キューバのプレンサ・ラティナ通信(7月21日付)は、アサド大統領に単独インタビューを行い、その全文を公開した。
プレンサ・ラティナ通信がスペイン語で配信したインタビュー全文(http://www.prensa-latina.cu/index.php?option=com_content&task=view&id=5084341&Itemid=2)のアラビア語版、英語版はSANAで公開された(http://www.sana.sy/?p=407522、http://sana.sy/en/?p=83170)。
インタビューにおけるアサド大統領の主な発言は以下の通り:
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「シリアに対する攻撃に参加しているテロリストの国籍は100以上におよび、彼らはサウジアラビア、カタールといった国から資金を、トルコといった国から兵站支援を受けている。もちろん、それは米国、フランス、英国、そしてこれらの国の一部同盟国の監督のもとに行われている。しかし、ロシアが…シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)、そしてこれらと関わりのあるグループなどのテロリストと戦うシリア軍を合法的に支援するために介入することを決心して以降、テロリストに不利なかたちで局面は変化した…。ヒムスは、1年前にテロリストが去り、事態は非常に改善し、安定した…。アレッポは事情が異なる。なぜなら、トルコ、そしてその同盟国であるサウジアラビアやカタールといった国は、シリアでの戦闘で多くのカードを失い、彼ら、とりわけ(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)にとっての最後のカードがアレッポだからだ。エルドアンがサウジアラビアとともに懸命になって5,000人以上とされるテロリストをアレッポに送り込んだのはそのためだ」。
「2ヶ月ほど前に(テロリストたちは)アレッポ市を掌握するためにトルコからアレッポに送り込まれたが、無駄だった。我が軍は、アレッポ市、そしてその郊外で進軍を続け、テロリストを包囲した。和解の一貫として通常の生活に戻り、アレッポ市からテロリストが退去するか、敗北するかしかない。それ以外の解決策はない」。
「シリア軍の最優先事項とは、ダーイシュ、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍と戦うことだ。これらの4組織はイデオロギーを通じてアル=カーイダと直接つながっている」。
「シリアに対する戦争は全面戦争だ。それはテロ支援に限られず…、国際社会においてシリアに対して政治的な戦争が仕掛けられ、そして第3戦線として経済的な戦線がある。そこでは、諸外国はテロリストを操って…シリアのインフラを破壊するようになった。同時にこれらの国はシリアに対して経済制裁を科した」。
「国連や安保理の役割について話すと錯覚するかもしれない。なぜなら実際のところ国連は米国の腕に成りさがったからだ。米国は好き放題それを利用し、国連憲章ではなく自分たちの二重基準を押しつけている…。ロシアや中国がいなければ、国連は完全に米国の機関になっていただろう…。(スタファン・デミストゥラ氏などの)仲介者は独立していない。彼らは西側諸国の圧力に曝されるか、ロシアと米国といった大国の対話の圧力に曝される…。だからシリアの紛争において国連は役割を果たしていない。ロシアと米国の対話があるだけで、我々が知っているのは、ロシアがテロを打ち負かすために真摯に取り組んでいるのに対して、米国はテロリストを利用してゲームを行っているだけだ」。
「国民は我々が(社会的な)調和のもとで行動する必要があると学んできた。なぜなら、テロリストや地域におけるその同盟者、そして西側がシリアの紛争をめぐって当初からも居いてきたレトリックとは、宗派主義的レトリックだったからだ。彼らは国民を分断し、互いに争わようとしたが…、徒労に終わった…。我々には調和があった。紛争前の平時においても調和があったが、我々はこの調和をさらに強化するためにさらに行動しなければならない」。
「米政権が他国の何らかのグループやコニュニティと関係を築こうとするとき、それはその国やその国の国民のためではなく、米国のアジェンダのためにそうしてきた…。米国は国民を分断しようとして行動する。宗派集団を選ぶこともあれば、エスニック集団を選ぶこともあるが、そうすることで米国はほかのエスニティティを…排除するようなかたちで支援を行う…。米国の支援とはダーイシュとも、ヌスラ戦線とも、「テロとの戦い」とも無関係だ」。
「トルコでのクーデタ(未遂)は、トルコ国内の不安定や不満の結果と捉えるべきだ…。それは政治的なものかもしれないが、結局の所は社会がこうした不安定における主要な争点となる。誰がトルコを統治しているかとはかかわりなく、そして誰が大統領であるかとはかかわりなく、これはトルコの国内問題だ。我々は干渉はしない。また「エルドアンは去るべきだとか、とどまるべきだ」などと言う過ちは犯さない。これはトルコ人の問題で、トルコ国民が決めねばならない」。
「しかし、クーデタ(未遂)そのものより重要なのは、エルドアンと彼の仲間がその後の数日間で踏んだ手順だ。彼らは…判事2,700人以上、大学教授1,500人以上、教育部門の職員1万5,000人以上を追放した。大学や法廷、そして市民社会がクーデタと何の関係があるというのか? つまりこれは、エルドアンの悪意、そして事件を濫用しようとする意図を示している。なぜなら、事件をめぐる捜査はまだ終わってもいないのだ。どうして彼らを追放すると決定できるのか? つまり、彼はクーデタを利用して、自身の過激なアジェンダ、ムスリム同胞団のアジェンダをトルコ国内で実行しようとしているのだ。これはトルコ、そしてシリアを含む周辺諸国にとって危険な行為だ」。
「我々はシリア国内の反体制派と国外の反体制派を並べることなどできない。なぜなら「反体制派」という言葉は平和的な手段に訴えることを意味しており、テロリストを支援したり、国外で結成されたりするものではないからだ。それは草の根的でなければならない…。英国、フランスの外務省、カタール、サウジアラビア、米国の諜報機関は草の根運動ではない…。我々は彼らを反体制派と呼ぶが、我々は彼らを反逆者と呼ぶ。真の反体制派とはシリア国民のために行動する者を言う」。
「西側諸国が私に権力の座から去って欲しいと考えていることに関して…、我々はまったく気には留めていない…。彼らが他国の大統領を貶め、悪魔扱いするのは、米国の手法だ…。もっとも重要なのは、自分自身の国民から良い評価を得ることだ。我々が気にしているのもそれだ」。
AFP, July 21, 2016、AP, July 21, 2016、ARA News, July 21, 2016、Champress, July 21, 2016、al-Hayat, July 22, 2016、Iraqi News, July 21, 2016、Kull-na Shuraka’, July 21, 2016、al-Mada Press, July 21, 2016、Naharnet, July 21, 2016、NNA, July 21, 2016、Reuters, July 21, 2016、SANA, July 21, 2016、UPI, July 21, 2016などをもとに作成。
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