米軍主導の有志連合がシリア領内で5回の爆撃を実施(2015年12月11日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月11日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は5回、マンビジュ市近郊(1回)、マーリア市近郊(4回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 12, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン移行期民政局が実効支配するタッル・タムル町でダーイシュ(イスラーム国)による連続爆破テロが発生し、数十人が死亡(2015年12月10日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(12月11日付)などによると、タッル・タムル町内の中央市場、ハール市場、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊野戦病院近くで、爆弾が仕掛けられた車3台が相次いで爆発し、住民数十人が死亡、数十人が負傷した。

この連続爆破事件に関して、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は11日、「人民防衛隊の拠点を3回の殉教作戦で狙った」と発表、犯行を認めた。

AFP, December 11, 2015、AP, December 11, 2015、ARA News, December 11, 2015、Champress, December 11, 2015、al-Hayat, December 12, 2015、Iraqi News, December 11, 2015、Kull-na Shuraka’, December 11, 2015、al-Mada Press, December 11, 2015、Naharnet, December 11, 2015、NNA, December 11, 2015、Reuters, December 11, 2015、SANA, December 11, 2015、UPI, December 11, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がシリア領内で4回の爆撃を実施(2015年12月10日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月10日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(3回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 11, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県などで、シリア軍、ロシア軍が反体制武装集団への爆撃・攻撃を続ける(2015年12月10日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍が北部のトルクメン山、クルド山一帯への空爆を行い、ジハード主義武装集団戦闘員2人が死亡した。

またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ジュッブ・アフマル村・アティーラ村回廊でシャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がカッバーナ村、ファルラク森一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃・空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がカシュタアール村、バーシュカウィー村一帯などを空爆した。

またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、ハーン・トゥーマーン村などでシャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がハンダラート・キャンプ一帯、ダラーマ村、バルクーム村、バーニス村、ラスム・サフリージュ村、ズィルバ村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊がジャディーヤ村一帯でジハード主義武装集団と交戦し、戦闘員28人が死亡した。

またシリア軍は、インヒル市、カフルシャムス町などを砲撃した。

一方、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がダルアー市・ヒルバト・ガザーラ町街道、スール村・フラーク市街道、ダルアー市各所でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月10日付)によると、ダーライヤー市、ムアダミーヤト・シャーム市前線でシリア軍と反体制武装集団と交戦が激化し、シリア軍が同地一帯を「樽爆弾」で空爆した。

**

ハマー県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、アトシャーン村、ラハーヤー村などでファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍は過去2週間で363回の爆撃を実施し、タクフィール主義テロ組織の標的1,375カ所を攻撃・破壊(2015年12月10日)

シリア軍報道官は、11月27日から12月10日までの2週間で、シリア軍航空機が363回の出撃を行い、タクフィール主義テロ組織の標的1,375カ所を攻撃・破壊したと発表した。

空爆は、ダマスカス郊外県、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、ラタキア県各所で実施され、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点などを標的としたという。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との戦闘の末にマヒーン町一帯を奪還(2015年12月10日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、マヒーン町およびその周辺の丘陵地帯、フワーリーン村のシリア軍拠点などに対して9日から攻撃を激化し、同地を奪還した。

これに関して、ダーイシュ・ダマスカス州広報局は、ダーイシュがシリア軍との戦闘の末、マヒーン町とフワーリーン村にいたる丘陵地帯を制圧したと発表した。

一方、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がスフナ市、タドムル市西部郊外(三角地帯)、ワーディー・ザカーラ、カルヤタイン市、ラッフーム村、ウンク・ハワー村、ウンム・サフリージュ村、ムシャイリファ村、アイン・フサイン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点・車列を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市、ダイル・ハーフィル市を空爆した。

一方、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がジャルーフ村、ナッジャーラ村、シャルバア村、バーブ市でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、アイン・イーサー市郊外でダーイシュ(イスラーム国)と交戦する一方、戦闘機(所属不明)がラッカ市北部一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

**

ハマー県では、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ウンム・トゥワイナ村でダーイシュ(イスラーム国)を掃討、同地を制圧した。

シリア軍はまた、北マアカル村でダーイシュの拠点を空爆し、戦闘員35人を殲滅、車輌9輌を破壊した。

シリア軍はさらに、ラフジャーン村でダーイシュ拠点を空爆、戦闘員18人を殲滅した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市労働者住宅地区、ハウィーカ地区、ユーフラテス・センター北部、ジャフラ村、マリーイーア村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア外務省のザハロワ報道官は、ロシアが爆撃でトルコマン人の「民族浄化」を行っているとするトルコの主張を一蹴(2015年12月10日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は、ロシア軍がシリアでの空爆でトルクメン人に対する「民族浄化」を行っているとするトルコのアフメト・ダウトオール首相の批判に関して、「事実無根で…現地の状況と完全に乖離している」と一蹴した。

『ハヤート』(12月11日付)などが伝えた。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イランのアブドゥッラフヤーン外務副大臣はリヤドでのシリアの反体制派の合同会合にアル=カーイダ系組織が参加していると批判(2015年12月10日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は、サウジアラビアの首都リヤドで閉幕したシリアの反体制派の共同会合に関して「アル=カーイダとつながりのある一部のテロ組織が参加している…。これらの組織がシリアの行方を決定することは許されない…。我々はリヤドでの会合に賛同しない…。この会合はウィーン会議に沿ったものではない」と批判した。

イランのファルス通信(6月18日付)が伝えた。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、Fars News Agency, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアのジュバイル外務大臣「アサド大統領には反体制派との交渉に応じるか、力で打倒されるかのいずれかの選択肢しかない」(2015年12月10日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、リヤドでのシリア反体制派の合同会合を受けて、「シリア国民はアサドがとどまり続けることを受け入れないだろう」と述べたうえで、サウジアラビアが合同会合主催を通じて「シリアの反体制派各派のコンセンサスを作り出そうとしてきた」と自賛、「この努力が近く、シリアでの平和的な権力移譲を含む政治プロセスとして結実する」だろうと期待を寄せた。

そのうえで、「アサドには、シリアの反体制派各派との交渉に応じるか、力で打倒されるかのいずれかの選択肢しかない」と強調した。

ARA News(12月10日付)が伝えた。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県でのシリア民主軍参加・支持組織の総会が、新たな政治連合体「シリア民主評議会」を結成し閉幕(2015年12月10日)

ハサカ県マーリキーヤ市(ダイリーク)で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍参加組織および支持団体などが中心となって開いていた総会「シリア民主反体制勢力大会」が共同声明を発表し、閉幕した。

声明では、総会出席者106人(参加者氏名・所属はhttp://all4syria.info/Archive/276714を参照)のうちの42人からなる政治連合体「シリア民主評議会」を設置し、「すべての社会集団の参加に向けて行動を行うための愛国的・民主的政治計画」の具体化と実現を目指すことが表明された。

クッルナー・シュラカー(12月10日付)によると、「シリア民主評議会」の議席配分は以下の通り:

カフム2
尊厳権利誓約連合2
西クルディスタン移行期民政局参加組織13
シリア民主国民連合3
近代民主党1
アラブ社会民主主義バアス党1
アラブ系部族1
クルド系部族1
シリア国民ブロック1
トルクメン人1
アッシリア教徒1
シリア正教徒1
アラブ系部族1
ヤズィード教徒1
青年代表1
その他の政党政治組織など7
無所属5

「シリア民主反体制勢力大会」は、サウジアラビアの首都リヤドで8日から開催されていたシリア革命反体制勢力国民連立、民主的変革諸勢力国民調整委員会、イスラーム軍などの反体制武装集団などによる共同会合に対抗するかたちで、同会合に招聘されなかったシリア民主軍が、イラン、ロシアの後押しのもと、急遽開催していた。

AFP(12月10日付)、クッルナー・シュラカー(12月10日付)などが伝えた。

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアでのシリア反体制派の合同会合が、アサド大統領の即時退陣ではなく「アサド大統領および政権幹部に居場所を与えないかたちでの新政治体制樹立」などを確認する閉幕声明を発表、アル=カーイダ系組織もこれを受諾(2015年12月10日)

サウジアラビアの首都リヤドで8日から行われていたシリアの反体制派の合同会合が共同声明を発表し、閉幕した。

閉幕声明の骨子は以下の通り:

1. 領土保全、シリア国家の文民性への信頼、分権制に基づくシリア領全土における主権の維持、多元主義に基づく民主主義、宗教、宗派、人種に基づく差別の撤廃、人権、透明性、責任能力、法治の諸原則の尊重。
2. 国家機関の維持、軍、治安機関の再編、「体制や宗派主義的民兵によるテロ」を含むあらゆる形態のテロの拒否、自由で公正な選挙を通じた合法的シリア国家の諸機関の設置とそれによる武器独占、あらゆる外国人戦闘員の拒否と退去要求。
3. シリア危機の政治的解決とそのための国際社会の保証の必要。国際社会の支援のもとでのシリア人の責任に基づく政治的移行。政治的解決の目的を、バッシャール・アサドおよび政権幹部に居場所を与えないかたちでの新政治体制樹立とすること。
4. ジュネーブ合意(2012年)に準拠し、また国連が定めた期限に従い、シリア政府代表者との交渉に備えること。シリア政府と交渉を行う代表団メンバーは移行期統治機関への参加を見合わせること。交渉開始前に、国連および国際社会は、シリア政府に対してシリア人処刑の停止、捕虜・逮捕者の釈放、包囲地域の封鎖解除と支援物資の搬入、矯正移住の停止、市街地への「樽爆弾」での攻撃停止を遵守させること。

アラビア語全文は以下の通り:

استجابة لدعوة من حكومة المملكة العربية السعودية، عقدت قوى الثورة والمعارضة السورية اجتماعاً موسعاً في مدينة الرياض… وقد شارك في الاجتماع رجال ونساء يمثّلون الفصائل المسلحة، والأطياف السياسية في المعارضة السورية في الداخل والخارج، وينتمون إلى كافة مكونات المجتمع السوري من العرب والأكراد والتركمان والأشوريين والسريان والشركس والأرمن وغيرهم، وذلك بهدف توحيد الصفوف، والوصول إلى رؤية مشتركة حول الحل السياسي التفاوضي للقضية السورية بناء على «بيان جنيف»، والقرارات الدولية ذات العلاقة، ومن دون إخلال بمبادئ وثوابت الثورة السورية.
ولقد ناقش المشاركون الموضوعات المدرجة في جدول الأعمال في أجواء يسودها الاحترام المتبادل، والشعور العميق بمسؤولياتهم التاريخية تجاه الشعب السوري الصامد. وتبادل المجتمعون الآراء حول القضايا المصيرية التي تواجه سورية، وأطلعوا على الوثائق ذات الصلة، بما في ذلك البيان الصادر عن المجموعة الدولية لدعم سورية في مدينة فيينا بتاريخ 14 تشرين الثاني (نوفمبر) 2015.
أعرب المجتمعون عن تمسكهم بوحدة الأراضي السورية، وإيمانهم بمدنية الدولة السورية، وسيادتها على كافة الأراضي السورية على أساس مبدأ اللامركزية الإدارية. كما عبّر المشاركون عن التزامهم بآلية الديموقراطية من خلال نظام تعددي، يمثّل كافة أطياف الشعب السوري، رجالاً ونساء، من دون تمييز أو إقصاء على أساس ديني، أو طائفي، أو عرقي، يرتكز على مبادئ احترام حقوق الإنسان، والشفافية، والمساءلة، والمحاسبة، وسيادة القانون على الجميع.
وتعهد المجتمعون بالعمل على الحفاظ على مؤسسات الدولة السورية، مع ضرورة إعادة هيكلة وتشكيل مؤسساتها الأمنية والعسكرية. كما شددوا على رفضهم للإرهاب بكافة أشكاله، ومصادره، بما في ذلك إرهاب النظام وميليشياته الطائفية، وعلى أن مؤسسات الدولة السورية الشرعية، والتي يختارها الشعب السوري عبر انتخابات حرة ونزيهة، هي من يحتكر حق حيازة السلاح. وأكد المجتمعون رفضهم لوجود كافة المقاتلين الأجانب، بما في ذلك من تم تجنيسهم بغرض قتل الشعب السوري، والميليشيات والجماعات المسلحة، والقوات المسلحة الأجنبية على الأراضي السورية، ومطالبتهم بطردهم من أرض الوطن.
وشدد المجتمعون على أن حل الأزمة السورية هو سياسي بالدرجة الأولى، مع ضرورة توافر ضمانات دولية، وأن عملية الانتقال السياسي في سورية هي مسؤولية السوريين، وبدعم ومساندة المجتمع الدولي، بما لا يتعارض مع السيادة الوطنية، وفي ظل حكومة شرعية منتخبة. واتفق المشاركون على أن هدف التسوية السياسية هو تأسيس نظام سياسي جديد، من دون أن يكون لبشار الأسد، وزمرته، مكان فيه.
وأبدى المجتمعون استعدادهم للدخول في مفاوضات مع ممثلي النظام السوري، وذلك استناداً إلى «بيان جنيف» الصادر بتاريخ 30 حزيران (يونيو) 2012، والقرارات الدولية ذات العلاقة كمرجعية للتفاوض، وبرعاية وضمان الأمم المتحدة، وبمساندة ودعم المجموعة الدولية لدعم سورية، وخلال فترة زمنية محددة يتم الاتفاق عليها مع الأمم المتحدة. كما اتفق المجتمعون على تشكيل فريق للتفاوض مع ممثلي النظام، على أن يسقط حق كل عضو في هذا الفريق بالمشاركة في هيئة الحكم الانتقالي. وطالب المشاركون الأمم المتحدة والمجتمع الدولي بإجبار النظام السوري على تنفيذ إجراءات تؤكد حسن النيات قبل البدء في العملية التفاوضية. وهذا يشمل إيقاف أحكام الإعدام الصادرة بحق السوريين، وإطلاق سراح الأسرى والمعتقلين، وفك الحصار عن المناطق المحاصرة، والسماح بوصول قوافل المساعدات الإنسانية إلى المحتاجين، وعدة اللاجئين، والوقف الفوري لعمليات التهجير القسري، وإيقاف قصف التجمعات المدنية بالبراميل المتفجرة.
وشدد المجتمعون على تمسكهم بتطبيق بنود المرحلة الانتقالية الواردة في بيان جنيف 1. كما عبّر المشاركون في الاجتماع عن رغبتهم بتنفيذ وقف لإطلاق النار وذلك بناء على الشروط التي يتم الاتفاق عليها حال تأسيس مؤسسات الحكم الانتقالي… وشدد المجتمعون على أن يغادر بشار الأسد وزمرته سدة الحكم مع بداية المرحلة الانتقالية.

**

3日目にあたる10日には、UAEから3人(ムハンマド・ハバシュ、アブドゥルアズィーズ・シャッラール、サミールタキー)、フランスから1人(バスマ・カドマーニー)が加わり、出席者数は116人になった。

会合参加者は、閉幕声明発表に先立ち、シリア政府との交渉にあたる反体制派統一代表団の人選を行うための最高交渉委員会を設置することに合意した。

『ハヤート』(12月11日付)によると、この委員会は30人から構成され、その内訳は以下の通りだという。

反体制武装集団メンバー10人(うちトルコ国境で活動する武装集団メンバー6人、ヨルダン国境で活動する武装集団メンバーが4人)
シリア革命反体制勢力国民連立メンバー9人(ハーリド・ハウジャ、ファールーク・タイフール、ジョルジュ・サブラー、リヤード・ハッジャーブ、スハイル・アタースィー、ムンズィル・マーフース、サーリム・ムスラト、アブドゥルハキーム・バッシャール、リヤード・サイフ)
民主的変革諸勢力国民調整委員会メンバー5人(ムニール・ビータール、サフワーン・アッカーシュ、アフマド・アスラーウィー、ムハンマド・ヒジャーズィー、ズィヤード・アブー・ワトファ)
無所属6人

**

閉幕声明を合わせて、会合での決定を不服とするシャーム自由人イスラーム運動が脱会の意思を伝える声明が発表・回付された。

同声明によると、シャーム自由人イスラーム運動の脱会は、民主的変革諸勢力国民調整委員会や「シリア政府寄りの人物」の役割が高められたことが理由だという。

だが、シャーム自由人イスラーム運動運動の代表として会合に出席していたラビーブ・ナッハース氏は閉会式に出席し、共同声明に署名し、その後同運動は声明を出し、脱会を撤回すると発表した。

**

なお、『ハヤート』(12月11日付)によると、リヤドでの合同会議に参加した反体制武装集団代表は以下の通り:

1. イヤード・ムハンマド・シャムスィー(アサーラ・ワ・タンミヤ戦線)
2. バッシャール・ムッラー(海岸第2師団)
3. ハサン・ハッジ・アリー(ザーウィヤ山の鷹)
4. ムハンマド・マンスール(ガーブの鷹連合)
5. ファドルッラー・ハッジー(シャーム軍団)
6. フサイン・イブラーヒーム(アブー・ウサーマ・ジャウラーニー)(シリア革命家戦線)
7. サーミル・ハッブーシュ(アブー・サラーフ・シャーミー)(シャームの剣旅団)
8. アフマド・アウダ(アブー・ハムザ)(スンナの民青年)
9. バクール・サリーム大佐(アブー・フィラース)(殉教者アフマド・ウバイドゥー大隊)
10. カースィム・カスール大佐(アムード・ハウラーン)
11. アブドゥッラティーフ・ハウラニー(第1機甲連隊)
12. ムハンマド・アッルーシュ、ムハンマド・ビールクダール(イスラーム軍)
13. ラビーブ・ナッハース(シャーム自由人イスラーム運動)
14. ムハンマド・アブドゥルカーディル・ムスタファー(ラフマーン軍団)
15. ハサン・アフマド・イブラーヒヤー

AFP, December 10, 2015、AP, December 10, 2015、ARA News, December 10, 2015、Champress, December 10, 2015、al-Hayat, December 11, 2015、Iraqi News, December 10, 2015、Kull-na Shuraka’, December 10, 2015、al-Mada Press, December 10, 2015、Naharnet, December 10, 2015、NNA, December 10, 2015、Reuters, December 10, 2015、SANA, December 10, 2015、UPI, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がシリア領内で3回の爆撃を実施(2015年12月9日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月9日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回、ラッカ市近郊(1回)、アイン・イーサー市近郊(1回)、アイン・アラブ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 10, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県北部の「安全保障地帯」、アレッポ市シャイフ・マクスード地区でYPG主体のシリア民主軍がアル=カーイダ系組織と「穏健な反体制派」と戦闘を続ける(2015年12月9日)

アレッポ県では、ARA News(12月9日付)によると、米トルコが設置合意した「安全地帯」西部(アフリーン市郊外)およびアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、革命家軍からなるシリア民主軍が、アル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、そして「穏健な反体制派」の自由シリア軍マーリア作戦司令室と交戦し、ヌスラ戦線側の戦闘員9人を殺傷した。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がヒムス県中部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年12月9日)

ヒムス県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がヒヤール山北部、ハワーディード村、ウンク・ハワー村、カルヤタイン市、タドムル市郊外柑橘農園一帯などでダーイシュ(イスラーム国)を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県、ラタキア県などでシリア軍と反体制武装集団の戦闘続く(2015年12月9日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯、ハラスター市郊外のダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)一帯で、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、ロシア軍戦闘機がマルアンド村を4回にわたり空爆し、子供5人を含む8人が死亡した。

**

ラタキア県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍ば県北部のバルナディー山、ラビーア山で反体制武装集団を掃討し、同地を制圧した。

**

ダルアー県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がジャムリーン村郊外でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(12月9日付)によると、シリア軍がタルビーサ市でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

マナール・チャンネル(12月9日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で、ヒズブッラーがアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の車列を攻撃し、同戦線幹部の一人アブー・フィラース・ジュッバ氏らを殺害した。


AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Qanat al-Manar, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市最後の戦闘地域ワアル地区での停戦合意に基づき、反体制武装集団戦闘員がシリア政府が用意したバスで退去を開始(2015年12月9日)

『ハヤート』(12月10日付)などによると、ヒムス市における最後の戦闘地域だったワアル地区で、国連仲介によるシリア政府と反体制武装集団の停戦合意に従い、反体制武装集団戦闘員の退去が始まった。

反体制武装集団戦闘員は、シリア政府が用意した大型旅客バス約15台に分乗し、シリア軍が包囲するワアル地区から退去した。

AFP(12月9日付)によると、15台のバスのうち10台は白色で、女性、子供など戦闘員の家族が、各自カバン1つを携帯することを認められて分乗し、残りの5台は緑色で、戦闘員が軽

・中火器を携帯したまま分乗したという。

また退去者のなかには、負傷者15人も含まれており、彼らは救急車両に乗って退去したという。

15台のバスには、シリア赤新月社と国連の車輌約10輌が護衛として随行、またシリア軍車輌も車列に同行した。

ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は記者団に対して、ワアル地区から退去する戦闘員の数が約300人にのぼり、また戦闘員の家族約100世帯(400人)も退去を予定しており、その第1陣の退去は今週終わりに完了するという。

退去者は、ハマー県カルアト・マディーク町に向かったあと、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配地域であるイドリブ県に入るという。

また、反体制武装集団戦闘員第1陣の退去完了を受け、投降希望者が武装解除と関係当局への投降を開始する予定だという。

地元調整委員会が公表したビデオによると、ワアル地区から退去した戦闘員は、シリア政府との交渉を拒否する者たちだという。

なお、バラーズィー県知事によると、ワアル地区の人口は紛争前には30万人いたが、現在は7万5,000人に減少しているという。

シリア人権監視団によると、ワアル地区には、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、シャームの民のヌスラ戦線をはじめとする45の武装集団が籠城を続けてきた。

Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015
Kull-na Shuraka', December 9, 2015
Kull-na Shuraka’, December 9, 2015

 

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍は8日、シリア各所を82回にわたって爆撃、また潜水艦ロストフナドヌーから巡航ミサイルで「テロ組織」拠点を初めて攻撃・破壊(2015年12月9日)

ロシア国防省は過去24時間(8日)に、ラタキア県フマイミーム航空基地に駐留するロシア軍戦闘機32機が82回の出撃を行い、アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、ヒムス県のテロ組織の標的204カ所を攻撃・破壊した、と発表した。

空爆では、バンカー・バスターBETAB-500などが使用されたという。

またロシア海軍が最近になって地中海のシリア沖に配備した潜水艦ロストフナドヌー(Rostov-on-Don)から、カリブル(Calibre)巡航ミサイルを発射し、シリア領内のテロ組織の拠点を攻撃・破壊したと発表し、その映像(https://youtu.be/fwja7sogNs4)を公開した。

mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015
mil.ru, December 9, 2015

 

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リヤドでの反体制派の合同会合で基本方針を確認:アサド大統領の進退、テロ組織の定義は曖昧に(2015年12月9日)

サウジアラビアの首都リヤドで8日に開会したシリアの反体制派の合同会合は、2日の審議を行い、閉幕声明の文言やシリア政府との交渉にあたる統一代表団の構成などについて意見を交わし、『ハヤート』(12月10日付)によると、2日目の会合では、7項目からなる反体制派の基本方針が確認された。

この基本方針とは、①シリアの領土および国民の統合維持、②民主的文民国家の樹立、③国家による武器保有および使用の独占、④「国家テロ」を含むあらゆる形態のテロの拒否、⑤すべての外国人戦闘員の拒否と撤退要求、⑥民主主義、人権、トランスパレンシー、アカウンタビリティ、法治、国家機関の維持、軍・治安機関の再編、の7項目。

なお基本方針の確認に先だって、反体制武装集団の代表(参加者は15人から18人に増加)は8日に、5項目からなる基本方針案を示していたが、確認された基本方針は、アサド政権の退陣や外国人戦闘員の組織名の言及を避けるなど曖昧な内容となっている。

その内容は、①アサド大統領および政権幹部全員の退任と裁判の実施、②軍・諜報機関といった抑圧装置の解体、③愛国的で汚職とは無縁の軍・治安機関の新設、軍・治安機関以外の国家機関の維持、④イラン・イスラーム革命防衛隊、ヒズブッラー、アブー・ファドル・アッバース旅団、ダーイシュ(イスラーム国)に代表される外国の宗派的テロ勢力のシリアからの撤退、⑤シリアの国土、国民の統合と独立、主権、国民意識の維持、政治的・宗派主義的な分割の拒否。

基本方針確認後、参加者は、紛争の政治解決に向けた反体制派の統一ヴィジョン、シリア政府の対話の原則・しくみ・期間などについての審議に移り、以下の点を確認した。

①ジュネーブ合意(2012年6月)、国連安保理決議第2118号における移行期統治機関に関する文言の遵守。

②ジュネーブ2会議(2014年2月)でのシリア政府との交渉内容を踏まえたかたちでの交渉再開。

③シリア領内での戦闘停止。

しかし、②については民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表が「ジュネーブ2会議は何も達成していない」と反論、また③についてはイスラーム軍のムハンマド・ビールクダール氏が「シリア政府を信頼できない」と疑義を呈した。

さらに2日目の会合では、国連の役割、閉幕声明の文言、シリア政府との交渉にあたる統一代表団の構成についての審議も行われた。

統一代表団の構成については、シリア革命反体制勢力国民連立がメンバー数を15人とし、これを、治安や停戦問題を担当するグループ、政治プロセスと移行プロセスを担当するグループ、代表団への政治支援・諮問を担当するグループの三つに分けるべきだと主張した。

これに対して、民主的変革諸勢力国民調整委員会はメンバー数を20人とし、「合同会合に参加していない武装集団の代表を含めるべき」と主張し、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局の参加組織も統一代表団に加えるべきだと暗に主張した。

al-Hayat, December 10, 2015
al-Hayat, December 10, 2015

**

2日目の会合に先立って、会合にオブザーバー参加している「シリアの友連絡グループ」(ロンドン11)と呼ばれてきた米国、英国、トルコ、UAEの各国代表がシリア情勢への対応について協議した。

『ハヤート』(12月10日付)によると、各国代表協議では、米国とトルコの対立が改めて浮き彫りとなった。

すなわち、米国は、アサド大統領の進退を停戦プロセスや和解プロセスの前提条件とせず、シリア政府と反体制派との間で予定されている交渉の場で決する方針に傾斜する一方、トルコは、移行期を開始する前にあらかじめアサド大統領の役割を限定するよう改めて主張したという。

なお、米国の姿勢は、ロシア、イラン、ドイツの方針に準じており、トルコの姿勢は、英国、フランスなどの支持を受けているという。

**

『ハヤート』(12月10日付)は、12月半ばに開催が予定されているウィーン4会議で協議が予定されている反体制派の「テロ組織」と「合法的な反反体制派」への峻別に関して、西側高官筋の話として、ロシア政府がヨルダンに対し、「自由シリア軍」を名乗る武装集団を含む22組織を「テロ組織」として認定する案を提示した、と伝えた。

同消息筋によると、これに対して、トルコは、PKK(クルディスタン労働者党)とつながりのある民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊を「テロ組織」に指定することを主張、アラブ諸国は、イラン・イスラーム革命防衛隊、ヒズブッラーなど、イラン人、イラク人、レバノン人の民兵18組織を「テロ組織」に認定するよう求めているという。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合がシリア領内で4回の爆撃を実施(2015年12月8日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月8日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して26回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は4回、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG報道官が有志連合によるハサカ県ハーン村での有志連合の「誤爆」を擁護(2015年12月8日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊のタラール・サッルー報道官(大佐)は、米軍主導の有志連合によるハサカ県ハーン村空爆で30人あまりの住民が死亡した事件(7日)に関して、「ダーイシュ(イスラーム国)を攻撃しているだけ」と擁護したうえで、有志連合が現在同地での空爆を中断していることを明らかにした。

サッルー報道官は「有志連合は現在活動をほぼ停止している。なぜなら、シリア民主軍の現下の活動はダーイシュから解放した拠点を防衛強化に限定されているからだ…。シリア民主具による軍事作戦は現在は行われていない…。つまり、有志連合はハサカ市郊外を空爆しておらず、シリア民主軍との連携のもとにダーイシュの拠点を空爆しているだけ」だと述べた。

ARA News(12月9日付)が伝えた。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で活動するファトフ軍がアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動に、またスルターン・ムハンマド・ファーティフ旅団などがスルターン・ムラード師団にそれぞれ合流し、YPGに対する「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織の糾合進む(2015年12月8日)

アレッポ県北部で活動するファトフ旅団が、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動への合流を宣言した。

また、アレッポ県北部で活動する複数の武装集団が「穏健な反体制派」と目されるスルターン・ムラード旅団と統合し、新たな武装集団「スルターン・ムラード師団」を結成すると発表した。

「スルターン・ムラード師団」に合流したのは、スルターン・ムハンマド・ファーティフ旅団、殉教者ザキー・トゥルクマーニー旅団、アシュバール・アキーダ旅団。

なお、シャーム自由人イスラーム運動と「スルターン・ムラード師団」の母体となったスルターン・ムラード旅団は、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加しており、同作戦司令室は自由シリア軍マーリア作戦司令室やアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線とともに、米トルコが設置合意した「安全地帯」西部のアフリーン市郊外一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が革命家軍などの「穏健な反体制派」とともに結成したアラブ民主軍と交戦している。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュ(イスラーム国)が拉致していたアッシリア教徒のうち25人を釈放(2015年12月8日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がタッル・シャーミーラーン村一帯で拉致していた住民(アッシリア教徒)25人(子供2人を含む全員が男性)を新たに釈放した。

25人の釈放はアッシリア教会の仲介による「捕虜交換」を受けたものだという。

AFP, December 9, 2015、AP, December 9, 2015、ARA News, December 9, 2015、Champress, December 9, 2015、al-Hayat, December 10, 2015、Iraqi News, December 9, 2015、Kull-na Shuraka’, December 9, 2015、al-Mada Press, December 9, 2015、Naharnet, December 9, 2015、NNA, December 9, 2015、Reuters, December 9, 2015、SANA, December 9, 2015、UPI, December 9, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

「穏健な反体制派」と目されるシャーム戦線は、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー捕虜への死刑免除を喧伝するビデオを公表(2015年12月8日)

アレッポ県で活動するシャーム戦線(「穏健な反体制派」と目されるジハード主義武装集団、世俗的な武装集団からなる連合組織)はビデオ声明を出し、捕捉したダーイシュ(イスラーム国)戦闘員の映像を公開した。

「犯罪者でなくイスラーム教徒」と題されたビデオ声明は、広報サイト「キファーフ広報制作機構」を通じて発表された。

映像では、オレンジ色の囚人服を着させられたダーイシュのメンバーとされる複数の男性が、シャーム戦線に捕捉されるまでの自身の「罪状」について告白、その後、シャーム戦線法務局長を名乗るムハンマド・ハティーブ氏が捕捉されたメンバーらに対して「我々は犯罪者ではなく、イスラーム教徒だ。我々は殺し、脅迫、そしてテロの素人だ」と述べ、処刑を免除すると語り、その後、メンバーにはめられていた枷が外されている。image002 image003 image0011

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米トルコが設置合意したアレッポ県北部の「安全保障地帯」西部でYPG、革命家軍(自由シリア軍)などシリア民主軍が、マーリア作戦司令室(自由シリア軍)、アル=カーイダ系のヌスラ戦線と再び交戦、ロシア軍と思われる戦闘機がシリア民主軍を爆撃支援(2015年12月8日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(12月8日付)によると、米トルコが設置合意した「安全地帯」の西部に位置するシャワーリガ村に、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が進攻し、「革命家」(自由シリア軍マーリア作戦司令室)と交戦した。

シャワーリガ村一帯では、シリア民主軍(革命家軍)と、マーリア作戦司令室、シャームの民のヌスラ戦線などとの戦闘が激化しており、11月30日にマーリア作戦司令室側が同地を奪還、その後両者は停戦に合意していた。

これに関して、ARA News(12月8日付)は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊、自由シリア軍革命家軍がタナブ村、カシュタアール村、そしてマンナグ航空基地に隣接するマーリキーヤ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点に対して攻撃を加える一方、ヌスラ戦線側も、人民防衛隊、革命家軍の進攻を受けたシャワーリガ村を砲撃し応戦、最終的にはヌスラ戦線側がシャワーリガ村を再び掌握した、と伝えた。

またこの戦闘を合わせて、ロシア軍と思われる戦闘機が、マンナグ航空基地一帯、ダイル・ジャマール村、カシュタアール村、ガジアンテップ市(トルコ)にいたる街道一帯を空爆し、シャーム自由人イスラーム運動とシャーム戦線の戦闘員が複数が死亡した。

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はハマー県、ヒムス県、アレッポ県でダーイシュ(イスラーム国)への攻撃を続ける(2015年12月8日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がアブー・サシャーフィーシュ村、アブー・カフフ村、ダキーラ村、ジャニー・アルバーウィー村を空爆した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市郊外のアブー・ハナーヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の車輌を攻撃、破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるカルヤタイン市を空爆した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、ハズム村、タドムル市郊外柑橘農園一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がクワイリス航空基地一帯、ラスム・アブド村、ハザーザ村、タッル・アイユーブ村、ナッジャーラ村、ビージャーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がアレッポ市南部郊外などで攻勢を強める(2015年12月8日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外一帯でのシリア軍の攻勢により、過去24時間で反体制武装集団戦闘員18人が死亡した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がタッル・ハディーヤ村などアレッポ市南部郊外一帯、カフルナーハー村、マンスーラ村、アイン・バイダー村、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、ナアナーイー地区、カラム・ダアダア地区、ウムラーン地区、ザフラー協会地区、ラーシディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、アシュラフィーヤ地区、サラーフッディーン地区で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属不明)がカーヒラ村を空爆した。

一方、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がラターミナ町、ラハーヤー村、カフルズィーター市でイッザ旅団連合、ジュンド・アクサー旅団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がハラスター市農場地帯、ドゥーマー市農場地帯で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦し、ハラスター市郊外のダマスカス・ヒムス街道(国際幹線道路)東部一帯、ドゥーマー市・ヌール・シャーム学校間の街道一帯を制圧した。

シリア軍はまた、マルジュ・スルターン村一帯でヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、マルジュ・スルターン航空基地東部および南西部の農場地帯および建物群を制圧した。

このほか、シリア軍はザマルカー町、ダーライヤー市でヌスラ戦線、イスラーム殉教者旅団などと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにカラムーン山地では、シリア軍が空爆を行い、反体制武装集団の拠点を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市、ナージヤ村、ジスル・シュグール市、タマーニア町などでシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を空爆・攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(12月8日付)によると、シリア軍がガズラーン農場北東部、アトマーン村、ダルアー市各所でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リヤドでの反体制派合同会合に対抗して、西クルディスタン移行期民政局やシリア民主軍に参加する政治・軍事組織が総会を開会(2015年12月8日)

クッルナー・シュラカー(12月8日付)によると、ハサカ県マーリキーヤ市(ダイリーク)で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の参加・支援組織による第1回総会「シリア民主反体制勢力大会」が開会した。

クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、総会には101人が招聘され、うち96人が出席した。

総会はサウジアラビアの首都リヤドでの反体制派の合同会合に合わせて開催されたもので、初日にあたる8日には、「シリア解決に向け共に」と題された討論会が実施されたという。

なお、クルド・ストリート(12月6日付)は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ロシア、イランの後援を受けハサカ県ルマイラーン町で初の総会を開催する予定だと伝えていた。

Kull-na Shuraka', December 8, 2015
Kull-na Shuraka’, December 8, 2015
ARA News, December 9, 2015
ARA News, December 9, 2015
ARA News, December 9, 2015
ARA News, December 9, 2015
ARA News, December 9, 2015
ARA News, December 9, 2015

 

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、December 9, 2015、Kurd Street, December 8, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サウジアラビアの首都リヤドでシリア国民連合、民主的変革諸勢力国民調整委員会、アル=カーイダ系組織などによる反体制派合同会合が開会:アサド政権の進退、移行期統治機関の権限、軍、治安機関の再編などをめぐって対立(2015年12月8日)

サウジアラビアの首都リヤド市内のホテルで、サウジアラビア外務省主催によるシリアの反体制派の合同会合が開会となった。

**

会合の主な参加者は以下の通り:

1. シリア革命反体制勢力国民連立(40人)、
ハーリド・ハウジャ代表ら政治委員会メンバー、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー元代表ほか
元メンバー:アフマド・ムアーッズ・ハティーブ、アディーブ・シーシャクリー、ナジーブ・ガドバーン

2. 民主的変革諸勢力国民調整委員会(12人)
ハサン・アブドゥルアズィーム代表ほか

3. 無所属・個人資格での参加(武装集団)
自由シリア軍を名乗る武装集団の代表:トルコ国境地帯で活動する組織のメンバー7人、ヨルダン国境地帯で活動する組織のメンバー5人
アル=カーイダ系組織:シャーム自由人イスラーム運動
非アル=カーイダ系のジハード主義武装集団:イスラーム軍(ザフラーン・アッルーシュ司令官)

4. 無所属・個人資格での参加(反体制組織など)
イスラーム最高評議会(ウサーマ・リファーイー)
カイロ宣言グループ(第2回カイロ大会で「シリア国民憲章」採択を主導したジャマール・スライマーン、ハーリド・マハーミード)
シリア国家建設潮流(ルワイユ・ユサイン、ムナー・ガーニム)

また参加しなかった(招聘されなかった)主な組織、活動家は以下の通り
ハイサム・マンナーア(「カフム」代表)
変革解放人民戦線(カドリー・ジャミール)
民主的呼びかけフォーラム(サミール・イータ)
西クルディスタン移行期民政局所属組織(民主統一党など)

**

『ハヤート』(12月9日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)によると、会合での主な争点と出席者の基本姿勢は以下の通り:

1. アサド大統領の進退
シリア革命反体制勢力国民連立:これまで紛争解決の「前提条件」としてきたが、「政治プロセスにおいて彼の居場所はない」と若干態度を軟化させ、移行期間中の退陣を迫る。
民主的変革諸勢力国民調整委員会、カイロ宣言グループ:「現政権のシステムおよびその長(大統領)はシリアの未来に居場所はない」との姿勢をとり、移行期間におけるアサド政権の存続を是認。

なお、これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立、イスラーム最高評議会、トルコ国境近くで活動する反体制武装集団(40組織)の代表らは、7日にトルコのイスタンブールで「政治プロセスにおいてアサドは去るべき」との点を確認したという。

2. 移行期統治機関の権限
シリア革命反体制勢力国民連立:大統領権限を含む行政権を完全に委任され、軍、治安機関を監視する権限を有するべきだと主張。
民主的変革諸勢力国民調整委員会、カイロ宣言グループ:「全権を有する移行期統治機関」を求めると述べ、その詳細については言及せず。

3. 軍、治安機関の再編
シリア革命反体制勢力国民連立:移行期統治機関のもとに軍、治安機関を解体し、そのうえで、両組織の組織を抜本改編し、「革命諸勢力」をこれらに統合することを主張。
民主的変革諸勢力国民調整委員会、カイロ宣言グループ、シリア国家建設潮流:軍、治安機関の組織を維持しつつ、その改革をめざす(ウィーン合意に準じている)。

4. 憲法(世俗性の是非)
シリア革命反体制勢力国民連立、民主的変革諸勢力国民調整委員会、カイロ宣言グループは、世俗国家の維持をめざす。
イスラーム最高評議会、アル=カーイダ系・非アル=カーイダ系の武装集団は、憲法において宗教的権威を認めることをめざす。

5. 外国の介入
シリア革命反体制勢力国民連立:ロシア、イランの介入を「敵対行為」、「占領」とみなす
民主的変革諸勢力国民調整委員会:外国の干渉を拒否するが、ロシアの軍事介入には寛容

6. 戦闘停止、テロ
シリア革命反体制勢力国民連立:移行プロセスの開始を停戦の事実上の前提条件とする
民主的変革諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流:戦闘停止を優先事項に位置づける。
なお、いずれもダーイシュ(イスラーム国)の支配地域を停戦プロセスから除外し、「テロとの戦い」を主唱。

7. シリア政府との交渉を担う反体制派の代表団
シリア革命反体制勢力国民連立:代表団における主導的役割を要求。
民主的変革諸勢力国民調整委員会などそれ以外の組織・個人:シリアの反体制派の権威とし位置づけ、欧米諸国によって「シリア国民の唯一の正統な代表」と位置づけられているシリア革命反体制勢力国民連立によって代えることをめざす。

**

民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局は声明を出し、リヤドでの会合が「シリア国民を真に代表していない」、「そこでの成果はシリア国民の意思、希望を代表することはないだろう」と批判した。

また、民主統一党以外でも、クルド民族主義政党など8組織が7日に共同声明を出し、サウジアラビアの首都リヤドでの反体制派の合同会合に招聘されていないことに抗議する文書をサウジアラビア外務省に送付したと発表した。

共同声明を出したのは、シリア・クルド民主党(パールティ-)、シリア・クルド進歩民主党、シリア・クルド民主左派党、クルド・シリア民主合意党、シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)、シリア改革運動、クルディスターン・アーザーディー党、シリア・クルド作家連盟。

一方、リヤード・アスアド大佐も7日、「自由シリア軍創設者」の名で声明を出し、米国、ロシア、イランといった大国の圧力が増していると非難し、「シリア革命」の継続を改めて主唱した。

**

アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動は声明を出し、ロシア・イランの占領のシリアからの浄化に反するいかなる決定も拒否すると表明した。

**

これに対して、シリア国民協会(8日)、シリア・ヤズィード協会(6日)といった組織は声明で会合への支持を表明した。

AFP, December 8, 2015、AP, December 8, 2015、ARA News, December 8, 2015、Champress, December 8, 2015、al-Hayat, December 9, 2015、Iraqi News, December 8, 2015、Kull-na Shuraka’, December 8, 2015、December 9, 2015、al-Mada Press, December 8, 2015、Naharnet, December 8, 2015、NNA, December 8, 2015、Reuters, December 8, 2015、SANA, December 8, 2015、UPI, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米軍主導の有志連合はシリア領内で11回の爆撃を実施(2015年12月7日)

米中央軍(CENTCOM)は、12月7日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して31回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は11回、フール町近郊(5回)、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, December 8, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコはロシア軍戦闘機撃墜事件を「好機」と捉え、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)への爆撃を中止(2015年12月7日)

トルコ政府高官は、ロイター通信(12月7日付)に対して、11月24日のロシア軍戦闘機撃墜事件発生以降、トルコはシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を実施していないと語った。

米高官は先週、ロイター通信に対して、米国が、トルコとロシアの緊張緩和を促すため、有志連合によるシリア空爆でさらなる役割を果たすようトルコ側に要請することを中断したと述べていた。

トルコ軍は、2015年7月のスルチュ(シャンウルファ県)での爆破テロ発生を受けて、イラクやシリアでの空爆を開始したが、その標的のほとんどはダーイシュではなくクルディスタン労働者党(PKK)の拠点などだった。

またシリア北部では、11月上旬に、トルクメン人武装集団を航空支援するとして、有志連合とともに異例の空爆を行うようになったが、同時にラッカ県タッル・アブヤド市などの西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊拠点などへの断続的な砲撃を続けていた。

パリでの同時テロ事件発生以降によって、トルコは、米英仏独といった欧米諸国とロシアのダーイシュ掃討に向けた空爆連携に取り残されるかたちとなり、ロシア軍戦闘機撃墜事件はこの動きに拍車をかけていた。

だが、そもそもダーイシュへの空爆に消極的だったトルコ政府にとって、ロシア軍戦闘機撃墜事件は空爆を「自制」する好機を与えることになった。

AFP, December 7, 2015、AP, December 7, 2015、ARA News, December 7, 2015、Champress, December 7, 2015、al-Hayat, December 8, 2015、Iraqi News, December 7, 2015、Kull-na Shuraka’, December 7, 2015、al-Mada Press, December 7, 2015、Naharnet, December 7, 2015、NNA, December 7, 2015、Reuters, December 7, 2015、SANA, December 7, 2015、UPI, December 7, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.