アレッポ県西部に侵入していたトルコ軍部隊が爆弾攻撃を受け、兵士3人を失い撤退(2018年1月30日)

アレッポ・メディア・センター(1月30日付)は、29日にイドリブ県カフルカラミーン村に設置された通行所からアレッポ県西部のアイス丘方面に侵入し、シリア軍の砲撃を受けたトルコ軍の車列が30日、アターリブ市で爆発に巻き込まれ、車輌一台が炎上、兵士3人が焼死した、と伝え、遺体の写真を公開した。

この攻撃を受け、トルコ軍の車列は、イドリブ県サルマダー市を経由して、同県のバーブ・ハワー国境通行所方面に撤退した。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(1月31日付)によると、トルコ軍の車列に対して爆弾攻撃を行ったのは、親政権民兵で、シリア駐留ロシア軍司令部に事態を報告し、イドリブ県カフルカラミーン村方面(バーブ・ハワー国境通行所方面ではなく)に撤退したという。

al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018

AFP, January 30, 2018、AMC, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、January 31, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はロシア軍とともにイドリブ県を爆撃する一方、ハマー県北西部、ダイル・ザウル県南東部でダーイシュと交戦(2018年1月30日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月30日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるアリーハー市の市場を、またロシア軍がハーン・シャイフーン市を爆撃し、多数の住民が死傷した。

al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018

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ハマー県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県北東部でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討作戦を継続し、ラスム・ダフル村一帯の丘陵地帯を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍が県南東部(マヤーディーン砂漠)でダーイシュ(イスラーム国)の残党に対する掃討戦を継続した。

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はロジャヴァ支配下のアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻を続ける(2018年1月30日)

アレッポ県では、ANHA(1月30日付)によると、トルコ軍がムーバーター村近郊のハリール村、ラージュー町近郊のガッル丘、ウームラー丘、シャーディヤ村一帯、ブルブル町近郊のトゥーバール村、ハルーラカー村、シャイフールザ村、シャッラー村近郊のバールフーン丘、ディークマダーシュ村など、シーラーワー町近郊、サムアーン山近郊、ジャンディールル市、ハマーム村を爆撃・砲撃、これと合わせて反体制武装集団とともに同地に侵攻、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

また、SANA(1月30日付)によると、トルコ軍は、アフリーン市西のサンナーラ村を攻撃し、男性1人が死亡した。

トルコ軍はさらに、ブルブル町、ガッル山(ガッル丘)を攻撃し、民間人多数が負傷した。

ANHA, January 30, 2018

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一方、トルコ軍参謀本部は、「オリーブの枝」作戦の開始を宣言した20日以降、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員649人を殺害したと発表した。

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年1月30日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県3件、アレッポ県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、イドリブ県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 30, 2018をもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ県アフリーン市近郊にあるアイン・ダーラ神殿を破壊(2018年1月29日)

AFP(1月29日付)は、シリアの文化財保護当局と英国で活動するシリア人権監視団の話として、20日にトルコ軍が、西クルディスタン移行期民政局支配下のアレッポ県アフリーン市一帯で開始を発表した「オリーブの枝」作戦で、アイン・ダーラ市にある遺跡が破壊されたと伝えた。

破壊されたのは鉄器時代のヒッタイト新王国のアイン・ダーラ神殿で、紀元前1300年頃から紀元前700年頃にかけて建設された。

1982年に発見され、玄武岩できた巨大なライオン像で知られる。

シリア人権監視団によると、アイン・ダーラ神殿は、「オリーブの枝」作戦の開始が発表される直前の26日にトルコ軍の越境爆撃で破壊された。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、遺跡の60%が破壊されたという。

また、シリア文化省の遺跡博物館局のマアムーン・アブドゥルカリーム局長も、遺跡が攻撃を受けたことを確認したと述べた。

AFP, January 29, 2018

AFP, January 29, 2018をもとに作成。

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シリア軍はアレッポ市南西のハーディル村方面に侵攻したトルコ軍の車列を砲撃(2018年1月29日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月29日付)によると、県西部に侵攻したトルコ軍の車列が、ハーディル村に展開するシリア軍の砲撃を受けた。

Google Map

ドゥラル・シャーミーヤの特派員によると、トルコ軍の車列は、装甲車輌など100輌以上からなり、イドリブ県カフル・ルーサイン村に設置された通行所を経由して夜間にシリアに侵入し(https://youtu.be/34Z2mUm5AGA)、ハーディル村近郊に位置するアイス丘の後背地(第4ポイント)に終結しようとしていたところを、シリア軍によって砲撃されたという。

これに対して、トルコ空軍は、車列を防衛するため、F16戦闘機2機を派遣した。

なお、トルコ軍は2017年9月でのアスタナ6会議でのロシア、イランとの合意に基づくかたちで、イドリブ県北東部にあるシャーム解放機構最大の軍事拠点であるタフタナーズ航空基地、アレッポ県西部の複数カ所に部隊を進駐させている。

al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 30, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

 

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ロジャヴァ幹部は、トルコ軍の侵攻を食い止めるため、自治の維持を前提条件とするシリア軍の国境地帯への展開をロシアとアサド政権に提案(2018年1月29日)

AFP(1月29日付)は、クルド人の複数高官が、ロシアおよびシリア政府に対してトルコによるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻を食い止めるための具体的な提案を行っていると伝えた。

提案を行った高官の一人で、民主統一党の支持団体である民主連合運動(TEV-DEM)の幹部の一人アルダール・ハリール氏は、「アフリーン市一帯を防衛するため、国境に(アサド)制憲が国境警備隊を展開させる可能性をロシア側に提案した」ことを明らかにした。

これに関して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の渉外担当顧問を務めるアフド・ヒンディー氏は「この提案は、この地域(アフリーン市一帯)に人民防衛隊、警察治安部隊(アサーイシュ)が残留することを条件に、シリア国旗を掲げる国境警備隊が対トルコ国境地帯に進軍することを認める」という内容であると述べるとともに、「アフリーンをシリア政府に引き渡すことは不可能だし、トルコに引き渡すことも同様に不可能だ」と強調した。

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 30, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア外務省「シリア軍にダマスカス郊外県東グータ地方で武装集団の挑発に乗らず停戦を履行するよう呼びかけた」(2018年1月29日)

ロシア外務省は声明を出し、ラタキア県フマイミーム軍事飛行場のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、「シリア政府軍に対して、(ダマスカス郊外県)東グータ地方での完全な停戦に関して、ウィーンでなされた合意に従い、合意に加わっていない武装集団の挑発に乗らないよう呼びかけた」と発表した。

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 30, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

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ロシアのソチでシリア国民対話大会が開幕、トルコが後押しする反体制武装集団が代表団を派遣(2018年1月29日)

ロシアのリゾート都市ソチで、内戦後のシリアの未来像や復興・人道支援について協議するためのシリア国民対話大会が開幕した。

大会は、2017年10月にロシアのヴラジミール・プーチン大統領が「シリア諸国民大会」の名で提唱、同月のアスタナ7会議で、シリア政府と反体制武装集団の停戦の保証国であるロシア、トルコ、イランが合意して開催が決定された。

SANA, January 29, 2018

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ロシア外務省によると、大会は、ロシア、トルコ、イランの連名で呼びかけ国となり、シリア人1,600人を招待するとともに、ヨルダン、エジプト、サウジアラビア、イラク、レバノン、カザフスタン、米国、中国、英国、フランス、国連などもオブザーバーとして招待されている。

ジュネーブ会議に参加する反体制派代表団の一つ最高交渉委員会、西クルディスタン移行期民政局は参加をボイコットすると表明した。

だが、『ハヤート』(1月30日付)によると、トルコが後押しする「自由シリア軍」諸派(ハワール・キリス作戦司令室、ユーフラテスの盾作戦司令室、オリーブの枝作戦司令室に参加するシャーム軍団など)の代表団、大会に参加するためにソチに向かったという。

SANA, January 29, 2018

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一方、『ハヤート』(1月29日付)などがフランス消息筋の話として伝えたところによると、オブザーバーとして招待を受けた諸外国のうち、米国とフランスは、ロシアがダマスカス郊外県東グータ地方での停戦を履行していないとの理由で、大会への参加をボイコットした。

同消息筋によると、ロシアは1月26日にスイスで開幕したジュネーブ9会議において、東グータ地方での停戦を実施する旨誓約したが、同地では、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などからなる「彼らが不正を働いた」作戦司令室に対するシリア軍の攻撃が続いており、そのことが米国とフランスのボイコットにつながったという。

しかし、国連は、ジュネーブ会議の仲介役を務めるスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の派遣を決定、同氏がソチ入りした。

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『ハヤート』(1月30日付)は、複数の消息筋の話として、シリア国民対話大会を運営するロシア、イラン、トルコ、そしてシリア政府は、大会期間中に大会を統括する議長評議会、最高委員会、組織委員会に加えて、制憲委員会、人道委員会を含む三つの分科会を設置することで合意済だと伝えた。

なお、大会は、バアス党が指導する連立与党の進歩国民戦線に加盟するアラブ社会主義連合党のサフワーン・クドスィー書記長が議長を務め、議長評議会には、「モスクワ・リスト」(モスクワ・プラットフォーム)を主導してきたカドリー・ジャミール前副首相、シリア革命反体制勢力国民連立元議長でカタール在住のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏、ドイツで活動する「モスクワ・リスト」のメンバーの一人ランダー・カスィース氏、国内で活動を続ける反体制組織「民主主義のためのシリア人」の代表のマイス・クライディー氏、欧州で活動するシリア国家建設潮流のリーム・トゥルクマーニー氏が参画する見込みだという。

また、制憲委員会の議長に関しては、ロシアとシリア政府は、人民議会議員のアシュワーク・アッバース氏を任命することで合意しているという。

だが、インターファックス(1月29日付)は、シリア国民対話大会で設置が予定されている制憲委員会の委員長にスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表が就任する見込みだと伝えた。

SANA, January 29, 2018

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アスタナ会議におけるロシア代表団を率い、シリア国民対話大会のロシア代表団の団長も務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、大会開幕に先立って、「目標は、憲法について議論するための委員会の活動に参加する候補者を選定することにある」としたうえで、「大会に出席者に閉幕声明の審議と、シリア復興支援を求める文書を国連、国際機関に送ることを提案する」との方針を明らかにした。

一方、参加予定のシリア人に関して「シリア社会のすべての集団、そしてシリアの未来に関心を持つすべての人が大会に参加するだろう…。クルド人は個人として招聘した」と述べた。

『ハヤート』(1月30日付)などが伝えた。

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ドゥラル・シャーミーヤ(1月29日付)が入手した議事次第によると、2日間の日程(29日午前6時から30日午後8時40分)のうち、対話に割かれているのは6時間半のみで、32時間40分もの時間が、休憩と飲食(12時間)、移動(10時間10分)、就寝(10時間半)に充てられているという。

al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018

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SANA(1月29日付)は、ソチの複数の消息筋の話として、2日間の議事終了後に発表される予定の「閉幕声明」(案)がリークされたことに関して、「まったくもって不正確なものだ」と伝えた。

また、ロシアのマリア・ザハロワ外務省報道官も、フェイスブックのアカウントを通じて「閉幕声明」(案)が陸されたことに不快感を示した。

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『シャルク・アウサト』(1月30日付)は、西側高官からの情報として、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、29日のソチでのシリア国民対話大会の開幕に先立って、ロシアに向かう出席者数百人を首都ダマスカスのオペラ・ハウス(ウマウィーイーン広場)に招集し、大会で設置が予定されている議長評議会や制憲委員会メンバーの最終候補の氏名を開示した、と伝えた。

それによると、議長評議会メンバーの最終候補は10人で、サフワーン・クドスィー(アラブ社会主義連合党書記長)、ランダ・カスィース、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー(ガド潮流代表)、ジャマール・カーディリー(労働総連合総裁)、アマル・ヤーズジー(シリア民族社会党)、マイス・クライディー、ファーリス・バイユーシュ(自由イドリブ軍元司令官)、ハイサム・マンナーア(カムフ潮流代表)、ズハイル・ラマダーン(芸術組合)らからなる。

一方、制憲委員会メンバーは25人からなり、アフマド・クズバリー(ジュネーブ会議のシリア政府代表団)、アフマド・アッカーム氏、カドリー・ジャミール(モスクワ・リスト代表)、ランダ・カスィース、アマル・ヤーズジーらからなる。

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、January 30, 2018、Interfax, January 29, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、al-Sharq al-Awsat, January 30, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はアフリーン市北西の第915丘、ウーシャーギー村を制圧(2018年1月29日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月29日付)によると、「オリーブの枝」作戦を遂行するトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団(自由シリア軍)が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘を続け、ラージュー町南部の第915丘、ウーシャーギー村を制圧した。

トルコ軍はまた、アフリーン市一帯のシリア民主軍拠点に対して、戦闘機・ヘリコプターによる爆撃、砲撃を継続した。

ANHA, January 29, 2018

一方、アレッポ県では、SANA(1月29日付)によると、トルコ軍がジャンダリース市、ハマーム村、4月17日ダム一帯、アフリーン市近郊のカバリー村などに対して越境爆撃と砲撃を続け、同地のインフラが破壊され、住民18人が死亡、11人が負傷した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍の爆撃・砲撃により、新たに民間人14人が死亡、民間人の犠牲者総数は55人になったという。

また、ANHA(1月29日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ジャンディールス市近郊のハマーム村一帯に侵攻したトルコ軍および反体制武装集団と交戦した。

さらに、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、ブルブル町近郊でトルコ軍の無人航空機を撃墜したと発表した。

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ANHA(1月29日付)によると、アレッポ市の青年男女30人からなるアレッポ青年大隊が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区での総動員発令に応えるかたちでアレッポ県アフリーン市一帯での戦闘に参加すると発表した。

ANHA, January 29, 2018

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ANHA(1月29日付)は、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦の開始を宣言した1月20日から28日にかけてのアレッポ県アフリーン市一帯に対するトルコ軍の攻撃の実態を明らかにした。

それによると、トルコ軍はこの8日間で戦闘機72機を投入し、アフリーン市一帯で100回以上の爆撃を実施するとともに、断続的に砲撃を行い、民間人50人が死亡、137人が負傷、そのほとんどが女性と子供だという。

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 30, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは8件の停戦違反を、トルコ側は8件の違反を確認(2018年1月29日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(ラタキア県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ヒムス県2件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも8件(ラタキア県3件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県4件、イドリブ県4件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 29, 2018をもとに作成。

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トルコのソイル内務大臣はアレッポ県北部の反体制武装集団の拠点都市にトルコ治安部隊、憲兵隊を配備していると発表(2018年1月28日)

トルコのシュレイマン・ソイル内務大臣は、アレッポ県北部の反体制武装集団の拠点都市であるアアザーズ市、ジャラーブルス市、マーリア市にトルコの治安部隊、憲兵隊を配備していることを明らかにした。

ソイル内務大臣は、「トルコは350万を超えるシリア難民がシリアで行われている軍事作戦のなかでも自らの土地で安心していられるよう希望している」としたうえで「トルコはいかなる国の領土も欲していない」と強調した。

『ザマン』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 28, 2018、ANHA, January 28, 2018、AP, January 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、Reuters, January 28, 2018、SANA, January 28, 2018、UPI, January 28, 2018、Zaman, Janyaru 28, 2018などをもとに作成。

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有志連合のディロン報道官はトルコによるマンビジュ市からの即時撤退要求を事実上拒否(2018年1月28日)

ルダウ・チャンネル(1月28日付)によると、米主導の有志連合の有志連合の報道官を務めるライアン・ディロン大佐は、トルコ政府が、西クルディスタン移行期民政局の拠点都市であるアレッポ県マンビジュ市からの米軍の即時撤退を求めたことに関して、「有志連合は(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体の)シリア民主軍への支援を続ける。我々は、シリア民主軍に供与されている武器や装備がダーイシュ(イスラーム国)との戦いの一環である旨、トルコに明確に伝えた…。ダーイシュは依然としてこの地域にとっての脅威であり、トルコ、中東、世界にとっての脅威であり続けている」と述べた。

AFP, January 28, 2018、ANHA, January 28, 2018、AP, January 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、Reuters, January 28, 2018、Rudaw, January 28, 2017、SANA, January 28, 2018、UPI, January 28, 2018などをもとに作成。

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米CIAはロジャヴァを主導するクルド民族主義政党のPYDをテロ組織に指定(2018年1月28日)

米中央情報局(CIA)は、公式サイト(https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos/sy.html)において西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党(PYD)とサーリフ・ムスリム前共同党首を「外国を拠点とするテロ組織」(Terrorist groups – foreign based)に新たに指定した。

同サイトは定期的に内容が更新されており、今回の更新では、PYDとムスリム前共同党首は、「クルディスタン労働者党(PKK)(Kongra-Gel)」の欄に、以下の通り記入された:

クルディスタン労働者党(PKK)(Kongra-Gel)

目的:シリア北部の領域を含むクルディスタンの建設。
活動地域:主にロジャヴァ、シリア・クルディスタンとして知られるクルド人居住地域など、北部活動し、ISIL(ダーイシュ(イスラーム国)と戦う。サーリフ・ムスリム・ムハンマドはクルディスタン労働者党のシリアの分派の指導者。シリア国内の戦闘員の大多数はシリアのクルド人で、なかにはイラン、トルコ、イラク出身のクルド人もいる。

Kurdistan Workers Party (PKK) (Kongra-Gel):

aim(s): establish Kurdistan, which comprises territory in northern Syria

area(s) of operation: operational in the north combating ISIL, primarily in the Kurdish-populated region known as Rojava and Syrian Kurdistan; Salih MUSLIM Muhammad leads Kurdistan Workers Party’s Syrian wing, the Syrian Kurdish Democratic Union Party (PYD); majority of fighters inside Syria are Syrian Kurds, along with Kurds from Iran, Turkey, and Iraq

AFP, January 28, 2018、ANHA, January 28, 2018、AP, January 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、Reuters, January 28, 2018、SANA, January 28, 2018、UPI, January 28, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はハサカ県ラアス・アイン市西方の国境地帯でYPGの重機を越境攻撃(2018年1月28日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月28日付)によると、トルコ軍が国境に面するラアス・アイン市西部のタッル・ハラフ村近郊で塹壕を掘削していた西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の重機に対して越境攻撃を行い、人民防衛隊隊員複数人が死傷した。

また、マルカダ町で人民防衛隊の車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数人が死亡した。

AFP, January 28, 2018、ANHA, January 28, 2018、AP, January 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、Reuters, January 28, 2018、SANA, January 28, 2018、UPI, January 28, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍は、反体制武装集団とともにYPG主体のシリア民主軍と交戦、アフリーン市北東部の戦略的要衝バルサーヤー山を制圧する一方、爆撃・砲撃を続け、民間人多数を殺害(2018年1月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月28日付)が「オリーブの枝」作戦に参加する反体制武装集団の消息筋の情報として伝えたところによると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊主体のシリア民主軍との戦闘の末、ロジャヴァ支配地域と反体制武装集団支配地域を隔てているアフリーン市北東部の戦略的要衝であるバルサーヤー山を制圧した。

反体制武装集団はまた、バルサーヤー山西のカスタル・ジャンドゥー村、ジャンディール市を見下ろすことができるカイーザクリー山も制圧したという。

al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018

一方、ANHA(1月28日付)によると、トルコ軍がアフリーン市東部のカウブラ村を爆撃し、住民8人が焼死した。

ANHA, January 28, 2018

また、SANA(1月28日付)によると、トルコ軍は県北部アフリーン市近郊のカバリー村に対して砲撃し、避難民収容センターなどが被弾、少なくとも民間人3人が死亡、4人が負傷した。

トルコ軍はまた、ハリール村、ブルブル町一帯、マアバトリー町一帯の村々、ハマーム村、ジャンディールス市一帯の村々を砲撃し、住民多数が死傷した。

SANA, January 28, 2018

AFP, January 28, 2018、ANHA, January 28, 2018、AP, January 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2018、al-Hayat, January 29, 2018、Reuters, January 28, 2018、SANA, January 28, 2018、UPI, January 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは7件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年1月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(アレッポ県3件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(アレッポ県1件、イドリブ県1件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,340市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 28, 2018をもとに作成。

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ティラーソン米国務長官「シリア国内での化学兵器使用の責任はロシアにある」(2018年1月27日)

レックス・ティラーソン米国務長官は、訪問先のポーランド(ワルシャワ)でシリア情勢について言及、そのなかでアサド政権による化学兵器使用疑惑に関して「ロシアが署名したすべての合意に違反している」「ロシアはまた、シリア国内での化学兵器使用を制限し、それを根絶することに責任を果たすとの誓約に違反している」と非難した。

『ハヤート』(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018などをもとに作成。

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最高交渉委員会はソチでのシリア国民対話大会のボイコットを発表、しかし国連は参加を表明(2018年1月27日)

スイスで26日に開始されたジュネーブ9会議に出席している反体制派の一つ最高交渉委員会は、ツイッターを通じて、1月29~30日にソチで開催が予定されているシリア国民対話大会への参加をボイコットする見合わせると発表した。

最高交渉委員会のヤフヤー・アリーディー報道官は、ボイコットの理由として、「ロシアが国連主催のジュネーブ会議が周縁化しようとしている」と述べた。

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アントニオ・グテーレス事務総長は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表を1月29~30日にソチで開催されるシリア国民対話大会に国連の代表として派遣することを決定した。

スタファン・ドゥジャリク報道官が明らかにした。

同報道官によると、グテーレス事務総長は、シリア国民対話大会が、国連主催のジュネーブ会議の再活性化に貢献するとして、信頼を寄せているという。

AFP, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務打陣「米国にマンビジュ市からの即時撤退を求める」(2018年1月27日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、トルコ政府が米国に対して、アレッポ県東部のユーフラテス川右岸に位置する西クルディスタン移行期民政局の拠点都市マンビジュ市からの「即時撤退」を求めたことを記者団に対して明らかにした。

TRT Turk(1月27日付)が伝えた。

一方、トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、「アンカラとワシントンは(西クルディスタン移行期民政局の)人民防衛隊に対する武器増強を停止することで合意した」と述べた。

カルン報道官は「トルコ政府は、米国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めるハーバート・マクマスター陸軍中将に対し、電話でトルコに対する安全保障上の脅威を考慮し、誤解を回避するために信頼をもって連携するべきだ」と伝えたという。

アナトリア通信(1月27日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2018、Anadolu Ajansı, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018、TRT Turk, January 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア提案によるダマスカス郊外県東グータ地方での新停戦案が破談(2018年1月27日)

ダマスカス郊外県東グータ地方でシリア軍に対する抵抗を続けるシャーム自由人イスラーム運動、ラフマーン軍団、シャーム解放機構などからなる{彼らが不正をはたらいた」作戦司令室は報道声明を出し、ロシアの提案による新たな停戦案に関して、「停戦に関して誰とも連絡をとっておらず、誰も我々の代理人として任命していない。我々は政権、ロシアの誰とも交渉していないし、誰からも相談を受けていない停戦には関心ない」と表明した。

そのうえ、「東グータ地方の革命家たちは、グータ地方と住民を守るための自衛の戦いを行っており、この戦いはグータ住民のためになる結果をもって終わるべき」と主張、戦闘を継続する意思を示した。

声明は、ラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官が26日にドゥラル・シャーミーヤ(1月26日付)に対して、ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会のメンバーの一人から連絡を受け、人道支援物資搬入のため、27日0時0分から24時間、ないしは48時間、東グータでの戦闘を停止するとのロシアによる新停戦案への姿勢を示すよう求められていると述べたことを受けたもの。

また、イスラーム軍政治局のムハンマド・アッルーシュ氏も、ツイッターを通じて、この停戦案が不調に終わったことを明らかにした。

AFP, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団は、アレッポ県アフリーン市近郊の1カ村、YPG拠点などを制圧(2018年1月27日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月27日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団(シャーム軍団など)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘の末、ラージュー町近郊のビースキー村を新たに制圧した。

反体制武装集団はまた、同地近郊の第740拠点、人民防衛隊の教練キャンプも合わせて制圧したという。

al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018

一方、SANA(1月27日付)によると、トルコ軍が西クルディスタン移行期民政局支配下のアフリーン市一帯への越境爆撃・砲撃を続けた。

攻撃は、ジャンディールス市近郊のハッジー・イスカンダリー村、ハマーム村、ブルブル町近郊のトゥーバール村、クールナ村、アリー・ジャーウー村、ガッル山一帯に対して集中的に行われた。

SANAによると、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦の開始を宣言した20日から27日にかけての攻撃による死者は96人、負傷者は198人にのぼっているという。

また、ANHA(1月27日付)によると、シリア民主軍はラージュー町一帯でトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団と交戦した。

さらに、タッル・リフアト市近郊のトゥワイス村一帯でも、シリア民主軍と反体制武装集団が交戦したという。

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ハサカ県では、ANHA(1月27日付)によると、マアバダ(カルキールキー)町トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への攻撃に対する抗議デモが行われ、数千人が参加した。

AFP, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, January 27, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのアンサーリー外務副大臣と会談(2018年1月27日)

アサド大統領はシリアを訪問中のイランのホセイン・ジャーベリー・アンサーリー外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)と会談した。

SANA(1月27日付)によると、会談ではシリア・イランの戦略的関係、テロとの戦いでの強力強化、1月29~30日にソチで開催が予定されているシリア国民対話大会について意見を交わした。

SANA, January 27, 2018

AFP, January 27, 2018、ANHA, January 27, 2018、AP, January 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2018、al-Hayat, January 28, 2018、Reuters, January 27, 2018、SANA, January 27, 2018、UPI, January 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは1件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年1月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,339市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 27, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合がダイル・ザウル県バフラ村を爆撃し、民間人30人以上を殺害(2018年1月26日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月26日付)によると、米軍主導の有志連合が県東部のバフラ村を爆撃し、民間人30人以上(ほとんどが女性と子供)が死亡した。

AFP, January 26, 2018、ANHA, January 26, 2018、AP, January 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、al-Hayat, January 27, 2018、Reuters, January 26, 2018、SANA, January 26, 2018、UPI, January 26, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「我々はマンビジュ市からテロリストを浄化する」(2018年1月26日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、与党公正発展党(AKP)の拡大幹部会合で、アレッポ県アフリーン市一帯で続行中の「オリーブの枝」作戦に関して、「我々はマンビジュ市(アレッポ県)からテロリストを浄化する…。なぜなら、彼らは真の友人ではなく、アラブ人同胞こそがそもそもの友人だからだ。我々は作戦を継続し、イラク国境に至り、テロリストを1人残らず殲滅する」と述べた。

TRT Turk(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2018、ANHA, January 26, 2018、AP, January 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、al-Hayat, January 27, 2018、Reuters, January 26, 2018、SANA, January 26, 2018、TRT Turk, January 26, 2018、UPI, January 26, 2018などをもとに作成。

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シリア駐留ロシア軍司令部当事者和解調整センター:「シリア軍部隊がタンフ国境通行所一帯で、米軍の教練を受けた反体制武装集団を殲滅、「新シリア軍」の旗などを発見したと発表(2018年1月26日)

ラタキア県フマイミーム軍事飛行場のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターは声明を出し、シリア軍部隊が、米国が主導する有志連合が違法に占拠するタンフ国境通行所一帯で、反体制武装集団を殲滅、「新シリア軍」の旗などを発見したと発表した。

当事者和解調整センターによると、シリア軍部隊が殲滅した武装集団は、タンフ国境通行所に設置された基地で、米軍の監督のもとに軍事教練を受けていたという。

また、これまでにも同様の武装集団が、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ダイル・ザウル県で「破壊行為」を行うために、シリア政府支配地域に度々侵入、イドリブ県でのシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討戦に注力していたシリア軍は同地への増援を余儀なくされてきたという。

当事者和解調整センターはそのうえで、こうした国威がシリアでの和平プロセスを頓挫させようとしていることを示す」と非難した。

スプートニク・ニュース(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2018、Anadolu Ajansı, January 26, 2018、ANHA, January 26, 2018、AP, January 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、al-Hayat, January 27, 2018、Reuters, January 26, 2018、SANA, January 26, 2018、Sputnik News, January 26, 2018、UPI, January 26, 2018などをもとに作成。

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ジュネーブ9会議開幕:シリア政府代表団は米英仏サウジ・ヨルダンによる「非公式文書」を拒否(2018年1月26日)

シリア政府と反体制派の代表による和平協議「ジュネーブ9会議」が開幕した。

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アナトリア通信(1月26日付)は、米国、フランス、英国、サウジアラビア、ヨルダンが、25日にスイスで再開されたシリア政府の反体制派の和平協議「ジュネーブ9会議」に参加するためにジュネーブ入りしている最高交渉委員会に、ジュネーブ・プロセスへの対応を示したヴィジョン、いわゆる「非公式文書」を開示した、と伝えた。

「非公式文書」では、ジュネーブでのシリア政府との協議において、憲法の条文や国連監視下での選挙実施に向けた実質的方途を検討することに力点を置くよう提言しているという。

そのうえで、憲法については、権力分立、地方自治体の権限強化、大統領職の名誉職化、二院制などが提言されているという。

また、『ハヤート』(1月28日付)によると、「非公式文書」は、憲法の改正を通じて、大統領や首相の権限縮小、議会設置、司法の独立、分権主義、権利や自由などを保障するとともに、治安部門を改革し、選挙法を改正するなどを求めているという。

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ジュネーブ9会議に出席するためにスイスを訪問中のシリア政府代表団は、前日に引き続きジュネーブの国連本部でスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表と会談した。

団長を務めるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、会談後に記者会見を開き、ジュネーブでの和平協議への対応をめぐって、米国、英国、フランス、サウジアラビア、ヨルダンが、ワシントンDCやパリでの折衝で策定したとされるいわゆる「非公式文書」を拒否すると表明し、これらの国はいずれもシリア国民の血で汚れていると非難した。

SANA, January 26, 2018

一方、デミストゥラ特使との会談では、1月29~30日にソチで開催が予定されているシリア国民対話大会に向けて問題を洗い出し、それらを外国の干渉を排除し、同大会でのシリア人どうしの対話で解決していくとの意欲を示した。

SANA(1月26日付)が伝えた。

AFP, January 26, 2018、ANHA, January 26, 2018、AP, January 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、al-Hayat, January 27, 2018、January 28, 2018、Reuters, January 26, 2018、SANA, January 26, 2018、UPI, January 26, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県アフリーン市一帯での戦闘でYPG主体のシリア民主軍はトルコ軍戦車を破壊(2018年1月26日)

アレッポ県では、ANHA(1月26日付)によると、トルコ軍はジャンディールス市一帯(ハマーム村、バーフルーラ村、東アーシュカー村など)に対して爆撃・砲撃を行った。

ANHAは、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラージュー町一帯に侵攻中のトルコ軍部隊と交戦し、戦車1輌を破壊したと伝え、その写真を掲載した

ANHA, January 26, 2018

また、SANA(1月26日付)によると、トルコ軍がアフリーン市一帯に対する砲撃を続け、マアバトリー村などが被弾し、一家7人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア領内に侵攻したトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が、カスタル・ジャンドゥー村一帯、バルサーヤー山一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦した。

SANA, January 26, 2018

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トルコ軍は声明を出し、アレッポ県アフリーン市一帯で20日に開始された「オリーブの枝」作戦での、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の戦闘員343人を殺害したとの戦果を発表した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月26日付)が伝えた。

また、トルコのアフメット・デミルジャン保健大臣は、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦を開始した20日以降、トルコ軍兵士3人が死亡、これに対して西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員11人が死亡したと発表した。

ただし、シリア人権監視団によると、トルコ軍兵士7人が行方不明となっているという。

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦を開始した1月20日以降、43人の戦闘員(うち女性防衛隊メンバー3人)が戦死、またトルコ軍の爆撃で民間人59人が死亡、134人が負傷したと発表した。

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ドゥラル・シャーミーヤ(1月26日付)は、複数の地元消息筋の話として、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いのためにダイル・ザウル県やハサカ県に展開してきた部隊を、トルコ軍と戦うために、アレッポ県アフリーン市方面に再展開させる用意をしている」と伝えた。

AFP, January 26, 2018、ANHA, January 26, 2018、AP, January 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2018、al-Hayat, January 27, 2018、Reuters, January 26, 2018、SANA, January 26, 2018、UPI, January 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは4件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2018年1月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(ヒムス県1件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも1件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 26, 2018をもとに作成。

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