SANAによると、アフマド・シャルア移行期政権の支配地域各所で、「ジャズィーラのために一つの声を」をスローガンに抗議デモが組織され、参加者らは、ジャズィーラ地方(北東部)におけるシリア民主軍の侵害行為に反対、シリアの統合を堅持し、いかなる形の分離・分断も断固として拒否する姿勢を強調した。
参加者らは、ジャズィーラ地方の住民こそがこの土地の真の所有者であり、外部勢力と結びついた武装勢力による強制的支配ではなく、彼ら自身にのみその運命を決める権利があると主張した。
デモを組織した委員会は声明の中で次のように述べた。
アラブ人、クルド人、スィルヤーニー人、キリスト教徒を含むシリア・ジャズィーラ地方の人々の名において、また本日の抗議集会に参加した市民社会団体、メディア関係者、地域有力者の名において、我々はこの声明を国際社会およびシリア問題に関与するすべての勢力に宛てて発する。これは一致した国民的立場の表明である。
我々は、シリア領土の統一を堅持し、いかなる分離・分断の試みも断固拒否する。ジャズィーラ地域はシリアの不可分の一部であり、分離独立を既成事実化しようとするいかなる試みも全面的に拒絶する。
「シリア民主軍」を名乗る組織は、テロ組織クルディスタン労働者党(PKK)と切り離された存在ではなく、違法な組織であり、ラッカ、ダイル・ザウル、ハサカの各県の領土を占拠している。この組織はいかなるシリア社会の構成要素も代表しておらず、クルド人住民もテロと外国勢力への従属を拒んでいる。さらに、この組織に属するアラブ人メンバーらは、国民的課題から乖離した私利のためだけに行動しているにすぎない。
シリア民主軍による恣意的逮捕、強制移住、徴兵、行政・経済的支配などのあらゆる行為を拒否し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いを口実とするその主張は破綻して久しい…。
シリア・アラブ軍こそが、テロ残党を追跡する唯一の合法的かつ正統な主体である…。
国際社会に対して以下を呼び掛ける。
1. シリア・アラブ共和国のすべての領土を国家の支配下に戻し、シリア民主軍の問題を終結させること。
2. ジャズィーラ地方から追放されたすべての避難民の帰還を保証すること。
3. 国家の権限の外にあるいかなる勢力への政治的・軍事的支援も停止すること。
4. 正統な国家機関をジャズィーラ地方に復帰させること。
5. シリアの領土と国民の統合を保証する包括的な国民的解決策を推進すること。
シリア・ジャズィーラ地方の人々は、自らの土地が祖国シリアの庇護のもとに復帰するまで、平和的かつ市民的な闘いを続けることを改めて表明する。我々の自由な声は、いかなる武力よりも強く響き続けるであろう。
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SANA(フェイスブック)によると、デモが行われたのはヒムス市のハーリド・ブン・ワリード・モスク前の広場、イドリブ市の時計台広場、ダイル・ザウル市、首都ダマスカスのマルジャ広場、トルコ占領下の「平和の泉」地域内のラッカ県タッル・アブヤド市、ラタキア市など。
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シリア人権監視団によると、このほかにも、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場でも行われた。
同監視団によると、デモは、SNSで広く参加が呼びかけられたが、ほとんどの会場で参加人数は数十人にとどまり、参加者のなかにはシャルア移行政権に治安要員もおり、デモの様子を撮影した。
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一方、ムラースィルーンは、「アサドを倒したのに、なぜSDFを倒せない?」と主張する参加者の動画を公開(転載)した。
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シリア・クルド国民評議会のムハ…