シリア軍は米国、ヨルダンが支援する「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室支配下のダマスカス郊外県東部砂漠地帯で進攻を続け、東カラムーン地方とタンフ国境通行所(ヒムス県)を結ぶ戦略的要衝を制圧(2017年5月9日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア軍は前日のサブア・ビヤール区制圧に続いて、県東部砂漠地帯の戦略的要衝バーバー地区から「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室に所属する反体制武装集団を掃討し、同地を制圧した。

バーバー地区はスィーン航空基地に近く、「新シリア軍」が2016年3月に制圧したヒムス県タンフ国境通行所とダマスカス郊外県東カラムーン地方を結ぶ兵站路上に位置する。

「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室は、2017年3月に結成された連合組織で、東部獅子軍(アサーラ・ワ・タンミヤ戦線が主導)、殉教者アフマド・アブドゥー軍団、部族自由人軍団、カルヤタイン殉教者、革命特殊任務軍、部族自由人軍からなり、米国、英国、ヨルダンからの支援を受けているとされる。

一方、「新シリア軍」は、東部獅子軍を主導するアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が中心となって結成された連合組織で、米国、英国、ヨルダン軍の支援を受けているが、2016年8月に主力部隊を構成していたアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が「方針の違い」を理由に離反し、勢力を減退させていた。

syria.liveuamap.com, May 9, 2017

なお、ダマスカス郊外県東部でのシリア軍の攻勢に関して関して、SNN(5月9日付)は、スィーン航空基地にシリア軍が、「アフガン人傭兵」などシーア派民兵数百人を4月に派遣し、ヨルダン国境およびイラク国境に近いシリア砂漠(ハマード砂漠)の反体制武装集団支配地域への進軍を画策していると伝えた。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア軍戦闘機が「新シリア軍」の支配下にあるイラク国境のタンフ国境通行所一帯を空爆した。

**

スワイダー県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア軍戦闘機が県東部のラジャム・ダウラ村一帯、アシュハイブ丘一帯の「新シリア軍」、「ハマード浄化のため我ら馬具を備え市」作戦司令室の支配地域を空爆、これに対して東部獅子軍が反撃、ハルハラ航空基地一帯を砲撃した。

Youtube, May 9, 2017

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、SNN, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍とダーイシュはタブカ市で戦闘を続ける(2017年5月9日)

ラッカ県では、ARA News(5月9日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタブカ市(サウラ市)の第1地区、第2地区でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

また、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる戦闘機がラッカ市各所を空爆した。

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア政府当局は停戦合意に基づく投降・退去猶予期間が終了したタッル市(ダマスカス郊外県)で徴兵忌避者の摘発を開始(2017年5月9日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア政府当局がタッル市で徴兵忌避者摘発を開始した。

タッル市では2016年11月26日、シリア政府と同市の反体制武装集団が和解(停戦合意)し、6ヶ月以内に同地からの退去を希望する戦闘員とその家族の退去、投降者(徴兵忌避者)の恩赦を行うことが定められており、今回の摘発は、6ヶ月の猶予期間が終了したことを受けたもの。

Kull-na Shuraka’, May 9, 2017

**

クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア政府と反体制武装集団の停戦合意に基づき、8日にダマスカス県バルザ地区を退去し、イドリブ県に向かった反体制武装集団戦闘員250人とその家族合わせて約1,100人は、ハマー県カルアト・マディーク町に到着した。

なお、シリア人権監視団によると、バルザ区を退去したのは1,000人から1,100人で、うち戦闘員は350人、徴兵忌避者は200人、女性・子供は300人だという。

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア・シリア両軍はアレッポ県におけるダーイシュ最後の拠点都市マスカナ市一帯で攻勢を強める(2017年5月9日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、県東部におけるダーイシュ(イスラーム国)最後の拠点都市マスカナ市に近いラスム・ファーリフ村の郊外で、ロシア軍が車を爆撃し、女性7人を含む住民少なくとも16人が死亡した。

また、ARA News(5月9日付)によると、シリア軍地上部隊がマスカナ市一帯、ジャッラーフ航空基地一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部墓地地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、またムーハサン市、ムッラート村、ブー・ウマル村を空爆した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシューマリーヤ山地一帯、タドムル市郊外の穀物サイロ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍とイスラーム軍がダマスカス郊外県東グータ地方で交戦(2017年5月9日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月9日付)によると、反体制武装集団がハラスター市郊外、ティシュリーン発電所を砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、イスラーム軍が東グータ地方のバイト・ナーイム村の前線でシリア軍部隊を要撃し、兵士多数を殺傷したと発表、遺体2体の写真を公開した。

**

シリア人権監視団は、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反行為が過去3日と比較して減少したと発表した。

同監視団によると、停戦違反は、ダルアー県ダルアー市へのシリア軍の砲撃、ラジャート高地でのシリア軍、親政権武装勢力と「イスラーム主義武装諸派」との戦闘、ハマー県ラターミナ町、ザカート村、ムーリク市、トゥルール・ハムル村に対するシリア軍の空爆・砲撃、ダマスカス郊外県東グータ地方バイト・ナーイム村一帯でのシリア軍と「イスラーム主義武装諸派」との戦闘と同地に対するシリア軍の砲撃、ヒムス県ハウラ地方に地するシリア軍の空爆・砲撃、イドリブ県フーア市住民に対する「イスラーム主義武装諸派」の発砲に限られたという。

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは12件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2017年5月9日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月9日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件確認したと発表した。

ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームが確認した停戦違反の内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が3件、ラタキア県が4件、ダルアー県が1件、ハマー県が3件。

またトルコ側の監視チームも2件(内訳はダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間に、ダルアー県のジャディーヤ村、イドリブ県のKursian、ラジャム・クット村、al-Hrayba、ブランナーン村、ハワー村、Jaydet-Nuaf、Um-Hlahi、Shaaraの代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は1,492市町村、武装組織の数は213組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 9, 2017をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはロシア軍諜報部隊士官を処刑したと主張、その映像を公開(2017年5月8日)

SITE(5月8日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア領内で捕捉したロシア軍諜報部隊の士官とされる男性を斬首する映像を公開した。

なおロシア側は殺害された人物が諜報部隊士官でないと否定している。

SITE, May 9, 2017

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、SITE, May 8, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クナイトラ県の武装集団がダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍とアサド政権と戦うため「土地の民」作戦司令室を結成(2017年5月8日)

クナイトラ県で活動する複数の反体制武装集団が共同声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍とアサド政権と戦うことを目的とした新たな連合組織「土地の民」作戦司令室を結成したと発表した。

「土地の民」作戦司令室に参加したのは、砲兵連隊、自由人連合、イスラーム・ウムライン旅団、クナイトラ軍事評議会、クナイトラ殉教者旅団、ハック師団、殉教者アブー・ハムザ・ヌアイミー連合、ハーシミーン連合、ムアーッズ・ブン・ジャバル旅団。

Kull-na Shuraka’, May 10, 2017

AFP, May 10, 2017、AP, May 10, 2017、ARA News, May 10, 2017、Champress, May 10, 2017、al-Hayat, May 11, 2017、Kull-na Shuraka’, May 10, 2017、al-Mada Press, May 10, 2017、Naharnet, May 10, 2017、NNA, May 10, 2017、Reuters, May 10, 2017、SANA, May 10, 2017、UPI, May 10, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は米国、ヨルダンが支援する「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室支配下のダマスカス郊外県東部砂漠地帯に進攻し、サブア・ビヤール区を制圧(2017年5月8日)

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、シリア軍は、「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室所属の反体制武装集団が3月末から4月初めかけてダーイシュ(イスラーム国)から奪取した県東部砂漠地帯のサブア・ビヤール区に進攻し、同地を制圧した。

「ハマード浄化のため我らは馬具を備えし」作戦司令室は、東部獅子軍、殉教者アフマド・アブドゥー軍団、部族自由人軍団、カルヤタイン殉教者、革命特殊任務軍、部族自由人軍からなる連合組織で、米国、英国、ヨルダンからの支援を受けているとされる。

syria.liveuamap.com, May 9, 2017

AFP, May 9, 2017、AP, May 9, 2017、ARA News, May 9, 2017、Champress, May 9, 2017、al-Hayat, May 10, 2017、Kull-na Shuraka’, May 9, 2017、al-Mada Press, May 9, 2017、Naharnet, May 9, 2017、NNA, May 9, 2017、Reuters, May 9, 2017、SANA, May 9, 2017、UPI, May 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍とダーイシュがタブカ市第1地区で激しく交戦(2017年5月8日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、タブカ市(サウラ市)第1地区を制圧したと発表した。

しかし、ARA News(5月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が第1地区を重火器などで攻撃し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と激しく交戦した。

これに関して、人民防衛隊は声明を出し、タブカ市の戦闘で隊員14人が死亡したことを認めた。

また、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市西部のマンスーラ市を砲撃した。

ARA News, May 8, 2017

なお、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合がラッカ県およびハマー県東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点などに対する空爆を実施し、民間人10人以上が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーラト・イッザ市で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が撃ったと思われる迫撃砲弾複数発が着弾したと思われる爆発が発生した。

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

マジド旅団がラフマーン軍団への復帰を表明(2017年5月8日)

マジド旅団の総司令部は声明を出し、ラフマーン軍団と完全統合すると発表した。

一方、ラフマーン軍団も声明を出し、マジド旅団の復帰に歓迎の意を示した。

マジド旅団は2016年にラフマーン軍団、アブー・ムーサー・アシュアリー旅団、バッラー旅団と対立、ラフマーン軍団を離反していた。

Kull-na Shuraka’, May 8, 2017
Kull-na Shuraka’, May 8, 2017

 

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県東部バルザ区で停戦が成立し、反体制武装集団戦闘員とその家族約1,000人がイドリブ県に退去(2017年5月8日)

ダマスカス県では、SANA(5月8日付)によると、ロシアの仲介によるシリア政府と反体制武装集団との停戦合意に基づき、バルザ区で活動を続けてきた武装集団の戦闘員および家族が、シリア政府が用意した旅客バスに分乗し、同地から退去した。

クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、退去した戦闘員とその家族の数は約1,000人(ARA News(5月8日付)によると約800人)で、18台の旅客バスに分乗してイドリブ県方面に向かった。

これに関して、クッルナー・シュラカー(5月8日付)が伝えたところによると、バルザ区地元評議会は、5月7日晩、県東部の「革命家たち」がシリア政府との停戦合意に署名し、バルザ区からの戦闘員および家族の退去が開始されることを明らかにした。

戦闘員らはイドリブ県に複数回に分けて退去、またシリア政府当局への投降を希望する者は、投降後恩赦の対象となるという。

また、『ハヤート』(5月9日付)が伝えたところによると、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官も、シリア政府がバルザ区の市民による委員会と停戦に合意したことを明らかにした。

ダマスカス県東部およびダマスカス郊外県東グータ地方では2月後半以降、シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動、ラフマーン軍団、イスラーム軍などからなる反体制武装集団とシリア軍の戦闘が激化していたが、2週間前にシリア軍は反体制武装集団の支配下にあったカーブーン区とバルザ区の分断に成功していた。

なお、停戦合意は、3月上旬に国連の仲介によっても交わされ、シリア政府とイスラーム軍などの反体制武装集団が、ダマスカス県東部街区(バルザ区など)、ダマスカス郊外県東グータ地方、ダルアー県、ヒムス市ワアル地区での戦闘停止、戦闘員の退去が定められていた。

だが、シリア政府側が履行を拒否し、実現しなかった

Kull-na Shuraka’, May 8, 2017
Kull-na Shuraka’, May 8, 2017
Kull-na Shuraka’, May 8, 2017

**

クッルナー・シュラカー(5月9日付)によると、カタール政府仲介によるイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーとファトフ軍の停戦合意に基づき、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプから退去したシャーム解放機構のメンバー(負傷者)13人を乗せた救急車輌が、イドリブ県に到着した。

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、May 9, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.


ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍がファールーク・ウマル大隊の司令官ら4人を処刑(2017年5月8日)

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍は県西部のヤルムーク川河畔での戦闘で、反体制武装集団のファールーク・ウマル大隊の司令官ら4人を処刑した。

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県最後のダーイシュの拠点マスカナ市郊外が所属不明の戦闘機の爆撃を受ける(2017年5月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア両軍が攻勢を強める県内最後のダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市マスカナ市郊外が戦闘機(所属不明)の空爆を受け、少なくとも7人が死亡した。

**

ヒムス県では、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がジュッブ・ジャッラーフ町一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部のサルダ山一帯、ブガイリーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またムッラート村、ムーハサン市でダーイシュの拠点、船舶を空爆、これを破壊した。

**

ハマー県では、SANA(5月8日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市・シャイフ・ハラール村・イスリヤー村街道でダーイシュ(イスラーム国)を攻撃した。

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団はシリア軍が各地で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」に違反したと発表(2017年5月8日)

シリア人権監視団は、前日に引き続き、各地でシリア軍による「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」が定めた停戦違反が発生したと発表した。

しかし、この停戦違反で民間人の死者は記録されず、ハマー県ズラーキーヤ村一帯で、シャーム解放機構と共闘するイッザ軍や「イスラーム主義武装諸派」の戦闘員14人とシリア軍兵士11人、ダルアー県ヒルバト・ガザーラ町一帯で反体制派戦闘員4人が死亡したのみだったという。

シリア人権監視団が主張する停戦違反は以下の通り:

**

ハマー県では、シリア軍がラターミナ町一帯を「樽爆弾」で空爆、砲撃し、ズラーキーヤート村一帯で「イスラーム主義武装諸派」(シャーム解放機構などからなる反体制武装集団)と交戦した。

なお、SANA(5月8日付)も、シリア軍がヒルブナフサ村、ザーラ村一帯などでシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦したと伝えた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア軍が東グータ地方のアシュアリー農場一帯を砲撃、「イスラーム主義武装諸派」と交戦した。

またクッルナー・シュラカー(5月8日付)によると、東グータ地方のバイト・ナーイム村一帯でもシリア軍と反体制武装集団が交戦したという。

**

ダルアー県では、シリア軍がヌアイマ村、ヤードゥーダ村を砲撃した。

**

クナイトラ県では、シリア軍が西サムダーニーヤ村を砲撃した。

**

ヒムス県では、タルビーサ市一帯でシリア軍が「イスラーム主義武装諸派」と交戦、ウンム・シャルシューム村を砲撃した。

**

AFP, May 8, 2017、AP, May 8, 2017、ARA News, May 8, 2017、Champress, May 8, 2017、al-Hayat, May 9, 2017、Kull-na Shuraka’, May 8, 2017、al-Mada Press, May 8, 2017、Naharnet, May 8, 2017、NNA, May 8, 2017、Reuters, May 8, 2017、SANA, May 8, 2017、UPI, May 8, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はダーイシュとの戦闘の末、タブカ市内の国立病院を制圧(2017年5月7日)

ラッカ県では、ARA News(5月7日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、タブカ市内の国立病院を制圧した。

AFP, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カタール政府仲介の停戦合意に基づき、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ(ダマスカス県)からのシャーム解放機構メンバーの退去開始(2017年5月7日)

マナール・チャンネル(5月7日付)は、カタール政府仲介によるファトフ軍とイラン・イスラーム革命防衛隊・ヒズブッラーの停戦合意(いわゆる「四市合意」)の第2段階として、ダマスカス県南部のヤルムーク・パレスチナ難民からアル=カーイダ系組織のシャーム解放機構の戦闘員のイドリブ県への退去が開始されたと報じた。

AFP, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Qanat al-Manar, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム自由人イスラーム運動のウマル総司令官「シリアでの戦争はアサド政権が崩壊するまで止むことはない」(2017年5月7日)

シャーム自由人イスラーム運動のアリー・ウマル総司令官は、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)が発効したに合わせるかたちで、アサド政権を打倒するまで戦闘を継続する意思を改めて明示した。

シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダのメンバーなどが結成に携わった組織で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)とともに、2016年12月末に発効したロシア・トルコ仲介によるシリア軍と反体制武装集団の停戦合意への参加を拒否してきた。

アナトリア通信(5月7日付)が伝えたところによると、ウマル氏は「過去3年にわたり、シリアの政権に帰属する軍隊は軍事的な意味において存在はしていない…。また革命諸勢力の政権に対する軍事作戦により、政権は自らの宗派を戦争に関与させ、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊、イラクやアフガニスタンなどのシーア派民兵に完全に依存してしまっている…。ロシアとイランがシリアへの関与を強めることで、政治的解決は、シリア革命というレベルでも、また地域・国際社会のレベルでも困難となった」と主張した。

シャーム自由人イスラーム運動やシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配地域であるイドリブ県へのシリア軍の進攻の可能性について「アサド軍がこうした行動をとるのはこれが初めてではない…。しかし、彼らのこうした試みは頓挫し、甚大な被害を被ってきた」と述べた。

そのうえで「シリアでの戦争はアサド政権が崩壊するまで止むことはない」と強調、戦闘継続の意志を改めて表明した。

AFP, May 7, 2017、Anadolu Ajansı, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はヒムス県東部、ダイル・ザウル市一帯でダーイシュとの戦いを続ける(2017年5月7日)

ヒムス県では、SANA(5月7日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を拡大し、県東部のマドラージュ丘、ウンム・スィルジュ村東部の複数カ所を制圧した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月7日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市南部の墓地地区のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を実施、ダーイシュと交戦した。

AFP, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「緊張緩和地帯」各所で20件弱の停戦違反が発生(2017年5月7日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月7日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」(5月6日0時0分に発効)への違反を18件確認したと発表した。

ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームが確認した停戦違反の内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が10件、ラタキア県が3件、ダルアー県が3件、ハマー県が2件。

またトルコ側の監視チームも15件(内訳はダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ダルアー県3件、ハマー県7件、ヒムス県3件)の停戦違反を確認したという。

またトルコ側の監視チームも11件の停戦違反を確認したという。

その内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が4件、ダルアー県が2件、ハマー県が2件、ヒムス県が1件、アレッポ県が1件、イドリブ県が1件。

**

一方、シリア人権監視団は、ロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)の発効(5月6日0時0分)後「40時間の間に、イドリブ県、ハマー県、ヒムス県…、ダマスカス県東部の東グータ地方…シリア南部に拡がる緊張緩和地帯内で複数の違反が発生した」と発表した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラターミナ町各所を「樽爆弾」で空爆、ズラーキーヤート村一帯で、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

『ハヤート』(5月8日付)によると、この戦闘でシリア軍はズラーキーヤート村を制圧した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるタルビーサ市、ガントゥー市とタルビーサ市を結ぶ街道一帯、ハウラ地方を砲撃し、子供1人が死亡した。

また反体制武装集団はシリア政府支配下のジャッブーリーン村を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市西部郊外のザフラー協会地区一帯、バヤーヌーン町一帯で、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

**

ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるカーブーン区を地対地ミサイルと思われる砲弾などで攻撃し、反体制武装集団と交戦した。

また、カーブーン区東部に隣接する東グータ地方では、シリア軍がラフマーン軍団、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装集団と交戦し、東グータ地方のアシュアリー農場一帯、ムハンマディーヤ町、カフルバトナー町一帯を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヤードゥーダ村各所、ヒルバト・ガザーラ町一帯(西ガーリヤ村一帯)、ダルアー市内を砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月2日付)によると、シリア政府が県東部の反体制武装集団支配地域とシリア政府支配地域を結ぶために新たに設置した「通商路」を6日に閉鎖したことを受け、反体制武装集団側も「通商路」の封鎖を決定した発表した。

クナイトラ県では、クッルナー・シュラカー(5月7日付)によると、シリア軍とヒズブッラーが6日晩、西サムダーニーヤ村方面に進攻し、同地を支配する反体制武装集団と交戦した。

AFP, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がラッカ県各所を爆撃(2017年5月6日)

ラッカ県では、ARA News(5月6日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタブカ市、マシュラファ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またラッカ市北西部のハッバース村では、ダーイシュが自爆攻撃を行い、住民4人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、有志連合(と思われる戦闘機)がラッカ市郊外、タブカ市パレスチナ通り地区を空爆、タブカ市では住民18人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、ARA News(5月6日付)によると、有志連合と思われる無人航空機がダイル・ザウル市北東部に位置するバクアーン村の鉄橋近くでダーイシュ(イスラーム国)の車輌を空爆、乗っていたダーイシュの司令官2人を殺害した。


AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会は「安全地帯」(緊張緩和地帯)設置を骨子とする新停戦合意を拒否(2017年5月6日)

ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会は声明を出し、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)に関して、「合意は最低限の正当性さえも欠いており、国連安保理こそがシリアの問題にかかわるあらゆる交渉を主催する監督機関である」として疑義を呈するとともに、「イランが保障国であることを拒否する」と発表した。

Kull-na Shuraka’, May 6, 2017

 

AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)を拒否したラフマーン軍団はダマスカス県カーブーン地区にアル=カーイダ系部隊は存在しないと主張(2017年5月6日)

ダマスカス県カーブーン区一帯、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するラフマーン軍団は、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)において「安全地帯」から除外されたダマスカス県カーブーン区一帯に関して、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)に所属する部隊は存在しないと発表し、同地へのシリア軍の攻撃は停戦違反にあたるとの見解を示した。

ただし、ラフマーン軍団は、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動などとともに4日に共同声明を出し、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」を拒否している。

クッルナー・シュラカー(5月6日付)が伝えた。

AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)が発効し、各地で散発的戦闘続く(2017年5月6日)

ロシア国防省は声明を出し、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)が5月6日0時0分に発効したと発表した。

2016年12月30日の0時0分にロシアとトルコの合意に基づき発効した停戦を再発効するかたちとなった今回の停戦には、ロシア国防省によると、65の反体制武装集団が参加している。

停戦最発効後、ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側の監視チームは、シリア国内で15件の違反があったことを確認したという。

その内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が9件、ハマー県が3件、ラタキア県が2件、ダルアー県が1件。

またトルコ側の監視チームも11件の停戦違反を確認したという。

その内訳は、ダマスカス県・ダマスカス郊外県が4件、ダルアー県が2件、ハマー県が2件、ヒムス県が1件、アレッポ県が1件、イドリブ県が1件。

一方、米国務省は声明で、レックス・ティラーソン米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が電話会談を行い、シリア情勢などについて意見を交わしたと発表した。

**

一方、クッルナー・シュラカー(5月6日付)は、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」発効後、各地で散発的な停戦違反が発生したと伝えた。

同サイトによると、合意発効後、ヒムス県ティール・マアッラ村、タルビーサ市に対して「親政権のシーア派民兵」が砲撃を加えたという。

また、ハマー県でも、ズラーキーヤート村に対して「イランとイラクの民兵」が砲撃を行ったのを受け、ラターミナ町、ズラーキーヤート村で戦闘が発生、ハラファーヤー市、スーラーン市、マサースィナ村に展開するシリア軍が砲撃を行ったという。

なお、同サイトは、ダマスカス県カーブーン区、ダルアー県でも、シリア軍による停戦違反があったと伝えているが、両地では停戦対象外のシャーム解放機構が戦闘を継続している。

**

シリア人権監視団もまた、イドリブ県、ハマー県(ズラーキーヤート村、ラターミナ町、ザカート村、ムハルダ市)、ヒムス県、ダマスカス郊外県東グータ地方(ムハンマディーヤ町)、ダマスカス県(カーブーン区、ティシュリーン地区)、ダルアー県(ヒルバト・ガザーラ町一帯)で、シリア軍による砲撃・空爆、反体制武装集団の砲撃といった停戦違反を確認したと発表した。

なお、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」発効後に発生した主な戦闘は以下の通り。

**

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、カーブーン区でシリア軍がシャーム解放機構、ラフマーン軍団などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

一方、ヒズブッラーの中央戦争広報局は、シリア軍および親政権武装勢力がレバノン国境に面するザバダーニー市西部の西カラムーン地方全土を完全制圧したと発表した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、シャーム軍団が声明を出し、ジャルジャナーズ町での戦闘で、アレッポ地区司令官の一人ジュムア・サリーム氏が死亡したと発表した。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月6日付)によると、ヒルバト・ガザーラ町一帯(西ガーリヤ村)でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

また、シリア軍ヘリコプターがダルアー市内のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配地域を「樽爆弾」で空爆した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマクサル・ヒサーン村一帯、ティール・マアッラ村一帯を砲撃した。

AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立はリヤード・サイフ氏を新代表に選出(2017年5月6日)

トルコのイスタンブールで5日に開幕したシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会(第33回)は、リヤード・サイフ元人民議会議員をアナス・アブダ氏の後任の代表に選出した。

また、副代表にはサルワー・カターウ氏とアブドゥッラフマーン・ムスタファー氏、事務局長にはナズィール・ハキーム氏が選出された。

クッルナー・シュラカー(5月5、6日付)が伝えた。

AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はアレッポ県におけるダーイシュ最後の拠点マスカナ市、ジャッラーフ航空基地に対して攻勢(2017年5月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が県東部のダーイシュ(イスラーム国)最後の拠点都市マスカナ市とジャッラーフ航空基地を空爆した。

また同地一帯でシリア軍とダーイシュが交戦した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(5月6日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部の墓地地区、ブロック工場一帯、サルダ山一帯、ワーディー・サルダのダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行った。

これに対して、ダーイシュ(イスラーム国)はダイル・ザウル市クスール地区を砲撃し、子供1人が死亡、4人が負傷した。

AFP, May 6, 2017、AP, May 6, 2017、ARA News, May 6, 2017、Champress, May 6, 2017、al-Hayat, May 7, 2017、Kull-na Shuraka’, May 6, 2017、al-Mada Press, May 6, 2017、Naharnet, May 6, 2017、NNA, May 6, 2017、Reuters, May 6, 2017、SANA, May 6, 2017、UPI, May 6, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロジャヴァを主導するPYD報道官は「安全地帯」(緊張緩和地帯)設置を骨子とする新停戦合意を「宗派に基づくシリア分割」「犯罪」と批判し拒否(2017年5月5日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)を主導するクルド民族主義政党の民主統一党(PYD)のイブラーヒーム・イブラーヒーム報道官は、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが合意した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(「緊張緩和地帯設置にかかる覚書)に関して、ロイター通信(5月5日付)に対して、「宗派に基づくシリア分割であり…犯罪だ」と述べ、拒否の姿勢を示した。

イブラーヒーム報道官はまた「ロシアの提案は、2011年に紛争が始まったのを受けて、(シリア)北部で設置されたクルド人の支配下にある自治区を脅かすことになるだろう…。安全地帯設置計画に参加している国々は…自治区を攻撃するだろう」と述べた。

AFP, May 5, 2017、AP, May 5, 2017、ARA News, May 5, 2017、Champress, May 5, 2017、al-Hayat, May 6, 2017、Kull-na Shuraka’, May 5, 2017、al-Mada Press, May 5, 2017、Naharnet, May 5, 2017、NNA, May 5, 2017、Reuters, May 5, 2017、SANA, May 5, 2017、UPI, May 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍はタブカ市一帯でダーイシュとの戦闘を続ける(2017年5月5日)

ラッカ県では、ARA News(5月5日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がタブカ・ダム(ユーフラテス・ダム)に面するサウラ市の第1地区、第2地区、第3地区、サフル・ハッシャーブ村、イバード村、サフサーファ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続けた。

この戦闘で、シリア民主軍はダーイシュ戦闘員50人以上を殲滅、サフル・ハッシャーブ村を制圧した。

これに対して、ダーイシュは無人航空機を投入し、シリア民主軍の拠点などに対する空爆を激化させた。

ダーイシュ・ラッカ州の広報センターは4日、ラッカ市北部のジャルブーア村を無人航空機で空爆したと発表、その写真を公開した。

ARA News, May 5, 2017

なお、シリア民主軍とダーイシュの戦闘はラッカ市東部のカラーマ村一帯でも行われた。

ARA News, May 5, 2017

AFP, May 5, 2017、AP, May 5, 2017、ARA News, May 5, 2017、Champress, May 5, 2017、al-Hayat, May 6, 2017、Kull-na Shuraka’, May 5, 2017、al-Mada Press, May 5, 2017、Naharnet, May 5, 2017、NNA, May 5, 2017、Reuters, May 5, 2017、SANA, May 5, 2017、UPI, May 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県カーブーン区でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘続く(2017年5月5日)

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(5月5日付)によると、カーブーン区でシリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

AFP, May 5, 2017、AP, May 5, 2017、ARA News, May 5, 2017、Champress, May 5, 2017、al-Hayat, May 6, 2017、Kull-na Shuraka’, May 5, 2017、al-Mada Press, May 5, 2017、Naharnet, May 5, 2017、NNA, May 5, 2017、Reuters, May 5, 2017、SANA, May 5, 2017、UPI, May 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はダイル・ザウル市南部の発電所をダーイシュから奪取(2017年5月5日)

ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(5月5日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市南部郊外でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、発電所を制圧した。

Kull-na Shuraka’, May 5, 2017

AFP, May 5, 2017、AP, May 5, 2017、ARA News, May 5, 2017、Champress, May 5, 2017、al-Hayat, May 6, 2017、Kull-na Shuraka’, May 5, 2017、al-Mada Press, May 5, 2017、Naharnet, May 5, 2017、NNA, May 5, 2017、Reuters, May 5, 2017、SANA, May 5, 2017、UPI, May 5, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.