アサド大統領のおじでラーミー・マフルーフ氏の父のムハンマド・マフルーフ氏が新型コロナウイルスに感染して死亡(2020年9月12日)

シリアの有力ビジネスマンで最近になって失脚していたラーミー・マフルーフ氏の息子のアリー・マフルーフ氏がインスタグラムのアカウント(https://www.instagram.com/p/CFCMtc6lVkl/)を通じて、自身の祖父でラーミー氏の父親であるビジネスマンのムハンマド・マフルーフ氏(88歳)が死亡したことを認めた。

アリー氏は祖父の写真を掲載し、以下のようなお悔やみのコメントを書き込んでいる。

我々はアッラーに属し、アッラーのもとに戻る。アッラーがあなたを憐れんでくださいますように。

シリアでは12日、ムハンマド氏が新型コロナウイルスに感染したとする情報がSNSなどで流れていたが、アリー氏の書き込みは、身内としてこれを初めて認めたもの。

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政府寄りのテレビ局ハバル・テレビ(9月12日付)によると、ムハンマド氏は、新型コロナウイルスに感染、8月23日に健康状態が悪化し、ダマスカス県のアサド大学病院に入院し、そこで息を引き取ったという。

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反体制系のイナブ・バラディー(9月12日付)が転載した訃報によると、葬儀は9月18日に生地のブスターン・バーシャー村で執り行われる。

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ムハンマド・マフルーフ氏は1932年、ラタキア県ジャブラ市近郊のブスターン・バーシャー村生まれ。

姉のアニーサ・マフルーフ氏(1930~2016年)はハーフィズ・アサド前大統領の妻。

ラーミー氏、イーハーブ氏、ハーフィズ氏、イヤード氏、イブティサーマ氏の四男一女の父親。

シリア・テルの代表取締役社長を務めていたラーミー氏は最近になって失脚、家族と訣別している。

ハーフィズ・アサド前政権下でタバコ公社の代表などを務め、ビジネスマンとして台頭した。

欧州連合(EU)は2011年8月1日に制裁対象に加えている。

一方、米国は、2008年2月13日の大統領令第13460号に基づいて、2月21日に制裁対象としている。

2012年半ば頃からロシアの首都モスクワで、三男で総合情報部ダマスカス課長を務めるハーフィズ氏とともに暮らしていたと伝えられていた。

だが、今年に入り、ラーミー氏への粛清が強まるなか、シリアに帰国したとされている。

AFP, September 12, 2020、ANHA, September 12, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 12, 2020、al-Khabar TV, September 12, 2020、Reuters, September 12, 2020、SANA, September 12, 2020、SOHR, September 12, 2020などをもとに作成。

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