アレッポ県、ラッカ県でトルコ軍と国民軍による砲撃続く(2020年10月26日)

アレッポ県では、ANHA(10月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のヤーシリー村、シャイフ・ナースィル村、ジャブラト・サイヤーダ村、クールフユーク村、カーウカリー村を砲撃した。

一方、ANHAやシリア人権監視団によると、トルコ占領下のアフリーン市でオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発し、2人が死亡、5人が負傷した。

また、バーブ市近郊ダグラバーシュ村でも、爆弾が爆発し、1人が死亡した。

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ラッカ県では、SANA(10月26日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるカズアリー村(タッル・アブヤド市近郊)を砲撃した。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で53人、北・東シリア自治局支配地域で150人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で91人(2020年10月26日)

保健省は政府支配地域で新たに53人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者35人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月26日現在の同地での感染者数は計5,461人、うち死亡したのは272人、回復したのは1,788人となった。

SANA(10月26日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに150人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者15人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月26日現在の同地での感染者数は計3,948人、うち死亡したのは115人、回復したのは687人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市17人、カーミシュリー市23人、マーリキーヤ(ダイリーク)市31人、マアバダ(カルキールキー)町8人、タッル・タムル町1人、アームーダー市2人、
カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市2人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村2人、フール・キャンプ2人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市24人、マンビジュ市18人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市8人、タブカ市11人。

ANHA(10月26日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月26日に新たに91人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、107人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡16人、ハーリム郡13人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡3人、ジャラーブルス郡10人、バーブ郡0人、アフリーン郡24人、アアザーズ郡24人。

これにより、同地での感染者数は計4,281人、うち回復したのは1,857人、死亡したのは21人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1423742891163931/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1424472077757679/

AFP, October 26, 2020 、ACU, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がイドリブ県内のシャーム軍団の基地を爆撃し、戦闘員78人を殺害(2020年10月26日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから235日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるトルコ国境に近いカフルタハーリーム町近郊のドゥワイラ山にあるシャーム軍団の基地を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

爆撃を実施したのは、ラタキア県のフマイミーム航空基地に配備されているロシア軍戦闘機21機。

シャーム軍団は、国民解放戦線を主導するシリア・ムスリム同胞団系の武装集団の一つで、トルコから装甲車の供与を受けるなど、もっとも手厚い支援を受けている。

この爆撃で、基地内にいた戦闘員少なくとも78人が死亡、90人以上が負傷した。

爆撃が行われた時、基地内では戦闘員の教練の修了式が行われていたと思われる。

また、シリア軍も、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村などを砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を39件(イドリブ県17件、ラタキア県16件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を9件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 26, 2020、ANHA, October 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 26, 2020、Reuters, October 26, 2020、SANA, October 26, 2020、SOHR, October 26, 2020などをもとに作成。

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北・東シリア自治局支配下のダイル・ザウル県で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ、シリア民主軍がこれを強制排除(2020年10月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるガラーニージュ市でフランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

デモに参加したのは、シュアイタート部族数百人で、マクロン大統領の写真を焼くなどして抗議の意思をしめした。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が空に向けて銃を発砲しするなどして威嚇し、デモの強制排除を試み、その際にデモ参加者2人が負傷した。

デモ参加者もシリア民主軍の車輌に向けて投石を行うなどして抵抗した。

アズバ村、マイーズィーラ村でも同様のデモが発生した。

また、ブサイラ市内の学校でも、教員、職員、生徒らが抗議デモを行った。

このほか、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ県のラッカ市では、抗議の意思を表す落書きが発見された。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ市で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ(2020年10月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われた。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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トルコ占領下のハサカ県、ラッカ県、アレッポ県各所で預言者ムハンマドを冒涜したフランスのマクロン大統領に対する抗議デモ(2020年10月25日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市、アレッポ県アフリーン市、ジンディールス町、バーブ市で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイスラーム教の預言者ムハンマドを冒涜する発言をしたことに抗議するデモが行われ、参加者はフランスの国旗やマクロン大統領の写真を燃やすなどして、怒りを露わにした。


AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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シャーム自由人イスラーム運動のスーファーン派がラタキア県クルド山地方にあるバーシャー派の拠点を制圧(2020年10月25日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム自由人イスラーム運動のジャービル・アリー・バーシャー総司令官の指導に反対し、ハサン・スーファーン前総司令官を推挙する軍事部門が、クルド山地方にある拠点複数カ所を掌握し、バーシャー総司令官を支持する戦闘員らを追放した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がアレッポ県、ハサカ県を砲撃(2020年10月25日)

アレッポ県では、ANHA(10月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市近郊のトゥーハール村、ジャート村、ダンダニーヤ村、タッル・リフアト市近郊のハルバル村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

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ハサカ県では、SANA(10月25日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯を砲撃した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸のシリア民主軍拠点を砲撃、有志連合が報復として西岸のシリア軍に対して爆撃(2020年10月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がユーフラテス川西岸のクーリーヤ市から、北・東シリア自治局が支配する東岸のタヤーナ村にある人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属の「自衛部隊」の拠点1カ所に対して砲撃を行った。

これを受け、米主導の有志連合軍の戦闘機が複数機が、報復として砲撃が行われたシリア軍の拠点に対して爆撃を行った。

いずれの攻撃による死傷者もなかった。

一方、SANA(10月25日付)によると、北・東シリア自治局のシュハイル村で米軍ヘリコプター部隊がシリア民主軍の支援を受けて空挺作戦を実施し、3人を拘束した。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で49人、北・東シリア自治局支配地域で173人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で109人(2020年10月25日)

保健省は政府支配地域で新たに49人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者31人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、10月25日現在の同地での感染者数は計5,408人、うち死亡したのは269人、回復したのは1,753人となった。

SANA(10月25日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに173人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月25日現在の同地での感染者数は計3,798人、うち死亡したのは112人、回復したのは672人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市23人、カーミシュリー市36人、マーリキーヤ(ダイリーク)市39人、マアバダ(カルキールキー)町12人、アームーダー市7人、ダルバースィーヤ市8人、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村3人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市5人、シャフバー地区(タッル・リフアト市)1人、ラッカ県のラッカ市1人、タブカ市36人、ダイル・ザウル県2人。

ANHA(10月25日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月25日に新たに108人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、120人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡21人、ハーリム郡8人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡4人、ジャラーブルス郡5人、バーブ郡14人、アフリーン郡18人、アアザーズ郡35人。

これにより、同地での感染者数は計4,190人、うち回復したのは1,750人、死亡したのは21人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1422842454587308/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1423259364545617/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者108人が確認される一方、感染者1人が死亡したと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計4,190人、うち死亡したのは24人、完治したのは1,750人となった。

AFP, October 25, 2020、ACU, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県では、「決戦」作戦司令室の攻撃でシリア軍兵士3人、ヒズブッラー戦闘員1人が死亡(2020年10月25日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから234日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバルユーン村、バーラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、カフルナブル市に向けて移動中のシリア軍の車列を砲撃し、兵士3人を殺害した。

また、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市を砲撃し、レバノンのヒズブッラーの民兵1人を殺害、同じくシリア政府の支配下にあるダール・カビーラ村に対しても砲撃を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、サイダー・ジャウラーン村にあるシリア軍の拠点が何者かの襲撃を受け、兵士1人が死亡、複数が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県15件、ラタキア県13件、アレッポ県3件、ハマー県7件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は35件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 25, 2020、ANHA, October 25, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 25, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 25, 2020、Reuters, October 25, 2020、SANA, October 25, 2020、SOHR, October 25, 2020などをもとに作成。

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シリア民主軍の兵士7人が離反し、トルコ占領地へ逃亡(2020年10月24日)

ラッカ県では、ステップ・ニュース(10月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊に駐留する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の兵士7人が離反し、トルコ占領下の「平和の泉」地域に逃亡した。

離反したのは、シリア民主軍傘下のタブカ軍事評議会メンバー。

7人はトルコの支援を受ける国民軍と事前に連携して、離反に踏み切ったという。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020、Step News, October 24, 2020などをもとに作成。

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マクロン大統領による預言者ムハンマドの侮辱に抗議しバーブ・ハワー国境通行所とタッル・アブヤド国境通行所がフランス製品持ち込み禁止を決定(2020年10月24日)

イドリブ県では、バーブ・ハワー国境通行所の管理局がホームページ(https://www.babalhawa.net/)などを通じて、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握り、シリア救国内閣が自治を担っているいわゆる「解放区」へのフランス製品の持ち込み禁止を決定したと発表した。

決定は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が10月21日に首都パリのソルボンヌ大学で執り行われた歴史教師のサミュエル・パティ氏の国葬で「われわれは風刺画をやめない」と宣言し、預言者ムハンマドを「再三にわたって冒涜した」ことへの対抗措置だという。

バーブ・ハワー国境通行所は、国連安保理決議第2533号(2020年7月11日)で、周辺国からシリアへの越境(クロスボーダー)人道支援の経由地として認められている唯一の通行所。

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また、ラッカ県でも、タッル・アブヤド市の国境通行所の管理局がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/TelAbyadBC/)を通じて、トルコ占領下の「平和の泉」地域へのフランス製品の持ち込み禁止を決定したと発表した。

決定は、トルコのガジアンテップに拠点を置く、暫定内閣(シリア革命反体制勢力国民連立の傘下組織)の指示によるもので、同じく、マクロン大統領がイスラームとその象徴を冒涜したことへの対応措置。

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一方、イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(10月24日付)によると、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るダルクーシュ町、ザルダナー村で「寛大なる使徒ムハンマド救済(ヌスラ)」と銘打ったデモが行われ、マクロン大統領の弔辞内容に抗議の意思が示された。

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マクロン大統領はパティ氏にフランスの最高勲章であるレジオン・ドヌールを授与、弔辞では、パティ氏が、フランスの世俗主義、民主主義の価値観を体現したがゆえに、臆病者たちに狙われて殺されたとしたうえで、「彼は我々の未来を奪おうとしたイスラーム主義者によって殺害された」、「我々の未来を決して渡さない」と強調した。

パティ氏(47歳)は、10月16日にパリ近郊にある学校からの帰宅途中に、ロシア・チェチェン共和国出身のアブドゥッラ・アンゾロフ容疑者(18歳)によって首を切断されて殺害された。

パティ氏が授業で表現の自由に関する議論をした際に、預言者ムハンマドの風刺を見せたことが殺害の動機となったと思われる。

アンゾロフ容疑者はツイッターにパティ氏の頭部の画像を投稿したが、その後警察に射殺された。

また、APF(10月22日付)は、捜査に詳しい情報筋の話として、アンゾロフ容疑者が、犯行前にシリアにいるロシア語話者のイスラーム過激派と接触していたと伝えた。

同情報筋によると、この過激派の身元は判明していないが、フランス日刊紙『パリジャン』(10月22日付)によると、IPアドレスによる追跡で、この人物がイドリブ県にいると特定されたと伝えた。

事件ではまた、アンゾロフ容疑者がパティ氏を特定するのを手助けしたとして、14歳と15歳の生徒2人を含む7人が、テロ関連の殺人共犯容疑で立件されている。

アンゾロフ容疑者は、パティ氏の容姿を知らなかったため、この生徒らに300~350ユーロを渡し、協力させたという。

アンゾロフ容疑者が生徒2人にパティ氏を襲撃すると語った後も、この2人は2時間以上にわたって容疑者とともにパティ氏を待ち伏せしていたという。

また立件された7人のなかには、SNS上でパティ氏への反対運動を行った保護者の男性が含まれている。

この男性の娘は、パティ氏の生徒だったが、この生徒はパティ氏が授業で風刺画を見せた時には教室内にはいなかった。

男性は事件前、WhatsAppでアンゾロフ容疑者とメッセージをやり取りしていたことも分かっているという。

4人目の容疑者は、イスラーム過激派として知られる男性で、ジェラルド・ダルマナン内務大臣は、この男性がパティ氏の襲撃を認めるファトワーを出したとの見解を示している。

残る3人は、アンゾロフ容疑者の友人で、うち1人は車でアンゾロフ容疑者を現場まで送り届けた男性、もう1人は容疑者の凶器購入に同行した人物だという。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Le Parisien, October 22, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターがハマー県北東部でダーイシュを爆撃(2020年10月24日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターが、アレッポ県、ラッカ県との県境に近いイスリヤー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃を行った。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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シリア生まれのアルメニア人記者はトルコがギリシャとの国境地帯に派遣するためのシリア人傭兵を募集していることを突き止める(2020年10月24日)

ギリシャの日刊紙『グリーク・シティー・タイム』(10月23日付)は、トルコがギリシャとの国境地帯に派遣するため、シリア人傭兵を募集しているとの話が、イドリブ県で活動する複数の「テロリスト」の間で出回っていることを、シリア生まれのアルメニア人記者のアブラーハーム・カースバールヤーン氏が突き止めたと伝えた。

カースバールヤーン氏は、トルコによるアゼルバイジャンへのシリア人傭兵派遣をいち早く伝えた記者の1人。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、The Greek City Times, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がラッカ県、ハサカ県を砲撃、シリア民主軍が応戦(2020年10月24日)

ラッカ県では、ANHA(10月24日付)やSANA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市近郊のハーリディーヤ村、フーシャーン村、M4高速道路沿線を砲撃した。

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、国民軍戦闘員多数を殺傷した。

一方、SANA(10月24日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるラッカ市東の農村で、シリア民主軍が住民50人以上を拘束した。

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アレッポ県では、ANHA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、アルカミーヤ村を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、マンビジュ市北東のフーシャリーヤ村、トゥーハール村を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(10月24日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・タムル町北西のライハーニーヤ村、ファイサリーヤ村を砲撃し、複数の死傷者が出た。

これに対して、シリア民主軍が反撃、トルコ軍、国民軍と交戦した。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で40人、北・東シリア自治局支配地域で238人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で107人(2020年10月24日)

保健省は政府支配地域で新たに40人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者30人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、10月24日現在の同地での感染者数は計5,359人、うち死亡したのは267人、回復したのは1,722人となった。

SANA(10月24日付)が伝えた。

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに238人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者7人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、10月24日現在の同地での感染者数は計3,625人、うち死亡したのは109人、回復したのは665人となった。

新規感染者の内訳は、ハサカ県のハサカ市18人、カーミシュリー市21人、マーリキーヤ(ダイリーク)市31人、マアバダ(カルキールキー)町10人、ルマイラーン町1人、アームーダー市3人、ダルバースィーヤ市4人、アレッポ県のアイン・アラブ(コバネ)市44人、マンビジュ市27人、ラッカ県のラッカ市44人、タブカ市26人、ダイル・ザウル県9人。

ANHA(10月24日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月24日に新たに107人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、84人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡1人、イドリブ郡11人、ハーリム郡43人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡16人、ジャラーブルス郡10人、バーブ郡13人、アフリーン郡16人、アアザーズ郡12人。

これにより、同地での感染者数は計4,082人、うち回復したのは1,630人、死亡したのは21人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1421789924692561/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1422608007944086/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者107人が確認される一方、感染者1人が死亡したと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計4,082人、うち死亡したのは24人、完治したのは1,630人となった。

AFP, October 24, 2020、ACU, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍の装甲車など20輌からなる車列が「決戦」作戦司令室の支配下にあるハマー県ガーブ平原のカストゥーン村に偵察のため進入(2020年10月24日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから233日目を迎えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の装甲車など20輌からなる車列が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカストゥーン村に入った。

同地で偵察活動を行うのが目的だという。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、スフーフン村、ダイル・サンバル村一帯、バイニーン村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるミーズナーズ村を砲撃した。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、シャフバー町で、武装した住民どうしが交戦し、男性1人が死亡、3人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県24件、ラタキア県5件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 24, 2020、ANHA, October 24, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 24, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 24, 2020、Reuters, October 24, 2020、SANA, October 24, 2020、SOHR, October 24, 2020などをもとに作成。

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ロシア軍がトルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市近郊をミサイル攻撃し3人死亡(2020年10月23日)

アレッポ県では、ANHA(10月23日付)によると、所属不明の無人航空機(ドローン)がトルコ占領下のジャラーブルス市近郊に飛来、爆撃によると思われる巨大な爆発が2度にわたって発生した。

これに関して、シリア人権監視団は、爆発がロシア軍のミサイル攻撃によるものだと発表した。

同監視団によると、ミサイルはシリア駐留ロシア軍司令部のあるラタキア県のフマイミーム航空基地から発射され、標的となったのはジャラーブルス市近郊のビイル・クーサー村で、市場や燃料販売店などが狙われ、3人が死亡、18人が負傷したという。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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シャーム解放機構がシャーム自由人イスラーム運動の反総司令官派とイドリブ県アリーハー市とフーア市の同運動本部を襲撃(2020年10月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が、シャーム自由人イスラーム運動ジャービル・アリー・バーシャー総司令官の指導に反対する同運動のメンバーとともに、アリーハー市とフーア市にある同運動の本部を襲撃し、中にいたメンバーを追放した。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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シリア政府支配下のダルアー県の3カ所で体制打倒を求める抗議デモ(2020年10月23日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるダルアー市ダルアー・バラド地区、タファス市、フラーク市で体制打倒、逮捕者釈放を求める抗議デモが発生した。

また、ジャースィム市では、治安機関関係者1人が何者かによって拉致されたのち、殺害された。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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ハマー県北東部でダーイシュとシリア軍の戦闘続き、死者数が61人に(2020年10月23日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が、アレッポ県、ラッカ県との県境に近いラフジャーン村、シャークースィーヤ村、イスリヤー村一帯で戦闘を続け、過去3日間の死者数が61人となった。

内訳はシリア軍兵士39人、ダーイシュ戦闘員22人。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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正体不明の武装集団がイドリブ県カフル・ルースィーン村近郊にあるシャーム解放機構の検問所を襲撃(2020年10月23日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団が、カフル・ルースィーン村近郊にあるシャーム解放機構の検問所を襲撃した。

カフル・ルースィーン村はトルコが違法な国境通行所を設置している村。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下のアレッポ県各所を砲撃(2020年10月23日)

アレッポ県では、ANHA(10月23日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市北のアウン・ダーダート村、タッル・リフアト市近郊のシャフバー・ダム、タッル・マディーク村、スムーキーヤ村を砲撃した。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で52人、シャーム解放機構主体の反体制派とトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で214人(2020年10月23日)

保健省は政府支配地域で新たに52人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者37人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、10月23日現在の同地での感染者数は計5,319人、うち死亡したのは264人、回復したのは1,692人となった。

SANA(10月23日付)が伝えた。

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で10月23日に新たに214人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、58人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡3人、イドリブ郡122人、ハーリム郡26人、アリーハー郡21人、アレッポ県スィムアーン山郡2人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡9人、アフリーン郡11人、アアザーズ郡19人。

これにより、同地での感染者数は計3,975人、うち回復したのは1,546人、死亡したのは21人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1420770811461139/

https://www.facebook.com/ACUSyria/photos/1421667688038118/

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一方、シリア人権監視団は、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県の「解放区」とトルコ占領下のアレッポ県北部で、新型コロナウイルス感染者214人が確認されたと発表した。

これにより、6月9日以降、「解放区」と占領地で確認された感染者数は計3,975人、うち死亡したのは23人、完治したのは1,546人となった。

AFP, October 23, 2020、ACU, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県ザーウィヤ山地方を120回以上にわたり砲撃(2020年10月23日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから232日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村一帯を120回以上にわたって砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約20輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県18件、ラタキア県9件、アレッポ県1件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 23, 2020、ANHA, October 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 23, 2020、Reuters, October 23, 2020、SANA, October 23, 2020、SOHR, October 23, 2020などをもとに作成。

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イドリブ県で米主導の有志連合の無人航空機(ドローン)が爆撃を実施、アル=カーイダ系戦闘員多数死傷(2020年10月22日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、米軍が主導する有志連合所属と思われる無人航空機(ドローン)1機が、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握しているサルキーン市近郊のジャカーラ村の農場を爆撃した。

爆撃は、シャーム解放機構司令官の会合を狙ったもので、シャーム解放機構の司令官と民間人合わせて15人以上が死亡、多数が負傷した。

死亡した15人のなかには、ダーイシュ(イスラーム国)で治安責任者を務めていたシャーム解放機構のメンバーもいるという。

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ドゥラル・シャーミーヤ(10月22日付)によると、爆撃が有志連合によるものだと断定したうえで、狙われたのはジャカーラ村の農場に設営されていたテントだったと伝えた。

https://www.youtube.com/watch?v=y-3ikpT-8rs

なかには地元の名士のサーミル・スアード氏、ムハンマド・ウライウィー・シャーシュ・アブー・ハサン氏、民間人のアフマド・ジャースィム氏、イブラーヒーム・スアード氏、アーミル・スアード氏、無所属の反体制武装集団であるファトフ大隊の司令官のアブー・タルハ・ハディーディー氏、ハンムード・スィハーラ氏がいたという。

有志連合の航空機が22日晩からサルミーン市に近い国境地帯上空で旋回を強化していたという。

なお、イナブ・バラディー(2019年7月19日付)によると、ファトフ大隊は重火器を保有しない軽武装の組織で、約500人の戦闘員からなっていたという。

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一方、ニダー・スーリーヤ(10月22日付)は、爆撃を受けたのが、サーミル・スアード氏の農場のテントで、なかでは夕食がとられていたと伝えた。

同サイトは、またサーミル・スアード氏がシャーム解放機構治安関係者だとしたうえで、兄弟のアーミル・スアード氏、イブラーヒーム・スアード氏、シャーム解放機構元司令官のハンムード・スィハーラ氏、ファトフ大隊司令官のアブー・タルハ・ハディーディー氏が死亡、シャーム解放機構の治安責任者アブー・ビラール・クドス氏ら複数の司令官が負傷したと付言した。

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他方、オリエント・ニュース(10月22日付)は、シャーム解放機構に近い複数のアカウントから収集した情報として、フッラース・ディーン機構が主導していた「堅固に持せよ」作戦司令室に所属するファトフ大隊の会合が狙われたと伝えた。

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また、シャーム解放機構に近い「シリア革命の轟き」を名乗るフェイスブックのアカウント(https://twitter.com/mzmgrsyria)は、「速報」として、被害状況を遺体の写真付きで詳細にツイートした。

その内容をまとめると以下の通り:

ジャカーラ村のサーミル・スアード氏の農場に設営されていたテント内での夕食時を狙って有志連合が爆撃を行った。

サーミル・スアード氏はシャーム解放機構の治安関係者で、アブー・アフマド・フドゥード・バドラーンなる人物と活動していた。

サーミル・スアード氏、同氏の兄弟でシャーム解放機構の治安関係者だったアーミル・スアード氏、イブラーヒーム・スアード氏、民間人のハーッジ・アフマド氏、フッラース・ディーン機構司令官のウサーマ・ムハージル氏、同氏とともに、シリアからトルコに密入国しようとしていたムハージリーン(外国人戦闘員)4人、シャームの民のヌスラ戦線のアレッポ支部創設者で、その後ファトフ大隊のメンバーとなったハンムード・スィハーラ氏、同じくファトフ大隊のメンバーアブー・タルハ・ハディーディー氏、ハンムード・スィヤーラ氏のドライバーのファーティフ・スィハーラ氏、アカイダート部族のアブー・ハサン・シャーシュ氏、無所属の外国人戦闘員アブー・ハフス・ウルドゥンニー氏ら25人以上死亡。

死亡したのはいずれもシャーム解放機構と対立していた。

爆撃は、トルコに外国人戦闘員を密入国させようとしていために敢行された。

遺体はサルキーン市の病院に搬送される。

テント内では、フッラース・ディーンと無所属の戦闘員の和解に向けた協議が行われていたとの情報があった。

https://twitter.com/mzmgrsyria/status/1319358949108424704

https://twitter.com/mzmgrsyria/status/1319385506468212740

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、‘Inab Baladi, October 22, 2020、Nedaa-sy, October 22, 2020、Orient News, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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ダーイシュがハマー県北西部でシリア軍への攻撃を激化、双方に34人の死者(2020年10月22日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、アレッポ県、ラッカ県との県境に近いイスリヤー村近郊のシリア軍拠点を襲撃し、これを制圧、武器弾薬を捕獲した。

同地での戦闘は3日前から激化、ロシア軍戦闘機とシリア軍ヘリコプターが地上部隊の航空支援を行い、爆撃を実施している。

戦闘で、これまでにシリア軍兵士21人、ダーイシュ戦闘員13人が死亡しているという。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(10月22日付)によると、ダーイシュは「呼びかけ続けよ」作戦と銘打って攻撃を行い、ラフジャーン村、シャークースィーヤ村一帯、アブー・ラッファ村などでシリア軍と交戦しているという。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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トルコによってリビアに派遣されていたシリア人傭兵550人が契約期間を終え帰国(2020年10月22日)

シリア人権監視団は、リビアでの戦闘に参加していたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)550人が契約期間を終え、トルコ占領下のアレッポ県北部に新たに帰還したと発表した。

これにより、トルコがリビアに派遣した国民軍戦闘員の数は18,000人(うち子供350人)、契約が終了し、帰国した戦闘員の数は9,850人となった。

なお、リビアに派遣されたジハード主義者の数は10,000人(うちチュニジア人は2,500人)だという。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍が前日に続いてラッカ県アイン・イーサー市一帯を砲撃し、1人負傷(2020年10月22日)

ラッカ県では、ANHA(10月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、前日に続いて、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアイン・イーサー市と同市近郊のサイダー村などM4高速道路沿線を砲撃した。

また国民軍がM4高速道路沿線で住民に向けて発砲し、1人が負傷した。
https://hawarnews.com/ar/uploads//2020/10/22/131603_1603372097357.jpeg

シリア人権監視団によると、砲撃は北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所を狙ったもので、負傷したのもアサーイシュ隊員だという。

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ハサカ県では、SANA(10月22日付)によると、ハサカ県電力公社が、10月21日のトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍によるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町と近郊のハドラーウィー村などへの砲撃で発生した停電の復旧作業を行い、アルーク村の揚水所への電力供給を再開させた。

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アレッポ県では、ANHA(10月22日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるマンビジュ市西の国境地帯で、ロシア軍装甲車4輌とトルコ軍装甲車4輌が合同パトロールを実施した。

AFP, October 22, 2020、ANHA, October 22, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2020、Reuters, October 22, 2020、SANA, October 22, 2020、SOHR, October 22, 2020などをもとに作成。

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