武装グループがシャルア移行期政権支配地からユーフラテス川を渡って東岸に潜入、ダイル・ザウル県ジャズラート村にあるシリア民主軍の拠点を攻撃(2025年8月8日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、武装グループがボートを使ってアフマド・シャルア移行期政権支配地からユーフラテス川を渡って東岸に潜入し、ジャズラート村にあるシリア民主軍の拠点をRPG弾で攻撃し、交戦したと発表した。

また、ANHAが9日に伝えたところによると、シャルア移行期政権の支配地から武装グループがユーフラテス川を渡り、東岸のフワイジャト・ファイフマート村の川岸にいた住民4人を狙撃し、負傷させた。

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「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)が開催され、シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール議長、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒジュリー師がビデオ・メッセージを送る(2025年8月8日)

ANHAによると、ハサカ県ハサカ市グワイラーン地区にある文化芸術センターで、「北・東シリアの構成体の立場統一」会議(コンファレンス)が開催された。

「我々の統合を許可する多様性と、我々の未来を築くパートナーシップのために共に」をスローガンとして掲げる会議には、北・東シリア地域のクルド人、アラブ人、シリア正教・アッシリア東方教会・カルディア派信徒、アルメニア人、トルクメン人、チェルケス人の活動家、有識者、北・東シリア地域民主自治局(アフィーン・スワイド執行評議会共同議長、フサイン・ウスマーン同共同議長、イルハーム・アフマド渉外委員会共同議長)、シリア民主軍、シリア民主評議会(ライラー・カラマーン共同議長)、スィルヤーニー連合、民主社会運動、クルド国民評議会といった政党・政治組織、女性団体などの代表者、ジャジーラ・ユーフラテス管区のマールモーリス・アムスィーフ大司教、ムルシド・ハズナウィー師、来賓ら400~500名が参加した。



冒頭、北・東シリア地域民主自治局渉外委員会のイルハーム・アフマド共同議長が挨拶を行い、会議を「戦争に対して対話で立ち向かい、周縁化に対して組織化で対抗し、相互承認・真のパートナーシップ・社会的正義に基づく民主的モデルを構築する」という諸人民の意思を生きたかたちで示すものであると述べた。

アフマド共同議長はまた、北・東シリア地域の構成体が、多様性は脅威ではなく、力の源であることを証明したとしたうえで、真の保護は外部からもたらされるのではなく、公正かつ持続可能な平和を構築しようとする共同の意思から生まれると強調し、一元的なイデオロギーによる統治の継続は危機の深刻化を招くのみだと警告した。

アフマド共同議長はさらに、会議が真のパートナーシップ、相互承認、公正な代表、真の市民権、多元性、そして民主的分権を基礎とし、国の統合と安定を保証する新しいシリアの将来像を描くための政治的かつ民衆的な必然であると述べた。

そのうえで、北・東シリア地域の代表者の本会議への参加が政治・憲法プロセスの核心をなすもので、「すべての構成体の権利を認め、その将来の構築に積極的に参加させることなしに、新しいシリアを築くことはできない」と強調した。

また、この会議が諸人民の意思から出発し、平等な市民権、排除なき包括的アイデンティティ、説明責任を負う権力、そして権利と義務の均衡という公正な基盤に基づき、国家を再建するための広範な進路に向けた出発点であると主張した。

そして、最後に、この会議がすべての人民を差別なく包摂する新しいシリアに向けた前進の一歩となり、長きにわたる専制と否認の時代を経て、政治に倫理的意味を取り戻す契機となることを願っていると結んだ。

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ANHAによると、続いて、北・東シリア地域民主自治局のフサイン・ウスマーン執行評議会共同議長が演説を行った。

演説のなかで、ウスマーン共同議長は、北・東シリア地域の経験について、「自由で民主的なシリアの建設が、シリア社会の構成体の結束と立場統一、あらゆる排除と専制の拒否によってしか実現しないことを証明するものだ」と評価、自治局が掲げる「正義、平等、分権の原則は、全ての国民を差別なく包摂する新しいシリアの将来プロジェクトの礎石である」と強調した。

また、この重要な局面においては、宗派主義や人種差別を排し、分裂や対立を生み出そうとするあらゆる試みに立ち向かい、多様性と多元性を対立の道具ではなく豊かさの力として位置づける文化を根付かせながら、全ての人を包み込むシリア国家建設のために協力する必要があると訴えた。

次にシリア民主評議会のライラー・カラマーン共同議長が演説を行い、国民が分断を超えて団結し、国家の未来に焦点を合わせるべきだとしたうえで、女性の役割について強調し、「女性の自由をヴィジョンの核心に据えない国家プロジェクトは不完全であると信じている。未来のシリア、そして差別を拒み平等を確立する公正な社会の建設に、女性がパートナーとして参加することが不可欠である」と述べた。

また、シリアにおけるヘイトスピーチの高まりや、沿岸地方およびスワイダー県での事件に懸念を表明し、これらが国を再び分断の悪循環に陥れることを目的としていると指摘、マイノリティに対するヘイトスピーチを拒否し、それを広める者を処罰するよう求め、シリアの統一と安定を確保すべきだと述べた。

さらに、3月10日に交わされたシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官とアフマド・シャルア暫定大統領の合意(3月10日合意)を支持し、その条項を迅速に履行して参加の原則に基づく新しいシリアを築くよう呼びかけた。

続いて、北・東シリア地域で活動するシリア女性評議会を代表してアミーナ・ウマル氏が演説を行い、シリアが経験してきた戦争や紛争、そしてヘイトスピーチの増大、社会的緊張の激化、宗派的扇動に焦点を当て、シリアの女性がこれまで大きな抑圧と周縁化に直面してきたこと、そして現在も意思決定からの排除と周縁化に苦しんでいることを指摘した。

ANHAによると、続いて、シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール・ガザール議長、ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部の長であるヒクマト・ヒジュリー師がそれぞれビデオ・メッセージを送った。

メッセージのなかで、ガザール議長は次のように述べた。

我々は真実が分権制または連邦制の実現にあると信じている。
この会議の開催、そしてシリア国民を結集し、その言葉を一つにまとめてシリアに利益をもたらそうとするすべての会議に、心から敬意を表する。我々は、我々全員の心を焼き尽くした不正と分断に立ち向かうため、隊列を整える必要がある。
暗黒思想がシリア人どうしを争わせ、名誉が踏みにじられ、聖域が奪われた。我々は、沿岸地方での痛ましい出来事を目の当たりにし、それは今日まで続いている。マール・イリヤース教会の爆破事件や、スワイダー県で起きていること、そしてクルド人が受けた被害も忘れてはならない。流された血は一つ、そして加害者も一つであり、その代償を払ったのは罪なき人々であった。
我々がたどり着いた現状を踏まえれば、全ての構成体の権利を排除なく保障する政治的解決を通じてしか、安全な未来への道は存在しない。我々は、宗教的・文化的特性を尊重し、各構成体の地位を守る地方分権または連邦制の実現こそが正しい道であると信じている。
我々は宗教と政治を分離した世俗国家を望んでおり、流血と戦争を止めるために互いに手を差し伸べたい。我々は急ぎ責任を担い、協働して自由と正義への道に到達しなければならない。その道こそが、国民にふさわしいシリアを築き、すべてのシリア国民の権利を守ることになるのだ。


一方、ヒジュリー師は次のように述べた。

兄弟姉妹の皆さん、多くの課題が押し寄せるこの時代にあって、我々は本日、この集いの光の下に集まり、北・東シリア諸構成体の立場統一が、戦争に疲弊した民の叫びに応えるものであることを確認する。
我々はシリアのすべての構成体に属する兄弟姉妹と共に立ち、多様性は脅威ではなく、我々の団結を強める宝であり、未来を築くパートナーシップであると強調する。この会議が、新たな道の始まりとなり、人間の自由を確立し、その人が宗派で測られるのではなく人間性で測られる祖国を築くための契機となることを願う。


ANHAによると、続いて、ジャジーラ・ユーフラテス教区のマールモーリス・アムスィーフ大司教、ヤズィード派を代表してハディーヤ・シャンムー氏、シリア正教・アッシリア東方教会・カルディア派信徒を代表してスィハーム・カリユー氏、アルメニア人を代表してアントラーニー・サイクスニアーン氏、アラブ人を代表してディヤーブ・ジーラート氏、トルクメン人を代表してムハンマド・ハムダーン氏、クルド人を代表してムルシド・ムシャウウィク・ハズナウィー師が、会議で演説を行った。

ANHAによると、会議は、閉幕声明を発表して閉幕した。

アラブ系のタイ部族評議会のハサン・ファルハーン議長が読み上げた声明では、政治構造における民族・宗教・文化の多様性の定着と、分権的統治および全構成体の実質的な参加を保障する民主的憲法の採用が必要であることが強調された。また、包括的なシリア国民会議の開催、移行期司法プロセスの開始、避難民の安全かつ尊厳ある帰還の保証、そして人口構成の変更の拒否が呼びかけられた。

声明はまた、沿岸地方、スワイダー県、さらにはキリスト教徒に対して行われている殺戮や略奪については、「人道に対する罪の域に達しており、誰であれ加害者を特定するために、公平な調査を行い、透明性と誠実さをもって取り組む必要がある。我々はこれを、国民的結束そのものに対する犯罪とみなす」と表明、北・東シリア地域における民族・宗教・文化の多様性は豊かさと力の源であると強調し、この多様性を政治・行政構造に定着させ、全ての構成体の代表権を保証することによって社会の団結を強化すべきだと訴えた。

また、「我々はシリアの統一と主権を信じており、持続可能な解決は、民族・文化・宗教の多様性を確立・強化する民主的憲法を通じて実現されると考える。その憲法は、信仰の自由、社会的公正、そして良き統治と調和しつつ、全ての構成体が政治的・行政的プロセスに真に参加できる地方分権国家の基盤を築くものでなければならない」と強調、アフマド・シャルア移行期政権による憲法宣言がシリア国民の自由と人間の尊厳に対する願いを満たしておらず、移行期においてより広範な参加と公正な代表を保証するよう再検討が必要であると考えていると主張した。

さらに、国民和解の実現には、真実の究明、説明責任、損害の回復、差別のない対応、そして再発防止を柱とする実質的な移行期司法プロセスの開始が必要であり、それによって避難民の安全で尊厳ある自発的帰還に適した環境を整え、あらゆる形態の人口構成変更を拒否することが求められると強調した。

加えて、国家・社会運営への真の参加を促進するため、再建プロセスの主導における女性・若者・市民社会の積極的な役割、および地域社会における市民的平和・対話・憎悪の排除の価値を定着させることの重要性を確認した。

そして、現行の行政区画をシリアの人口構成や開発状況に適合させ、地域社会の地理的・歴史的・文化的特性を反映させるため、見直しを行う必要性を強調した。

一方、シリア民主軍とシャルア暫定政府の間で締結された3月10日合意とロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)については、その内容を国民的合意の構築に向けた建設的な一歩として順守することが、シリア国民が祖国と共通の未来への信頼を取り戻す道であると確認した。

また、包括的な国民的プロジェクトを確立し、シリアを現下の危機から救い出すために、あらゆる国民的・民主的勢力が参加する包括的かつ包括的なシリア国民会議の開催を呼びかけた。

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スワイダー県で新たな停戦違反:ベドウィン系武装集団がニジュラーン村を攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦(2025年8月8日)

SANAによると、ダルアー県ブスラー・シャーム市に設置されている通行所に、スワイダー県への人道支援物資を積んだ車列が到着した。

車隊の派遣は今回が7回目で、28台の貨物車輛からなり、シリア・アラブ赤新月社、国連世界食糧計画(WFP)、国連人口基金(UNFPA)、アーガ・ハーン財団が準備した物資を積んでいる。

車輛の内訳は、食料バスケット、救援物資、宿泊用の備品(マットレスや毛布など)などを積んだシリア・アラブ赤新月社の貨物車輛19台、民間商業部門の貨物車輛9台、小麦粉を積載した貨物車輛1台、軽油輸送タンク車1台。

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シリア人権監視団によると、スワイダー県では、新たな停戦違反が発生、武装集団(ベドウィン系)が北西部のニジュラーン村を中火器で攻撃し、ドゥルーズ派武装勢力と交戦、これにより双方の戦闘員2人が死亡、民家の一部が焼失するなどの物的被害が発生した。

なお、7月13日(日)朝以降のスワイダー県での戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃による死者数は累計1,622人に達した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県民:723人(民間人166人、うち子ども21人、女性56人)
・国防省・内務省総合治安局関係者:475人(うちベドウィン部族出身40人、レバノン人武装者1人)
・イスラエル爆撃により死亡した国防省・内務省関係者:15人
・イスラエル爆撃により死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人)
・報道関係者:2人(スワイダーでの戦闘中に死亡)
・国防省・内務省関係者による即決処刑犠牲者:401人(女性26人、子ども14人、高齢者1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による即決処刑犠牲者(ベドウィン部族出身者):3人(女性1人、子ども1人を含む)

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スワイダー24によると、サルハド市やクライヤー町など県内の複数地域で平和的な座り込みデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権が行った虐殺を非難するスローガンが掲げられ、同県に対する包囲の解除が求められた。

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ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による反体制声明がSNSで拡散される(2025年8月7日)

ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による反体制声明がSNSで拡散された。

活動家の1人リヤード・カルムーズ氏がフェイスブックを通じて拡散した声明の内容は以下の通り。

ダマスカス市の活動家グループ、一部宗教関係者、地元社会の代表による声明
慈悲深く慈悲あまねきアッラーの御名において、預言者ムハンマドとその一族・教友らに祈りと平安を。
啓示の中でこう仰せられたアッラーに讃えあれ。
「秩序が定められた後、地上で悪を行ってはならない」(高壁章:59)。
こう仰せられた者に祈りと平安を。
「汝らの血、財産、名誉は、今日という日、このくに、この月と同じように神聖である」。我々、ダマスカス市の活動家、地元社会の一部名士、穏健なウラマーたちは、文明の揺籃にして、諸啓示の源である我らが古の都市ダマスカスが苛まれている事態に対する非難と悲痛な訴えとして本声明を発表する。
いまや明白となったのは、民の生活の隅々までを支配する治安の鉄槌が、もはや秩序のためのものではなく、混乱を覆い隠す仮面と化し、国民の尊厳を抹殺し、彼らの安全と生計を奪うための口実となっているという事実である。殺人、窃盗、武装強盗、商店への襲撃が蔓延し、人々は昼夜を問わず脅かされているが、それを抑える信仰の教えも、良心の呵責も、もはや存在しない。
事態はそれだけにとどまらず、異なる意見を持つ者やその方法論に従わない者を、たとえスンナ派であっても、ただイブン・タイミーヤの学派に属さず、彼らの文字通りで硬直した思想を信奉しないというだけの理由で、ことごとく不信者と見なす過激なタクフィール主義の集団が現れるに至った。背教宣告が権力を押しつける手段と化し、この寛容な宗教の本質から逸脱したものとなってしまったかのようである。
我々は公然と宣言する――現在、公共の場で破壊と混乱を引き起こしている無法なベドウィンの一部集団がおり、彼らは外国人からなるジハード主義グループや、文明をまったく顧みず、ダマスカスという都市の価値を何ら認めない一部の辺境出身者たちと結託している。彼らは私有財産を平然と略奪し、それを「戦利品」と称して正当化している。善悪の区別もなく、まるで歯止めのない無法な襲撃を行うかのように、残された人々の権利すらも侵害している。彼らには、アッラーの審判への畏れも、恥じらいも、シリアの聖なる地への敬意も存在しないのである。
本声明において我々は、この危険な堕落に対して警鐘を鳴らし、ダマスカスおよび祖国全体のすべての良識ある人々に対し、自らの道徳的・宗教的・人道的責任を果たすよう訴える。そして、このような不正に対して沈黙してはならないと強く呼びかける。
まだ耳を傾ける者が残っているのであれば、我々は、関係当局に対し、人々を守り、不正を行う者を抑止し、横暴な者の手を封じ、日増しに悪化する無秩序な状況に終止符を打つよう強く求める。
最後にアッラーの御言葉をもって締めくくりたい。
「本当にアッラーは公正と善行、そして近親に対する贈与を命じ、また凡ての醜い行いと邪悪、そして違反を禁じられる。かれは勧告している。必ずあなたがたは訓戒を心に留めるであろう」(蜜蜂賞:90)
アッラーに嘘偽りなし。

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シリア民主軍がダイル・ザウル県で、米主導の有志連合の航空支援を受けて治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られる2人を拘束(2025年8月7日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア民主軍がハワーイジュ・ズィーバーン村で、米主導の有志連合の航空支援を受けて治安作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーと見られる2人を拘束した。

また、シリア人権監視団によると、ジャルズィー村で、ダーイシュのスリーパーセルがシリア民主軍所属の隊員1名を銃撃し、隊員は翌8日に死亡した。

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内務省はイドリブ県でイラク人からなるダーイシュのテロ細胞を摘発したと発表(2025年8月7日)

内務省はフェイスブックを通じて、イドリブ県内務治安部隊司令官のガッサーン・ムハンマド・バキール准将の声明を発表した。

声明の内容は以下の通り。

イドリブ県内務治安部隊は、総合情報機関と協力し、イドリブ県ハーリム郡で、ダーイシュ(イスラーム国)に属するテロ細胞を標的とした高度な治安作戦を実施した。
この作戦により、テロ細胞は完全に壊滅され、その構成員が以下の暗殺事件に関与していたことが判明した。
・サルキーン市における3件の暗殺
・イドリブ西部のアズマリーン村での1件の暗殺
・イドリブ北部のカフティーン村での1件の暗殺
これらの被害者はいずれもイラク国籍の人物であった。
作戦中、特殊任務部隊は、大量の武器が保管された武器庫を発見・押収した。そこには以下のような装備が含まれていた。
・自爆用ベスト
・爆発物各種
・狙撃銃
・軽機関銃
・迫撃砲弾
・爆薬
・製造および爆弾仕掛け専用の作業場
これらすべてが押収された。
我々は、シリア全土の国民の皆様に対し、国家と国民の安全を脅かすいかなる者に対しても断固として立ち向かうとの国家的責務を、揺るぎない決意と共に遂行し続けることを、改めてお伝えする。

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スワイダー県の軍事作戦司令室の幹部:「国際的保護とスワイダー県で発生した事件に関する調査委員会設置のため、米国およびイスラエル双方と調整している」(2025年8月7日)

スワイダー県の軍事作戦司令室の幹部の1人ターリク・マグーシュ氏は、『シャルク・アウサト』の取材に応じ、そのなかで、同評議会が、国際的保護と、7月にスワイダー県で発生した事件に関する調査委員会設置のため、米国およびイスラエル双方と調整していると述べた。

また、イスラエルとの「良好な関係」を強調し、それを「地域の重要なプレーヤー」と見なし、「スワイダー県への攻撃を防ぐ上で重要な役割を果たしてきた。我々はその保護を求める」と高く評価した。

この発言は、アフマド・シャルア移行期政権の司法省がスワイダー県での事件を調査する委員会を設置したのに対抗したもの。

マグーシュ氏は、シャルア移行期政権の調査委員会の受け入れ拒否を改めて強調し、「委員会は住民全体から拒否されている」としたうえで、軍事作戦司令室が調査委員会の活動を「違法」とみなし、立ち入りを拒否すると表明、活動阻止は「礼儀正しく」行い、「スワイダー県での活動は禁止されており、来た場所へ戻るよう伝える」と述べた。

マグーシュ氏によると、「軍事作戦司令室」は、シャーム解放機構を主体とするシリア北西部の反体制派が「攻撃抑止作戦」を開始したのに呼応して結成され、バッシャール・アサド政権の打倒に参画し、スワイダー県を解放した勢力。

マグーシュ氏自身は、ドゥルーズ派の最高宗教指導者のヒクマト・ヒジュリー師の事務所に属し、彼と直接的な関係を持ち、同師から複数の案件を任されているという。

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「北・東シリアの構成体の立場統一」に向けた会議(コンファレンス)の開催を準備する委員会は、8月8日に約500名の代表を一堂に会した大会を開催すると発表(2025年8月6日)

ANHAによると、「北・東シリアの構成体の立場統一」に向けた会議(コンファレンス)の開催を準備する委員会は、8月8日に約500名の代表を一堂に会した大会を開催すると発表した。

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ダイル・ザウル県でダーイシュによるアサーイシュとシリア民主軍を狙った攻撃相次ぐ(2025年8月6日)

ダイル・ザウル県では、ANHAが北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)総司令部の発表として伝えたところによると、ズィーバーン町にある拠点がオートバイに乗った2人組の武装テロリストの銃撃を受け、隊員1人が負傷した。

また、ANHAがアサーイシュ総司令部の発表として伝えたところによると、ブサイラ市とシュハイル村の間に位置するアッタール交差点付近に設置されている検問所が、オートバイからの発砲を受けた。

さらに、ANHAによると、ハジーン市近郊のバフラ村で、シリア民主軍の車輛がダーイシュのスリーパーセルによると盛られる襲撃を受け、兵士2人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、ナムリーヤ村で正体不明の武装グループが若い男性1人を銃で撃ち死亡した。

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ハサカ県では、ANHAが人民防衛部隊(YPG)広報センターの発表として伝えたところによると、シリア民主軍に属する作戦司令室師団(TOL)は、米主導の有志連合の支援のもと、ハサカ市で治安作戦を実施し、テロ攻撃の標的を選定する任務を担っていたとされるダーイシュ(イスラーム国)の幹部1人の身柄を拘束した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、アサーイシュ所属の麻薬撲滅部隊がラッカ市内で治安作戦を実施し、麻薬の取引および販売に関与した疑いのある10人を逮捕した。

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ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会はスワイダー県の自治を担う執行局のメンバー、内務治安部隊の正副司令官を任命(2025年8月6日)

ムワッヒド・ドゥルーズ・ムスリム精神指導部が設置した高等法務委員会は、フェイスブックに公式アカウントを開設し、声明を出した。

声明の内容は以下の通り。

スワイダー県は、政府部隊(国防省傘下の内務省総合治安局)およびそれと行動を共にする悪党集団による虐殺と残虐行為の結果、極めて重大かつ転換点となる局面を迎えている。しかしながら、深い傷を負いながらも、我々の民の中にある生きる意志は潰えることはない。それゆえ、公共の利益の要請、責任意識、そして安全と安心を再び確立することへの強い決意に基づき、そして緊急事態および不可抗力的状況に鑑みて、スワイダー県のドゥルーズ派精神指導部は、以下の判事、弁護士からなる高等法務委員会の設置を決定した。

1. ムハンナド・アブー・ファーウール顧問判事
2. アイマン・ハルフーシュ顧問判事
3. ムフィード・アンマーシャ顧問判事
4. イサーム・アラウィー顧問判事
5. シャーディー・ムルシド判事
6. ムウタッズ・サーイグ判事
7. キヤーン・サッバーフ弁護士
8. アナス・ハートゥーム弁護士
9. ムウタッズ・ラドワーン弁護士

委員会の任務
1. 行政、治安、生活サービスなど、あらゆる分野におけるスワイダー県の自治
2. 政府公共機関および私的機関の維持と保全。
3. すべての市民から抑圧と被害を取り除き、腐敗と闘うこと。

目的および活動枠組み
1. スワイダー県に行政サービスを担う執行局を設立。
2. 救援活動、事実調査・人権侵害の監視、行方不明者・強制失踪者の追跡、殉職者・負傷者への対応、寄付の受け入れと被災者への分配を担当する分科会の設置。
3. 政府公共機関、私的機関、銀行、経済施設の保護。
4. 公私立病院の運営を含む医療および人道問題への対応。
5. その他の人道的・社会的任務。

スワイダー県の平和と尊厳を守るため、我々は今こそ、責任ある行動と団結をもって、危機の克服に立ち向かうことを、すべての市民に呼びかける。

また、この声明に続けて、以下の投稿を発表した。

スワイダーが直面している緊急かつ重大な状況と、住民への迅速なサービス提供の必要性に鑑み、また公共の利益を最優先とする立場から、2025年8月6日に開催された会合において、スワイダー高等法務委員会は以下を決定した。

第1、暫定執行局の設置および各委員に業務を分担する:
1. ワリード・ファドルッラー・カドゥマーニー技師 市町村評議会部門
2. ファーティン・イブラーヒーム・ジューディーヤ技師 社会問題・労働・赤新月社・災害対策・高等教育部門
3. マージド・サイード・バイルーティー弁護士 運輸・通信・電力部門
4. マーズィン・ファーリス・タウィール博士 保健・文化・青少年・スポーツ部門
5. ハルドゥーン・ファウズィー・アブー・サアダ技師 経済・貿易・工業部門
6. ニダール・ムハンマド・アズィーズ技師 計画・予算・公共部門企業部門
7. イサーム・アリージュ弁護士 農業・水資源・不動産登記部門
8. ナウワール・ユーヌス・ナイーム博士 教育・観光・文化遺産・環境・鉱物資源部門。
第2、マーヒル・ガーリブ・アンダーリー氏をスワイダー県事務局長に任命する。
第3、本決定は、関係各所に通達され、施行される。

さらに、以下の投稿も続けて発信した。

スワイダーが直面している緊急かつ重大な状況と、住民への迅速なサービス提供の必要性に鑑み、また公共の利益を最優先とする立場から、2025年8月6日に開催された会合において、スワイダー高等法務委員会は以下を決定した。

第1、シュカイブ・アジュワド・ナスル准将を、スワイダー県内務治安部隊司令官に任命する。
第2、アンワル・アーディル・ラドワーン准将を、スワイダー県内務治安部隊副司令官に任命する。
第3、本決定は、関係各所に通達され、施行される。

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北・東シリア地域民主自治局支配下のダイル・ザウル県でダーイシュによるシリア民主軍への攻撃が多発(2025年8月5日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シュハイル村で男性1人がオートバイに乗った武装した2人組によって銃撃され、死亡した。

また、シリア人権監視団によると、アブリーハ村では、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあると見られる武装グループが北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の軍用車輌を機関銃で襲撃し、要員3人を負傷させた。

さらに、シリア人権監視団によると、ジュナイナ村で、ダーイシュとつながりあると思われる武装グループがシリア民主軍の軍用車輌を狙って即席爆弾を爆発させ、兵士1人を負傷させた。

加えて、シリア人権監視団によると、キバル村とジャズラート村を結ぶ街道を移動中の石油トレーラーがダーイシュの襲撃を受けた。

なお、ダーイシュのスリーパーセルによる北・東シリア地域民主自治局支配地内での攻撃は2025年に入って146件発生しており、78人が死亡している。

死者の内訳は以下の通り。

・60人(うち41人がシリア民主軍および協力部隊の兵士)
・ダーイシュ・メンバー:8人
・民間人:10人
・シリア民主軍の協力者:1人

攻撃の件別内訳と死傷者は以下の通り:
■ダイル・ザウル県(124件)
・死者:42人(シリア民主軍および協力部隊の兵士28人、ダーイシュ・メンバー3人、民間人10人、シリア民主軍の協力者1人)
・負傷者:37人(うちアサーイシュ5人、女性1人、ダーイシュ・メンバー1人)
■ハサカ県(12件)
・死者:12人(ダーイシュ・メンバー4人、内務治安部隊7人、シリア民主軍1人)
・負傷者:2人
■ラッカ県(10件):
・死者6人(シリア民主軍および協力部隊の兵士5人、ダーイシュ・メンバー1人)
・負傷者11人

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スワイダー県での7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数は1,531人に(2025年8月5日)

シリア人権監視団は、スワイダー県で新たに14人の民間人の死亡を確認、7月13日以降の武力衝突、処刑、イスラエル軍の爆撃などによる死者数が1,531人に達したと発表した。

内訳は以下の通り。

・スワイダー県出身者:722人(民間人166人、うち子供21人、女性56人を含む)
・国防省・治安当局関係者:474人(うち40人はベドウィン部族出身、レバノン国籍の武装者1人含む)
・国防省・内務省の要員:15人(イスラエル爆撃により死亡)
・国防省庁舎の爆撃による死亡者:3人(うち女性1人、身元不明の2人)
・ジャーナリスト:2人(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員に処刑された者:312人(女性19人、子供10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者:3人(女性1人と子供1人を含む)

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シリア民主軍のアブディー総司令官:「「ロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)」における決定事項が、アフマド・シャルア暫定政権のとの協議にかけられる予定である」(2025年8月5日)

ANHAは、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官のインタビューの続編を配信した。

アブディー総司令官は、インタビューのなかで、「ロジャヴァ・クルディスタンにおけるクルドの統一と立場の一致に関する会議(コンファレンス)」における決定事項が、アフマド・シャルア暫定政権のとの協議にかけられる予定であると述べた。

北・東シリア地域民主自治局とシャルア機構期政権との会合が7月25日にパリで開催される予定だったが、直前に延期されたことについて、フランスのジャン=ノエル・バロ外務大臣とトーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使から、シャルア移行期政権がスワイダー県での問題への対処で多忙であるため延期されたとの説明を受けたことを明らかにしたうえで、会議の日程の再調整が完了し、北・東シリアに関する行政上の問題(国境管理、石油、シリア民主軍の統合など)や、移行期政権への参加、人民議会選挙、憲法起草、教育制度などが議論されることになると述べた。

トルコとの関係については、相対的な停戦状態を持続可能なものとしつつ、北部の占領地からトルコ軍の撤退などを含め、全面的な問題解決を追求していると述べた。

ダーイシュ(イスラーム国)との戦いについては、有志連合を主導する米国がシャルア移行期政権との共同作戦体制の構築を目指しているとしたうえで、この共同戦線に真摯に対応し、経験を共有する用意があると述べた。

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シリア国民軍の複数部隊がアレッポ県東部のハフサ村とダイル・ハーフィル市の間に位置するイマーム村一帯のシリア民主軍支配地域を4方面から奇襲攻撃(2025年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、4日未明、トルコの支援を受けるシリア国民軍の複数部隊が、県東部のハフサ村とダイル・ハーフィル市の間に位置するイマーム村一帯のシリア民主軍支配地域を4方面から奇襲攻撃した。

この攻撃により、両者の間で戦闘が発生した。

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アサーイシュ麻薬撲滅部隊がアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市で治安作戦を実施し、麻薬の取引・販売に関与した疑いのある4人を逮捕(2025年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ(コバネ)市および同市郊外で、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の麻薬撲滅部隊が、特殊部隊の支援を受けて治安作戦を実施し、麻薬の取引・販売に関与した疑いのある4人を逮捕した。

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シリア民主軍のアブディー総司令官:「統合という概念は共同参画を意味する…。力で押しつけることはできない」(2025年8月4日)

ANHAは、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官に対する独占インタビューを行い、第1部を配信した。

インタビューのなかで、アブディー総司令官は「統合という概念は共同参画を意味する」と明言したうえで、「新たなシリアは、全国のすべての構成要素の間に新しいパートナーシップを築くことを基盤に構築されるべきであり、それを力で押しつけることはできない。ダイル・ザウル県やラッカ県の住民もシリア国家との統合には賛成しているが、既存の機関を維持したいと望んでおり、これらの機関は地元住民の手で運営されるべきだ」と述べた。

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スワイダー県でシャルア移行期政権側による停戦違反相次ぐ(2025年8月4日)

SANAによると、前日の「ヒクマト・ヒジュリーの破壊分子」による停戦違反で閉鎖されていたダルアー県のブスラー・シャーム市の通行所が再開された。

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民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)は、Xを通じて、スワイダー県からブスラー・シャーム市の通行所を経由して90世帯(合計316人、うち女性と子どもを含む)が避難する一方、8世帯(合計31人)がスワイダー県に帰還したと発表した。

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シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア暫定政権の支配地からスワイダー県のイラー村に向かって重機関銃による砲撃が行われ、ドゥルーズ派武装勢力との間で一時戦闘が発生した。

また、同様の停戦違反は、アリーカ村でも発生した。

シリア人権監視団によると、このほかにもアティール村でも同様の停戦違反が発生した。

なお、シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月4日の時点で1,520人に達していると発表した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県住民:723名(うち民間人164名、子ども21名、女性56名を含む)
・国防省、内務省総合治安局の要員:474名(うちベドウィン部族出身者40名、レバノン人武装者1名を含む)
・国防省・内務省の要員:15名(イスラエルの爆撃による死亡)
・防衛省庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3名(うち女性1名、身元不明者2名)
・ジャーナリスト:2名(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員による処刑で死亡:300名(女性17名、子ども10名、高齢男性1名を含む)
ドゥルーズ派武装勢力による処刑:ベドウィン部族出身の民間人3名(女性1名、子ども1名を含む)
スワイダー24 によると、スワイダー県全域で光ファイバーケーブルの障害により、通信とインターネットのサービスが完全に停止した。

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ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)残党の襲撃でシリア民主軍の兵士5人が殺害され(2025年8月3日)

ANHAによると、シリア民主軍の広報センターは、ダイル・ザウル県でのダーイシュ(イスラーム国)残党の襲撃で兵士5人が殺害されたと発表した。

また、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)は、ダルナジュ村の検問所がダーイシュ残党の襲撃を受け、民間人1人が死亡したと発表した。

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スワイダー県でベドウィン・部族系武装勢力とドゥルーズ派武装勢力の戦闘が再開(2025年8月3日)

シリア人権監視団によると、スワイダー県のイラー村近郊のキリスト教墓地を占拠するベドウィン・部族系武装勢力が2日深夜から3日未明にかけて同村を砲撃した。

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これに対して、内務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー県の反乱武装集団が、複数の方面で治安部隊に対して奇襲攻撃を仕掛け、複数の村をロケット弾や迫撃砲で砲撃し、これにより治安部隊の要員に死傷者が出ていると発表した。

また、SANAによると、スワイダー県のタッル・ハディード村、リーマト・ハーズィム村、ウルガー村で、「ヒクマト・ヒジュリーの民兵」が停戦合意を破り、アフマド・シャルア暫定政権の治安拠点に対して組織的な攻撃を仕掛け、同地一帯に侵攻、一時制圧したのに対して、内務省の治安部隊が応戦し、これを撃退、侵攻地域すべてを奪還した。

「ヒクマト・ヒジュリーの民兵」は早朝、治安部隊に対して複数方面で奇襲攻撃を仕掛け、複数の村落をロケット弾や迫撃砲で攻撃、治安部隊の隊員に死傷者が出たが、治安部隊は、当該地域を確保し、戦闘を停止させたことで、停戦が維持されたという。

シリア人権監視団によると、この攻撃で、シャルア暫定政権側の兵士5人とドゥルーズ系武装勢力のメンバー1人が死亡した。

また、シャルア移行期政権の部隊は支援部隊とともに、スワイダー市西部に位置するサアラ村一帯に増援部隊を展開させ、同村の住宅地に対して無差別発砲を行う方、スワイダー市の西部郊外に向けて重機関銃と迫撃砲による攻撃を加えた。

これに対して、ドゥルーズ系武装勢力は、タッル・ハディード村東部やスワイダー市の西部郊外でシャルア移行期政権の部隊の進軍を阻止することに成功した。

また、シャルア暫定政権の内務省総合治安局の部隊が、ダマスカス郊外県のカナーキル村方面からスワイダー県のラサース村に対して砲撃を行った。

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シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月3日の時点で1,496人に達していると発表した。
内訳は以下の通り。
・スワイダー県住民:708名(うち民間人164名、子ども21名、女性56名を含む)
・国防省、内務省総合治安局の要員:474名(うちベドウィン部族出身者40名、レバノン人武装者1名を含む)
・国防省・内務省の要員:15名(イスラエルの爆撃による死亡)
・防衛省庁舎へのイスラエル爆撃で死亡:3名(うち女性1名、身元不明者2名)
・ジャーナリスト:2名(スワイダー県での戦闘中に死亡)
・国防省・内務省の要員による処刑で死亡:291名(女性17名、子ども10名、高齢男性1名を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力による処刑:ベドウィン部族出身の民間人3名(女性1名、子ども1名を含む)

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ANHAによると、ドゥルーズ派の最高宗教指導者であるヒクマト・ヒジュリー師は、スワイダー県の住民およびその防衛部隊に対して声明を発表し、命の安全と尊厳を守ることを目的とした複数の指示を出した。

具体的な指示内容は以下の通り。
・あらかじめ定められた従来の防衛拠点への組織的撤退を徹底すること。
・あらゆる手段を用いて防御施設を強化し、あらゆる潜在的な侵入に備えること。
・共同作戦司令部との直接の調整なしに、個別に行動することを禁ずること。
・自制心を保ち、挑発に乗らないよう努めること。
・新たな指示が出るまでは、住民は自宅に留まること。

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アレッポ県では、ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ市のシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区で、女性らがデモを行い、スワイダー県の女性との連帯を表明、アフマド・シャルア暫定政権による侵害行為を非難した。

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ダマスカス県でオートバイ押収命令に反対する抗議デモ(2025年8月3日)

ヒムス県では、SANAによると、ヒムス市でボーイスカウトが「我ら皆シリア」と銘打ったイベントを開催し、シリアの領土と国民の一体性と主権の堅持、分離主義的プロジェクトへの断固反対の意思を表明した。

を明確にし、シリア政府の努力を全面的に支持することを強調、スワイダー県で失踪した民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)のハムザ・アマーリーン氏の安否情報の公開と、関係当局によるあらゆる措置を講じた上での釈放と安全確保を求めた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、県当局が発出したオートバイ押収命令に反対する抗議デモがウマウィーイーン広場と県庁前で行われた。

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ダイル・ザウル県シャアファ村でダーイシュ(イスラーム国)の襲撃により村の校長が殺害(2025年8月2日)

ダイル・ザウル県では、ANHAによると、クルド民主軍の広報センターは、シャアファ村で、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃により村にある学校の校長が殺害されたと発表した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市のサイフ・ダウラ地区にあるモスク付近で、麻薬取引に関与しているガルビー家とラフィーウ家のグループどうしが交戦した。

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アレッポ県マンビジュ市郊外でシリア民主軍とシャルア移行期政権の軍、トルコ軍が交戦(2025年8月2日)

SANAによると、国防省広報局は、シリア軍が2日21時40分、アレッポ県マンビジュ市郊外のキヤーリーヤ村一帯に設置されている拠点の一つに対するシリア民主軍の部隊の侵入作戦を阻止した。

これに関して、イナブ・バラディーは8月3日、シリア民主軍がキヤーリーヤ村とサイイド村一帯をロケット砲で砲撃し、シリア軍兵士4人と民間人3人が負傷したと伝えた。

これに対して、ロケット弾の発射地を特定し、反撃を実施し、トルコ軍の無人航空機も同地を爆撃した。

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しかし、シリア民主軍は3日、Xを通じて、同軍がシャルア移行期政権の部隊の拠点を攻撃したとの発表を否定、実際には、移行期政権の部隊の一部をなす「無秩序な派閥」が、ダイル・ハーフィル市一帯の境界地で挑発行為と攻撃を繰り返しており、2日夜にも、これらの派閥が住民のいる地域に対して、10発以上の砲弾を根拠もなく発射したと反論した。

そのうえで、シリア民主軍は、これに対し、我が部隊は正当防衛の権利を全面的に行使し、砲弾発射地点に反撃したと主張した。

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スワイダー県のクライヤー町、シャフバー町などで、シャルア暫定政権によるスワイダー県での「虐殺」に抗議するデモ(2025年8月2日)

SANAによると、食料や小麦粉などの人道支援物資を積んだシリア・アラブ赤新月社監督下の貨物車輛10台からなる車列がダルアー県のブスラー・シャームに設置されている通行所を通過し、スワイダー県に物資を輸送した。

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SANAによると、スワイダー県から避難してきた住民386人(大半が女性と子ども)がシリア・アラブ赤新月社の監督のもと、6台の大型バスに乗せられ避難、ダルアー県のブスラー・シャーム市に設置されている通行所に到着した。

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フェイスブックによると、スワイダー県のクライヤー町、シャフバー町などで、アフマド・シャルア暫定政権によるスワイダー県での「虐殺」に抗議するデモが行われた。
デモ参加者は、スワイダー県に対する包囲の解除、人道回廊の開設や、圧政と飢餓政策から市民を守る国際的保護の必要性を訴えた。

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シリア人権監視団は、7月13日以降の戦闘、処刑、イスラエルによる爆撃による死者数の総計が、8月2日の時点で1,490人に達していると発表した。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県出身者:707人(うち民間人164人、子ども21人、女性56人を含む)
・国防省および内務省総合治安局の要員:469人(うちベドウィン部族出身者40人、レバノン人戦闘員1人を含む)
・国防省・内務省所属の要員15人:イスラエルの爆撃によって死亡
・首都ダマスカスへのイスラエルの爆撃で死亡した民間人3人(女性1人、身元不明2人):
・スワイダー県での戦闘中に殺害されたメディア関係者2人
・国防省・内務省の要員によって処刑された住民291人(女性17人、子ども10人、高齢男性1人を含む)
・ドゥルーズ派武装勢力によって処刑されたベドウィン部族出身者3人(女性1人、子ども1人を含む)

また、シリア人権監視団は、7月13日以降の一連の衝突で、少なくとも560人が行方不明となっており、うち52人が女性、26人が子どもだと発表した。

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財務省は、フェイスブックを通じて、スワイダー県の公務員への給与支払い、財務関連職員の安全確保、公金の保全のため、スワイダー県における給与支払いにかかる予算を、暫定的にイズラア市にある銀行支店に移管すると発表した。

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SANAによると、司法省の本庁舎で、「スワイダー事件」調査委員会の第1回会合がマズハル・ワイス司法大臣の主宰のもとに開催された。

会合後、委員たちは内部作業会議を行い、ハーティム・ナアサーン判事を委員長に、アンマール・イッズッディーン弁護士を報道担当に選出した。

さらに、司法省内に常設の委員会事務所を設置し、スワイダー県住民からの苦情受付のための専用電話回線を2本開設することも決定された。

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シリア民主軍のアブディー総司令官:「民族・宗教間の対立は、これまで暫定政権が取ってきた政策の結果だ」(2025年8月1日)

シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、『インディアン・エクスプレス』のインタビューに応じた。

インタビューでのアブディー総司令官の主な発言は以下の通り。

重要なのは、他の全ての武装勢力がシリア軍に統合され、軍が国民的アイデンティティを持ち、全てのシリア国民を守る役割を果たす明確な道筋を持つことだ。つまり、軍は特定の利害に従属してはならない。シリアの安定を確保するためには、すべてのシリア国民の意思を代表し、彼らを保護する民主的な制度が必要だと考えている。
これらの紛争や戦争(民族・宗教間の対立)は、これまで暫定政権が取ってきた政策の結果だ。シリアは多様な国であり、安定を維持するには、あらゆる集団とアイデンティティの権利が保護され、意思決定プロセスに参加できるようにする必要がある。例えば、政府は選挙を通じて地域評議会を設立し、各地域の事務を管理させることができる。さらに重要なのは、治安部隊や軍が民族・宗教間の戦争の当事者になってはならないということだ。

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ダイル・ザウル県でダーイシュがシリア民主軍、アサーイシュを相次いで襲撃(2025年8月1日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、7月31日深夜から8月1日未明にかけ、ズィーバーン町にあるシリア民主軍の軍事拠点が、ダーイシュ(イスラーム国)に属するとみられる武装グループの襲撃を受け、兵士6人が死傷した。

また、ANHAによると、ハワーイジュ・ズィーバーン村に設置されている北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所が武装グループの襲撃を受け、アサーイシュ部隊が戦闘の末、これを撃退した。

シリア人権監視団によると、この戦闘で武装グループのメンバー1人が負傷した。

さらに、シリア人権監視団によると、ハワーイジュ・ブーマスア村でも、ダーイシュのスリーパーセルによる攻撃が発生し、アサーイシュの車輌が銃撃を受け、隊員1人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、カラーマ村では、ダーイシュのスリーパーセルがシリア民主軍の軍用車輌を攻撃し、兵士1人が負傷、これを受けてアサーイシュが現場周辺を捜索し、襲撃に関与した疑いのある4人を拘束した。

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スワイダー県各所でシャルア移行期政権を拒否する抗議デモ:首都ダマスカスなど移行期政権支配地では外国、とりわけイスラエルの干渉に反対するデモ(2025年8月1日)

シリア人権監視団スワイダー24によると、スワイダー県内の各所で一斉にデモが行われ、アフマド・シャルア移行期政権を拒否し、同政権の全ての部隊の県からの撤退を要求した。

デモが行われたのは、スワイダー市のカラーマ広場、シャフバー町、サリーム村など。

スワイダー24によると、デモはまた、サルハド市、カナワート市、マフアラ村、アブー・ズライク村など複数の村々でも行われ、市民数百人が参加した。

参加者たちは、スワイダー県の生活インフラが麻痺し、人道状況が悪化している現状を踏まえて、同県に対するアフマド・シャルア移行期政権による封鎖を解除すること、ヨルダンとの間に人道回廊を開設して民間人の生活必需品を確保し、自由な移動を保証することなどを訴えた。

また、同県での一連の事件を調査するために7月31日に司法省が設置した委員会が独立性と信頼性に欠けると批判、中立的な国際調査を開始するよう求めた。

デモでは、「お前らを信用しない」、「独立国際委員会を求める」、「シリア国営メディアは嘘つきだ」といったシュプレヒコールが連呼され、同様のスローガンが書かれた横断幕が掲げられ、シャルア移行期政権への不信感が表明された。








スワイダー24によると、スワイダー市のカラーマ広場でのデモには、数百人が参加した。

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一方、SANAによると、ダマスカス県のウマウィーイーン広場で、シリアの内政への外国、とりわけイスラエルからの干渉に反対し、国家によるシリア全土の治安強化の取り組みを支持するデモが行われ、市民らが参加した。

デモ参加者は、シリア国旗や、国民の団結を堅持し、一つの国民としての平和を守り、あらゆる扇動的な言動を拒否することを訴える横断幕を掲げた。

参加者たちはSANAの取材に対し、敵が押し付けようとする分裂の企図を拒み、違法な武装勢力との戦いにおいて軍と治安部隊を支持すると強調した。

また、参加者たちは、宗派主義的・分裂主義的な全ての声に対抗する愛国的な言説の必要性を訴え、シリアは国民の結束と自由な主権国家への強い願いによって、いかなる分断の試みをこれからも阻み続けると強調した。

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シリア人権監視団によると、シャルア移行期政権支配下のダルアー県のサナマイン市とダマスカス郊外県のハラスター市でも同様のデモが行われた。

また、シリア人権監視団によると、同様の抗議デモは、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場、ラタキア市中心部の広場などでも行われた。

これらの集会は厳戒態勢のもと、国営メディアが大きく取り上げる中で行われ、活動家の一部は「当局による組織的な政治プロパガンダの演出」に近いものと評しているという。

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シリア人権監視団:シリア民主軍はシャルア暫定政権との交渉が不調に終わった場合、トルコと接近し「国民誓約」(ミサク・ミッリ)に応じることを検討(2025年8月1日)

シリア人権監視団は特別情報として、シリア民主軍の司令部が、アフマド・シャルア暫定政権との交渉が不調に終わり、政治的成果を得られなかった場合、トルコとの接近やオスマン帝国議会で1920年に採択された「国民誓約」(ミサク・ミッリ)に応じることを検討していることが明らかになったと発表した。

一部の情報筋によると、トルコはシリア民主軍とシャルア暫定政権の和解交渉を意図的に妨害し、シリア民主軍を自国の政治的枠組みに引き込み、「国民誓約」に沿った形で同盟者を確保する戦略をとっているという。

一部分析では、トルコ政府とクルディスタン労働者党(PKK)のアブドゥッラ・オジャラン指導者の間で進められる和平プロセスもこの戦略に関連しており、北・東シリアの勢力バランスを再構築するための政治的・戦略的布石になる可能性があるとみられている。

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SANAによると、トルコ航空の運航便が、140人の乗客を乗せて、14年ぶりにイスタンブール空港からアレッポ国際空港に到着した。

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ダイル・ザウル県シャアファ村でダーイシュのスリーパーセルと見られる正体不明の武装グループがシリア民主軍の車輛を襲撃(2025年7月31日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャアファ村で、オートバイに乗ったダーイシュのスリーパーセルと見られる正体不明の武装グループがシリア民主軍の車輛を襲撃、兵士1人と同行していた民間人1人を殺害、運転手を負傷させた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるシャッダーディー市とフール町を結ぶ街道で、正体不明の武装グループが民間人に対して強盗を試みたが、標的となった人物が自衛のため発砲、襲撃者1人が死亡、他2人が負傷した。

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ハサカ県のフール・キャンプ、ロジュ・キャンプに収容されていたイラク人約250世帯が北・東シリア地域民主自治局とイラク国民議会との連携のもとイラクに帰国(2025年7月31日)

ANHAによると、ハサカ県のフール・キャンプに収容されていたイラク人233世帯812人が北・東シリア地域民主自治局とイラク国民議会の治安委員会、移民避難民委員会との連携のもと、イラクに帰国した。

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また、ANHAによると、ロジュ・キャンプに収容されていたイラク人15世帯67人も帰国した。

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シリア民主評議会議長評議会:「移行期は解決への道を開くどころか混乱を固定化している」(2025年7月30日)

ANHAによると、シリア民主評議会の議長評議会は、ハサカ市で定例会議を開催し、現下の課題について協議した。

会議には、ライラー・カラ・マーン共同議長、マフムード・ムスラト共同議長(ビデオ参加)、北・東シリア地域民主自治局渉外委員会のイルハーム・アフマド共同議長、ならびに議長評議会メンバーが出席した。

会議のなかで、カラ・マーン共同議長は「移行期は解決への道を開くどころか混乱を固定化している」と指摘、「排除は国民を団結させず、暴力は国家を築かない。今必要なのは、支配ではなくパートナーシップに基づいた包括的な国家プロジェクトだ」と強調した。

カラ・マーン共同議長は、最近のスワイダー県の情勢についても触れ、「部族が自らの歴史に反する紛争に巻き込まれることはあってはならない」と述べ、とりわけ女性や子どもに対する違反行為について独立調査を求めるとともに、「シリア国民の尊厳は取引の対象ではない。新たなシリア建設の基盤は正義であるべきだ」と述べた。
さらにカラ・マーン共同議長は、フランスの首都パリでのトーマス・バッラク在トルコ米大使兼務シリア担当特使、フランスのジャン=ノエル・バロ外務大臣、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣らが参加した会合に言及、「国際社会からのメッセージは明確だった。権力側は駆け引きや妨害をやめ、本気で政治プロセスに戻るべきだ」と強調した。

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