ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ザッル村でダーイシュ(イスラーム国)のセルがシリア民主軍の車輛を襲撃し、両者の間で武力衝突が発生した。
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Detail Report on the Arab Spring in Syria: Latest Situation in Syria / アラビア語の新聞、通信社、ウェブサイトなどを通じて収集した情報をもとに、シリア情勢をより網羅的に把握・紹介することをめざします。
情報省はフェイスブックを通じて声明を発表し、イラク・クルディスタン地域のシャムスTVがアフマド・シャルア暫定大統領とのインタビューの放映を見送ったことについて、インタビューがすでに制作された報道素材であり、職業的・編集的観点から見て、その公開を妨げる正当な理由は存在しないと非難、国民の知る権利を守る責任を果たし、報道活動を規定する専門的・法的原則を尊重するため、法的枠組みに基づいてシリアの公式媒体を通じて放映する完全な権利を保持していると主張した。
また、シャルア暫定大統領が多数の国内外メディアが存在する中で、あえてクルド系のチャンネルを選んだのは、クルド人の地位、役割、権利を重視していることを示すものであり、クルド人との関係は単なる組織の枠を超えるものであると強調した。
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この声明を受けるかたちで、国営のイフバーリーヤ・チャンネルは、シャルア暫定大統領のインタビューを放映した。
SANAによると、声明の内容は以下の通り。
60年以上にわたって続いた不正は、クルド人を含むシリア社会のあらゆる構成要素に及んだ…。祝福されたシリア革命には、所属の違いを超えたシリア国民の積極的な参加があり、クルドの人々も誠実に参加していた。
解放はクルド人および他の社会構成要素に加えられた不正に対する最初の真の回答であり、国籍や市民権を奪うなどの差別的・選別的政策を行ってきた犯罪的体制を打倒することによって実現した。
旧体制の崩壊は、クルド人の権利を含むすべてのシリア人の権利を回復するための基本的な入口であった…。革命期には無秩序または統制されていない勢力の行動により、すべての人々に不正が及んだ事例もあったが、当時可能な範囲で民間人およびクルド人を守るために全力を尽くした。これは当該地域の住民の証言によって裏付けられている。
旧体制は宗派的・民族的対立を煽り、社会の分断を深めた結果、不信の跡を残した…。シリアの解放は、平等な市民権、法の支配、公正な富の分配、法的・制度的枠組みを通じた権利要求の自由を基盤とする新たな段階への扉を開いた…。こうしたシステムを構築するには、安定と平静が不可欠である。
解放作戦において国家は責任ある姿勢で対処し、戦いが軍事的性格を伴うものであるにもかかわらず、人道的側面を考慮した…。アレッポ市、とりわけシャイフ・マクスード地区で起きたことは、治安と安定を守り、シリア経済の動脈を保護するためであり、住宅地への度重なる攻撃と治安・安定への脅威を受けた後の法の執行であった…。作戦は成功し、民間人のための安全な通路を確保した上で、可能な限り低いコストで実施された。
ダマスカスに到着してから1ヵ月半ほど、あるいはそれより早い最初の会談で、私はマズルーム・アブディー氏と会い、こう言った。「マズルーム氏よ、もしあなたがクルド人の権利のために戦っているのなら、一滴の血も流す必要はない。クルド人の権利は憲法によって保障されるからだ」…。。クルド人は、祝福されたシリア革命に参加したその一部であり、クルド人をシリア民主軍という組織だけで代表させることはできない…。シリア民主軍内の内部対立、そしてそのイデオロギーに対する合意も存在しない。
3月10日合意は国家の統一と憲法上の権利を守る
シャルア暫定大統領は、国家がQSDと対話と流血回避の原則に基づいて合意に至ったと述べ、3月10日合意は、クルド人構成要素の憲法上の権利の保全、文化的特性の尊重、シリア全土における国家主権の確立、そしてシリアの利益に資さない対外的な結びつきの断絶を明確に定めていると説明した。この合意は、地域的・国際的に広範な支持を得ているという。
同合意は北東シリア問題に前例のない突破口を開いたが、実施面では目立った進展が見られていないと指摘し、クルド人構成要素の保護は、国境を越えた武装組織によってではなく、新しいシリア国家への完全な統合と、その政治・軍事機関への参加によって実現されるべきであると強調した。権利は憲法で保障されており、血を流す必要はなく、参加の基準は能力であって割当ではないと述べた。
また、国家は3月10日合意を順守しており、すべてのシリア人の利益にかなう形での実施を呼びかけているとし、QSDには国家建設への統合と参加の道が開かれていると述べた。シリアの統一と法の支配こそが、シリアおよび地域全体の安定の基盤であると強調した。
(3月10日)合意にはシャイフ・マクスード地区からの軍事勢力の撤退が含まれており、内務省に所属し、かつ地区出身の限定的な治安要員のみを残し、国家機関と調整して、治安を管理することになっていた…。しかし、撤退は合意通りには行われず、住宅地への砲撃や小競り合いの再発といった度重なる違反があり、アレッポの安定に悪影響を及ぼした。
国家はこの問題を、北・東シリア地域におけるシリア民主軍の問題の包括的解決の一環として扱っているが、組織内部の意思決定の分散や国外勢力との結びつきが、合意履行を妨げている…。そこでは軍事・治安的性格が意思決定を支配している。
クルド人の保護は、国境を越えた武装組織や住宅地の軍事化、地下トンネルの掘削によってではなく、新しいシリア国家への完全な統合と、その政治・軍事・治安機関への参加によって実現される…。シリア国家こそが、すべての国民の権利を保証する包括的かつ真の枠組みである。
クルド人は歴史的にシリア社会に統合され、政治・教育・行政の各分野に参加してきた…。政府内にもクルド人の代表が存在し、議会や主権機関への参加も提案されてきた…。国家は誰に対しても参加の扉を閉ざしておらず、不参加はシリア民主軍自身の判断によるものであった。
シャイフ・マクスード地区での作戦は、90%以上の民間人が避難し、国際法に基づく安全な通路が確保された後、最低限のコストで実施された…。一部の武装集団は、民間人の退避を妨げ、病院を含む民間施設を軍事目的で使用していた。国家は国際的な仲介を受け入れていたにもかかわらず、こうしたことが行われた。
国家は最大限の責任感をもってこの問題に対処し、民間人の生命を危険にさらさないよう配慮した…。今回の措置はアレッポ市とその住民を守り、周辺地区への砲撃と攻撃の継続を防ぐために不可欠であった。
北・東地域は、石油、ガス、農業、水、エネルギーといった国家資源の大半を有している…。シリア民主軍の支配が続くことで、国家がこれらの資源を利用できず、経済に深刻な損害を与え、復興努力が妨げられてきた。これらの資源は国民の生活改善に切実に必要である。
国家は誰も脅しておらず、公共の利益を実現するために事実を提示し助言しているだけだ…。国家の権威外に武装勢力が存在し続けることは、国家的・地域的安定を脅かし、近隣諸国にも悪影響を及ぼす…。イラクの経験は、地理的条件、政治状況、歴史的背景が大きく異なるため、シリアの現実と単純に比較することはできない。
国家は民間人の保護を続け、あらゆる違反行為を法に基づいて処罰すると強調し、理性と英知を優先し、無秩序な武装の状態を終わらせ、すべての国民の権利を保障し尊厳を守る強く公正な国家を共に築く…。長年の苦難の後、すべてのシリア人のために平和と発展の新たなページを開く時である。
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シャムスTVのゼネラル・ディレクターであるレバノン人ジャーナリストのエリー・ナークーズィー氏は、同チャンネルのインタビューにおいて、放映を見送った理由について、シャルア暫定大統領の発言の中にシリア民主軍に対する攻撃的な内容が含まれていたためであると説明した。
ナークーズィー氏は、シャルア暫定大統領の発言について、緊張緩和ではなく、シリア民主軍に対する宣戦布告のような内容で、それがシャムスTVの掲げる「平和を呼びかける」という編集方針に反していたと述べた。
一方で、ナークーズィー氏は、シャルア暫定大統領がクルド人問題に対して共感を示したことを認めつつも、同時に「国家の枠組みの外に武装組織は存在しない」と強調し、クルド民族主義勢力が主唱する特殊性を認めようとしてない点にも言及した。
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シリア民主軍は、フェイスブックを通じて、アレッポ県ダイル・ハーフィル市、マスカナ市一帯での戦況について以下の通り更新情報を発表した。
更新情報:ダイル・ハーフィル市南のズバイダ村方面で、アフマド・シャルア移行期政権の諸派が無人航空機による支援を受けて侵攻を試みたが、シリア民主軍がこれを阻止、撤退させた。
更新情報:トルコ軍の無人航空機バイラクタルTB2が、マスカナ市に対して2度の攻撃を行った。
更新情報:移行期政権の諸派はダイル・ハーフィル市を砲撃した。
更新情報:移行期政権の諸派はダイル・ハーフィル市の郵便局などのインフラ施設を自爆型無人航空機と重火器で攻撃した。
更新情報:移行期政権の諸派は自爆型無人機でダイル・ハーフィル市の民間パン工場を攻撃した。
更新情報:トルコ軍のバイラクタルTB2がラッカ県タブカ市郊外のブーアースィー村を攻撃した。
更新情報:ダイル・ハーフィル市およびマスカナ市上空で、トルコ軍のバイラクタルTB2による集中的な飛行が確認されている。
シリア民主軍はまた、フェイスブックを通じて声明を出し、一連の攻撃について、民間人と重要施設の安全に対する脅威が増大しているとしたうえで、シャルア移行期あ政権にその全面的な責任があると非難した。
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一方、SANAは、ハミーマ村一帯にシリア民主軍が重機関銃および無人航空機を使用し、シリア軍の拠点や住宅を攻撃、シリア軍が応戦したと伝えた。
SANAによると、アレッポ県の内務治安局は、安全上の理由および市民の安全確保のため、マスカナ区および第6農場へ向かう道路を、追って通知があるまで閉鎖すると発表した。
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SANAによると、シリア軍の作戦司令部は、アレッポ東部地域の住民に向けて、人道回廊がアレッポ市方面へ開設される予定であると発表、住民にシリア民主軍の拠点から離れるよう呼び掛けた。
同司令部によると、人道回廊は、ダイル・ハーフィル市とアレッポ市を結ぶM15街道上のハミーマ村を通過するかたちで設置される。
SANAによると、シリア軍の作戦司令部は、人道回廊について15日木曜日の午前9時から午後5時まで利用可能となると発表した。
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ANHAによると、シャルア移行期政権に所属する武装勢力が無人航空機でティシュリーン・ダム周辺を攻撃した。
また、ANHAによると、武装勢力はトルコ軍とともに、ティシュリーン・ダムに近いシャイフ・マフシー村とシャイフ・ハサン村を砲撃した。
さらに、ANHAによると、武装勢力はティシュリーン・ダム近くのカシュラ村を重火器および自爆型無人機で攻撃した。
一方、ANHAによると、武装勢力の攻撃で操業が停止していたダイル・ハーフィル市の製パン所が修理を終え、操業を再開した。
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シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権は、ラタキア県ラタキア市、ジャブラ市方面に配置していた部隊をダイル・ハーフィル市方面に増援部隊として派遣した。
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ANHAによると、アレッポ市シャイフ・マクスード、アシュラフィーヤ、バニー・ザイドの各地区の住民96世帯300人が同地から避難、ハサカ県のカーミシュリー市、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市、アームーダ市、マーリキーヤ(ダイリーク)市、ルマイラーン町に親族宅や学校などに身を寄せた。
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シリア人権監視団は、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区およびアシュラフィーヤ地区では、ここ数日間、クルド人住民が所有する商店や住宅を標的とした略奪・窃盗行為が相次いでいると発表した。
内務省は、フェイスブックを通じて、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で当局に投降し、武器を引き渡していたシリア民主軍のメンバーら多数を釈放したと発表した。
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ラッカ県では、ANHAによると、タブカ市で、住民、アフリーン郡、シャフバー地区(アレッポ市郊外)からの避難民が大規模なデモ行進を行い、アレッポ市シャイフ・マクスード、アシュラフィーヤ、バニー・ザイドの各地区の住民に対するアフマド・シャルア移行期政権の攻撃と犯罪を非難した。
ANHAによると、同市のシャルク大学の学生も、シャイフ・マクスードおよびアシュラフィーヤ両地区の犠牲者を追悼する集会を行った。
ハサカ県では、ANHAによると、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村とアームーダー市で同様のデモ行進が行われた。
また、ANHAによると、タッル・ブラーク町、フール町、アリーシャ町でも同様の抗議行動が行われた。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、11月にシリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会議長のガザール・ガザール師の呼びかけで行われた反体制デモで何者かによってナイフで刺されて負傷していた若い男性が死亡した。
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ダマスカス郊外県では、内務省(フェイスブック)によると、県の刑事捜査局が、誘拐・恐喝を専門とする犯罪ネットワークの摘発に成功し、首謀者を含む7人を逮捕、誘拐されていた3人を解放した。
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ハマー県では、内務省(フェイスブック)によると、県の内務治安局が対テロ対策課との協力のもと、旧シリア軍の海軍中尉だったアリー・ムスアブ・ラジューフ容疑者を逮捕した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの実効支配下にあるアフタリーン市近郊のアズィーズィーヤ村でアフマド・シャルア移行期政権内務省の内務治安局隊員1人が正体不明の武装グループの銃撃を受けて死亡した。
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大統領府(フェイスブック)によると、アフマド・シャルア暫定大統領は、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー首長と電話会談を行い、最近の地域情勢の展開について意見を交換し、共通の関心事項である政治・安全保障上の諸問題を協議した
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