自由シリア軍を名乗るアサーラ・ワ・タンミヤ戦線は宣伝ビデオを出し、ダーイシュ(イスラーム国)と戦うための新たな武装連合組織「新シリア軍」を結成したと発表、ダーイシュ以外のジハード主義武装集団との共闘の意思を表明した。
宣伝ビデオ(https://www.youtube.com/watch?v=ZuQxqC3L8NE)には、シリア国外で米国製の武器の使用訓練を受けたとされる軍服姿の戦闘員の訓練の様子が映し出され、また新シリア軍司令官のハズアル・スィルハーン氏が委任統治時代のシリア国旗を掲げ、以下の通り表明している。
「新シリア軍が発足され、ダーイシュ、そして彼らに忠誠を誓うすべての組織を殲滅するだろう…。新シリア軍はあらゆる近代兵器、特殊兵器の使用について優れた教練を受けており、ダーイシュが我々の手、そして自由シリア軍の手に対してかけている枷を破壊するだろう…。我々は、この軍がアッラーの道のみに沿って、その銃を共通の敵、すなわちダーイシュとその協力者に対して向ける。また新シリア軍の銃は、すべての誠実なるムジャーヒディーンの銃とともにある」。
「新シリア軍」(New Syrian Army)は、米国がトルコでの軍事教練を通じて育成しようとしていた「穏健な反体制派」による武装組織の別称。
一次隊がシャームの民のヌスラ戦線の攻撃で事実上壊滅し、二次隊がヌスラ戦線に装備を譲渡していた「第30(歩兵)師団」も、米中央軍(CENTCOM)は、有志連合が「新シリア軍」と呼んでいた。
なお新シリア軍の司令官はハズアル・スィルハーン氏が務める。
『ハヤート』(11月10日付)によると、スィルハーン氏は、ダイル・ザウル県で活動する「自由シリア軍」の司令官の一人で、アサーラ・ワ・タンミヤ戦線に所属するアッラーフ・アクバル大隊の司令官を務めていた。
オリエント・ニュース(11月9日付)によると、スィルハーン氏は2014年7月にダーイシュがダイル・ザウル県で勢力を拡大すると、シリア西部の砂漠地帯に撤退した戦闘員の一人。
ダイル・ザウル県からシリア西部に移動した武装集団のなかには、東部獅子軍を結成し、ダマスカス郊外県のカラムーン地方、ヒムス県カルヤタイン市などでダーイシュに対する武装闘争を開始した者もいる(http://syriaarabspring.info/?p=11749)。
ダマスカス郊外県カラムーン地方で現在も潜伏しているとされる東部獅子軍に関して、スィルハーン氏は「東部獅子軍と新シリア軍は表裏一体で一つの組織をなしている」と述べているという。
AFP, November 9, 2015、AP, November 9, 2015、ARA News, November 9, 2015、Champress, November 9, 2015、al-Hayat, November 10, 2015、Iraqi News, November 9, 2015、Kull-na Shuraka’, November 9, 2015、al-Mada Press, November 9, 2015、Naharnet, November 9, 2015、NNA, November 9, 2015、Orient News, November 9, 2025、Reuters, November 9, 2015、SANA, November 9, 2015、UPI, November 9, 2015などをもとに作成。
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