トルコ軍がハサカ県の国境地帯で発砲(2018年8月2日)

ハサカ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)アサーイシュの広報センターによると、トルコ軍国境警備隊がラアス・アイン市西部郊外のアズィーズィーヤ村に発砲し、住民1人が負傷した。

ANHA(8月2日付)が伝えた。

AFP, August 2, 2018、ANHA, August 2, 2018、AP, August 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2018、al-Hayat, August 3, 2018、Reuters, August 2, 2018、SANA, August 2, 2018、UPI, August 2, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍は塩素ガスの入った容器をシリア国内に持ち込み、トルキスタン・イスラーム党に供与か?(2018年8月2日)

スプートニク・ニュース(8月2日付)は、複数の消息筋の話として、約80台の車輌からなるトルコ軍の車列が、イドリブ県カフル・ルーサイン村に設置された通行所を通じてシリア領内に進入し、イドリブ県とハマー県の各所に設置されているトルコ軍の監視所に向かった、と伝えた。

この車列には、塩素が入った小型のプラスチック容器を積んだトルコ軍の装甲車8台も随行、車列がイドリブ県ジスル・シュグール市西のハッルーズ村にあるトルキスタン・イスラーム党の基地で、これらの容器、暗視カメラ、通信機器などを積み荷を降ろしたという。

al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018

AFP, August 2, 2018、ANHA, August 2, 2018、AP, August 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2018、al-Hayat, August 3, 2018、Reuters, August 2, 2018、SANA, August 2, 2018、Sputnik News, August 2, 2018、UPI, August 2, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍参謀本部機動総局長「米国占領下のタンフ国境通行所一帯でダーイシュ戦闘員が増加し、シリア各地を攻撃している」(2018年8月2日)

ロシア軍参謀本部機動総局のセルゲイ・ルドスコイ局長は声明を出し、米国が違法に占領するヒムス県のタンフ国境通行所一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員が増加しており、彼らがスワイダー県、ダマスカス郊外県、ヒムス県タドムル市一帯、ダイル・ザウル県への攻撃を強めていると発表した。

AFP, August 2, 2018、ANHA, August 2, 2018、AP, August 2, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 2, 2018、al-Hayat, August 3, 2018、Reuters, August 2, 2018、SANA, August 2, 2018、UPI, August 2, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍憲兵隊の護衛を受け、UNDOFがイスラエルとの境界に位置する兵力引き離し地域でパトロール任務を再開(2018年8月2日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、モスクワで記者会見を開き、シリア南西部(スワイダー県、ダルアー県、クナイトラ県)情勢およびロシア軍のシリア国内での任務の進捗状況に関する報告を行った。

記者会見の主な内容は以下の通り:

AP, August 2, 2018

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「穏健な反体制派」を装っていたヌスラ戦線(現シャーム解放機構)とダーイシュ(イスラーム国)のテロリストが南部の緊張緩和地帯の55%を支配していた。

そのため、(停戦の当事者となるはずの)「穏健な反体制派」の伸長が阻まれ、住民が食糧、医薬品、飲料水の不足に見舞われた。

ロシアは南部の緊張緩和地帯の保証国である米国とヨルダンにこの状況を伝えたが、両国は事態改善の試みを行わなかった。

住民が、ロシア軍当事者和解調整センターに対して、ヌスラ戦線やダーイシュの暴力行為から守って欲しいと要請、一部の「穏健な反体制派」はロシア仲介によるシリア政府との和解に応じ、自発的に武器を棄て、投降した。

過激な戦闘員とその家族はこれに乗じて、イドリブ県に退去した。

その数は9,652人、うち戦闘員は4,297人に及んだ。

ヌスラ戦線はこうした停戦プロセスを反故にしようと試み、これに対してシリア軍は「穏健な反体制派」とともに、掃討戦を実施した。

ロシアの支援を受けるシリア軍は、スワイダー県、ダルアー県、クナイトラ県でダーイシュとヌスラ戦線を殲滅し、同地を奪還した。

解放された地域の総面積は3,332平方キロメートル、146市町村に及び、シリア軍はまたヨルダン国境を完全に掌握した。

ダルアー県クサイル村で包囲されていたダーイシュ戦闘員160人以上がその際に投降した。

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クナイトラ県の停戦監視地域には、ロシア軍憲兵隊に護衛されたUNDOF(国際連合兵力引き離し監視軍)が6年ぶりにパトロール任務を再開した。

ロシア軍憲兵隊は、ラインB(兵力引き離しライン)に監視所8カ所を設置する予定。

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UNDOFの再展開に関して、駐ロシア・イスラエル大使館の報道局は「イスラエルとの合意を受けてロシア軍憲兵隊が展開したことを確認した」と発表した。

スプートニク・ニュース(8月2日付)が伝えた。

SANA, August 1, 2018

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2018、Sputnik News, August 2, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年8月2日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(8月2日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県2件、ハマー県1件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:7月31日に難民348人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は4,492人に(2018年8月1日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(8月1日付)を公開し、7月31日に難民348人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は4,492人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者4,174人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は715万6,987人(うち女性214万7,096人、子供365万0,063人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 1, 2018をもとに作成。

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ロシア合同調整センターはシリア難民・避難民帰還に向けた活動の進捗を発表(2018年8月1日)

ロシア国防省は、国外難民と国内避難民の帰還を支援するための外務省との合同調整センターの会合がモスクワで開催されたと発表した。

会合はミハエル・ミズィンツェヴ(Mikhail Mizintsev)上級大将(国家防衛管理センター長)が議長を務めた。

会合でのミズィンツェヴ上級大将の報告内容の骨子は以下の通り:

Ministry of Defence of Russia, August 1, 2018
Ministry of Defence of Russia, August 1, 2018

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合同調整センターは、UNHCR(国際連合難民高等弁務官事務所)などの国際機関との連携のもと、シリア、レバノン、ヨルダン、トルコでの難民・避難民の帰還の手順に関する提案を先週行った。

その際、国連、UNHCRによって提示され、ほとんどの西側諸国が支持している帰還にかかる以下の基本原則をロシアは承認した。

1. 自発的帰還
2. 帰還者の安全の保障
3. 帰還者の不動産所有権の承認
4. 帰還者のシリアでの非訴追
5. 外国で発効された身分証の承認
6. 恩赦の保証
7. 人道機関の帰還者への円滑なアクセス

これらの基本原則に関してシリア政府も理解を示した。

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一部の諸外国は、ほとんどの場合、国際機関や支援国からの援助の獲得や、シリア難民の安価な労働力としての利用といった政治的な口実で、帰還を妨げるような妨害を行っている。

こうしたことを踏まえて、合同調整センターは難民帰還にマイナスに作用する傾向を監視することを優先事項とし、以下3点を主要な目的としている。

1. 国際レベルでの連絡の促進
2. 現下のすべての問題に取り組むための支援
3. 戦時下のシリアが直面する複雑な社会・政治・経済・人道問題に取り組むシリア政府への支援

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シリア大統領は合同調整センターの設置、難民受入移送居住センターの活動を完全に承認している。

シリアの地元当局も帰還者にとって有利な条件を作り出そうと活動しており、この動きに対応するため、ロシア政府は難民受入移送居住センター支部をダイル・ザウル市サーリヒーヤ地区(ダイル・ザウル県)、バーニヤース港(タルトゥース県)、ダマスカス国際空港(ダマスカス郊外県)に新設した。

また、レバノンとの国境にもセンターの支部を4カ所設置済みで、レバノン政府はシリア難民帰還を積極支援している。

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ヨルダンも、アイマン・サファディー外務大臣がこの問題での協力する意思を示しており、シリアの関係機関と直接連絡をとり合うための合同作業本部設置に向けて、ロシア、米国とともに動いている。

エジプト政府も難民帰還に向けた仲介を行っている。

トルコ政府は、シリア情勢への対応を協議するためのロシア、ドイツ、フランスとの四カ国首脳会議を9月7日に開催すると発表した。

トルコ外務省、軍、情報機関は、シリア難民の帰還に反対はしていないが、難民の安全や生活条件が保証されない限りは帰国させられないとの姿勢を取っている。

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在ダマスカスのロシア大使館はシリアの外務在外居住者省とともに、難民帰還に向けたハンドブックを作成している。

また、在アンカラおよび在アンマンのロシア大使館も、トルコ、ヨルダン両政府に難民帰還を促すための措置を講じるよう働きかけている。

とりわけ、在アンマンのロシア大使館は、ルクバーン難民キャンプへの人道支援問題にかかる米国との協議にヨルダンも関与させようと検討中である。

一方、在アンカラのロシア大使館は、アブー・ズフール町の通行所を通じた難民帰国に向けた態勢作りに向けてトルコの関係当局との協力関係構築をめざしている。

Ministry of Defence of the Russian Federation, August 2, 2018をもとに作成。

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ハンムード運輸大臣「シリア政府はナスィーブ国境通行所再開を検討している」(2018年8月1日)

アリー・ハンムード運輸大臣は、ロイター通信(8月1日付)に対して、「ヨルダンとの国境に至る街道は利用の準備ができている。シリア政府は(ナスィーブ)国境通行所の再開と利用を検討している」と述べた。

ハンムード運輸大臣はまた、「この通行所に至るのを阻止するすべての問題を解消した。我々は率先して、街道を整備し、通行所を利用できるようにするため修復した」と付言した。

一方、ヨルダン国内の貨物運送会社も、ナスィーブ国境通行所近くの事務所再開に向けて修復作業を開始したという。

『ハヤート』(8月2日付)などが伝えた。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「イランの重火器部隊はイスラエルとシリアの停戦ラインから85キロ以内の地帯にはいない(2018年8月1日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、シリア国内で活動を続けるイランの部隊に関して「イラン人とシーア派部隊はそこ(シリア)にはいない…。イラン人顧問はシリア部隊とともにイスラエルとの国境近くにいるだろう…。しかし、イスラエルに脅威を与える可能性がある重火器を装備した部隊は、停戦ラインから85キロ以内の地域にはいない…。この地域には、ロシアの後援のもとに国連の部隊が入るだろう。」と述べた。

タス通信(8月1日付)などが伝えた。

AFP, August 1, 2018、ANHA, August 1, 2018、AP, August 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, August 1, 2018、al-Hayat, August 2, 2018、Reuters, August 1, 2018、SANA, August 1, 2018、TASS News Agency, August , 2018、UPI, August 1, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:28~30日に難民832人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は4,144人に(2018年7月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月31日付)を公開し、28~30日に難民832人がシリアに帰国したと発表した。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は4,144人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者3,826人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は690万3,269人(うち女性207万979人、子供352万665人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018をもとに作成。

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UAE諜報機関長官が大使館再開に向けてシリアを極秘訪問(2018年7月31日)

アラビー21(7月31日付)は、複数のアラブ匿名消息筋の情報として、UAE(アラブ首長国連邦)諜報機関のアリー・ムハンマド・シャーミスィー連邦身元国籍局長官がシリアの首都ダマスカスを秘密裏に訪問し、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長と会談した。

同消息筋によると、UAE政府はダマスカスの大使館再開の準備を進めているという。

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、‘Arabi 21, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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反体制武装集団支配地域からフマイミーム航空基地に向けて飛来した無人航空機をロシア軍が撃破(2018年7月31日)

ロシア国防省は、反体制武装集団支配地域(イドリブ県方面)から29日深夜にシリア駐留ロシア軍司令部が設置されているラタキア県のフマイミーム航空基地に接近した所属不明の無人航空機1機を撃墜したと発表した。

SANA, July 31, 2018

AFP, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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アスタナ10会議閉幕、ロシア、イラン、トルコはシリアの主権、領土保全、そして周辺諸国の国家安全保障を脅かそうとする「分離主義的動き」に抵抗することを確認(2018年7月31日)

ロシアの避暑地ソチで29日に開幕したアスタナ10会議は2日間の日程を終え閉幕した。

閉幕声明では、アスタナ会議の保証国であるロシア、イラン、トルコが、シリアの統一、独立、主権、領土保全を守り、テロとの戦いを継続する意思を示した。

声明の主な内容は以下の通り:

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保証国は、ダーイシュ(イスラーム国)、ヌスラ戦線、アル=カーイダとつながりがあるすべての個人、組織、計画、政体を根絶するため、シリアでのテロと戦うことを決意する。

会議に参集した当事者は、3カ国(保証国)が引き続きシリア情勢について調整を行うことで合意し、シリアの主権、領土保全、そして周辺諸国の国家安全保障を脅かそうとする分離主義的動きに抵抗することを決意する。

ソチでの国民対話大会と国連安保理決議第2254号の決定に合致したジュネーブでの制憲委員会の活動を早急に開始するための環境を準備すべく、シリア人主導によるシリアでの政治的県警正常化プロセスを前身させるため、当事者が共同の取り組みを継続する。

9月にジュネーブでの和平協議を再開するとのスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の方針に同意する。

シリア国民の日常生活の回復を支援し、避難民・難民の帰還に向けた協議を開始する。

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アナトリア通信(7月31日付)は、会議に詳しい消息筋の話として、ロシア、イラン、トルコは、シリア政府と反体制派の信頼構築に向けて、「実験的」な拘置者・人質の交換を行うことで合意したと伝えた。

AFP, July 31, 2018、Anadolu Ajansı, July 31, 2018、ANHA, July 31, 2018、AP, July 31, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2018、al-Hayat, August 1, 2018、Reuters, July 31, 2018、SANA, July 31, 2018、UPI, July 31, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は6件の違反を確認(2018年7月31日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月31日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(アレッポ県8件、ラタキア県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも6件(アレッポ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 31, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は7月23日~7月29日までの7日間でシリア領内で7回の爆撃を実施(2018年7月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月23日~7月29日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

7月23日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して爆撃は実施されなかった。

7月24日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

7月25日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対する爆撃は実施されなかった。

7月26日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は0回だった。

7月27日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し6回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は6回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月28日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し1回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は1回で、ブーカマール市近郊に対して行われた。

7月29日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対する爆撃は実施されなかった。

なお、7月22日に関して、シリア領内のブーカマール市近郊に対して実施された4回の爆撃が、前回の発表内容に含まれていなかったとの訂正がなされた。

CENTCOM, July 31, 2018をもとに作成。

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アスタナ10会議がロシアのソチで開幕:イドリブ県の処遇ではなく、難民帰還について協議(2018年7月30日)

ロシアの避暑地ソチで、ロシア、トルコ、イランを保証国とするシリア政府と反体制武装集団の停戦協議であるアスタナ10会議が開幕した。

会議は2日間の予定で、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使を団長とするロシア代表団、ホセイン・ジャーベリー・アンサーリー外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)を団長とするイラン代表団、セダト・オナル外務大臣特別顧問を団長とするトルコの代表団、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団が参加。

また国連からはスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表が参加した。

米国は代表団を派遣せず、トルコが後援する反体制派代表団も参加を見合わせた。

アスタナ会議はカザフスタン政府が主催していたが、今回のラウンドはロシアが主催、開催場所もカザフスタンの首都アスタナではなく、ロシア国内となった。

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個別会談が予定されていた初日にあたる30日には、ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団が、イラン代表団、ロシア代表団と個別に会談した。

これに先立ち、ロシア代表団、イラン代表団、そしてトルコ代表団が個別会談を行うとともに、ロシアのラヴレンチエフ特使がデミストゥラ特別代表と個別に会談した。

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ロシアのラヴレンチエフ特使は、ソチで記者会見を開き、アスタナ10会議の議題に関して、シリア難民の帰還などについて協議したことを明らかにした。

ラヴレンチエフ特使はは、「シリア難民の帰還を支援することが欧州諸国にとっても利益となる。今回のラウンドで議論された難民帰還を阻止することは許されない」と述べた。

SANA(7月30日付)が伝えた。

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リヤ・ノーヴォスチ(7月30日付)は、会議に出席した消息筋の話として、トルコが支援する反体制派が欠席するなかで、イドリブ県の処遇をめぐって合意に達する可能性は低い、との見方を伝えた。

AFP, July 30, 2018、ANHA, July 30, 2018、AP, July 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2018、al-Hayat, July 31, 2018、Reuters, July 30, 2018、RIA Novosti, July 30, 2018、SANA, July 30, 2018、UPI, July 30, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月30日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月30日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(アレッポ県3件、ラタキア県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 30, 2018をもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会はシリア政府との会合を高く評価、すべての民主的勢力にシリア人どうしの政治プロセスに参加するよう呼びかける(2018年7月29日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)と、ロジャヴァ人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会は、ハサカ県ダルバースィーヤ市ですべての参加勢力・政党による拡大会合を開催した。

拡大会合は、シリア民主評議会の代表団(イルハーム・アフマド前共同議長)のダマスカスへの初の公式訪問とシリア政府との会談を受けたもの。

シリア民主評議会が30日に発表した声明によると、会合では、アフマド氏がシリア政府との会談の内容を報告、出席者はシリア政府とのこの会談をシリア危機の解決へのイニシアチブとして高く評価した。

参加者はまた、インフラ技術面で続けられるシリア政府との折衝が、双方の信頼醸成をもたらし、シリア全土における包括的で完全な政治的事態収拾に向けた地平を切り拓くとの見解を示した。

そのうえで、すべての民主的勢力に対して、シリア人どうしの政治プロセスに参加するよう呼びかけた。

AFP, July 30, 2018、ANHA, July 30, 2018、AP, July 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 30, 2018、al-Hayat, July 31, 2018、Reuters, July 30, 2018、SANA, July 30, 2018、UPI, July 30, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍がダルアー県北部のシリア軍拠点をミサイル攻撃か?(2018年7月29日)

DPA(7月29日付)は、複数の反体制派の情報として、イスラエル軍がダルアー県北部のシリア軍拠点をミサイル攻撃したと伝えた。

ミサイル攻撃が行われたのは、ジャバーブ村近郊にあるシリア軍拠点1カ所で、攻撃直後多数の救急車輌が同地に向かったという。

AFP, July 29, 2018、ANHA, July 29, 2018、AP, July 29, 2018、DPA, July 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2018、al-Hayat, July 30, 2018、Reuters, July 29, 2018、SANA, July 29, 2018、UPI, July 29, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領はシリア問題などへの対応を協議するためのロシア、ドイツ、フランスとの首脳会談を開催すると発表(2018年7月29日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は訪問席の南アフリカで、「トルコは9月7日、ロシア、ドイツ、フランスとシリアでの紛争を含む地域の問題への対応を協議するための四カ国首脳会談をイスタンブールで開催する」と述べた。

『ハヤート』(7月20日付)など伝えた。

AFP, July 29, 2018、ANHA, July 29, 2018、AP, July 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2018、al-Hayat, July 30, 2018、Reuters, July 29, 2018、SANA, July 29, 2018、UPI, July 29, 2018などをもとに作成。

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自由シリア軍のメンバーはトルコのテレビ局のインタビューにオスマン帝国の地図の前で応じる(2018年7月29日)

ANHA(7月29日付)は、アレッポ県のユーフラテス河畔の国境地帯に位置するジャラーブルス市でトルコのTRTチャンネルの取材チームが自由シリア軍のメンバーに対してインタビューを行った部屋の壁に、オスマン帝国の地図が張られていたと伝え、その写真を掲載した。

ANHA, July 30, 2018

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アレッポ県では、ANHA(7月29日付)によると、トルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点都市である北部のアアザーズ市で爆弾が爆発した。

ANHA, July 30, 2018

AFP, July 29, 2018、ANHA, July 29, 2018、AP, July 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 29, 2018、al-Hayat, July 30, 2018、Reuters, July 29, 2018、SANA, July 29, 2018、UPI, July 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月29日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県3件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 29, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:27日に難民265人が新たに帰国、7月18日以降に帰国したシリア難民は3,312人に(2018年7月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月28日付)を公開し、27日に難民265人がシリアに帰国したと発表した。

内訳は、レバノンからの帰国者231人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者34人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

これにより、7月18日以降に帰国したシリア難民の数は3,312人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者2,994人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は690万3,269人(うち女性207万979人、子供352万665人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 28, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は4件の違反を確認(2018年7月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも4件(アレッポ県1件、イドリブ県1件、ハマー県2件)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 28, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは14件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を14件(ラタキア県7件、ハマー県1件、アレッポ県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 27, 2018をもとに作成。

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ロシア国防省はイスラエル軍が25日、ダルアー県南西部での対ダーイシュ戦に参加したと発表(2018年7月26日)

ロシア国防省は声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が活動を続けるダルアー県南西部のヤルムーク川河畔地域でのロシア・シリア両軍の掃討作戦に、イスラエル軍も参加、25日晩に拠点複数カ所を攻撃し、戦闘員多数を殲滅したと発表した。

声明によると、「ダーイシュ(ハーリド・ブン・ワリード軍)の戦闘員はイスラエル軍を挑発し、シリア軍部隊を攻撃させようと試みたが、(ダルアー県南部の)ナーフィア村、シャジャラ町近郊に展開するイスラエル領の反撃を受けた…。ダーイシュのテロリストは全員死亡した。イスラエルの航空兵器および砲兵部隊による正確且つ迅速な攻撃によって砲台は破壊された」という。

AFP, July 26, 2018、ANHA, July 26, 2018、AP, July 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2018、al-Hayat, July 27, 2018、Reuters, July 26, 2018、SANA, July 26, 2018、UPI, July 26, 2018などをもとに作成。

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ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使がレバノンを訪問し、トロイカとシリア難民の帰還問題について協議(2018年7月26日)

ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使がレバノンを訪問し、ミシェル・アウン大統領、サアド・ハリーリー首相、ナビーフ・ビッリー国民議会議長と会談し、シリア難民の帰還問題などについて協議した。

ナハールネット(7月26日付)が伝えた。

AFP, July 26, 2018、ANHA, July 26, 2018、AP, July 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2018、al-Hayat, July 27, 2018、Naharnet, July 26, 2018、Reuters, July 26, 2018、SANA, July 26, 2018、UPI, July 26, 2018などをもとに作成。

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ヨルダンのサファディー外務大臣「ヨルダンはシリア難民を強制的に帰国させない」(2018年7月26日)

ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣は、マムラカ・テレビのインタビューに応じ、そのなかで「ヨルダンはシリア難民を強制的に帰国させない…。難民帰還問題は自発的な問題だ…。我々は協力国とともに自発的帰還につながる環境を作り出すために行動する」と述べた。

サファディー外務大臣はまた「難民帰国のプロセスを、自由、尊厳、安全、安定のもとに生活できるようにするために始めたい…。ヨルダンは人権や法律を遵守したい」と強調した。

その一方で、シリア政府との関係については「我々とシリア政府の間に今のところ政治的コニュミケーションはない。国境管理のため軍事安全保障面のチャンネルは複数ある。これは国境を接するすべての国家間にあるもので、我々は国益に資することを原則としている…。シリア政府はヨルダンとの国境をほぼすべて掌握している…。我々の目的はシリア南部の治安と安全の維持だ」と述べた。

AFP, July 26, 2018、AlMamlaka TV, July 26, 2018、ANHA, July 26, 2018、AP, July 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 26, 2018、al-Hayat, July 27, 2018、Reuters, July 26, 2018、SANA, July 26, 2018、UPI, July 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは10件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2018年7月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県8件、アレッポ県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも1件(アレッポ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 26, 2018をもとに作成。

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