トルコはアフリーン郡への人道支援のため国境通行所を開放(2018年3月28日)

トルコの大統領府は、「オリーブの枝」作戦で占領したアレッポ県アフリーン郡とハタイ県(トルコ)を隔てるハマーム村の国境通行所を開放し、の税関手続きの規制を緩和し、同地への人道支援物資の搬送を促進すると発表した。

アナトリア通信(3月28日付)などが伝えた。

AFP, March 28, 2018、Anadolu Ajansı, March 28, 2018、ANHA, March 28, 2018、AP, March 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2018、al-Hayat, March 29, 2018、Reuters, March 28, 2018、SANA, March 28, 2018、UPI, March 28, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県タッル・リフアト市のトルコへの割譲を合意したロシアとトルコに、イラン、シリア政府、ロジャヴァが反発(2018年3月28日)

シリア人権監視団は、ロシアとトルコが西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるアレッポ県タッル・リフアト市およびその周辺の村々(マンナグ航空基地など)をトルコとその支援を受ける反体制武装集団に割譲することで合意したとの情報を受け、シリア政府、イラン、そしてロジャヴァが拒否の姿勢を示していると発表し、ヌッブル市、ザフラー町一帯を拠点とする親イランの民兵組織と、「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍および反体制武装集団の衝突の危険が高まっていると警鐘を鳴らした。

AFP, March 28, 2018、ANHA, March 28, 2018、AP, March 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2018、al-Hayat, March 29, 2018、Reuters, March 28, 2018、SANA, March 28, 2018、UPI, March 28, 2018などをもとに作成。

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アフリーン郡ではYPGによる抵抗が続く(2018年3月28日)

アレッポ県では、ANHA(3月28日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)がジンディールス市とアフリーン市を結ぶ街道で、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、トルコ軍兵士2人を殺害、6人を負傷させた。

YPGはまた、ラージュー町近郊のディーキー村でも反体制武装集団を攻撃し、戦闘員7人を殺害した。

AFP, March 28, 2018、ANHA, March 28, 2018、AP, March 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2018、al-Hayat, March 29, 2018、Reuters, March 28, 2018、SANA, March 28, 2018、UPI, March 28, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方ドゥーマー市で籠城を続けるイスラーム軍は東カラムーン地方とダルアー県への退去をロシアに求める(2018年3月28日)

RT(3月28日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市の処遇をめぐって交渉中のロシアとイスラーム軍は停戦をめぐって「原則合意」に達したと伝えた。

交渉において、イスラーム軍は、戦闘員をイドリブ県やアレッポ県北部ではなく、ダマスカス郊外県の東グータ地方、あるいはダルアー県に退去させることを求めてきたという。

一方、『ハヤート』(3月29日付)は、ドゥーマー市内の消息筋の話として、ドゥーマー市には約1万人のイスラーム軍戦闘員が籠城を続ける一方、ロシア軍が同地一帯での軍事的圧力を強め、イスラーム軍に決断を迫っている、と伝えた。

なお、AFP(3月28日付)によると、ドゥーマー市には15万人の住民が留まっているという。

AFP, March 28, 2018、ANHA, March 28, 2018、AP, March 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2018、al-Hayat, March 29, 2018、Reuters, March 28, 2018、RT, March 28, 2018、SANA, March 28, 2018、UPI, March 28, 2018などをもとに作成。

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ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣はオマーンに新設されたシリア大使館開館式に出席(2018年3月28日)

オマーンを公式訪問中のワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣は、マスカットで、ヤフヤー・ビン・マフムズ・ムナッズィリー国家評議会議長と会談し、二国間関係などについて意見を交わした。

ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣はまた、同行したファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、オマーンのユースフ・ビン・アラウィー外務大臣らとともに、マスカットに新設されたシリア大使館開館式に出席した。

SANA(3月28日付)が伝えた。

SANA, March 28, 2018

AFP, March 28, 2018、ANHA, March 28, 2018、AP, March 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2018、al-Hayat, March 29, 2018、Reuters, March 28, 2018、SANA, March 28, 2018、UPI, March 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは13件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年3月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(ラタキア県6件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件、アレッポ県2件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(イドリブ県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 28, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合はシリアとイラクでの爆撃で「意図せず死亡したとされる民間人」は2018年2月末の段階で2,135人、うち死亡が確認されたのは855人と発表(2018年3月28日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2018年2月にシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる121件の新たな報告を受け、すでに報告されている485件と併せて調査を行い、84件の調査を完了した。

調査を完了した案件のうち78件は事実と異なり、民間人の犠牲者が出たとされるのは6件のみで、これによる民間人の犠牲者は14人だった。

これにより、2014年8月から2018年2月までに有志連合が実施した空爆2万9,225回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は855人となった。

なお、有志連合の空爆で意図せず死亡したとされる民間人の数は2,135人となり、うち死亡が確認されたのは224人となった。
http://www.centcom.mil/MEDIA/PRESS-RELEASES/Press-Release-View/Article/1423119/combined-joint-task-force-operation-inherent-resolve-monthly-civilian-casualty/

CENTCOM, March 28, 2018をもとに作成。

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ジャアファリー国連シリア代表「東グータ地方完全解放の時が近づいている。ゴラン、アフリーン、ラッカ、イドリブを解放する」(2018年3月27日)

国連安保理では、シリア情勢への対応を協議する会合が開かれた。

会合では、ニッキー・ヘイリー米国連大使は、国連安保理決議第2401号採択語も、ロシアが、イラン、アサド政権とともにダマスカス郊外県東グータ地方で民間人に対する攻撃を続けていると非難した。

これに対して、ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、反体制武装集団とロシア・シリア両政府の和解を推し進めることで、ロシアのみが安保理決議を履行していると反論した。

また、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、「我々は今日、東グータ地方をテロ組織から完全解放する時間が近づいたとの吉報を国民に伝えている。我々はまた、ゴラン高原、アフリーン郡、ラッカ県、イドリブ県、そして占領下にある我が国領土全域を解放すると国民に伝えている。なぜなら、我々は国家として、いかなる口実であれ、いかなる戦闘員、いかなる占領軍が領内にとどまることも拒否しているからだ」と述べた。

SANA(3月27日付)が伝えた。

SANA, March 27, 2018

AFP, March 27, 2018、ANHA, March 27, 2018、AP, March 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018、al-Hayat, March 28, 2018、Reuters, March 27, 2018、SANA, March 27, 2018、UPI, March 27, 2018などをもとに作成。

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ロシアとトルコをタッル・リフアト市のトルコへの割譲を合意、トルコ軍・反体制武装集団は同地とマンナグ航空基地を制圧か?(2018年3月27日)

反体制系サイトのドゥラル・シャーミーヤ(3月27日付)は、ロシア・トルコ両軍がアレッポ県タッル・リフアト市および同市一帯のアラブ人の村々の処遇に関して、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が制圧することで合意したと伝えた。

al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018

同サイトの消息筋によると、ロシア・トルコ両軍は27日にアレッポ県カフル・ナーヤー村で会合を開き、この合意に達したが、それをいつ履行するかについては決定されなかったという。

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また、アレッポ県アアザーズ市の複数の活動家が、ドゥラル・シャーミーヤに対して明らかにしたところによると、ロシア軍はタッル・リフアト市内の憲兵隊の拠点複数カ所をトルコ軍に引き渡したという。

一方、『デイリー・サバフ』(3月27日付)などトルコの複数メディアは、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、タッル・リフアト市とマンナグ航空基地を制圧したと伝えた。

しかし、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のバルースク・ハサカ報道官は、この報道が情報戦の一環だと否定した。

AFP, March 27, 2018、ANHA, March 27, 2018、AP, March 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018、al-Hayat, March 28, 2018、Reuters, March 27, 2018、SANA, March 27, 2018、UPI, March 27, 2018などをもとに作成。

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米軍がダイル・ザウル県東部の油田地帯に新たな基地を建設(2018年3月27日)

スプートニク・ニュース(3月27日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマフディー・クーバーニー報道官の話として、米軍がダイル・ザウル県のウマル油田近くに新たな基地を建設したと伝えた。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(3月27日付)によると、マヤーディーン市にあるシリア軍および親政権民兵の拠点複数カ所をダーイシュ(イスラーム国)が襲撃し、シリア軍兵士やファーティミーユーン旅団戦闘員20人以上が死亡した。

AFP, March 27, 2018、ANHA, March 27, 2018、AP, March 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018、al-Hayat, March 28, 2018、Reuters, March 27, 2018、SANA, March 27, 2018、Sputnik News, March 27, 2018、UPI, March 27, 2018などをもとに作成。

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アフリーン市でトルコ軍・反体制武装集団とYPGの戦闘続く(2018年3月27日)

アレッポ県では、ANHA(3月27日付)によると、アフリーン市内で爆発が発生し、トルコ軍兵士2人が死亡した。

また、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)がアフリーン市でトルコ軍の支援を受ける反体制武装集団に対して特殊作戦を実施し、戦闘員16人を殺害した。

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一方、トルコのハタイ県は声明で、トルコ軍治安部隊が26日夜から27日にかけてアルスーズ地区でクルド人戦闘員11人を殺害したと発表した。

AFP, March 27, 2018、ANHA, March 27, 2018、AP, March 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018、al-Hayat, March 28, 2018、Reuters, March 27, 2018、SANA, March 27, 2018、UPI, March 27, 2018などをもとに作成。

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オマーンを公式訪問中のムアッリム副首相兼外相はアスアド副首相、ユースフ外相と会談(2018年3月27日)

26日からオマーンの首都マスカトを公式訪問中のワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣は、アスアド・ビン・ターリク・アール・サイード副首相(国際関係担当、スルターン・カーブース国王特別代表)、ユースフ・ビン・アリー外務大臣と個別に会談し、二国間関係の発展について意見を交わした。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣、バッサーム・サイフッディーン・ハティーブ在オマーン・シリア大使らも同席した。

SANA(3月27日付)が伝えた。

SANA, March 27, 2018

AFP, March 27, 2018、ANHA, March 27, 2018、AP, March 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 27, 2018、al-Hayat, March 28, 2018、Reuters, March 27, 2018、SANA, March 27, 2018、UPI, March 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは14件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年3月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件、アレッポ県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(イドリブ県2件、ダルアー県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,454市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 27, 2018をもとに作成。

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イスラエルのサイトはイスラエル軍がレバノン領内のヒズブッラーの拠点を爆撃したと伝える、イスラエル軍はこれを否定(2018年3月26日)

イスラエルのインターネット・サイトのワッラ!は、イスラエル軍戦闘機複数機が、レバノンのベカーア県バアルベック郡にあるヒズブッラーの拠点複数カ所に対して爆撃を行ったと伝えた。

だが、イスラエル軍はこれを否定する一方、レバノンのマヤーディーン・チャンネル(3月26日付)も、イスラエル軍戦闘機が音速で領空侵犯したと思われる轟音が聞こえたと伝えた。

AFP, March 26, 2018、ANHA, March 26, 2018、AP, March 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2018、al-Hayat, March 27, 2018、Qanat al-Mayadin, March 26, 2018、Reuters, March 26, 2018、SANA, March 26, 2018、UPI, March 26, 2018、Walla!, March 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍参謀本部はイスラーム軍のドゥーマー市退去の準備ができたと発表、イスラーム軍はこれを否定(2018年3月26日)

ロシア軍参謀本部は緊急声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市を支配するイスラーム軍の戦闘員が武器を棄て、同市から退去する用意ができたと発表した。

しかし、イスラーム軍のハムザ・ビールクダール報道官はテレグラムを通じて、「交渉は今も、最終合意に至らぬまま継続中だ。強制移住に固執する試みは悲劇的な結果をもたらす」と否定した。

AFP, March 26, 2018、ANHA, March 26, 2018、AP, March 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2018、al-Hayat, March 27, 2018、Reuters, March 26, 2018、SANA, March 26, 2018、UPI, March 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年3月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(イドリブ県1件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 26, 2018をもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はロジャヴァ支配下のタッル・アブヤド市、マンビジュ市侵攻の意思を改めて表明(2018年3月25日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は北部のギレソン市での与党公正発展党(AKP)の大会で演説し、西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県タッル・リフアト市への侵攻の意思を改めて表明するとともに、米国に対してマンビジュ市を「本来の持ち主」に引き渡すよう求め、同地から人民防衛部隊(YPG)が退去しない場合、「トルコは地域住民と協力し、それを実現せざるを得ない」と述べた。

エルドアン大統領はまた、ダマスカス郊外県東グータ地方の女性から送られたとするメッセージを読み上げた。

このメッセージは、アフリーン市で行われているのと同様の措置を東グータ地方でも行うよう求めるもので、「グータには2万人が留まっていたが、みなこの地を去ろうとしています。私たちの運命がどうなるか分かりません」などと綴られていた。

このほか、エルドアン大統領は、1月20日に開始宣言された「オリーブの枝」作戦で「自由シリア軍」戦闘員302人が死亡、「テロリスト」(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍)3,747人を殲滅したことを明らかにした。

なお、2015年夏から2016年春にかけての「ユーフラテスの盾」作戦で死亡した「自由シリア軍」戦闘員は614人だったという。

アナトリア通信(3月25日付)などが伝えた。

AFP, March 25, 2018、Anadolu Ajansı, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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東グータ地方ドゥーマー市の停戦交渉をめぐり、イスラーム軍内で対立続く(2018年3月25日)

シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市の処遇をめぐって、ロシアの仲介で行われているシリア軍とイスラーム軍の停戦交渉に関して、イスラーム軍が、投降を拒否する戦闘員と家族をダマスカス郊外県東カラムーン地方に移送することを求めていると発表した。

同監視団によると、シリア政府とイスラーム軍の停戦合意案には、①ロシア軍憲兵隊の展開、②投降したイスラーム軍メンバーのシリア政府支配下での復権、③負傷者、病人の治療のためのシリア政府支配地域への移送、④イスラーム軍によるシリア軍捕虜の解放、⑤投降拒否者の安全な移送、などが定められているという。

一方、シリア・アラブ・テレビ(3月25日付)などによると、イスラーム軍内では、投降拒否者の処遇をめぐって、停戦受入派と拒否派の対立が続いているという。

 

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

 

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アフリーン市での略奪品を分配めぐって「自由シリア軍」の戦闘員どうしが砲撃戦、トルコが停戦のため介入(2018年3月25日)

アレッポ県では、ANHA(3月25日付)によると、トルコ軍の支援を受けてアフリーン市を制圧した反体制武装集団の東部自由人連合とハムザ師団の戦闘員が、バーブ市内や、ラーイー村近郊の街道、カディーラーン村近郊の街道などで、略奪品の分配をめぐって交戦となった。

東部自由人連合とハムザ師団は双方の拠点や本部を砲撃し合い、り、少なくとも10人が死亡、数十人が負傷した。


死亡した戦闘員のなかには、アブー・サクル・カーディスィーヤを名乗る東部自由人の司令官も含まれているという。

ANHA, March 25, 2018

また複数の住民も巻き添えとなり、負傷したという。

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複数の消息筋によると、トルコの諜報機関やそのほかの武装集団が停戦を試みた。

これを受け、東部自由人連合とハムザ師団は、停戦に合意した。

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

ドゥラル・シャーミーヤ(3月25日付)が公開した手書きの文書によると、停戦合意は①アフリーン市を含むすべての場所での即時戦闘停止、②指名手配者、容疑者の中立的な当事者への引き渡し、③双方が拘束した捕虜の即時釈放、④双方が捕獲した武器・装備の返還、⑤双方が仲介人として同意した当事者による事態のフォローアップ、⑥拠点、村、本部などの返還、を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018
al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018

AFP, March 25, 2018、ANHA, March 25, 2018、AP, March 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 25, 2018、al-Hayat, March 26, 2018、Reuters, March 25, 2018、SANA, March 25, 2018、UPI, March 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年3月25日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月25日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、アレッポ県1件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 25, 2018をもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はアレッポ県北部のロジャヴァ支配下のタッル・リフアト市への侵攻の意思を表明(2018年3月24日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、首都アンカラでの与党公正発展党(AKP)の大会で、アレッポ県アフリーン郡で続行中の「オリーブの枝」作戦に関して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にある同地東側のタッル・リフアト市に進攻する意思を表明した。

エルドアン大統領は「我々は近いうち、シリア国境で我々に耳目を注いでいる兄弟に寄り添うだろう…。我々の兄弟は、タッル・リフアト市から始まって、マンビジュ市、タッル・アブヤド市、ラアス・アイン市、そしてすべての国境地帯でトルコが治安、安寧、そして安定を実現するよう求め、メッセージを送っている…。我々は彼らの呼びかけに手をこまねくことはなく、彼らの求めに応じるだろう」と述べた。

また、トルコ軍は声明を出し、アレッポ県アフリーン郡全土を制圧したと発表した。

al-Durar al-Shamiya, March 24, 2018

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アレッポ県では、ANHA(3月24日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)が、アフリーン市の工業地帯にあるシャーム軍団の部隊に対して特殊作戦を敢行し、戦闘員19人を殺害した。

AFP, March 24, 2018、ANHA, March 24, 2018、AP, March 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2018、al-Hayat, March 25, 2018、Reuters, March 24, 2018、SANA, March 24, 2018、UPI, March 24, 2018などをもとに作成。

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シリア解放戦線とシャーム解放機構幹部は米国によるウズベク人武装集団のSDGT指定に異議を表明(2018年3月24日)

シリア解放戦線(シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動)は声明を出し、米国務省が22日、ウズベク人戦闘員からなるイマーム・ブハーリー大隊を特別指定グローバル・テロ組織(SDGT)に指定(https://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2018/03/279454.htm)したことに関して、拒否の姿勢を示した。

シリア解放戦線は声明で「ウズベク人民からなるブハーリー大隊は、中国政府の弾圧により国から去ることを余儀なくされた。これにより、あれらは、シリアの体制やダーイシュ(イスラーム国)と戦う革命勢力に参加したのだ」とその理由を述べた。

al-Durar al-Shamiya, March 24, 2018

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また、シャーム解放機構幹部でサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏もテレグラムを通じて、イマーム・ブハーリー大隊のSDGT指定に関して、「暴君(アサド)に対抗するシャームの民を救済してきたウズベク人兄弟で…、シャームのいかなる武装勢力とも戦っていない」と述べ、異議を唱えた。

AFP, March 24, 2018、ANHA, March 24, 2018、AP, March 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2018、al-Hayat, March 25, 2018、Reuters, March 24, 2018、SANA, March 24, 2018、UPI, March 24, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍の支配下の東グータ地方ドゥーマー市での停戦協議はラフマーン軍団戦闘員退去完了まで延期(2018年3月24日)

ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市(イスラーム軍の支配地域)での停戦をめぐって、ロシアの仲介でシリア政府と交渉を行っているという「文民委員会」は声明を出し、ロシアが、ラフマーン軍団との停戦に基づく戦闘員の退去が終了するまで、ドゥーマー市の停戦交渉を延期したい旨申し出てきたことを明らかにした。

なお、『ハヤート』(3月25日付)によると、ドゥーマー市をめぐる停戦交渉を受け、同地一帯へのロシア・シリア軍は停止したという。

syria.liveuamap.com, March 24, 2018

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一方、『ハヤート』(3月25日付)によると、イスラーム軍のイサーム・ブワイダーニー司令官は、「我々はグータから退去しないことを決心している」と述べ、ダルアー県やイドリブ県の反体制武装集団に東グータ地方でのアサド政権に対する戦闘を支援するよう呼びかけた。

AFP, March 24, 2018、ANHA, March 24, 2018、AP, March 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 24, 2018、al-Hayat, March 25, 2018、Reuters, March 24, 2018、SANA, March 24, 2018、UPI, March 24, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは10件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2018年3月24日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月24日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県6件、アレッポ県3件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも8件(イドリブ県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県3件)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,453市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 24, 2018をもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「オリーブの枝」作戦はイドリブ県でも続けられる」(2018年3月23日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、イスタンブール市での演説で、「オリーブの枝」作戦に関して、「アフリーン郡に限定されず、イドリブ県、マンビジュ市一帯でも継続されるだろう」と述べた。

アナトリア通信(2月23日付)が伝えた。

AFP, March 23, 2018、Anadolu Ajansı, March 23, 2018、ANHA, March 23, 2018、AP, March 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2018、al-Hayat, March 24, 2018、Reuters, March 23, 2018、SANA, March 23, 2018、UPI, March 23, 2018などをもとに作成。

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ディロン有志連合報道官「マンビジュ市の処遇をめぐってトルコと有志連合(米国)の間に相互理解などない」(2018年3月23日)

有志連合の報道官を務める米軍のライアン・ディロン大佐は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)の支配下にあるアレッポ県マンビジュ市の処遇をめぐって、ロジャヴァを支援する米国と退去を求めるトルコの間が理解に達しているとするトルコ側の主張に関して、リア・ノーヴォスチ(2月23日付)に「有志連合はこうした理解を承知していない」と否定した。

ディロン報道官は「現地に駐留している有志連合の立場から言いたい。ワシントンとアンカラの間にいかなる相互理解があるとしても、我々はそのことを知らされていない」と述べた。

また、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン郡侵攻について、「(西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員1,700人がアフリーン郡に転戦したことで、シリア国内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する有志連合の作戦遂行能力が制限された」と批判した。

al-Durar al-Shamiya, March 23, 2018

AFP, March 23, 2018、ANHA, March 23, 2018、AP, March 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2018、al-Hayat, March 24, 2018、Reuters, March 23, 2018、RIA Novosti, March 23, 2018、SANA, March 23, 2018、UPI, March 23, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合の爆撃を受けて、シリア軍がダイル・ザウル市対岸のCONOCOガス工場一帯から撤退(2018年3月23日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月23日付)によると、21日に米軍主導の有志連合がダイル・ザウル市対岸(ユーフラテス川東岸)のシリア政府支配地域にタイして実施した爆撃を受け、シリア軍がCONOCOガス工場に面するフシャーム町一帯から撤退した。

AFP, March 23, 2018、ANHA, March 23, 2018、AP, March 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2018、al-Hayat, March 24, 2018、Reuters, March 23, 2018、SANA, March 23, 2018、UPI, March 23, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍と反体制武装集団はアフリーン市南部の3カ村を新たに制圧(2018年3月23日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市南部の3カ村(ファーフルティーン村、バルジャカ村、カッバーシーン村)を新たに制圧した。

一方、ANHA(3月23日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)と女性防衛隊(YPJ)が、ムーバーター村近郊のハヤート村、シーラーワー町近郊のキーマーリー村でトルコ軍および反体制武装集団に対して攻撃を行った。

Twitter, March 23, 2018

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ハサカ県では、ANHA(3月23日付)によると、トルコ軍がアームーダー市近郊のトゥーキー村に向かって発砲し、男性1人が負傷した。

AFP, March 23, 2018、ANHA, March 23, 2018、AP, March 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 23, 2018、al-Hayat, March 24, 2018、Reuters, March 23, 2018、SANA, March 23, 2018、UPI, March 23, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは14件の停戦違反を、トルコ側は7件の違反を確認(2018年3月23日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(3月23日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県5件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県7件、ヒムス県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも7件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県6件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にクナイトラ県の15カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,452市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, March 23, 2018をもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「マンビジュ市からのYPG撤退で米国と合意に達しない場合、テロリストを掃討する」(2018年3月22日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ県マンビジュ市の処遇に関して、米国と人民防衛隊(YPG)の退去計画について合意に達しない場合、「残された唯一の選択肢はテロリストどもの掃討だ」と述べた。

アナトリア通信(3月22日付)が伝えた。

AFP, March 22, 2018、Anadolu Ajansı, March 22, 2018、ANHA, March 22, 2018、AP, March 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, March 22, 2018、al-Hayat, March 23, 2018、Reuters, March 22, 2018、SANA, March 22, 2018、UPI, March 22, 2018などをもとに作成。

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