ペイホン米国防総省報道官は反体制派への地対空兵器への供与を否定(2018年2月3日)

米国防総省のエリック・ペイホン報道官は、イドリブ県サラーキブ市上空で、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構がロシア空軍のSu-25戦闘爆撃機を地対空ミサイル・システムで撃墜したことを受け、「米国はシリア国内のいずれの協力部隊にも地対空兵器を増強していないし、将来そうする意思もない」と述べた。

ペイホン報道官はまた「我々の作戦は、地理的にはシリア東部のダーイシュ(イスラーム国)に対する戦闘任務に集中している」と付言した。
スプートニク・ニュース(2月4日付)が伝えた。

AFP, February 4, 2018、ANHA, February 4, 2018、AP, February 4, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 4, 2018、al-Hayat, February 5, 2018、Reuters, February 4, 2018、SANA, February 4, 2018、Sputnik News, February 4, 2018、UPI, February 4, 2018などをもとに作成。

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ロイター通信:北朝鮮はシリアと弾道ミサイル、化学兵器開発で協力(2018年2月3日)

ロイター通信(2月3日付)は、北朝鮮が国連安保理が科している制裁に違反し、禁輸対象となっている産品をシリアやミャンマーに輸出し、2017年に2億米ドル近くの収益を得ていたと伝えた(https://www.reuters.com/article/us-northkorea-missiles-un-exclusive/exclusive-north-korea-earned-200-million-from-banned-exports-sends-arms-to-syria-myanmar-u-n-report-idUSKBN1FM2NB?il=0)。

安保理北朝鮮制裁委員会が新たに作成した報告書によると、北朝鮮はロシア、中国、韓国、マレーシア、ヴェトナムに不正に輸出していたという。

また、北朝鮮は、シリアおよびミャンマーと弾道ミサイルや化学兵器の開発で協力を行っていることを示すさらなる証拠をつきとめたという。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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トルコのカルン大統領府報道官「アサドがいつ去るかはいずれ答えられる問題」(2018年2月3日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、1月20日にトルコ軍が開始を宣言したアレッポ県アフリーン市一帯の西クルディスタン移行期民政局支配地域に対する「オリーブの枝」作戦に関して、シリア軍のイドリブ県への進攻を黙認することの見返りとして、ロシアが黙認したとの一部見方を否定した。

カルン報道官は「我々がイドリブを与え、その代わりにアフリーンをとる」というような合意はロシアとの間にはない。二つの作戦は別のものだ」と述べた。

カルン報道官はまた「ロシアは、アサド個人を守ろうとしているのではない。国家機関、シリア軍、そして体制の面々を守ろうとしているのだ…。シリアで国家が完全に崩壊しないことの保障が欲しいのだ」としたうえで、「シリアでの政治移行は…容易ではないが、これが最終目標だ。そしていずれかの段階で、アサドは去らないが…、それをいつにするかは…ゆくゆくはっきりと答えられるべき問題だ」と述べた。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「アレッポ県アフリーン市一帯での「オリーブの枝」作戦はあと少しで目標を達成する」(2018年2月3日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、1月20日にトルコ軍が開始を宣言したアレッポ県アフリーン市一帯の西クルディスタン移行期民政局支配地域に対する「オリーブの枝」作戦に関して、「目標達成に近づいており…、あと少しを残すだけ」と述べた。

『ハヤート』(2月4日付)などが伝えた。

なお、トルコと米国は、アレッポ県ユーフラテス川右岸のマンビジュ市の処遇などについて協議を重ねているという。

 

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

 

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YPJ、YPG主体のシリア民主軍はアレッポ県アフリーン市一帯に侵攻したトルコ軍戦車2輌を撃破(2018年2月3日)

アレッポ県では、ANHA(2月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の女性防衛部隊(YPJ)が、ブルブル町近郊のハフタールー村に侵攻したトルコ軍戦車を攻撃、これを破壊した。

ANHA, February 3, 2018

また人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍も、ラージュー町近郊のマアマラー村に侵攻したトルコ軍戦車を攻撃、これを破壊、乗っていたトルコ軍兵士と戦車の近くにいた反体制武装集団多数を殺害した。

シーヤ町近郊のハリール村でも、シリア民主軍はトルコ軍の装甲車を破壊した。

これに関して、トルコ軍参謀本部は、「クルド人民兵とダーイシュ(イスラーム国)」がアフリーン市北東部のシャイフ・フールズ地区でトルコ軍戦車1輌を撃破し、兵士5人を殺害したことを認めた。

アナトリア通信(2月3日付)が伝えた。

なお、シリア民主軍広報センターによると、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の爆撃・砲撃および戦闘は、ラージュー町、ジャッラー村、ジャーンカー村、ジャクマーマク村、ビーラー山、ラージュー町一帯、ジャンディールス市近郊の西アーシュカーン村、ハマーム村、ビークダール山、シャッラー村一帯、ブルブル町近郊のハフタールー村、カフリー・カッル丘一帯で発生した。

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ラッカ県では、ANHA(2月3日付)によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市西方のスーサク村を越境砲撃、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がただちに応戦した。

AFP, February 3, 2018、Anadolu Ajansı, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダ「シャーム解放機構」はロシア空軍Su-25を撃墜し、パイロットを殺害(2018年2月3日)

ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県でロシア空軍のSu-25戦闘爆撃機が反体制武装集団の攻撃を受けて墜落、パイロットは墜落後に投降を拒否し、武装集団との戦闘で死亡したと発表した。

ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令室は現在、トルコを通じて遺体返還のため折衝を行っているという。

RT(2月2日付)が伝えた。

これに関して、シャーム解放機構に近いイバー通信(2月2日付)は、シャーム解放機構がサラーキブ市近郊(ムアスラーン村近郊)でSu-25を撃墜したと伝えた。

シャーム解放機構の防空大隊を指揮するマフムード・トゥルクマーニー司令官がイバー通信(2月3日付)に明らかにしたところによると、Su-25撃墜に使用されたのは、携帯式防空ミサイル・システムだという。

al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2018、Reuters, February 3, 2018、RT, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, February 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは10件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2018年2月3日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(アレッポ県2件、ラタキア県6件、ヒムス県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも8件(イドリブ県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村、ヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,348市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2018をもとに作成。

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グテーレス国連事務総長「ソチでのシリア国民対話大会は国連とロシアの相互理解に基づいている」(2018年2月2日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、30日にソチで閉幕したシリア国民対話大会に関して、「大会の性格、そして成果は、ロシアと国連の相互理解に基づいており…、ジュネーブ・プロセスを推進させるだろう」としたうえで、大会で設置合意された制憲委員会については、「この決定は(ジュネーブ会議における)主要な三つの議題、すなわち統治、選挙、憲法改正を明確に謳っている…。ソチでの大会は憲法改正に関わっている。一方、ジュネーブではすべての議題が…協議される」と高く評価した。

『ハヤート』(2月4日付)などが伝えた。

AFP, February 3, 2018、ANHA, February 3, 2018、AP, February 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2018、al-Hayat, February 4, 2018、Reuters, February 3, 2018、SANA, February 3, 2018、UPI, February 3, 2018などをもとに作成。

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マティス米国防長官「我々は証拠は握っていないが、アサド政権がサリン・ガスをした可能性に強い関心を持っている」(2018年2月2日)

ジェームズ・マティス米国防長官は、記者らに対して、「シリア政府が度々塩素ガスを兵器として使用している」としたうえで、「我々はサリン・ガスが使用された可能性についてこれまで以上に強い関心を持っている…。ただし、その証拠は握っていない」と述べた。

マティス国防長官はまた「私が言っているのは、現場で活動するNGOや戦闘員が、サリン・ガスが使用されてきたと言っているということだ。だから、我々は証拠を探している…。我々がどのように対応するか見てきたはずだ。彼ら(アサド政権)が化学兵器禁止条約に違反するようなことを再び行ったとしたら軽率だ」と付言した。

ロイター通信(2月2日付)が伝えた。

発言は、ダマスカス郊外県東グータ地方でシリア軍が塩素ガスを装填した砲弾を使用して攻撃を行ったとする情報が拡散されているなかで、米匿名高官が1日にロイター通信に対して、「シリアでの最近の化学兵器による攻撃はアサド政権軍が新たな兵器を開発しようとしていることを示している…。シリアの化学兵器が米国の海岸に到達しないよう国際社会はアサド政権への圧力を増強すべき」と述べたのを受けるもの。

al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018

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『ハヤート』(2月3日付)によると、フランス外務省は、アサド政権が再三にわたり化学兵器を使用していることに「深い懸念」を表明した。

そのうえで、フランス政府が友好国とともに、アサド政権が化学兵器を使用したことを示すために取り組んでいることを明らかにした。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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イスラエルはロシア連邦安全保障会議のパトルシェフ書記に、アサド政権の化学兵器がヒズブッラーの手に渡ることへの懸念を伝える(2018年2月2日)

ロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記がイスラエルを訪問し、ベンヤミン・ネタニヤフ首相ら高官と会談、両国の安全保障面での協力などについて意見を交わした。

『ハヤート』(2月3日付)が複数の欧州消息筋からの情報として伝えたところによると、イスラエル側は、パトルシェフ書記に対して、アサド政権の化学兵器がヒズブッラーの手に渡ることへの懸念を伝えたという。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領はトルコのチャヴシュオール外務大臣の猛反発を前に態度を軟化、「オリーブの枝」作戦を黙認(2018年2月2日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、トルコ軍のアフリーン市一帯への侵攻(「オリーブの枝」作戦)に対する自身の発言に対してトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が「侮辱」だと非難したことを受け、記者会見で、「私はトルコの外務大臣の反応はおそらくは、トルコの作戦が、国境警備を越えるものではなく、トルコは今日占領している地域からさらに進軍する意図はなく、また占領地に長期間進駐する意図はないと見ると」述べた。

『ハヤート』(2月3日付)などが伝えた。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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トルコのユルドゥルム首相「YPG主体のシリア民主軍のトルコへの越境砲撃で5人が死亡」(2018年2月2日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相は、シリア民主軍がアレッポ市一帯からトルコ領内に向けて撃ったロケット弾により、民間人5人が死亡、100人以上が負傷していると述べた。

ユルドゥルム首相は首都アンカラでの高速道路建設の着工式で、「卑しいテロリストどもは、この12日間で、ハタイ県、キリス県に82発もの砲弾を撃ち込んできた。これにより、民間人5人が死亡、100人以上が負傷している」と述べた。

『ハヤート』(2月3日付)によると、ハタイ県のシリア国境に近いレインハル市に2日、ロケット弾5発が着弾、1人が死亡、9人が負傷した。

また、トルコの複数メディアによると、キリス県にも5発のロケット弾が着弾し、3人が負傷したという。

なお、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍はトルコ領内への越境砲撃への関与を否定している。

AFP, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍特殊部隊がキリス市を越境砲撃するYPG主体のシリア民主軍のダールマク山拠点を制圧(2018年2月2日)

アレッポ県では、アナトリア通信(2月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市一帯での「オリーブの枝」作戦を続行し、トルコ軍特殊部隊が、トルコ領内のキリス市に対して砲撃を行ったとされる西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が展開していたダールマク山を制圧した。

これに先立って、トルコ軍航空部隊は、シリア民主軍の拠点9カ所を爆撃した。

また、シリア人権監視団によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が1日に制圧したブルブル町で、シリア民主軍との戦闘を続けた。

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一方、シリア民主軍広報センター、SANA(2月2日付)などによると、ジャンディールス市および同市近郊のハマーム村、シャッラー村近郊のダイルサワーン村、アラブ・ワイラーン村、ジャバル・バーフルール村、ヴィーラー・カーディー村、ブルブル町近郊、シーヤ(シャイフ・ハディード)村および同村近郊のハリール村、マアバトリー(マーバーター)町、ラージュー町近郊のアリー・シースカー村、マイダーナー村一帯、タッル・リフアト市近郊のカルジャブリーン村一帯、シャフバー・ダム一帯などに対して、トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団は砲撃を行い、シリア民主軍がこれに応戦した。

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このほか、ANHA(2月2日付)によると、ラージュー町近郊のカフリー・カッル村一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(バドル殉教者大隊)と交戦し、戦闘員4人を殺害した。

ANHAによると、バドル殉教者大隊は、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓っているという。

ANHA, February 2, 2018

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トルコ軍参謀本部によると、20日以降、1日晩までにトルコ軍部隊はシリア民主軍戦闘員823人を殺害したという。

一方、シリア人権監視団によると、アフリーン市一帯での死者は、民間人が68人、トルコ軍側が110人、シリア民主軍側が102人にのぼるという。

AFP, February 2, 2018、Anadolu Ajans, February 2, 2018、ANHA, February 2, 2018、AP, February 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2018、al-Hayat, February 3, 2018、Reuters, February 2, 2018、SANA, February 2, 2018、UPI, February 2, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年2月2日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月2日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県2件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(イドリブ県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にハマー県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,346市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は1月26日~2月1日までの7日間でシリア領内で48回の爆撃を実施(2018年2月2日)

米中央軍(CENTCOM)は、1月26日~2月1日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の空爆の戦果をHPで発表した。

1月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し8回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は10回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し3回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は3回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月30日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

1月31日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し7回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は7回で、ブーカマール市近郊(6回)シャッダーディー市近郊(1回)に対して行われた。

2月1日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し5回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は5回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

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CENTCOMはまた、2017年11月から2018年1月の爆撃で死亡が確認されたダーイシュ幹部の氏名を発表した。

死亡が確認されたのは、アブー・アナス・フーラーティー、アブドゥッラフマーン・フィリビーニー、アブドゥッラフマーン・タミーミー、ハサン・ジャッザーリー、アイシュ・ダギスターニー。

CENTCOM, February 2, 2018をもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「シリア国民対話大会に出席したテロリストの身柄引き渡しをロシアに要請した」(2018年2月1日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、首都アンカラで記者団に対して、「西クルディスタン移行期民政局に対する軍事作戦がシリア「侵略」の口実となってはならない」とのフランスのエマニュエル・マクロン大統領の発言を非難、「トルコに教訓を与えることができるのはフランスでもなければ、それ以外の国でもない。彼らはこの作戦の目的を熟知すべきだ…。フランスのような国が、国際法に準じて実施されている作戦にコメントすることは、侮辱だ」と反論した。

チャヴシュオール外務大臣は一方、30日に閉幕したソチでのシリア国民対話大会に、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線の指導者アリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル)氏が出席したことに関して、トルコの当局が、指名手配中の「テロリスト」である同氏の身柄引き渡しをロシア政府に要請したことを明らかにした。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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米匿名高官「アサド政権が化学兵器使用を続ければ、米国は同政権を爆撃するだろう」(2018年2月1日)

ロイター通信(2月1日付)は、米匿名高官の話として、アサド政権が化学兵器の使用を続けた場合、米国には同政権に対して爆撃を行う意思がある、と伝えた。

同匿名高官によると、アサド政権は「昨年4月の(イドリブ県ハーン・シャイフーン市での)攻撃移行後、限定的ではあるが化学兵器の使用を続けている…。シリアでの最近の化学兵器による攻撃はアサド政権軍が新たな兵器を開発しようとしていることを示している…。シリアの化学兵器が米国の海岸に到達しないよう国際社会はアサド政権への圧力を増強すべき」と述べた。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍と反体制武装集団はブルブル町を制圧(2018年2月1日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)によると、「オリーブの枝」作戦に参加する反体制武装集団が、ブルブル町を制圧した。

また同町近郊のザアラ村、アリー・カール村、イルハーム・バースィート基地も合わせて制圧したという。

一方、SANA(2月1日付)によると、トルコ軍がアフリーン市、ハマーム村を爆撃し、民間人2人が死亡した。

また、カンディー村、マザン村、バーシャムラ村、バースーファーン村がトルコ軍の砲撃を受けた。

他方、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団の拠点を攻撃し、トルコ軍兵士6人を殺害した。

al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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AFPはトルコ軍が爆撃で破壊したアレッポ県アフリーン市近郊にあるアイン・ダーラ神殿の写真を公開(2018年2月1日)

AFP(2月1日付)は、西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市一帯に対するトルコ軍の「オリーブの枝」作戦で破壊されたアイン・ダーラ神殿の写真を掲載した(http://www.afpbb.com/articles/-/3160723?pid=19767221)。

シリア人権監視団によると、遺跡は1月26日のトルコ軍の越境爆撃によって破壊されたという。

アイン・ダーラ神殿は、鉄器時代のヒッタイト新王国の神殿で、紀元前1300年頃から紀元前700年頃にかけて建設された。

1982年に発見され、玄武岩できた巨大なライオン像で知られる。

西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の文化財保護当局によると、爆撃によって4~5割が破壊された。

被害を免れたのは神殿の後部のみで、ライオン像1体も破壊された。

AFP, February 1, 2018

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年2月1日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(2月1日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県4件、ラタキア県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。
一方、過去24時間にヒムス県の2カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,344市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2018をもとに作成。

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トルコのブズダー副首相「マンビジュ市に対する作戦は「オリーブの枝」作戦とは別に行われる(2018年1月31日)

トルコのバクル・ブズダー副首相兼内閣報道官は、テレビのインタビューで「オリーブの枝」作戦に言及、「作戦は(アレッポ県の)アフリーン市一帯に限定されるが、トルコは目的を達成するまで作戦を停止することはない。(アレッポ県の)マンビジュ市やユーフラテス川東岸で行われる作戦は、この作戦とは別個に行われるだろう」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(2月1日付)が伝えた。

AFP, February 1, 2018、ANHA, February 1, 2018、AP, February 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2018、al-Hayat, February 2, 2018、Reuters, February 1, 2018、SANA, February 1, 2018、UPI, February 1, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領「トルコはクルドに対する口実をシリア侵略の口実にすべきでない」(2018年1月31日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、『ル・フィガロ』(1月31日付)のインタビューに応じ、そのなかでトルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻に言及、同地を実効支配する西クルディスタン移行期民政局に対する軍事作戦が、シリア「侵略」の口実となってはならないと非難した。

AFP, January 31, 2018、ANHA, January 31, 2018、AP, January 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2018、Le Figaro, January 31, 2018、al-Hayat, February 1, 2018、Reuters, January 31, 2018、SANA, January 31, 2018、UPI, January 31, 2018などをもとに作成。

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国連高官は、イドリブ県、アレッポ県アフリーン市一帯への医療施設への攻撃、避難民増加に警鐘を鳴らす(2018年1月31日)

UNHCRのパノス・ムムツィス(Panos Moumtzis)シリア難民担当調整官は、シリア北西部(イドリブ県)で病院などの医療施設が攻撃に曝され続けており、数十万の人々が医療を受けるという基本的な権利を奪われている」と警鐘を鳴らした。

発言は、国境医師団の支援を受けるイドリブ県サラーキブ市内のウダイ病院が爆撃を受け、11人が死傷した事件を受けたもの。

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また、ユーソラ・ミューラー国連副事務総長(人道問題担当)は、イドリブ県南東部とハマー県北東部でのシャーム解放機構などからなる反体制武装集団とシリア軍の戦闘で、27万人以上が同地を逃れ、うち16万人あまりが避難民キャンプでの避難生活を余儀なくされていると述べた。

ミューラーは副事務総長は、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻により、1万5,000人以上が同地内に非難、1,000人がアレッポ県内の他の地域に非難していると述べた。

AFP, January 31, 2018、ANHA, January 31, 2018、AP, January 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2018、al-Hayat, February 1, 2018、Reuters, January 31, 2018、SANA, January 31, 2018、UPI, January 31, 2018などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が電話会談:シリア国民対話大会の成果を確認するとともに、アレッポ県西部のトルコ軍侵入への対応を協議(2018年1月31日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、アレッポ県西部に侵入したトルコ軍部隊に対するシリア軍の砲撃や親政権民兵の爆弾攻撃に関して、電話会談を行い、シリア北西部のイドリブ県に監視拠点を設置する取り組みを加速させることで合意した。

トルコ大統領府消息筋がロイター通信(1月31日付)に対して明らかにした 。

一方、ロシア大統領府は、この電話改案で、30日に閉幕したソチでのシリア国民対話大会での合意の意義を評価、「国連安保理での決定に基づくシリアの危機の解決をめざす」ことを確認したと発表した。

なお、トルコ大統領府筋も、アナトリア通信(1月31日付)に対して、シリア国民対話大会を「さまざまな困難にもかかわらず、大きな成果」と評価していると述べた。

AFP, January 31, 2018、Anadolu Ajansı, January 31, 2018、ANHA, January 31, 2018、AP, January 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2018、al-Hayat, February 1, 2018、Reuters, January 31, 2018、SANA, January 31, 2018、UPI, January 31, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアレッポ県アフリーン市近郊のハーリター村を爆撃し、村を完全に破壊する一方、アフリーン市の住宅街を砲撃(2018年1月31日)

アレッポ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコ軍戦闘機がシーラーワー町近郊のハーリター(ハーリディーヤ)村を爆撃し、同村を完全に破壊した。

ANHA, January 31, 2018

トルコ軍はまた、反体制武装集団とともにアフリーン市タルナダ地区の住宅街を砲撃し、11人が負傷した。

ANHA, January 31, 2018

SANA(1月31日付)によると、アフリーン市に対するこの砲撃で、子供3人と女性2人を含む12人が負傷した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(1月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末に、ブルブル町近郊のバーク・ウーバースィー村を制圧した。

AFP, January 31, 2018、ANHA, January 31, 2018、AP, January 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2018、al-Hayat, February 1, 2018、Reuters, January 31, 2018、SANA, January 31, 2018、UPI, January 31, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年1月31日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月31日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。
一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村とヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,342市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 31, 2018をもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は大会を中座しつつ「ジュネーブ会議に資する」と評価(2018年1月30日)

SANA(1月30日付)によると、オブザーバーとして出席したスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、大会閉幕後に声明を出し、大会がジュネーブ会議に資すると評価し、ロシアによる招待に謝意を示すとともに、シリア人どうしの対話が重要であると改めて強調した。

SANA, January 30, 2018

なお、デミストゥラは、開会式に出席する予定だったが、ラブロフ外務大臣の演説が終わると退場した。

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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トルコはシリア国民対話大会で6つの委員会の設置をめざすロシア側の提案を拒否しつつも、制憲委員会の構成については満足(2018年1月30日)

ジャズィーラ・チャンネル(1月30日付)は、複数の消息筋の話として、シリアの反体制派とトルコは、6つの委員会の設置を骨子とするロシア側の提案を拒否したと伝えた。

6つの委員会とは、大会の議事を統括する議長評議会、最高委員会、組織委員会の3委員会と、制憲委員会、人道委員会など3分科会。

同消息筋によると、トルコ側は、制憲委員会のみを設置し、国連がジュネーブ会議の枠組みでこれを統括するというを対案として示したという。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、制憲委員会のメンバー構成に関して、トルコ、イラン、ロシアに等しく配分されるとしたうえで、委員長にはスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が就任するだろうと述べた。

『ハヤート』(1月31日付)が伝えた。

AFP, January 30, 2018、Aljazeera.net, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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シリア国民対話大会は政権支持者1,300人、反体制派100人が出席するなか、議長評議会、制憲委員会などを選出し閉幕(2018年1月30日)

ロシアのソチで29日に開幕したシリア国民対話大会は、今後の議事運営を統括する議長評議会メンバー、採決監督委員会、組織委員会を選出するとともに、150人から構成される制憲委員会の設置を圧倒的多数で可決し、閉幕した。

Nors for Studies, January 30, 2018

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議長評議会、採決監督委員会、組織委員会、制憲委員会(分科会)は、ロシア側が設置を提案していた6つの委員会のうちの4つ。

人権委員会を含む2つの分科会は(トルコ側の拒否により)設置が見送られた。

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議長評議会メンバーに選出されたのは、ガッサーン・カラーア(ダマスカス商業会議所代表)、サフワーン・クドスィー(アラブ社会主義連合党書記長)、ムハンマド・マーヒル・カバーキービー、ジャマール・カーディリー(労働総連合総裁)、マイス・クライディー(「民主主義のためのシリア人」代表)、アマル・ヤーズジー(シリア民族社会党)、リヤード・ターウーズ、カドリー・ジャミール(モスクワ・プラットフォーム代表)、ハイサム・マンナーア(カムア潮流代表)、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー(シリア革命反体制勢力国民連立元代表、ガド潮流代表)、ランダ・カスィース(アスタナ・プラットフォーム代表)。

議長評議会メンバーはまた、サフワーン・クドスィー氏を議長に、ムハンマド・マーヒル・カバーキービー氏とマイス・クライディー氏を副議長に選出した。

一方、制憲委員会は、大会に参加したシリア政府支持者100人とそれ以外(反体制派と無所属)50人から構成され、近く正副議長や書記長を任命し、2012年に施行された現行憲法の内容について検討を行うという。

また、『ハヤート』(1月31日付)によると、大会に出席したムハンナド・ハーッジ・アリー人民議会議員によると、制憲委員会の権能は、現行憲法の改正ではなく、その内容の吟味に限られる」という。

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採決監督委員会に選出されたのは、アーラーン・バックール、マウイド・ナースィル、ハッサーン・ムハンマド・ムニール・スウーディー、サラーフ・アスアド、サージー・トゥウマ、ラーンド・ガドバーン、ムハンマド・イッザト・アラビー・カーティビー、ムハンナド・ガーニム、サアド・ルースターン、バッサーム・バッタール。

採決監督委員会は、今後の大会における採決や投票を監督することを任務とし、近く正副議長を選出する。

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組織委員会に選出されたのは、バッシャール・ムツラク(議長)、ハーリド・ハズアル、ラドワーン・ムスタファー、ムハンマド・ティーナーウィー、ミールナー・ダラーラ、ムハンマド・ザーヒル・ユースフィー、マーズィン・ハマディー、アリー・アースィー、ワースィフ・ザーブ、ムスタファー・サーリフ。

選出された組織委員会はただちに議長評議会に対して今回の大会の状況について報告した。

それによると、出席者の内訳は「シリア社会のさまざまな階層を反映した1,292人、国外の反体制派は101人、外国からの招待者34人、国連からの招待者19人」だという。

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閉幕声明では、「シリア・アラブ共和国の領土、国民の主権、独立、平和、統合を尊重・遵守し、国土のいかなる譲歩も許さず、シリア国民は国連憲章と国際法に基づくあらゆる法的手段を通じて占領下にあるゴラン高原の回復をめざす」、「諸外国との平等に立脚した国民主権の尊重・遵守、内政不干渉、国際社会におけるシリアの地位の回復」がなされねばならないと表明した。

また「シリアの未来を、独自に、そして選挙を通じた民主的な方法で確定し、外国の圧力や干渉を排除して、政治、経済、社会体制を選択する権利を有する」と強調、「シリアは政治的多元主義、市民の平等の原則に基づき、宗教的、人種的、民族的な帰属を度外視した非宗派主義的民主国家である」と確認した。

そのうえで「シリア政府は、国民統合と社会的平和、そして地元自治体を公正に代表するかたちでの包括的でバランスのとれた開発を遵守する」と表明するとともに、「軍武装部隊を維持し、憲法に則って自らの義務を果たすことが重要である」と強調した。

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ラタキア県やトルコのハタイ県(アレキサンドレッタ地方)の住民らによって構成されるアレキサンドレッタ地方解放人民戦線の指導者アリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル)氏も参加した。

al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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ロイター通信は匿名筋の話として、シリア国内で使用された化学兵器サンプルの成分が一致し、アサド政権による使用が改めて立証されたと伝える(2018年1月30日)

ロイター通信(1月30日付)は、匿名筋の話として、化学兵器禁止機関(OPCW)の複数の実験施設で、シリア軍による化学兵器使用疑惑事件が発生したダマスカス郊外県グータ地方など3カ所で現場から採取したとされるサンプルの比較が行われた結果、その成分が一致した、と伝えた。

検査の対象となったのは、2013年8月のシリア軍によりサリン・ガス使用疑惑事件の調査で採取されたサンプル(2013年9月に国連調査団がダマスカス郊外県グータ地方などで採取)、米国によるミサイル攻撃のきっかけとなった2017年4月4日のイドリブ県ハーン・シャイフーン市で採取されたとされるサンプル、そしてさらには、2013年3月に化学兵器攻撃が発生したアレッポ県ハーン・アサル市で採取されたサンプル。

これにより、シリア政府による化学兵器使用が改めて立証されたという。

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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