイランの政治アナリストたち、イランの周囲で根も葉もないことを言う者たちからの大げさな発言には慣れっこだ」と批判した。

ヴェラーヤティー最高指導者顧問は「イランの支援がなければ、バッシャール・アサドの政権は数週間で崩壊していただろう」と述べていた。

『ワタン』紙は「我々は1日たりとも恩知らずだったことはない。友人たちが補完的な役割を担い、我々が持ち堪えるのを支援してくれたことを我々は認めている…。だが、アリー・ヴェラーヤティー氏よ、申し訳ない。シリアは真理に残された最後の本拠地であり、大地とその上空に拡がる世界を再びアッラーに委ねられるまで、崩壊することなどない」と綴った。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018、al-Watan, July 15, 2018などをもとに作成。

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米国などが(難民・避難民ではなく)ホワイト・ヘルメットのメンバーのシリアからの救出と第三国への定住に向けた計画を議論(2018年7月15日)

CNN(7月15日付)は、シリア軍がダルアー県での反体制武装集団との戦闘や停戦合意を通じて支配地域を拡大し、イドリブ県への進攻がとりざたされるなか、米国が西側諸国とともに、ホワイト・ヘルメットの隊員を救出し、シリア国内から退避させることへの関心を強めていると伝えた。

複数の外交筋や米政権高官によると、ホワイト・ヘルメットの隊員1,000人とその家族をシリア国内から救出し、カナダ、英国、あるいはドイツに定住させること計画が検討されており、議論には米国、サウジアラビア、フランス、カナダといった国が参加しているという。

ドナルド・トランプ米大統領も、先週のNATO首脳会談などで、メンバーを救出する必要について英仏などと協議したという。

またこの動きと並行して、西欧諸国が米国に対して、イスラエルやヨルダンにメンバー受け入れに向けたロビイングを行うよう求めているという。

なお、ホワイト・ヘルメットはこの報道に対してのコメントを拒否している。

AFP, July 16, 2018、ANHA, July 16, 2018、AP, July 16, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2018、al-Hayat, July 17, 2018、Reuters, July 16, 2018、SANA, July 16, 2018、UPI, July 16, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領がイランのアンサーリー外務副大臣と会談(2018年7月15日)

アサド大統領はシリアを訪問中のイランのホセイン・ジャーベリー・アンサーリー外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)と首都ダマスカスで会談した。

会談では、アンサーリー外務副大臣が、ダルアー市全土の解放に関して、シリア国民および政府に祝意を示したのに対し、アサド大統領は、シリア全土をテロから解放しようとするシリア軍、予備部隊、同盟部隊の固い意志によって戦果が達成されたと応えた。

SANA(7月15日付)が伝えた。

SANA, July 15, 2018

AFP, July 15, 2018、ANHA, July 15, 2018、AP, July 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2018、al-Hayat, July 16, 2018、Reuters, July 15, 2018、SANA, July 15, 2018、UPI, July 15, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍がアレッポ市東部のナイラブ航空基地をミサイル攻撃(2018年7月15日)

シリア軍消息筋は、イスラエル軍がアレッポ県東部にあるナイラブ航空基地にあるシリア軍拠点1カ所に対してミサイル攻撃を行った。

この攻撃による被害は限定的なものにとどまったという。

SANA(7月15日付)が伝えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月15日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、イスラエル軍のミサイル攻撃は、「イランの民兵」の拠点1カ所を狙ったものだという。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、イスラエル軍のミサイルは、ナイラブ航空基地に近いイラン・イスラーム革命防衛隊の拠点を狙ったもので、シリア人少なくとも6人を含む9人が死亡したという。

シリア人以外の死者の国籍は不明だという。

AFP, July 15, 2018、ANHA, July 15, 2018、AP, July 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2018、al-Hayat, July 16, 2018、Reuters, July 15, 2018、SANA, July 15, 2018、UPI, July 15, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月15日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月15日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県3件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 15, 2018をもとに作成。

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CBS:欧米諸国はホワイト・ヘルメットを救出する方法を検討(2018年7月14日)

CBS(7月14日付)は、シリア軍による南西部への攻撃激化を受けて、ホワイト・ヘルメットが暗殺の危険に曝されていると指摘、先週のNATO首脳会談でそのメンバーの救出の方法について意見が交わされ、オランダ、英国、フランス、カナダ、ドイツが、1,000人とされるメンバーを家族とともに救出するための方法を検討していると伝えた。

同チャンネルによると、現在約300人が差し迫った危険に曝されているという。

米国家安全保障会議(NSC)のガレット・マルキス報道官はCBSに対して「我々はシリア政府とロシアが停戦に違反して以降、南西部の人道状況に関心を抱いている…。数十万人が戦闘を避けて逃れてきている…。そのなかにはホワイト・ヘルメットのようなグループなど、政権による報復を恐れている者もいる。我々はロシアと政権に圧力をかけ、南西部にいる市民に必要な支援を…行うことを認めさせようとしている」と述べた。

AFP, July 14, 2018、ANHA, July 14, 2018、AP, July 14, 2018、CBS, July 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2018、al-Hayat, July 15, 2018、Reuters, July 14, 2018、SANA, July 14, 2018、UPI, July 14, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談「アサド政権がイドリブ県を標的とすれば、アスタナ会議の合意の本質が完全に無に帰する」(2018年7月14日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢への対応などについて意見を交わした。

トルコ大統領府が発表したところによると、会談で、エルドアン大統領は、ダルアー県での民間人に対する攻撃に懸念を示す一方、「ダマスカスの政権(アサド政権)がイドリブ県を同じような方法で標的とすれば、(アスタナ会議での緊張緩和地帯設置にかかる)合意の本質が完全に無に帰する」と述べたという。

AFP, July 14, 2018、ANHA, July 14, 2018、AP, July 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2018、al-Hayat, July 15, 2018、Reuters, July 14, 2018、SANA, July 14, 2018、UPI, July 14, 2018などをもとに作成。

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米国の占領下にあるタンフ国境通行所一帯で活動してきた武装集団2組織が武器を引き渡し、ヨルダンに撤退(2018年7月14日)

ザマーン・ワスル(7月14日付)は、米主導の有志連合が占領するハサカ県南東部のタンフ国境通行所一帯で活動を続けてきた東部獅子軍とカルヤタイン殉教者旅団の2組織が、同地から撤退し、持っていた武器や車輌をヨルダン当局に引き渡した、と伝えた。

武器引き渡しと撤退は、ダイル・ザウル県東部やハサカ県南部でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に合流するためで、この転戦は、シリア政府、ロシアとの連携のもとに実現したという。

AFP, July 14, 2018、ANHA, July 14, 2018、AP, July 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2018、al-Hayat, July 15, 2018、Reuters, July 14, 2018、SANA, July 14, 2018、UPI, July 14, 2018、Zaman al-Wasl, July 14, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はユーフラテス川を渡河しようとしたシリア軍の車列を爆撃し、兵士・民兵40人以上を殺害(2018年7月14日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月14日付)によると、米主導の有志連合がハジーン市近郊でユーフラテス川を渡河しようとしていたシリア軍の車列を爆撃し、兵士や民兵ら40人以上を殺害した。

AFP, July 14, 2018、ANHA, July 14, 2018、AP, July 14, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 14, 2018、al-Hayat, July 15, 2018、Reuters, July 14, 2018、SANA, July 14, 2018、UPI, July 14, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月14日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月14日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、アレッポ県1件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

イスラエル軍はシリアから飛来した無人航空機をパトリオット・ミサイルで撃墜(2018年7月13日)

イスラエル軍は声明を出し、シリアから飛来した無人航空機に対してパトリオット・ミサイルを発射、国境近くの上空でこれを撃破したと発表した。

イスラエル軍は「1974年の兵力引き離し協定に違反しようとする動きへの対応を続ける」と付言している。

イスラエルは11日にも、占領下ゴラン高原上空でシリア軍の無人航空機をパトリオット・ミサイルで撃墜している。

AFP, July 13, 2018、ANHA, July 13, 2018、AP, July 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2018、al-Hayat, July 14, 2018、Reuters, July 13, 2018、SANA, July 13, 2018、UPI, July 13, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダイル・ザウル県東部を爆撃し、民間人30人あまりを殺害(2018年7月13日)

ダイル・ザウル県では、SANA(7月13日付)によると、米主導の有志連合が、ブーカマール市近郊に位置するユーフラテス川東岸(左岸)の上バーグーズ村とスーサ町を爆撃し、住民30人以上が死亡(ほとんどは女性と子供)、数十人負傷した。

シリア人権監視団によると、民間人28人を含む54人がこの爆撃で死亡したという。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月13日付)が複数の地元消息筋の話として伝えたところによると、爆撃は、スーサ町と上バーグーズ村間のムーザーン交差点に近い製氷工場に対して行われた。

これを受け、シリアの外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、「爆撃はいわゆるシリア民主軍の進入を拒否する住民に圧力をかけるため」に意図的に行われた違法な攻撃と報告、非難した。

AFP, July 13, 2018、ANHA, July 13, 2018、AP, July 13, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 13, 2018、al-Hayat, July 14, 2018、Reuters, July 13, 2018、SANA, July 13, 2018、UPI, July 13, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年7月13日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月13日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも3件(ハマー県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 13, 2018をもとに作成。

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DIVDSはシリア北東部に新たに建設された米軍航空基地の衛星写真を公開(2018年7月12日)

米国防総省に関するニュースを配信しているDIVDSは、シリア北東部の米軍基地から米軍の大型輸送機ボーイングS-17が離陸する画像や基地の衛星写真複数点を公開した。

同サイトによると、「この航空機は、米国と、ダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いにおける協力部隊である(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体の)シリア民主軍の協力関係強化の任務についている」という。

写真は、ハサカ県ハサカ市の北に位置するタッル・タムル町とタッル・バイダル村の間に新たに建設された航空基地の滑走路を写したもので、6キロ西方には米軍の基地もあるという。

滑走路は全長1.5キロで、ヘリ発着所も併設されている。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、DIVDS, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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米英仏独、サウジ、ヨルダン、エジプトの外相がシリア情勢への対応をめぐり会談(2018年7月12日)

ベルギーの首都ブリュッセルで、シリア情勢への対応を協議するための西側諸国縮小外相会合が行われた。

会合には、米国のマイク・ポンペオ国務長官、英国ののボリス・ジョンソン外務大臣、フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣、ドイツのジグマー・ガブリエル外務大臣、サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣、そしてエジプトのアフマド・アブー・ザイド外務大臣が出席した。

アブー・ザイド外務大臣によると、会合では、紛争解決に向けた政治プロセス(スタファン・デミストゥラ・スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表による制憲委員会会合開催に向けた動き)、ダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」について意見が交わされたという。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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イランのヴェラーヤティー最高指導者顧問がロシアのプーチン大統領と会談(2018年7月12日)

イランのアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問は、ロシアの首都モスクワでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

会談で、ヴェラーヤティー最高指導者顧問は、最高指導者アリー・ハーメネイー師とハサン・ロウハーニー大統領の親書をプーチン大統領に渡し、シリア情勢への対応などについて協議した。

SANA(7月12日付)などが伝えた。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア、ヨルダン、イランは、シリア南部国境地帯からのイランの撤退の見返りに、タンフ国境通行所一帯からの米軍の撤退を米国に求める(2018年7月12日)

サウジアラビア日刊紙『ウカーズ』(7月12日付)は、複数の消息筋の情報をもとに、シリア国内におけるイランの影響力への対応にかかるロシア・ヨルダン・イラン・米国間のいわゆる「白紙合意」の内容を明らかにした。

それによると、ロシア、ヨルダン、イランは、イランをイスラエルおよびヨルダン国境から45キロ以内の地域から撤退させ、その見返りとして米軍をヒムス県南東部のタンフ国境通行所から撤退させることで合意し、その内容を米国側に示したという。

複数の消息筋によると、「白紙合意」は、ドナルド・トランプ米大統領が5月にシリアからの撤退の意思を表明したのを受けて、ブレット・マクガーク米大統領特使が策定したものだが、ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官はこれを拒否し、イランの一方的撤退を求めているという。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018、‘Ukaz, July 12, 2018などをもとに作成。

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シリア人避難民40人以上が治療のためイスラエル領内に入る(2018年7月12日)

ロイター通信(7月12日付)は、シリア南部での戦闘激化を受けてクナイトラ県ゴラン高原の兵力引き離し地域に避難していたシリア人40人以上が、11日晩、境界線を越えて、イスラエル占領下のゴラン高原に入った、と伝えた。

イスラエル軍医務局長によると、イスラエル占領下のゴラン高原には治療のために入り、病院での治療ののち、同日中にシリア側に戻ったとのこと。

治療目的での往来は2~3回繰り返されることもあるという。

なお、この往来をイスラエル軍兵士も黙認しているという。

シリア側の兵力引き離し地域には、シリア人避難民約3,000人が押し寄せているという。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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WHO「猛暑と水質汚染によりシリア人避難民が死の危険に曝されている」(2018年7月12日)

国連世界保健機関(WHO)は声明を出し、猛暑と水質汚染によりシリア人避難民が死の危険に曝されていると警鐘を鳴らした。

WHOは声明で「気温が摂氏45度に達するなか、子供12人を含むシリア人少なくとも15人が先週、水不足と水質汚染による疾病で死亡した」と警鐘をならし、シリア南部のすべての当事者に対して、医薬品の提供、患者の搬送を認めるよう要請した。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるアフリーン郡で住民9人が拉致・連行(2018年7月12日)

アレッポ県では、ANHA(7月12日付)によると、アフリーン郡シーラーワー町のバイーア村で、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が強制捜査を行い、住民9人を拉致、連行した。

AFP, July 12, 2018、ANHA, July 12, 2018、AP, July 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 12, 2018、al-Hayat, July 13, 2018、Reuters, July 12, 2018、SANA, July 12, 2018、UPI, July 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県1件、ラタキア県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 12, 2018をもとに作成。

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シリア軍無人航空機飛来への報復としてイスラエル軍はシリア軍拠点を爆撃(2018年7月12日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、シリア軍の無人航空機がイスラエル領空を侵犯したことへの報復として、イスラエル軍戦闘機複数機がシリア軍の拠点3カ所を爆撃したと発表し、その画像を公開した。

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これに対して、SANA(7月12日付)は、イスラエル軍戦闘機がクナイトラ県ハドル村、クルーム丘一帯のシリア軍拠点複数カ所に対してミサイル攻撃を行ったと速報で伝えた。

この攻撃で限定的な物的被害が出たという。

SANA(7月12日付)はまた、シリア軍消息筋の話として、シリアの防空部隊がクナイトラ県に対するイスラエル軍の攻撃を撃退した、と伝えた。

また、イスラエル軍の爆撃と並行して、反体制武装集団がジャッバー村を砲撃したという。

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また、ドゥラル・シャーミーヤ(7月12日付)は、複数の活動家の情報として、バアス市近郊のカルス・ナファル丘にあるヒズブッラーの拠点1カ所も爆撃を受けたと伝えた。

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍はゴラン高原上空に飛来したシリア軍無人航空機を撃墜(2018年7月11日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官は、モスクワでのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヴラジミール・プーチン大統領の会談の数時間前シリア領内から占領下のゴラン高原にシリア軍の無人航空機が飛来したとしたうえで、イスラエル軍の防空システムがこれを撃墜したと発表した。

アドライ報道官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、飛来したシリア軍無人航空機を撃墜する映像を公開した。

 

https://www.facebook.com/ShehabAgency.MainPage/videos/2797069757002093/

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相はロシアのプーチン大統領との会談でゴラン高原に隣接する地域のシリア政府の支配回復に柔軟な姿勢を示す(2018年7月11日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がロシアを訪問し、首都モスクワでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

『ハヤート』(7月12日付)によると、プーチン大統領は会談冒頭、両国の政治軍事分野での協力関係の維持強化の必要を強調した。

一方、ネタニヤフ首相は、イスラエルの領空・領土侵犯を徹底阻止するとして、イランの脅威に対抗する姿勢を示す一方、占領下のゴラン高原に隣接するダルアー県、クナイトラ県のシリア政府による支配回復に対して柔軟な姿勢を示した。

ロシア消息筋は『ハヤート』に対して、16日にフィンランドの首都ヘルシンキで予定されているプーチン大統領とドナルド・トランプ米大統領の会談に先立つこの首脳会談が、「ロシアが航空支援を行うシリア南西部での作戦により、シリア軍が制圧地域を拡大するなかで、非常に重要な意味を持つ」としたうえで、「ゴラン高原に面する境界地域で今日(11日)に作戦が開始されたことは、シリア軍が1974年の兵力引き離し協定を遵守することを条件に、イスラエルが青信号を出したことを受けた動きだ」と述べた。

同消息筋はまた、シリア軍が占領下のゴラン高原に向けて進軍することにイスラエルが柔軟な姿勢を示す一方、イランとその民兵が同地に接近することについては、譲歩はしなかった、と付言した。

これに対して、ロシア側は、「イスラエルがシリア領内の拠点を爆撃することを黙認する一方で、イランに対してシリアからの撤退は、シリア政府に関わる問題であるために要求はできない」との姿勢で応じているという。

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こうしたなか、イランのアリー・アクバル・ヴェラーヤティー最高指導者顧問が、最高指導者アリー・ハーメネイー師とハサン・ロウハーニー大統領の親書を携えて、モスクワに到着した。

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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ロシアの仲介により、イスラエル占領下ゴラン高原に隣接する地域で活動を続けてきた反体制派が停戦に応じる(2018年7月11日)

『ハヤート』(7月12日付)は、反体制派筋の話として、クナイトラ県(イスラエル占領下のゴラン高原)に面する県南西部で活動を続ける反体制武装集団(南部中央作戦司令室)とシリア政府の停戦に向けた交渉がダルアー県のブスラー・シャーム市で行われた。

交渉を仲介するロシア軍当事者和解調整センターは、反体制武装集団に対して、占領下のゴラン高原を見下ろすことができる戦略的要衝のハーッラ丘、カビール丘、サギール丘、サマン丘、ジャービヤ丘、ハムル丘(クナイトラ県)と、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にあるヤルムーク川河畔地域に面する丘陵地帯を引き渡すよう要求しているという。

SANA(7月11日付)も、特派員が、ダルアー市ダルアー・バラド地区で活動を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)とシリア政府の停戦合意が成立したとの情報があると伝えた。

同特派員によると、停戦合意は、ダルアー市ダルアー・バラド地区、ダム街道、避難民キャンプ、サジュナ地区、マンシヤ地区、ガラズ刑務所一帯、穀物サイロ一帯で活動を続けていた武装集団による重火器・中火器の引き渡しを骨子とするという。

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しかし、南部戦線のハーリド・ナーブルスィー大佐は、同地がシリア政府との停戦に応じていないと述べ、これを否定した。

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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反体制派系サイトはシリアでのロシアの軍事作戦をUAEが資金援助していることを示す空軍情報部の内部文書を入手・公開(2018年7月11日)

シリアン・ミラー(7月7日付)は、UAEがシリア国内でのロシア軍の軍事作戦に協力していたことを示すシリアの空軍情報部の内部文書2点を入手したと伝え、その画像を公開した。

公開された内部文書は、2017年9月と2018年2月に作成されたもので、いずれもUAEがロシア軍の介入に資金援助したことを明確に示しているという。

2017年9月の文書は、エジプトの空軍情報部の士官(ムハンマド・シャウキー)からシリアの空軍情報部のズィヤード・イスビル中佐に宛てた書簡で、「アブドゥルファッターフ・スィースィー大統領が代表を務めるエジプト指導部は、アブダビのムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子に対して、シリア全土をテロから解放するまで、ロシアの軍事的取り組みを支援しつづけるよう最大の努力を払っている」と記されている。

また、この文書は、シリア・ガド潮流代表を務めるアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏、アブドゥッサラーム・ナジーブ氏ら反体制活動家が、ヒムス県北部をシリア政府に引き渡すために行っていた活動へのエジプトの外務局、の関与についても言及している。

2018年2月の文書には、航空調査局調査課長のサーリム・ダーギスターニー大佐から空軍情報部長のジャミール・ハサン少将に宛てた書簡で、UAEに近い反対背活動家のハーリド・ムハイミード氏に対する聴取内容についての報告がなされている。

ムハイミード氏は、ダルアー県南部のシリア政府への引き渡しにおいて役割を果たした人物で、文書には、UAEがロシアに対して反体制武装集団殲滅に向けた作戦を2018年末前まで猶予するよう求めていたとの同氏の証言が記されている。

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、Syrian Mirror, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍がダルアー県南西部のダーイシュ(ハーリド・ブン・ワリード軍)支配地域に初の爆撃を実施(2018年7月11日)

ダルアー県では、シリア人権監視団、『ハヤート』(7月12日付)によると、ロシア・シリア両軍が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍の支配下にある県南西部のヤルムーク川河畔を爆撃した。

爆撃は、同地の拠点都市であるサフム・ジャウラーン村、アドワーン村に対して行われた。

ロシア軍がハーリド・ブン・ワリード軍の支配地域を爆撃するのは今回が初めてだという。

また、シリア軍も同地を砲撃した。

これに対して、ハーリド・ブン・ワリード軍は、シリア政府との停戦に応じた反体制武装集団の支配下にあったハイト村一帯を攻撃、シリア軍と交戦した。

ハーリド・ブン・ワリード軍は、爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行うなどして、ハイト村への攻勢を強めるとともに、同村に隣接するザイズーン村を砲撃したという。

syria.liveuamap.com, July 11, 2018

AFP, July 11, 2018、ANHA, July 11, 2018、AP, July 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2018、al-Hayat, July 12, 2018、Reuters, July 11, 2018、SANA, July 11, 2018、UPI, July 11, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県アフリーン郡を砲撃(2018年7月11日)

アレッポ県では、ANHA(7月11日付)によると、トルコ軍がアフリーン郡シーラーワー町近郊のビーニー村を激しく砲撃した。

一方、トルコの支援を受ける北部旅団とシャーム戦線の戦闘員が、ムーバーター村近郊のクーバーカ村を襲撃し、住民10人を拉致した。

また末裔大隊を名乗る武装集団がムムーバーター村近郊のサーリヤー村の民家4軒を焼き討ちにした。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年7月11日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月11日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ラタキア県4件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも3件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 11, 2018をもとに作成。

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米国はシリア民主軍離反者と接触しているとされるラッカ革命家旅団の司令官を事情聴取(2018年7月10日)

スマート・ニュース(7月10日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の軍事筋の話として、米軍の複数高官が、ラッカ県アイン・イーサー市南部にある軍事基地で、シリア民主軍に所属しているアラブ人民兵のラッカ革命家旅団のアフマド・ウスマーン司令官(アブー・イーサー)に対する事情聴取を行ったと伝えた。

事情聴取は、ウスマーン司令官が、シリア民主軍を離反し、トルコに逃れたタラール・サッルー氏(元シリア民主軍報道官)と接触しているとの情報を、米国がトルコ高官やシリアの反体制派から得たことを受けて行われたという。

事情聴取では、約4時間にわたって行われたという。

AFP, July 10, 2018、ANHA, July 10, 2018、AP, July 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2018、al-Hayat, July 11, 2018、Reuters, July 10, 2018、SANA, July 10, 2018、SMART News, July 10, 2018、UPI, July 10, 2018などをもとに作成。

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