アサド大統領は、シリアを訪問中のイランのアリー・タイエブニヤー経済財務大臣一行と会談し、両国間の経済関係などについて意見を交わした。
SANA(3月16日付)によると、アサド大統領は、シリアとイランの経済レベルでの戦略的関係継続の重要性を強調した。
これに対し、タイエブニヤー経済財務大臣は、シオニズムに対抗し続けるシリアを支持することが義務だと応えるとともに、「テロとの戦い」に勝利し、治安と安定を回復することに期待を寄せた。
会談には、シリアのイスマーイール・イスマーイール財務大臣、ハマーム・ジャザーイリー経済対外通称大臣、両国駐在大使らが同席した。
また会談後、アサド大統領は、ジョン・ケリー米国務長官が「我々は最後には(シリア政府と)交渉しなければならない」と発言したことに関して、イランのテレビ局に対して以下のように述べた。
「彼らが、留任せよと言おうが言うまいが…、この問題に関して、我々はシリア国民に耳を傾けてきた。我々はシリア国民の反応、彼らの期待、願望に注目している…。国境の外からやって来るいかなるものも、単なる言葉、ほどなく消え去るバブルのようなものに過ぎない。彼らが去れと言おうが、とどまれと言おうが、変えろと言おうが、変えるなと言おうが重要ではない…。重要なのは、これまでどのように行動してきたかだ」。
「我々はこれまで多くの声明に耳を傾けてきた。我々は行動を待たねばならない。そのうえで決定を下す」。
「まず、シリア情勢に関して、我々には、祖国を守る以外に選択肢はない。この点に関して、当初から別の選択肢など存在しない」。
「この枠組みのなかで生じる国際社会の変化はいかなるものであっても、それが真摯なもので、なおかつ現場で効果があるなら、前向きなものだと言える。だがそれは、まずはテロリストへの政治支援、資金援助、武器供与…を停止することから始められるべきである…。これは、欧州諸国、そして我々の地域で欧米に追随し、テロリストへの兵站、資金、そして軍事支援を行っている国々への圧力をかけることを通じてなされるべきである…。そうすれば、我々はこうして変化が真の変化だと言えるのだ」。
AFP, March 16, 2015、AP, March 16, 2015、ARA News, March 16, 2015、Champress, March 16, 2015、al-Hayat, March 17, 2015、Iraqi News, March 16, 2015、Kull-na Shuraka’, March 16, 2015、al-Mada Press, March 16, 2015、Naharnet, March 16, 2015、NNA, March 16, 2015、Reuters, March 16, 2015、SANA, March 16, 2015、UPI, March 16, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.