国防省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/mod.gov.sy/)を通じて、以下の通り戦果を発表した。
午前0時16分
軍事筋:
シリア・ロシア軍の共同戦闘機部隊および火力支援用ヘリコプターは、ハマー県北部の農村地帯でテロリストの車輛多数を破壊し、数十人を殲滅、同方向における我らが軍の防衛線強化に取り組んでいる。
午前0時28分
軍事筋:
複数のテロリスト筋が報じる「マザーリブ橋地区に到達した」、「ハマー市内の地区に侵入した」との情報はまったく根拠がない。我らが軍の全部隊は、その車輛および装備とともに、同市一帯に展開し、前進拠点に陣地を構築し、いかなるテロリストの侵入の試みにも対抗する堅固な防衛線を形成している。
午後3時7分
シリア軍武装部隊総司令部声明:
過去数日間にわたり、我らが軍は、ハマー市に対する複数方面からの再三にわたるテロ組織の激しい攻勢を撃退し、無力化するため、激戦を繰り広げてきた。これらの組織は、大規模な人員を動員し、あらゆる手段と軍事装備を投入し、さらに特攻自爆(インギマースィー)部隊を用いて攻撃を仕掛けてきた。
この数時間、我らが軍の兵士とテロ組織の間で戦闘が激化、我らが軍に戦死者が増加するなか、これらの組織は甚大な損害を被りながらも、市内の複数方面方向で防衛線を突破し、侵入することに成功した。
民間人の生命を守り、ハマー市の住民を市街戦に巻き込まないため、同市に駐留していた部隊は再配置し、市外に展開した。
シリア軍武装部隊総司令部は、テロ組織が侵入した地域を奪還するため、愛国的義務を引き続き果たしていくことを強調する。
午後4時35分
軍事筋:
我らが防空部隊は先ほど、ダマスカス上空で敵の無人航空機を迎撃、2機を撃墜した。この作戦において人的被害や物的損害は一切発生していない。
午後10時7分
アリー・マフムード・アッバース国防大臣(兼軍武装部隊副司令官、中将)は午後10時10分頃、テレビ演説を行った。
演説の概要は以下の通り:
我々は現在、最も凶悪なテロ組織と激しい戦いを続けている。これらの組織はゲリラ戦術を駆使しており、これに対処するため、我らが軍は適切な戦術を採用し、突撃と退却、前進と一時的撤退を繰り返しながら戦闘を展開している。とりわけ、これらの過激派組織の背後には、軍事支援、後方支援を提供する域内外の複数の国が存在していることは、すでに明らかだ。こうした状況下で、崇高な精神と高い意識を持つ我らが国民の士気に、最大限の敬意を表したい。
我々は良好な戦況にあり、我らが軍は人命を守るために再配置を行った。
軍事行動や戦術においては、再配置や展開の見直しが必要となる場合がある。
シリアはその軍隊、国民、指導部、そして同盟国や友好国の支援を受け、どれほど激しく困難な戦況であっても乗り越える能力を有している。
我らが軍がハマー市外への再配置を行い、市民の命を守った後に、テロ組織が市内に侵入した。これを受け、これらの組織は、虚偽の情報操作キャンペーンを通じて、この出来事を宣伝に利用し、国民と我らが軍のなかに混乱を広げることを企図している。これらの組織が以下のような手段に訴える可能性がある:シリア軍武装部隊総司令部の名を騙った偽の声明や命令の発表。偽造された音声記録や、人工知能技術を用いて捏造された映像の公開。こうした行為はすべて、国民の団結を乱し、さらなる混乱を招くことを目的としたものだ。
我らが勇敢な国民、民間人および軍関係者に対し、この虚偽情報キャンペーンの危険性を認識し、それを信じないよう強く訴えたい。また、国営メディアが発信する情報にのみ従うようお願いしたい。本日ハマー市で発生した事態は、あくまで一時的な戦術的措置であり、我らが軍は引き続きハマー市周辺に展開し、愛国的な憲政上の義務を遂行するため、完全な準備と態勢を整えている。
シリアにおける我らが国民に忍耐と不屈の精神を保つよう求めたい。テロリストによって占拠された地域に再び平和と安全を取り戻すことに我々が決して妥協しないことを信じて欲しい。シリア・アラブ軍は、シリアに対する戦争の歳月のなかで約束してきた通り、祖国の安全を脅かそうとする国内外のいかなる勢力に対しても、堅固な防壁として立ちはだかり続ける。
AFP, December 5, 2024、ANHA, December 5, 2024、‘Inab Baladi, December 5, 2024、Reuters, December 5, 2024、SANA, December 5, 2024、Sham FM, December 5, 2024、SOHR, December 5, 2024などをもとに作成。
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