ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月5日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県1件、アレッポ県2件)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも2件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2018をもとに作成。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月5日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県1件、アレッポ県2件)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも2件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 5, 2018をもとに作成。
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イラン外務省のホセイン・シェイフ・エスラーム顧問は、シリア南部の反体制派支配地域の処遇をめぐって、米国やイスラエルに同調するかたちでイラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵、レバノンのヒズブッラーの同地からの撤退を迫るようになったロシアを批判した。
シェイフ・エスラーム顧問は「イランはカネを稼ぐためではなく、イラン自身の安全保障のためにシリアで犠牲を払ってきた…。シリアこそが、その領土に誰が駐留するか、あるいは撤退するかを決める権利がある。ロシアが決めるのではない。ロシアはシリアの内政に干渉してはいけない」と述べた。
シェイフ・エスラーム顧問はまた「シリア危機が発生する以前から、我々はシリアで大きな経済的役割を果たしてきた。この役割は今後も続くだろう…。イランの企業が電力水道部門の50%以上の事業を入札していることをみなは承知すべきだ」と付言した。
ナーメ・ニュース(6月4日付)が伝えた。
AFP, June 4, 2018、ANHA, June 4, 2018、AP, June 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2018、al-Hayat, June 5, 2018、Nameh News, June 4, 2018、Reuters, June 4, 2018、SANA, June 4, 2018、UPI, June 4, 2018などをもとに作成。
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ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣は、ナスル・ハリーリー最高交渉委員会代表とアンマンで会談した。
ハリーリー氏がツイッターのアカウントを通じて明らかにしたところによると、会談ではシリア南部での「進捗」について意見が交わされ、サファディー外務大臣は、ヨルダンがシリア南部における緊張緩和地帯の維持、民間人の生活維持、包括的な政治解決を目指している旨表明したという。
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ダルアー県で活動する革命軍(自由シリア軍)のアブー・バクル・ハサン報道官は、ハウラーンの火山旅団がシリア政府との和解に応じようとしていると批判、同旅団を離反すると表明した。
『ハヤート』(6月5日付)が伝えた。
AFP, June 4, 2018、ANHA, June 4, 2018、AP, June 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2018、al-Hayat, June 5, 2018、Reuters, June 4, 2018、SANA, June 4, 2018、UPI, June 4, 2018などをもとに作成。
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マイク・ポンペオ米国務長官とトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣はワシントンDCで会談し、米主導の有志連合の支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の実効支配下にあるアレッポ県北東部ユーフラテス川右岸(西岸)のマンビジュ市一帯の処遇について協議した。
会談後の共同声明では、同市への対応に関する「工程表」について合意がなされたことが明らかにされた。
「工程表」の内容については明らかにされなかったが、チャヴシュオール外務大臣は、トルコ・米両軍が「工程表」に沿って、マンビジュ市の安全を確保するために行動し…、トルコ政府は米国とマンビジュ市の自治政体設置に向けて調整を行う」と述べた。
また「期限が設定されている。これは現地で実施される措置に関わるもので、6ヶ月以内の工程について話している」と付言した。
そのうえで、マンビジュ市の工程表はシリアの他の地域でも実施されることを示唆した。
なお、声明によると、会談では、シリアにおける両国の将来の協力関係、マンビジュ市の安定と治安を保証するために必要な措置についても意見が交わされたという。
一方、トルコのバクル・ブズダー副首相兼内閣報道官は、トルコと米国が「マンビジュ市からのクルド人部隊の撤退の手段や日程について合意した」と述べた。

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他方、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のリヤード・ダッラール共同議長は、『ハヤート』(6月5日付)に対して、「米国はいかなる外国の介入に対してもマンビジュ市一帯やユーフラテス川東岸地域を防衛し、「テロとの戦い」での協力継続を制約した」と述べた。
そのうえで、「ユーフラテス川東岸やマンビジュ市を亡命しないということが、米軍の撤退を意味し、悪影響をもたらすことを米国側は承知している…。(トルコと米国の)合意は、アフリーン郡で起きたのと同じようなトルコの軍事攻撃を無力化するのが目的」と付言した。
AFP, June 4, 2018、ANHA, June 4, 2018、AP, June 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2018、al-Hayat, June 5, 2018、Reuters, June 4, 2018、SANA, June 4, 2018、UPI, June 4, 2018などをもとに作成。
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西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のライラウィー・アブドゥッラー報道官は声明を出し、5月1日に再開した「ジャズィーラの嵐」作戦(第2段階)の一環として、ハサカ県南東部のダシーシャ村一帯でのダーイシュ(イスラーム国)掃討を目的とした作戦を開始したと発表した。
ANHA(6月4日付)によると、作戦第2段階は午前8時に開始された。

作戦開始は、ダイル・ザウル件南東部のバーグーズ村一帯からダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了したことを受けたもの。
米中央軍(CENTCOM)も、シリア民主軍がダーイシュに対する掃討作戦(Operation Roundup)の第2段階を開始したと発表した。
この作戦で、シリア民主軍は、米主導の有志連合、イラク空軍・砲兵部隊の爆撃・砲撃の支援を受けるとともに、イラク軍がイラク領内へのダーイシュ戦闘員の逃走を阻止するための活動を行っているという。
AFP, June 4, 2018、ANHA, June 4, 2018、AP, June 4, 2018、CENTCOM, June 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 4, 2018、al-Hayat, June 5, 2018、Reuters, June 4, 2018、SANA, June 4, 2018、UPI, June 4, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月4日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ラタキア県4件、アレッポ県3件)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも2件(ラタキア県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 4, 2018をもとに作成。
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『ハヤート』(6月4日付)は、複数の消息筋の話として、第4師団と共和国護衛隊の車列が、タッル・リフアト市からヌッブル市方面に撤退し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)も市内の施設を解体したと伝えた。
またYPG主体のシリア民主軍も、マンビジュ市方面に撤退したという。
シリア軍、YPGの撤退は、ロシアとトルコが、タッル・リフアト市一帯のロジャヴァ支配地域への反体制武装集団の引き渡しと、ラタキア県北部、イドリブ県北西部からの反体制武装集団の撤退を合意したのを受けたもの。
AFP, June 3, 2018、ANHA, June 3, 2018、AP, June 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2018、al-Hayat, June 4, 2018、Reuters, June 3, 2018、SANA, June 3, 2018、UPI, June 3, 2018などをもとに作成。
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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市郊外の砂漠地帯、ジャラー渓谷、サーリヒーヤ村(サーリヒーヤト・ブーカマール村)、ドゥワイル村一帯にあるシリア軍および親政権民兵の拠点複数カ所を襲撃し、兵士・戦闘員複数人を殺傷した。
一方、SANA(6月3日付)によると、シリア軍がブーカマール市近郊(ユーフラテス川西岸)のハスラート村、サイヤール村、ジャラー村、アッバース村に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。
こうしたなか、『ハヤート』(6月4日付)によると、ダイル・ザウル県のユーフラテス川西岸の砂漠地帯にイラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵の増援部隊が派遣された。
増援部隊の派遣は、レバノンの首都ベイルートとイランの首都テヘランを結ぶシリア領内の完全道路の安全を確保するのが狙いだという。
AFP, June 3, 2018、ANHA, June 3, 2018、AP, June 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2018、al-Hayat, June 4, 2018、Reuters, June 3, 2018、SANA, June 3, 2018、UPI, June 3, 2018などをもとに作成。
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北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、アサド大統領が北朝鮮を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談することを計画していると伝えた。
北朝鮮の『労働新聞』(6月3日付)によるとは、5月30日の首都ダマスカスでの駐シリア北朝鮮大使の信任状捧呈式で、北朝鮮訪問の意向を示したという。
また訪問の意思を伝える際、アサド大統領は「最終的に勝利し、朝鮮を再び統一すると確信している」と述べたという。
AFP, June 3, 2018、ANHA, June 3, 2018、AP, June 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2018、al-Hayat, June 4, 2018、KCNA, June 3, 2018、Reuters, June 3, 2018、SANA, June 3, 2018、UPI, June 3, 2018、『労働新聞』6月3日などをもとに作成。
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ハサカ県では、SANA(6月3日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)などが地元住民の話として伝えたによると、米主導の有志連合が県南部のハサン・アリー村などを爆撃し、住民1人が死亡、4人が負傷した。
AFP, June 3, 2018、ANHA, June 3, 2018、AP, June 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2018、al-Hayat, June 4, 2018、Reuters, June 3, 2018、SANA, June 3, 2018、UPI, June 3, 2018などをもとに作成。
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ハサカ県では、シリア部族最高評議会のマダッル・ハマード・アスアド報道官によると、西クルディスタン移行期民政局のアサーイシュがカーミシュリー市、ハサカ市などで1日から2日にかけて、人民防衛隊(YPG)への従軍を忌避する若者200人以上を拘束した。
ドゥラル・シャーミーヤ(6月3日付)が伝えた。
一方、ANHA(6月3日付)によると、トルコ軍がセレ・カニ(ラアス・アイン)市の穀物サイロ、ジャーン・タマル村に対して発砲した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン市中心に位置する「アザーディー広場」と市北部のマフムーディーヤ地区でトルコの占領や反体制武装集団の犯罪行為に抗議するデモが発生し、住民数十人が参加した。
AFP, June 3, 2018、ANHA, June 3, 2018、AP, June 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2018、al-Hayat, June 4, 2018、Reuters, June 3, 2018、SANA, June 3, 2018、UPI, June 3, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県3件、アレッポ県5件)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも1件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2018をもとに作成。
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『ハヤート』(6月3日付)は、シリア南部(ダルアー県、クナイトラ県)の反体制武装集団支配地域の処遇をめぐるロシア、英国、ヨルダン、そしてイスラエルの折衝にイランが前向きな姿勢を示すなか、アレッポ県タッル・リフアト市一帯の西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配地域やラタキア県北部の反体制武装集団の支配地域の処遇をめぐるロシアとトルコの取引にイランが反発を強めていると伝えた。
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シリア南部の反体制武装集団の処遇をめぐっては、イラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵、そしてレバノンのヒズブッラーをイスラエル占領下のゴラン高原一帯から撤退させること、シリア軍部隊を同地に展開させること、ナスィーブ国境通行所をシリア政府と反体制武装集団の共同管理下に置き開放することなどで、ロシア、米国、ヨルダンが原則合意に至っている。
これに関して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、「関係当時国はイランの部隊をシリア南西部から退去させることで合意した…。たとえこの合意が今実施されないとしても、近い将来実施されるだろう」と述べた。
また、イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は、シリア国内に進駐するイランの部隊が軍事顧問であり、シリア政府の要請を受けた正当なものだと改めて主張しつつも、「イランの顧問団はシリア南部での軍事作戦において役割を担わない」と述べた。
そのうえで「シリア・ヨルダン国境からテロリストを掃討し、シリア軍による同地域の制圧を後押しするロシアの取り組みを支持する」と強調した。
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なお、イスラエルは、シリア領内全域からイランの部隊を撤退させることを迫っている。
イスラエルのチャンネル10(6月2日付)は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が米国のマイク・ポンペオ国務長官と電話会談に関して、シリア情勢、とりわけシリア南部の処遇をめぐって意見を交わした。
この会談で、ネタニヤフ首相は、イランの部隊がシリア全土から撤退しない限り、シリア政府軍がシリア南部に展開することに反対するとの意向を伝えたという。
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一方、シリア北部をめぐって、ロシアとトルコは、タッル・リフアト市一帯のロジャヴァ支配地域を、トルコが支援する反体制武装集団に引き渡すこと、これを条件にシャーム解放機構や新興のアル=カーイダ系組織であるフッラース・ディーンなどの反体制武装集団がラタキア県北部やイドリブ県北西部から撤退することで決着したという。
反体制武装集団の撤退が計画されているのは、イドリブ県のジスル・シュグール市、ガーブ平原、そしてラタキア県北部を結ぶ三角地帯。
この合意は、シリア駐留ロシア軍司令部に設置されているラタキア県フマイミーム航空基地に対する無人航空機(ドゥローン)を用いた空爆未遂事件が頻発していることを受けたもので、ロシアはこうした攻撃を回避したい意向を持っていた。
また、トルコは、アフリーン郡に続いて、アレッポ県に残存するロジャヴァの「飛び地」の掌握を狙っていた。
タッル・リフアト市には、シリア軍第4師団、共和国護衛隊が、ロシア憲兵隊に代わって、今年2月以降進駐している。
だが、12イマーム派が住むヌッブル市、ザフラー町を囲むかたちで拡がるタッル・リフアト市一帯のロジャヴァ支配地域をトルコ側に引き渡すことにイランは反発を強めているという。
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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月2日付)によると、サフワ村で1日夜から2日見目にかけて、住民や戦闘員合わせて数十人がシリア政府との和解に反対するデモを行った。
こうしたなか、シリア政府との和解交渉を行う反体制派側の和解委員会のメンバー3人がムサイフラ町と東ガーリヤ村を結ぶ街道に何者かによって襲撃され、死亡した。

AFP, June 2, 2018、ANHA, June 2, 2018、AP, June 2, 2018、Channel 10, June 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2018、al-Hayat, June 3, 2018、Reuters, June 2, 2018、SANA, June 2, 2018、UPI, June 2, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月2日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(ラタキア県)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも1件(ダルアー県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 2, 2018をもとに作成。
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ハサカ県では、SANA(6月2日付)、シリア人権監視団などが地元住民の話として伝えたによると、米主導の有志連合がシャッダーディー市南東部のズィーブ・ハッダージュ村を爆撃した。
これにより、SANAによると住民8人(一家8人)が、シリア人権監視団によると12人が死亡した。
AFP, June 2, 2018、ANHA, June 2, 2018、AP, June 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2018、al-Hayat, June 3, 2018、Reuters, June 2, 2018、SANA, June 2, 2018、UPI, June 2, 2018などをもとに作成。
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ロシアの『イズヴェスチア』(6月1日付)は、アサド大統領が南オセチア共和国のアナトリー・ビビロフ大統領から同国訪問の正式招待を受けたと伝えた。
シリア政府が5月29日に、アブバシアとともに南オセチア共和国の独立を認めたのを受けた動き。
AFP, June 1, 2018、ANHA, June 1, 2018、AP, June 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2018、al-Hayat, June 2, 2018、Izvestia, June 1, 2018、Reuters, June 1, 2018、SANA, June 1, 2018、UPI, June 1, 2018などをもとに作成。
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米軍統合参謀本部のケネス・マッケンジー報道官は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米国との共闘を断念しない場合「力による解放という手段に訴え、力によってその支配地域を解放する。米国がいようがいまいが、それ以外には選択肢はない」とのアサド大統領の発言に関して、「シリアのいかなる当事者であれ、米軍部隊や有志連合の協力者への攻撃が最悪の政策だということを理解すべきだ」と述べた。
AFP, June 1, 2018、ANHA, June 1, 2018、AP, June 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2018、al-Hayat, June 2, 2018、Reuters, June 1, 2018、SANA, June 1, 2018、UPI, June 1, 2018などをもとに作成。
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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月1日付)によると、トルコの実質占領下にあるジャラーブルス市で、住民や活動家数十人が金曜日の集団礼拝後にデモを行い、反体制武装集団どうしの戦闘に抗議、市内からの退去を求めた。
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一方、ANHA(6月1日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)は公式サイトを通じて、YPGと女性防衛隊(YPJ)が5月30日から31日にかけて、アレッポ県アフリーン郡にあるトルコ軍とその支援を受ける「傭兵」(反体制武装集団)の拠点複数カ所を攻撃、兵士・戦闘員複数人を殺傷したと発表した。
YPGによると、30日の攻撃は、シャッラー村近郊のクール・タクラーク村のトルコ軍拠点に対して行われ、トルコ軍兵士2人を殺害、31日の攻撃は、アフリーン市東部のミーリミーン村にある武装集団拠点に対して行われ、トルコ軍兵士と戦闘員多数を殺傷したという。
この戦闘で、YPG側も3人が死亡したという。
AFP, June 1, 2018、ANHA, June 1, 2018、AP, June 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2018、al-Hayat, June 2, 2018、Reuters, June 1, 2018、SANA, June 1, 2018、UPI, June 1, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(6月1日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ラタキア県)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも1件(ダルアー県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, June 1, 2018をもとに作成。
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米中央軍(CENTCOM)は、5月25日~5月31日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。
5月25日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(7回)、シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。
5月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し11回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。
5月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は5回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。
5月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は0回だった。
5月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。
5月30日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(3回)、シャアファ村近郊(1回)、ハジーン市市近郊(2回)に対して行われた。
5月31日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ブーカマール市近郊(4回)、シャッダーディー市近郊(2回)に対して行われた。
なお、5月の空爆回数は225回で、3月の74回との比較で304%増、4月の123回との比較で123%増だった。
CENTCOM, June 1, 2018をもとに作成。
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米国務省は、シャーム解放機構を移民国籍法第219条と大統領令第13224号に基づき、外国テロ組織(FTO)、特別指定グローバルテロ組織(SDGT)に指定されているシャームの民のヌスラ戦線の別名(alias)として追加登録したと発表した。
なおシャームの民のヌスラ戦線はイラク・アル=カーイダの別名(alias)として2012年末にFTO、SDGTに登録されている。
AFP, June 1, 2018、ANHA, June 1, 2018、AP, June 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 1, 2018、al-Hayat, June 2, 2018、Reuters, June 1, 2018、SANA, June 1, 2018、UPI, June 1, 2018などをもとに作成。
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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、DWの番組(5月31日付)に出演し、アサド大統領の進退に関して、「誰がシリアを統治するかを決めるのは、シリア国民に帰する問題だ。だから、我々はシリアで民主的選挙が行われるのを歓迎したい」と述べた。
チャヴシュオール外務大臣はまた「トルコは重要且つ決定的な役割を担っている。我々はロシアとの協力を開始し、今イランとも協力するようになった。イランも重要なアクターだ」と強調した。

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一方、『ハヤート』(6月1日付)によると、チャヴシュオール外務大臣は、「我々はこの間、米国と(西クルディスタン移行期民政局の)人民防衛隊(YPG)をトルコ国境に面する地域から排除するために行動してきた。我々ではなく、同盟国である米国がこの問題のそもそもの原因だ。米国はテロ組織を支援し、この組織とシリアで共に行動することを選んだ。これは致命的な過ちだ」と述べた。
チャヴシュオール外務大臣はまた、「我々はこの間、米国の過ちを正そうとしてきた。米国は我が国のような同盟国を失う危険に直面している」と付言した。
AFP, May 31, 2018、ANHA, May 31, 2018、AP, May 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2018、DW, May 31, 2018、al-Hayat, June 1, 2018、Reuters, May 31, 2018、SANA, May 31, 2018、UPI, May 31, 2018などをもとに作成。
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アレッポ県では、『ハヤート』(6月1日付)やドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、トルコの実質占領下にあるユーフラテス川右岸の国境の町ジャラーブルス市で30日夜、トルコの支援を受ける反体制武装集団どうしが衝突、交戦した。
戦闘は、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動と、北部旅団、東部自由人連合、スルターン・ムラード師団の3組織の間で行われ、トルコ軍が介入を試みたが失敗に終わった。
ドゥラル・シャーミーヤによると、戦闘は、トルコからアレッポ県ジャラーブルス市を経由してマンビジュ市に向かう乗合タクシー(セルヴィス)の処遇に端を発するもので、シャーム自由人イスラーム運動が北部旅団のメンバー4人を拘束したことをきっかけに激化したという。
両者の交戦を受け、東部獅子連合とスルターン・ムラード師団が停戦を試みたが、シャーム自由人イスラーム運動の発砲を受け、北部師団側について戦闘に参加した。
なお戦闘により、住民3人が巻き添えとなり死亡、20人以上が負傷した。
また市内では、戦闘に抗議するゼネストが発生したという。
一方、ANHA(5月31日付)によると、ジャラーブルス市で、爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、住民1人が死亡、多数が負傷した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月31日付)によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるアリーハー市のマイダーン地区で激しい爆発が発生し、ビル1棟が倒壊、子供3人が死亡、5人が負傷した。
AFP, May 31, 2018、ANHA, May 31, 2018、AP, May 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2018、al-Hayat, June 1, 2018、Reuters, May 31, 2018、SANA, May 31, 2018、UPI, May 31, 2018などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月31日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件、アレッポ県3件)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, May 31, 2018をもとに作成。
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有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2018年4月にシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる4件の新たな報告を受け、すでに報告されている476件と併せて調査を行い、159件の調査を完了した。
調査を完了した案件のうち149件は事実と異なり、また5件は重複しており、民間人の犠牲者が出たとされるのは5件のみで、これによる民間人の犠牲者は9人だった。
321件については調査が継続される。
これにより、2014年8月から2018年4月までに有志連合が実施した空爆2万9,358回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は892人となった。
CENTCOM, May 31, 2018をもとに作成。
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ジャズィーラ(5月30日付)は、サウジアラビア、UAE、ヨルダンの軍関係者が、アレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市近郊のハッラーブ・ウシュク村にある有志連合の基地を訪問し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊主体のシリア民主軍の司令官や有志連合(米軍)の前線司令官と24時間にわたり会合を行ったと伝えた。
アナトリア通信(5月30日付)によると、サウジアラビア、UAE、ヨルダンの軍事関係者の基地訪問は、シリア民主軍に参加しているアラブ部族(シャンマル部族)民兵のサナーディード軍を核とする「国境警備隊」の発足について協議するためだという。
AFP, May 30, 2018、Aljazeera.net, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。
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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ハベルトゥルク(5月30日付)とのインタビューで、米国主導の有志連合が支援する西クルディスタン移行期民政局の実効支配下にあるマンビジュ市(アレッポ県)の処遇に関して、米国と合意に達したことを明らかにした。
インタビューのなかで、チャヴシュオール外務大臣は「マンビジュ市に新たな自治体制が確立したら、トルコ軍と米軍がマンビジュを支配することになるとの理解に達した…。米国と(正式に)合意がなされれば、人民防衛隊(YPG)は夏の終わりには撤退するだろう」と述べた。
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アナトリア通信(5月30日付)は、複数の消息筋の話として、両国の合意は、6月4日に予定されているトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣とマイク・ポンペオ米国務長官との会談で正式に発表されると伝えた。
同通信によると、合意では、①第1段階として、PYDがマンビジュ市からアイン・アラブ(コバネ)市を経て、ラッカ県アイン・イーサー市に撤退すること、②第2段階として、トルコと米国の部隊と諜報機関が合意締結から45日以内に進駐し、同市の監視にあたること、③第3段階として、合意締結から60日以内に、同地の自治政体を樹立することなどが決定されたという。
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しかし、米国務省のヘザー・ナウアート報道官は29日、「マンビジュ市の処遇に関してトルコと協議中で…合意に果たしていない」と述べ、これを否定している。
また、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の傘下にあるマンビジュ軍事評議会のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官は、「有志連合との連携は継続される。マンビジュ市からマンビジュ軍事評議会が撤退するとの話には根拠がない」と述べた。
ANHA(5月30日付)が伝えた。
AFP, May 30, 2018、Anadolu Ajansı, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、Haberturk, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでのプリマコフ読書国際フォーラムで演説し、「すべての外国人部隊がシリア南西部の緊張緩和地帯から退去しなければならない」と述べ、イラン・イスラーム革命防衛隊、その支援を受ける外国人民兵、そしてレバノンのヒズブッラーにダルアー県、クナイトラ県からの撤退を迫った。
ラブロフ外務大臣はまた「シリア南西部の緊張緩和地帯について周知の合意がある。それはロシア、米国、そしてヨルダンが至った合意だ」と強調、「それ(外国人部隊の撤退)を早急に実施する必要がある。我々は今そのためにヨルダンや米国とともに行動している」と付言した。
リア・ノヴォースチ通信(5月30日付)などが伝えた。
AFP, May 30, 2018、ANHA, May 30, 2018、AP, May 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 30, 2018、al-Hayat, May 31, 2018、Reuters, May 30, 2018、RIA Novosti, May 30, 2018、SANA, May 30, 2018、UPI, May 30, 2018などをもとに作成。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月30日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。
またトルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認したという。
Ministry of Defence of the Russian Federation, May 30, 2018をもとに作成。
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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は電話会談を行い、シリア情勢について意見を交わした。
『ハヤート』(5月30日付)によると、この会談で両首脳は、「シリアをイランとイスラエルの戦場とすることを阻止する」ことで一致した。
AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。
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