アル・モニター:米国はトルコにユーフラテス川以東地域への監視部隊の進駐の見返りとしてアフリーンから撤退することを提案(2019年5月2日)

アル・モニター(5月2日付)は、米国がトルコに対して、アレッポ県北西部のアフリーン郡からのトルコ軍と反体制武装集団(国民軍)の撤退させることの見返りとして、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北東部(ユーフラテス川以東)へのトルコ軍監視部隊を駐留させることを提案したと伝えた。

同サイトによると、この提案は、ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使が先週、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・コバネ総司令官と会談した際に示され、たという。

提案に対して、コバネ総司令官は、トルコ軍と国民軍が撤退した場合の状況の変化を精査すると約束したという。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、al-Monitor, May 2, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア・シリア両軍の爆撃・砲撃を避け住民数十世帯がトルコ国境に避難(2019年5月2日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、ハマー県北部やイドリブ県南部に対するロシア・シリア軍の激しい爆撃・砲撃を受けて非難した住民数十世帯が、トルコ国境に近いアティマ村に到着したと伝え、その写真を公開した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア国防省はロシア軍兵士4人を殺害したとする親トルコ武装集団の発表を否定(2019年5月2日)

ロシア国防省は声明を出し、トルコの支援を受ける国民解放戦線が5月1日の声明で、ハマー県ブライディージュ村にあるシリア軍基地を120ミリ迫撃砲で砲撃し、ロシア軍兵士4人を殺害したと発表したことに関して、「最近になってシリア領内でいかなるロシア軍兵士も死亡していない」と否定した。

スプートニク・ニュース(5月2日付)が伝えた。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Sputnik News, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県の反体制派支配地域へのロシア・シリア軍の爆撃・砲撃が続くなか、シリアのアル=カーイダはロシア軍司令部のあるラタキア県フマイミーム基地一帯を攻撃(2019年5月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカンスフラ村一帯を4回にわたり爆撃し、4人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、マアッラト・ハルマ村各所を5回、ナキール村一帯を2回、ハーッス村一帯の灌木地帯を3回、ハルーバ村一帯を複数回にわたって爆撃した。

一方、シリア軍もヘリコプターでフバイト村を「樽爆弾」で爆撃するとともに、同地を激しく砲撃した。

https://www.youtube.com/watch?v=6KpcRMgoqXU

シャーム解放機構に近いシャーム・ネット(5月3日付)は、シャーム解放機構がブライディージュ村にあるシリア軍拠点をフィール・ロケット弾で攻撃し、いわゆる「虎部隊」(スハイル・ハサン准将の部隊)の兵士18人以上を殺害、23人を負傷させたと伝えた。

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ラタキア県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月2日付)によると、シャーム解放機構が県北部トルコマン山地方のナブア・ムッル村近郊でシリア軍第11中隊(国境警備隊)の兵士4人を殺害した。

殺害は、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)に対するロシア・シリア軍の攻撃に対する報復を目的とする「信者の民の胸を癒やす」作戦の一環で、シャーム解放機構はこの作戦ですでにシリア軍兵士30人以上を殺害しているという。

シャーム解放機構はまた、「信者の民の胸を癒やす」作戦の一環として、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地をグラッド地対地ミサイルで攻撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、シャーム解放機構が撃った30発以上のミサイルのうち、6発が基地の敷地内に着弾し、この砲撃で、ロシア軍兵士3人が死亡、11人が負傷、航空機1機が大破、車輌2台が炎上したという。

これに関して、SANA(5月2日付)は、緊張緩和地帯第1ゾーンで活動を続ける反体制武装集団が、県北部から地中海岸のジャブラ市郊外のブハドラムー村を砲撃し、住民1人が死亡、4人が負傷したと伝えた。

一方、ロシア当事者和解調整センターは、ハマー県北部のカルアト・マディーク町一帯で活動を続ける反体制武装集団が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県のフマイミーム航空基地に対して爆撃を試みた無人航空機(ドローン)複数機を撃破したと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアンカーウィー村を複数回にわたって爆撃した。

シリア軍がヘリコプターでカフルヌブーダ町を「樽爆弾」で爆撃するとともに、同地一帯を激しく砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月2日付)によると、これに対して、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室がムガイル村とブライディージュ村間の街道に仕掛けた爆弾を爆破し、シリア軍の車輌1台を破壊、兵士多数を殺傷した。

また、トルコの支援を受ける国民解放戦線が、カフルヌブーダ町一帯に進攻しようとしたシリア軍を撃退した。

一方、SANA(5月2日付)によると、県北部で活動を続ける反体制武装集団が、シリア政府支配下のムハルダ市一帯やムハルダ火力発電所を砲撃し、物的被害が出た。

これに対して、シリア軍は、フワイズ村、タッル・フワーシュ村、カフルヌブーダ町、シャリーア村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を21件(アレッポ県1件、イドリブ県3件、ハマー県16件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 2, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 3, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団はアレッポ県北部各所を砲撃(2019年5月2日)

アレッポ県では、ANHA(5月2日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のタッル・ジージャーン村、タッル・マディーク村をトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、アフリーン郡シーラーワー町近郊のスーガーニカ村、バイナ村を砲撃した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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米占領下のタンフ国境通行所に近いルクバーン・キャンプから数百人がシリア政府支配地域に帰国(2019年5月2日)

SANA(5月2日付)は、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数百人が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国したと伝え、写真と映像を公開した。

AFP, May 2, 2019、ANHA, May 2, 2019、AP, May 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 2, 2019、al-Hayat, May 3, 2019、Reuters, May 2, 2019、SANA, May 2, 2019、UPI, May 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから387人、ヨルダンから742人の難民が帰国、避難民1,394人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者1,394人)が帰宅(2019年5月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月2日付)を公開し、5月1日に難民1,129人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは387人(うち女性98人、子供165人)、ヨルダンから帰国したのは742人(うち女性259人、子供441人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は208,546人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者73,536人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者135,010人(うち女性40,308人、子ども68,466人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 437,826人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民1,394人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは8人(うち女性4人、子供1人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは7人(うち女性3人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1,379人(うち女性344人、子供827人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は25,573人(うち女性8,008人、子供11,756人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,294,169人(うち女性386,397人、子供648,513人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した1,379人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1,379人(うち女性344人、子供827人)だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 2, 2019をもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊を激しく砲撃(2019年5月1日)

アレッポ県では、ANHA(5月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、マルアナーズ村、スムーカ村、シャフアー・ダム一帯を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団が発射した砲弾の数は30発以上に達したという。

トルコ軍はまた、ファーフィーン村近郊のハリーサ村に対しても砲撃を加えた。

これに対して、アフリーン解放軍団は精鋭を出し、トルコの占領下にあるアフリーン郡シャッラー村近郊のカトマ村でトルコ軍部隊を3度にわたり攻撃し、トルコ軍兵士9人を殺害、14人を負傷させたと発表した。

一方、トルコ占領下のジャラーブルス市では、オートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、住人複数が死傷した。

また、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市の路上で爆弾が爆発し、住人2人が負傷した。

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ラッカ県では、ANHA(5月1日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ市内の公園に仕掛けらていた爆弾が爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はシャーム解放機構がシリア軍拠点や民間人を攻撃していると指摘、トルコとロシアに停戦を遵守するよう呼びかける(2019年5月1日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンに対するロシア・シリア軍の攻撃と、反体制武装集団との戦闘が激化していることに関して、シリアのアル=カーイダと目され、同地の軍事・治安権限を握るシャーム解放機構がシリア軍の拠点や民間人に対する攻撃を行うなかで、シリア軍がこうした攻撃への対抗措置を講じていると指摘、「トルコとロシアに停戦規定を遵守し続けることを呼びかける」と発表した。

一方、アスタナ12会議で審議された制憲委員会設置に関して、ペデルセン氏は今年の夏までにメンバーの選定が完了するとの見込みを示した。

ペデルセン氏は、制憲委員会メンバー150人のうち、市民社会から選ばれる代表メンバー50人のうち、6人が削除される必要があるとしたうえで、メンバーの選定が「善意と若干の妥協」で実現するだろうと述べた。

なお150人のうち50人はシリア政府、50人は反体制派が選定することになっており、この100人ついてはすでの合意されているという。

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他方、UNOCHA(国際連合人道問題調整事務所)のシリア危機事務所(在アンマン)のデヴィッド・スワンソン報道官は、ロシア・シリア軍のイドリブ県に対する攻撃で、病院・医療センター3カ所が利用不能になったことに関して、「こうした暴力は決して受け入れられない」と非難した。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターは4月に反体制武装集団がフマイミーム航空基地に対し12機の無人航空機で8回の爆撃を試みたと発表(2019年5月1日)

ロシア当事者和解調整センターのヴィクトール・クプチシン(Viktor Kupchishin)司令官(少将)は、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンで活動を続ける反体制武装集団が4月の1ヶ月間で、シリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県フマイミーム航空基地および同地一帯のシリア軍拠点に対して12機の無人航空機(ドローン)を使用して8回の攻撃を試みていたことを明らかにした。

クプチシン少将によると、これらの攻撃による被害はなく、ロシア・シリア両軍は12機すべてを撃破したという。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の支配下にあるハマー県、イドリブ県を「樽爆弾」で爆撃(2019年5月1日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるカルアト・マディーク町、フワイズ村を爆撃した。

またシリア軍ヘリコプターも、カフルヌブーダ町、バーナ村に「樽爆弾」4発を投下した。

同監視団によると、シリア軍が4月30日以降に投下した「樽爆弾」は84発にのぼるという。

さらにシリア軍地上部隊も、カフルズィーター市、ラターミナ町、カフルヌブーダ町を激しく砲撃した。

これに対して、反体制武装集団がシリア政府支配下のムハルダ市を砲撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線が声明を出し、ブライディージュ村にあるシリア軍基地を120ミリ迫撃砲で砲撃し、ロシア軍兵士4人を殺害したと発表した。

また、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室も声明を出し、ブライディージュ村とムガイル村間でシリア軍の車輌を攻撃し、兵士多数を殺害したと発表した。

一方、SANA(5月2日付)によると、ラターミナ町で活動を続ける反体制武装集団がシリア政府支配下のムハルダ市を砲撃した。

これに対して、シリア軍はカルアト・マディーク町、ザカート村、アンカーウィー村、ジャアータ村、カッサービーヤ村一帯にあるシャーム解放機構、トルキスタン・イスラーム党、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。
https://www.sana.sy/wp-content/uploads/2019/05/04-660×330.jpg

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ドゥラル・シャーミーヤ(5月1日付)によると、シリア軍はアービディーン村近郊を避難民を乗せて移動していた車に「樽爆弾」を投下、3人が死亡、複数が負傷した。

またこのほかにも、シリア軍の爆撃で2人が死亡したという。

同サイトによると、ロシア・シリア両軍の爆撃を受けて、ハマー県ガーブ平原などの住民数千人が避難したという。

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機もシャーム解放機構の支配下にあるマアッルシューリーン村、ムシャイリファ村を爆撃した。

またシリア軍がフバイト村、アービディーン村、ムスタリーハ村を激しく砲撃した。

一方、SANA(5月2日付)によると、シリア軍がトゥラムラー村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、ミンタール村、ハッターブ丘にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県1件、ハマー県1件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を20件(アレッポ県8件、イドリブ県3件、ハマー県8件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 1, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから410人、ヨルダンから789人の難民が帰国、避難民35人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年5月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(5月1日付)を公開し、4月30日に難民1,199人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは410人(うち女性98人、子供165人)、ヨルダンから帰国したのは789人(うち女性259人、子供441人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は207,417人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者73,149人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者134,268人(うち女性40,308人、子ども68,466人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 436,697人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民35人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは12人(うち女性3人、子供4人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは23人(うち女性4人、子供14人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は24,179人(うち女性3,820人、子供4,724人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,291,775人(うち女性386,397人、子供648,490人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した23人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 1, 2019をもとに作成。

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ダイル・ザウル県の部族長と名士はYPG主体のシリア民主軍に対し、72時間以内に退去しなければ、ゼネストを行うと通告(2019年4月30日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(5月1日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある同県の部族長や名士らが、カスラ村にあるダイル・ザウル民政評議会で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と緊急の会合を開き、26日から28日にかけて各所で発生した、抗議デモへの対応について協議した。

部族長と名士は会合で、シリア民主軍の代表に対して、72時間以内に抗議デモで訴えられた要求への回答がない場合、ゼネストを宣言し、抗議行動や道路封鎖を再開すると伝えたという。

会合が行われたカスラ村では住民が街頭に出て抗議デモを行い、シリア民主軍のイラクへの退去、シリア民主軍が拘束している逮捕者の釈放、住民への対応の改善、強制捜査の停止、地域住民の役割の強化と権限の移譲、シリア政府との断交、シリア政府支配地域への石油輸出停止、シリア政府関係者・工作員の新入阻止、生活・衛生・福祉の改善などを要求した。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、Euphrates Post, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

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シリア軍兵士100人が4月の1ヶ月だけでダーイシュの要撃により死亡(2019年4月30日)

バーディヤ24ネット(4月30日付)は、4月に入って、ヒムス県東部のスフナ砂漠で、ダーイシュ(イスラーム国)の要撃によって死亡したシリア軍兵士および親政権民兵の数が100人に達していると伝えた。

死亡した兵士・民兵のなかには士官15人も含まれているという。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Badiya 24, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍パトロール部隊が、ロシア・シリア軍の爆撃が続くイドリブ県、ハマー県でのパトロール活動を強化(2019年4月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、シリア軍と反体制武装集団の戦闘、ロシア軍の爆撃が激化したのを受けた、イドリブ県タッル・トゥーカーン村、ハマー県ムーリク市近郊の監視所に進駐するトルコ軍部隊がパトロール活動を強化した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がアフリーン市近郊、タッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年4月30日)

アレッポ県では、ANHA(4月30日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、シャッラー村近郊のマーリキーヤ村、マルアナーズ村を砲撃した。

トルコ軍と反体制武装集団はまた、アアザーズ市近郊のバイルーニーヤ村、アイン・ダクナ村、タッル・リフアト市一帯を砲撃した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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PYDに近いANHAは、北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県での抗議デモがシリア政府によって煽動されていると非難(2019年4月30日)

クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(4月30日付)は、ダイル・ザイル県内の北・東シリア自治局の支配地で26日から28日にかけて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の退去を求めて行われた抗議デモに関して、「ガソリン価格の引き上げなどを求めるデモの参加者は…子供を除くと30人に満たない」と伝えたうえで、「シリア国内の一部の勢力に資する政治的アジェンダを実現しようとして人民の要求に乗じている」と批判した。

同サイトはまた「デモのほとんどはシリア政府の支配地域に隣接する地域で発生し、「クルドよ出ていけ」などといった人種差別的なスローガンが掲げられていた…。ガソリンの価格引き下げを求めている人々は、この地域を構成する集団間の差別を固定化しようとする政策の燃料ではない」と付言、シリア政府がデモを煽動しているとの見方を示した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はシャーム解放機構支配下のハマー県を「樽爆弾」で爆撃、「樽爆弾」使用は1年ぶり(2019年4月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がトゥラムラー村を爆撃した。

シリア軍はまた、フバイト村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がフワイジャ村一帯を爆撃した。

またシリア軍ヘリコプターがカフルヌブーダ町、サフル村、アリーマ村に対して「樽爆弾」を投下、バーブ・ターカ村、フワイズ村、カストゥーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町を砲撃した。

シリア軍が「樽爆弾」を使用したのは1年ぶりだという。

これに対して、反体制武装集団もムハルダ市を砲撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、県北部でシリア軍の拠点を対戦車砲で攻撃、破壊したと発表し、その映像を公開した。

一方、SANA(4月30日付)によると、反体制武装集団がムハルダ市の住宅街を砲撃し、住民1人が負傷した。

これに対して、シリア軍はハウワーシュ村、カルアト・マディーク町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、バーブ・ターカ村、フワイジャ村、カフルヌブーダ町、サフル丘、アリーマ村、カルカート村、ラターミナ町一帯を移動するシャーム解放機構に対しても攻撃を加えた。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村の医療センターを砲撃、センターは利用不能となった。

シリア軍はまた、フバイト村、アリーマ村、アービディーン村に「樽爆弾」を投下、2人が死亡、複数が負傷した。

一方、SANA(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村、トゥラムラー村、カッサービーヤ村、ウライニバ村、アービディーン村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県13件、イドリブ県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから317人、ヨルダンから511人の難民が帰国、避難民384人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者368人)が帰宅(2019年4月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月30日付)を公開し、4月29日に難民828人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは317人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは511人(うち女性153人、子供261人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は206,218人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者72,739人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者133,479人(うち女性40,071人、子ども68,064人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 435,498人(うち女性130,697人、子供222,002人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民384人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは12人(うち女性2人、子供7人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは372人(うち女性79人、子供212人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は24,144人(うち女性7,651人、子供10,903人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,720人(うち女性390,200人、子供654,669人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した372人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は368人(うち女性79人、女性211人)だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2019をもとに作成。

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ダーイシュのバグダーディー指導者の映像が4年ぶりに公開される:「バーグーズでの戦いは終わったが…8カ国で92の作戦を実行した」(2019年4月29日)

ダーイシュ(イスラーム国)の広報部門の一つフルカーン広報制作機構は、アブー・バクル・バグダーディー指導者(47歳)の映像をテレグラムを通じて公開した。

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バグダーディー氏の映像が公開されたのは、2014年7月末、イラクのモスル市内にあるヌーリー大モスクでラマダーン月に合わせて行った説教の映像以来で、今回で2度目。

4月に撮影されたと見られる。

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「信徒たちの司令官のもてなしで」と題された約18分のビデオ映像のなかで、バグダーディー指導者は、室内で黒いターバンを巻いて、機関銃を脇に置いて座り、顔にはぼかしが入ったメンバーないしは支持者と思われる複数の男性に語りかけている(映像)。

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バグダーディー氏は、シリア国内におけるダーイシュ最後の支配地だったダイル・ザウル県南東部ユーフラテス川東岸の「バーグーズの戦いは終わった」としつつ、「だが、敵に対する消耗戦は長く続く」、「十字軍、そしてその民どもに対するイスラームおよびその民の戦いは長い。今回の戦い、そしてその後も続く」などと再三にわたって戦闘継続への意思を強調した。

そのうえで、「シリアで我々の戦闘員の身に起きたことの報復として、我々は8カ国で92の作戦を実行した」と述べ、そのなかには4月21日のスリランカでの連続自爆テロも含まれると主張した。

また、ビデオの後半部分で、バグダーディー指導者は同席した男たちから『トルコ州』というタイトルの冊子を手にしている。

AFP, April 29, 2019、ANHA, April 29, 2019、AP, April 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2019、al-Hayat, April 30, 2019、Reuters, April 29, 2019、SANA, April 29, 2019、UPI, April 29, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がダイル・ザウル県で爆破や暗殺に関与していたとされるダーイシュ・メンバー6人を逮捕(2019年4月29日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(4月29日付)が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍筋の話として伝えたところによると、シリア民主軍が25日、ジャルズィー村でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー6人を拘束した。

6人は、同地での爆破や暗殺に関与していたという。

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アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、26日と28日に、アアザーズ市近郊のカルジャブリーン村とカフルハーシル村で、トルコの支援を受ける国民軍などの反体制武装集団を攻撃し、戦闘員2人を殺害したと発表した。

ANHA(4月29日付)と伝えた。

AFP, April 29, 2019、ANHA, April 29, 2019、AP, April 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2019、al-Hayat, April 30, 2019、Reuters, April 29, 2019、SANA, April 29, 2019、UPI, April 29, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構はハマー県で拘束中のシリア軍士官2人を処刑(2019年4月29日)

ハマー県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構に近いイバー・ネット(4月29日付)によると、シャーム解放機構が、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)でのシリア軍の攻撃激化への報復として、拘束中のシリア軍士官2人を処刑した。

シャーム解放機構が処刑したのは、アフマド・イブラーヒーム・ユースフ大佐、ルワイユ・ガリーブー氏(階級不明)で、2人は4月にファルワーン村で逮捕されていた。

AFP, April 29, 2019、ANHA, April 29, 2019、AP, April 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2019、al-Hayat, April 30, 2019、Reuters, April 29, 2019、SANA, April 29, 2019、UPI, April 29, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がシャーム解放機構支配下のハマー県北部にある病院を爆撃、シリア軍もハマー県、イドリブ県のシャーム解放機構支配地域への砲撃を激化(2019年4月29日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がラターミナ町にある病院を爆撃、住民3人が死亡、10人が負傷した。

この爆撃で、病院の施設も被害を受け、入院患者はイドリブ県カフルナブル市の病院に移送された。

ロシア軍戦闘機は、このほかシャフシャブー山(イドリブ県)に近いクーラ村を爆撃した。

また、シリア軍も、カルアト・マディーク町、シャフシャブー山のトルコ軍監視所に近いシール・マガール村にある避難民キャンプ、サフリーヤ村を砲撃した。

さらに、カルアト・マディーク町一帯では、シリア軍とシャーム解放機構が交戦、シリア軍兵士8人、シャーム解放機構の戦闘員3人が死亡した。

一方、SANA(4月29日付)によると、シリア軍はカルカート村とカルアト・マディーク町を結ぶ街道を移動するシャーム解放機構の車輌を攻撃した。

シリア軍はまた、ラターミナ町、ハスラーヤー村からシリア政府支配地域に潜入しようとした反体制武装集団を撃退した。

これに対し、反体制武装集団はシリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃し、民間などに被害が出たという。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(4月29日付)が複数の活動家の情報として伝えたところによると、シリア政府は県北部のブライディージュ村の住民に退去を要請した。

退去要請の理由は不明だが、ロシア政府がシリア政府にこれを指示したという。

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イドリブ県では、SANA(4月29日付)によると、シリア軍がバシーリーヤ村、フバイト村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

こうしたなか、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県、アレッポ県西部、ハマー県北部で活動を続ける複数の地元評議会が相次いで声明を出し、同地でのロシア軍によるパトロール活動を拒否する意思を示した。

声明を出したのは、イドリブ県サラーキブ市、アレッポ県、ハマー県カフルズィーター市、ラトミーン村の地元評議会。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ラタキア県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(ハマー県11件、イドリブ県7件、アレッポ県4件、ラタキア県1件)確認した。

AFP, April 29, 2019、ANHA, April 29, 2019、AP, April 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2019、al-Hayat, April 30, 2019、Reuters, April 29, 2019、SANA, April 29, 2019、UPI, April 29, 2019などをもとに作成。

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米占領下のタンフ国境通行所に近いルクバーン・キャンプから数百人がシリア政府支配地域に帰国(2019年4月29日)

SANA(4月29日付)は、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプに身を寄せていたシリア難民数百人が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国したと伝え、写真と映像を公開した。

AFP, April 29, 2019、ANHA, April 29, 2019、AP, April 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2019、al-Hayat, April 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 29, 2019、Reuters, April 29, 2019、SANA, April 29, 2019、UPI, April 29, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから310人、ヨルダンから727人の難民が帰国、避難民26人(うちラクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年4月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(4月29日付)を公開し、4月28日に難民1,037人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは310人(うち女性93人、子供158人)、ヨルダンから帰国したのは727人(うち女性225人、子供383人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は205,390人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者72,422人(うち女性21,873人、子ども36,854人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者132,968人(うち女性39,918人、子ども67,803人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 434,670人(うち女性130,449人、子供221,579人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,659,752人(うち女性1,997,926人、子供3,396,474人)。

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一方、国内避難民26人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは14人(うち女性7人、子供3人)、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは12人(うち子供3人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は23,754人(うち女性7,556人、子供10,672人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,292,350人(うち女性390,115人、子供654,438人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した12人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年2月23日以降、同キャンプから帰国した難民は7,434人(うち女性2,017人、子供274人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, April 29, 2019をもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県各所でシリア民主軍の退去を求めるデモ続く(2019年4月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(4月28日付)によると、北・東シリア自治局支配下のブサイラ市、マーシフ村、ダマーン村、ナムリーヤ村、タイイブ・ファール村、タヤーナ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の素行に抗議し、北・東シリア自治局支配地からの退去を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

一部住民は、タイヤを燃やすなどして街道で封鎖した。

タヤーナ村では、シリア民主軍がデモ参加者に向けて実弾を発砲し、デモを強制排除しようとした。

抗議デモは4月24日から連日続いている。

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反体制派系のドゥラル・シャーミーヤ(4月28日付)もまた、住民数百人が、シリア民主軍による燃料の独占、燃料価格の高騰、劣悪な経済社会状況に抗議するデモを行われたと伝え、写真を掲載した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配地各所でアフリーン市一帯でのトルコによる隔離壁建設に抗議するデモ(2019年4月28日)

アレッポ県では、ANHA(4月28日付)によると、アイン・アラブ(コバネ)市で、北・東シリア自治局のコバネ地区、ギレ・スピ(タッル・アブヤド)地区の諸機関や同地で活動する政治組織の呼びかけで、アフリーン市一帯でのトルコによる隔離壁建設に抗議するデモが行われ、住民数百人が参加した。

ラッカ県カラーマ村でも同様の抗議デモが行われ、数百人が参加した。

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アレッポ県では、ANHA(4月28日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市で爆発が起き、反体制武装集団の戦闘員複数が死傷した。

一方、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の発表によると、バーブ市近郊のシャイフ・ナースィル市に展開する反体制武装集団(いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室)が、シャイフ・ナースィル(クルト・ワイラーン)村にあるバーブ軍事評議会の拠点を攻撃、交戦状態になった。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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イスラエルが釈放したシリア人捕虜2人がクナイトラ通行所を経由して帰国(2019年4月28日)

イスラエル司法当局が釈放を許可したシリア人捕虜2人が、UNDOFが管理するクナイトラ通行所を経由して、シリアに帰国した。

釈放されたは、ザイダーン・タウィール氏とアフマド・ハミース氏。

タウィール氏は1962年、ハーディル村(アレッポ県)生まれ。

2008年7月に麻薬密売容疑で逮捕され、有罪判決を受け、2019年7月に刑期を終える予定だった。

また、ハミース氏は、1984年、ダマスカス県ヤルムーク難民キャンプ生まれ。

イスラエル軍基地に潜入し、兵士に危害を加えようとしていたとして2005年4月に逮捕され、有罪判決を受け、2023年に刑期を終える予定だった。

2人は、イスラエル軍兵士ザハリア・バウメル氏の遺体回収(奪還)への見返りとして、釈放された。

バウメル氏は1982年のレバノン侵攻時のシリア軍との間で行われた「スルターン・ヤアクーブの戦い」で行方不明となったイスラエル軍兵士で、イスラエル軍は「ほろ苦い歌」と名づけられた作戦で、ロシアの仲介のもと、シリア国内に埋葬されていたとされる遺体を回収していた。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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トルコの庇護を受ける国民軍と国民解放戦線が共同声明発表「プーチンは、シリア政府、アサドを頂点とする体制など存在しないことを認めねばならない」(2019年4月28日)

トルコの庇護を受ける国民軍と国民解放戦線は共同声明を出し、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領による「反体制派はアサド政権が勝利したと見ている」との発言に反論した。

声明で両組織は、ロシアによる攻撃とアサド政権の支援は、「殺戮と破壊、そして革命人民抵抗の拡大以外に何ももたらさない」としたうえで「プーチンは、シリア政府、アサドを頂点とする体制など存在しないことを認めねばならない…。ロシア、そしてプーチンにとって、アサドが勝利していないことは明らかだ」などと批判した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がハマー県カルアト・マディーク町の病院を爆撃(2019年4月28日)

ハマー県では、SANA(4月28日付)によると、反体制武装集団がハンダク村を砲撃し、住民1人が死亡、3人が負傷した。

反体制武装集団はまた、スカイラビーヤ市を砲撃した。

これに対し、シリア軍はサフリーヤ村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(4月28日付)によると、ロシア軍戦闘機がカルアト・マディーク町にある第111婦人・小児科病院を爆撃、自由ハマー衛生局によると施設が利用不可能になった。

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イドリブ県では、SANA(4月28日付)によると、シリア軍がフバイト村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、SANA(4月28日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部郊外のファミリーハウス一帯に潜入しようとしたシャーム解放機構を撃退、戦闘員3人を殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(アレッポ県22件、イドリブ県4件、ハマー県4件、ラタキア県2件)確認した。

AFP, April 28, 2019、ANHA, April 28, 2019、AP, April 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 28, 2019、al-Hayat, April 29, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 28, 2019、Reuters, April 28, 2019、SANA, April 28, 2019、UPI, April 28, 2019などをもとに作成。

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