YPG主体のシリア民主軍は米国の要請を受けて、ラアス・アイン市とタッル・アブヤド市に至る国境地帯で17日20:00から戦闘を停止すると発表(2019年10月17日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、米・トルコが「平和の泉」作戦の中断を合意したことに関して、「シリア民主軍の抵抗の結果」だとの見方を示すとともに、停戦範囲には、ハサカ県ラアス・アイン市一帯からラッカ県タッル・アブヤド市一帯地域に至る地域も含まれると述べた。

アブディー総司令官は「この合意はこの地域(ハサカ県ラアス・アイン市一帯からラッカ県タッル・アブヤド市一帯地域に至る地域)のためのもので、我々はそれに同意する。合意を成功させるために、我々シリア民主軍は、その規定を実施するために可能なあらゆることを行う…。米国が合意の実施に責任を負っている」と強調した。

ANHA(10月17日付)が伝えた。

また、マズルーム・アブディー総司令官は、これに先立ってルーナーヒー・チャンネル(10月17日付)のインタビューに応じ、そのなかで北・東シリア自治局地域へのシリア軍の展開に関して、ドナルド・トランプ米大統領がシリア政府と協議を行うことの「青信号」を出していたと述べた。

マズルーム総司令官は「トランプ大統領はシリア民主軍がシリア政府とトルコの攻撃に対抗すうるための合意を交わすことに反対しなかった」と述べた。

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またシリア民主軍総司令部は声明を出し、マイク・ペンス米副大統領の要請に従い、ハサカ県ラアス・アイン市とラッカ県タッル・アブヤド市に至る国境地帯で17日22:00時から停戦を発効すると発表した。

AFP, October 17, 2019、ANHA, October 17, 2019、AP, October 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 17, 2019、Reuters, October 17, 2019、Runahi Channel, October 17, 2019、SANA, October 17, 2019、SOHR, October 17, 2019、UPI, October 17, 2019などをもとに作成。

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