シリア政府の動き:シリア政府によるスワイダーでの衝突仲裁(2014年9月4日)

クッルナー・シュラカー(9月4日付)によると、8月半ばにスワイダー県ダーマー村住民と、同村周辺のベドウィン、ジハード主義武装集団との間で発生した武力衝突に関して、シリア軍のイザームザフルッディーン准将が、レバノン・タウヒード潮流のウィアーム・ワッハーブ代表らを伴い、スワイダー市に仲裁のために派遣された。

AFP, September 4, 2014、AP, September 4, 2014、ARA News, September 4, 2014、Champress, September 4, 2014、al-Hayat, September 5, 2014、Kull-na Shuraka’, September 4, 2014、al-Mada Press, September 4, 2014、Naharnet, September 4, 2014、NNA, September 4, 2014、Reuters, September 4, 2014、SANA, September 4, 2014、UPI, September 4, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年9月3日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市西部に位置するシューラー地区をシリア軍が空爆し、近くを走っていた旅客バスに乗っていた子供10人を含む16人が死亡した。

しかしこれに関して、SANA(9月3日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市・ダマスカス県街道上のシューラー地区で、シュアイタート部族の子息13人を「虐殺」したとし、攻撃がシリア軍ではなくダーイシュによるものだと伝えた。

また、SANAによると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ガリーバ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(9月3日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、タッル・アブヤド市西部のアフマディーヤ村を制圧した。

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ハサカ県では、ARA News(9月3日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区をシリア軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃した。

AFP, September 3, 2014、AP, September 3, 2014、ARA News, September 3, 2014、Champress, September 3, 2014、al-Hayat, September 4, 2014、Kull-na Shuraka’, September 3, 2014、al-Mada Press, September 3, 2014、Naharnet, September 3, 2014、NNA, September 3, 2014、Reuters, September 3, 2014、SANA, September 3, 2014、UPI, September 3, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:アサド大統領がイラン使節団と会談(2014年9月3日)

アサド大統領は、イラン・シリア経済関係振興委員会のロストム・カーセミー委員長などからなるイランの使節団とダマスカスで会談した。

SANA(9月3日付)によると、会談では、シリア・イランの経済関係強化について意見を交わした。

カーセミー委員長は会談で、シリアによる「テロとの戦い」を賞賛する一方、アサド大統領は、イランによる復興支援への積極姿勢を高く評価した。

SANA, September 3, 2014
SANA, September 3, 2014

AFP, September 3, 2014、AP, September 3, 2014、ARA News, September 3, 2014、Champress, September 3, 2014、al-Hayat, September 4, 2014、Kull-na Shuraka’, September 3, 2014、al-Mada Press, September 3, 2014、Naharnet, September 3, 2014、NNA, September 3, 2014、Reuters, September 3, 2014、SANA, September 3, 2014、UPI, September 3, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:ダーイシュが米国人記者を斬首(2014年9月2日)

ダーイシュ(イスラーム国)が、2013年に8月にシリア国内で拉致され消息を絶っていた米国人ジャーナリストのスティーブン・ソトロフ氏(31歳)を斬首し、殺害したとみられる映像がインターネット上で公開された。

斬首を執行した黒覆面の男は、映像のなかで、「オバマよ、私は戻ってきた。米国がダーイシュ(イスラーム国)に対する傲慢な外交政策をとり、我々の真剣な警告にかかわらずモスル・ダムなどへの攻撃を続けているからだ。米国が我々にミサイル攻撃を継続すれば、我々のナイフも米国人の首を斬り続けることになる」と述べた。

またこの男性は、英国人の人質についても脅迫し、各国に「イスラーム国に対抗する米という悪の連合」に参加しないよう警告した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ムジャーヒディーン軍とヌールッディーン・ザンキー運動が、アレッポ市カッラーサ地区でアンサールッディーン戦線に所属するイスラームの光大隊と交戦の末、同大隊メンバーを「ダーイシュ(イスラーム国)への内通」罪で逮捕した。

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ハサカ県では、ARA News(9月2日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区に籠城する武装集団(グワイラーン自由人大隊)がハサカ市内に迫撃砲を発射し、県庁近くなどに着弾、女性1人を含む住民2人が死亡した。

また、ARA News(9月1日付)によると、ハサカ県グワイラーン地区周辺でシリア軍、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、グワイラーン自由人大隊と交戦、またシリア軍が同地区を砲撃した。

一方、ARA News(9月2日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、イラク国境に近いジャズア村を制圧したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ダイル・ザウル航空基地近郊のムーハサン市、マリーイーヤ村、ブー・ウマル村を空爆、また同飛行場制圧をねらうダーイシュ(イスラーム国)の集結もあいまって、多数の住民が避難を本格化させた。

また、ARA News(9月2日付)によると、シリア軍は、ダイル・ザイル市シャイフ・ヤースィーン地区、ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、ムハイミーダ村に対して、激しい空爆、砲撃を行った。

さらに、ダーイシュはムーハサン市で青年3人を背教の罪で公開処刑した。

一方、SANA(9月2日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、工業地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ARA News(9月4日付)によると、ジャアファル航空旅団司令官のサリーム・ハーリド・アブー・ムハンマド・アカイディー氏が、マヤーディーン市にあるCONOCO油田に設けられたダーイシュ(イスラーム国)の拘置所から17人の逮捕者とともに脱獄することに成功した。

アカイディー氏は9月20日にハサカ県シャッダーディー市一帯での戦闘で捕捉され、同拘置所に収監されていた。

AFP, September 2, 2014、AP, September 2, 2014、ARA News, September 2, 2014、September 4, 2014、Champress, September 2, 2014、al-Hayat, September 3, 2014、Kull-na Shuraka’, September 2, 2014、al-Mada Press, September 2, 2014、Naharnet, September 2, 2014、NNA, September 2, 2014、Reuters, September 2, 2014、SANA, September 2, 2014、UPI, September 2, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き:国家計画協力委員会人事(2014年9月2日)

アサド大統領は2014年布告第275号を発し、ライーマ・マーディリー女史を国家計画協力委員会委員長に任命した。

AFP, September 2, 2014、AP, September 2, 2014、ARA News, September 2, 2014、Champress, September 2, 2014、al-Hayat, September 3, 2014、Kull-na Shuraka’, September 2, 2014、al-Mada Press, September 2, 2014、Naharnet, September 2, 2014、NNA, September 2, 2014、Reuters, September 2, 2014、SANA, September 2, 2014、UPI, September 2, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年9月1日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているムーハサン市一帯を、シリア軍が空爆した。

一方、SANA(9月1日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、アルディー地区、ジュバイラ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシリア軍は、ティーム油田周辺一帯を制圧、ダーイシュをマリーイーヤ村、ブー・ウマル村方面に放逐したという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が上ハムザム村、ウンム・ジャッバーブ村近郊で、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また7月にダーイシュの攻撃を受けたシャーイル油田では、同油田の守衛ら39人の遺体が発見された。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)によって占拠されているシャッダーディー市一帯を、シリア軍が空爆した。

AFP, September 1, 2014、AP, September 1, 2014、ARA News, September 1, 2014、Champress, September 1, 2014、al-Hayat, September 2, 2014、Kull-na Shuraka’, September 1, 2014、al-Mada Press, September 1, 2014、Naharnet, September 1, 2014、NNA, September 1, 2014、Reuters, September 1, 2014、SANA, September 1, 2014、UPI, September 1, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:ダーイシュが「ユーフラテス州」設置を発表(2014年8月31日)

ダーイシュ(イスラーム国)は、シリアのハサカ県ブーカマール市とイラクのアンバール県カーイム市、および両市周辺のシリア・イラク国境地帯を「ユーフラテス州」とすると発表した。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はこれに関して、ダーイシュがサイクス・ピコ条約での英仏による国境確定を打破しようとする意思の表れとの見方を示した。

なお、ダーイシュは、ラッカ県を「ラッカ州」、ハサカ県を「ハイル州」と称しているが、州の設立を公に発表するのはこれが初めて。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(9月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、大学教授を「人民議会議員、バアス党員で、大学で法律を教授している」との罪で処刑、またバアス党支部の書記長を「背教者とヌサイル派体制に忠誠を尽くしている」との罪でそれぞれ処刑したという。

処刑された議員、支部長の身元は不明。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍はダーイシュが集結しているダイル・ザウル航空基地周辺を空爆した。

他方、SANA(8月31日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、アルディー地区、工業地区、ジュバイラ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がラッカ市内のダーイシュ(イスラーム国)拠点を7回にわたって空爆した。

空爆はダーイシュが「イスラーム警察」本部を置いている国立競技場、政治治安部、国立病院一帯、アキールシー村一帯(ウサーマ・ビン・ラーディン基地一帯)、スィバーヒーヤ村一帯、サブハ村一帯に対して行われ、スィバーヒーヤ村一帯への空爆で子供5人が死亡した。

またスルーク町では、ダーイシュがタブカ航空基地で捕捉したシリア軍兵士2人を処刑した。

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アレッポ県では、ARA News(9月2日付)によると、イスラーム国(ダーイシュ)がアイン・アラブ市西部のアーシャミー村を襲撃しようとしたが、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がこれを撃退、ダーイシュ戦闘員10人を殲滅した。

またARA News(8月31日付)によると、クルド人戦線旅団がマーリア市近郊でダーイシュ(イスラーム国)メンバー2人を拘束した。

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ハサカ県では、ARA News(8月31日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区に対してシリア軍が砲撃を行う一方、同地区入り口で「イスラーム国」(ダーイシュ)と交戦した。

AFP, August 31, 2014、AP, August 31, 2014、ARA News, August 31, 2014、September 2, 2014、Champress, August 31, 2014、al-Hayat, September 1, 2014、Kull-na Shuraka’, August 31, 2014、al-Mada Press, August 31, 2014、Naharnet, August 31, 2014、NNA, August 31, 2014、Reuters, August 31, 2014、SANA, August 31, 2014、UPI, August 31, 2014などをもとに作成。

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70%以上がシリア政府と反体制派の直接交渉による紛争解決を支持(SADA世論調査)

反体制NGOのサダー研究世論調査機構は、紛争解決に向けたシリア政府と反体制派の直接対話に関する世論調査を実施し、70%以上が対話を支持しているとする結果を発表した(http://www.sadasy.org/?p=101)。

世論調査は、トルコ、レバノン、ヨルダンで暮らすシリア人避難民、シリア国内の複数の都市(場所は不明)居住者1,700人の対象に7月15日から8月10日にかけて実施、回答者は女性を全体の40%、40歳未満を全体の60%に配分するかたちでランダムに選択された。

結果は以下の通り:

1. シリア政府との直接交渉が紛争解決の糸口となるか? なる638人、ならない395人、国際社会が保障すればなる607人。

2. 国内の反体制派(民主的変革諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流など)はこの交渉で反体制派の一部とみなし得るか? みなし得る689人、みなし得ない640人、交渉における提案次第311人。

3. 国内での戦闘停止を交渉開始の条件とすべきか? すべき1,164人、すべきでない214人、優先事項とすべき262人。

4. 大国が交渉を監督、保障すべきか? すべき1,378人、すべきでない147人、アラブ諸国がすべき115人。

5. 交渉の期間はどのくらいかかると思うか? 1年以下98人、2年以下148人、3年以下295人、長期間を要する1,099人。

 

イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月30日)

ダイル・ザウル県では、SANA(8月30日付)によると、ムーハサン市、マリーイーヤ村、ブー・ウマル村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団が、ハサカ市グワイラーン地区の話として、同地区で活動する武装集団を指導する「チュニジア人アミール」が、ダーイシュ(イスラーム国)への忠誠を宣言する準備をしていることを明らかにした。

これに関して、ARA News(8月30日付)は、シリア軍が、ダーイシュのチュニジア人司令官「アブー・ズバイル」がグワイラーン地区に潜入し、同地区の武装集団の司令官になったことを受け、同地への総攻撃の準備を行っている、と報じた。

このほか、シリア人権監視団によると、ムーハサン市、マヤーディーン市で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対する空爆を行った。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)が、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

AFP, August 30, 2014、AP, August 30, 2014、ARA News, August 30, 2014、Champress, August 30, 2014、al-Hayat, August 31, 2014、Kull-na Shuraka’, August 30, 2014、al-Mada Press, August 30, 2014、Naharnet, August 30, 2014、NNA, August 30, 2014、Reuters, August 30, 2014、SANA, August 30, 2014、UPI, August 30, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月29日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)の教育事務局(ディーワーン・タアリーム)が布告を出し、シリア国内の制圧地域において、美術、音楽、カウミーヤ(愛国教育)、歴史、体育、哲学、宗教(イスラーム教、キリスト教)の授業などを廃し、新たな教育方針を採用、また「シリア・アラブ共和国」という言葉を削除し、「イスラーム国」に書き換えると発表した。

また同監視団によると、シリア軍がラッカ県のダーイシュ拠点に対する空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の一大拠点であるダイル・ザウル航空基地攻略に向けて、ダーイシュ(イスラーム国)は「エリート部隊」の投入を開始した。

一方、SANA(8月29日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、工業地区、ラサーサ地区、ラシュディーヤ地区で、シリア軍がイスラーム国(ダーイシュ)と交戦、複数のダーイシュ戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、スーラーン・アアザーズ町周辺(アフティームッラート村方面)で、ダーイシュ(イスラーム国)とジハード主義武装集団が交戦した。

AFP, August 29, 2014、AP, August 29, 2014、ARA News, August 29, 2014、Champress, August 29, 2014、al-Hayat, August 30, 2014、Kull-na Shuraka’, August 29, 2014、al-Mada Press, August 29, 2014、Naharnet, August 29, 2014、NNA, August 29, 2014、Reuters, August 29, 2014、SANA, August 29, 2014、UPI, August 29, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月28日追記)

ハサカ県では、ARA News(8月29日付)が地元住民の話として、米軍戦闘機がイラク国境に面するヤアルビーヤ町周辺のマフムーディーヤ村、ジャズア村、ハドアーン村のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行ったと報じた(未確認情報)。

また、この空爆直後にジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村とマアバダ(カルキールキー)町の南部で巨大な爆発が起きたという。

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アレッポ県では、ARA News(8月29日付)によると、アイン・アラブ市郊外のジャブナ村、タッル・ザーグルース村、タアラク村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ダーイシュ戦闘員20人を殺害した。

ARA News, August 29, 2014をもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き:シリア軍がダーイシュ拠点をピンポイント爆撃(2014年8月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、SANA(8月28日付)によると、シリア軍がムーハサン市にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュの司令官少なくとも6人を殺害することに成功した。

シリア軍が空爆した拠点は、自由シリア軍ダイル・ザウル軍事評議会スッカル・アフマド准将(アブー・ニダール)の自宅で、ダーイシュの司令官ら(外国人)が会合を開いており、アフマド准将、イブラーヒーム・アブドゥッラー氏らが死亡、会合に出席していた司令官のほとんどが死傷したという。

自由シリア軍ダイル・ザウル軍事評議会は、ダーイシュのカリフ制樹立を受け、アブー・バクル・バグダーディー氏に忠誠を誓っていた。

アフマド准将はダイル・ザウル航空基地を攻略するための作戦司令室司令官を務めていた。

シリア軍がダーイシュ拠点に対してピンポイント爆撃を行うのは「これが初めて」で、シリア人権監視団によると、これに先だって「シリア軍ではない外国の偵察機」が標的を設定するために旋回をしていたという。

同監視団によると、シリア軍は「外国の偵察機」が収集した情報を、ロシアとイラクを通じて入手し、空爆に踏み切ったものと思われるという。

一方、SANA(8月28日付)によると、シリア軍は、ムーハサン市の他、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、サーア地区、マリーイーヤ村、シュマイティーヤ町、フライジーヤ村のダーイシュ拠点に対しても、空爆などの攻撃を行った。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がラッカ市のサキーナ学校で、タブカ航空基地から撤退中に捕虜となったシリア軍兵士約50人を処刑し、そのビデオ、画像をインターネットを通じて公開した。

公開されたビデオのなかには、ダーイシュ戦闘員にあしざまにされているシリア軍兵士数百人が写っているが、彼らの多くの消息は不明で、また複数の活動家によると、すでにシリア軍兵士250人が処刑されたという。

またタブカ航空基地での戦闘では、シリア軍兵士200人、ダーイシュ戦闘員246人が死亡、飛行場から撤退したシリア軍兵士のうち数百人が依然として消息不明だという。

Kull-na Shuraka', August 28, 2014
Kull-na Shuraka’, August 28, 2014
Kull-na Shuraka', August 28, 2014
Kull-na Shuraka’, August 28, 2014
Kull-na Shuraka', August 28, 2014
Kull-na Shuraka’, August 28, 2014

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シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)のカリフを名乗るアブー・バクル・バグダーディー氏が、結婚を希望するすべてのダーイシュ・メンバーに、1,200米ドルの奨励金、家具付き住居を支給することを命じたと発表した。

AFP, August 28, 2014、AP, August 28, 2014、ARA News, August 28, 2014、Champress, August 28, 2014、al-Hayat, August 29, 2014、Kull-na Shuraka’, August 28, 2014、al-Mada Press, August 28, 2014、Naharnet, August 28, 2014、NNA, August 28, 2014、Reuters, August 28, 2014、SANA, August 28, 2014、UPI, August 28, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月27日)

Turkey Today(8月27日付)によると、トルコ軍警察は、自爆ベルトを身につけ、ハサカ県ラアス・アイン市からトルコ領内に潜入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)メンバーだという女性1人を逮捕した。

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オーストラリア保安情報部のデーヴィッド・アーバイン長官は、シリア・イラクでオーストラリア人ジハード主義者15人が死亡、うち2人が自爆攻撃を行ったことを明らかにした。

アーバイン長官はまた、60人程度のオーストラリア人がダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に参加し、シリアやイラクで戦闘を行っていると付言した。

『ハヤート』(8月28日付)が伝えた。

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シリアでの人権侵害を調査するために国連が設置した国際調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)は、最新の報告書を発表し、シリア軍や反体制武装集団に加えて、ダーイシュ(イスラーム国)が同国の紛争に関与し、「複合要因に左右される戦闘に変貌した」と指摘、またダーイシュによる処刑、拷問などを「人道に対する罪」と非難した。

調査機関は2014年1月中旬から7月中旬で、480人に対して聞き取り調査を行ったという。

一方、報告書では、シリア軍が4月に8カ所に対して塩素ガスを装填した「樽爆弾」を投下した疑いがあると指摘した。

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ドイツ外務省報道官は、ドイツが、米国などとダーイシュ(イスラーム国)に対する軍事介入の可能性について協議しているとしたうえで、ドイツがこの軍事介入に参加することはないだろうと付言した。

『ハヤート』(8月28日付)が伝えた。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、Turkey Today, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月27日)

アレッポ県では、SANA(8月27日付)によると、アルシャーフ村、フサーミーヤ村、ブラート村、タッル・シャイール、マンスーラ村、カフルハムラ村、ハイヤーン町、製材所、航空士官学校一帯、アレッポ市サーフール地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)などの反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の一大拠点であるダイル・ザウル航空基地周辺で、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍が交戦した。

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ラッカ県では、SANA(8月27日付)によると、バアス・ダム一帯で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の拠点・武器庫を攻撃し、戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月27日)

アサド大統領は、2014年布告第273号を発し、第2次ワーイル・ハルキー内閣を発足させた。

第2次ワーイル・ハルキー内閣の閣僚は以下の通り:

1. 首相:ワーイル・ナーディル・ハルキー(アラブ社会主義バアス党)

2. 副首相兼外務在外居住者大臣:ワリード・ムアッリム(アラブ社会主義バアス党)

3. 福祉問題担当副首相、地方自治大臣:ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー(アラブ社会主義バアス党)

4. 運輸大臣:ガズワーン・ハイル・ビク(不明)

5. 観光大臣:リヤード・ヤーズジー(不明)

6. 教育大臣:ハズワーン・ワッズ(アラブ社会主義バアス党)

7. 経済対外通商大臣:ハマーム・ジャザーイリー(不明)

8. 工業大臣:カマールッディーン・トゥウマ(不明)

9. 公共事業大臣:フサイン・アルヌース(アラブ社会主義バアス党)

10. 高等教育大臣:ムハンマド・アーミル・マールディーニー(不明)

11. 国内通商消費者保護大臣:ハッサーン・サフィーヤ(不明)

12. 国防大臣:ファフド・ジャースィム・フライジュ(アラブ社会主義バアス党)

13. 財務大臣:イスマーイール・イスマーイール(不明)

14. 社会問題大臣:キンダ・シャンマート(不明)

15. 水資源大臣:カマール・シーハ(不明)

16. 宗教関係大臣:ムハンマド・アブドゥッサッタール(無所属)

17. 住宅都市開発大臣:ムハンマド・ワリード・ガザール(アラブ社会主義バアス党)

18. 情報大臣:ウムラーン・アーヒド・ズウビー(アラブ社会主義バアス党)

19. 石油鉱物資源大臣:スライマーン・アッバース(不明)

20. 環境問題大臣:ナズィーラ・ファラフ・サルキース(不明)

21. 通信技術大臣:ムハンマド・ガーズィー・ジャラーリー(不明)

22. 電力大臣:イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース(アラブ社会主義バアス党)

23. 内務大臣:ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール(アラブ社会主義バアス党)

24. 農業・農業改革大臣:アフマド・カーディリー(不明)

25. 文化大臣:イサーム・ハリール(アラブ社会主義バアス党)

26. 法務大臣:ナジュム・ハマド・アフマド(不明)

27. 保健大臣:ニザール・ワフバ・ヤーズジー(不明)

28. 労働大臣:ハラフ・スライマーン・アブドゥッラー(不明)

29. 行政開発担当国務大臣:ハッサーン・ヌーリー(無所属)

30. 国民和解問題担当国家大臣:アリー・ハイダル(シリア民族社会党インティファーダ派)

31. 人民議会担当国務大臣:アブドゥッラー・ハリール・フサイン(シリア共産党ウィサール・ファルハ・バクダーシュ派)

32. 大統領担当国務大臣:マンスール・ファドルッラー・アッザーム(アラブ社会主義バアス党)

33. 国務大臣:ジャマール・ジャアバーン・シャーヒーン(社会統一主義者党)

34. 国務大臣:ハスィーブ・イリヤース・シャンマース(不明)

35. 国務大臣:ムハンマド・ムティーア・ムアイイド(アラブ社会主義連合党)

SANA, August 27, 2014
SANA, August 27, 2014

AFP, August 27, 2014、AP, August 27, 2014、ARA News, August 27, 2014、Champress, August 27, 2014、al-Hayat, August 28, 2014、Kull-na Shuraka’, August 27, 2014、al-Mada Press, August 27, 2014、Naharnet, August 27, 2014、NNA, August 27, 2014、Reuters, August 27, 2014、SANA, August 27, 2014、UPI, August 27, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月27日)

『クドス・アラビー』(8月27日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家による非公式会合(https://syriaarabspring.info/wp/?p=13103)に関して、シリア国内から民主統一党、民主的諸勢力国民調整委員会、ロナーク機構(シリアのクルド人NGO)の代表、ロシア、イラン、サウジアラビア、米国、イラク・クルディスタン地域、トルコのPKKの高官が参加した、と報じた。

同紙によると、欧米諸国が「シリア国民の唯一の正統な代表」としていたシリア革命反体制勢力国民連立のメンバーも会合には参加したが、連立代表としてではなく、個人としての参加だったと付言した。

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『ワタン』(8月27日付)は、パリで行われたとされるシリア政府高官と離反「上級士官」との非公式会合に関連して、マナーフ・トゥラース氏(元共和国護衛隊准将)に対し、離反を撤回し、帰国すれば、「高い地位」を保障するとのシリア政府のメッセージが伝えられた、と伝えた。

al-Quds al-‘Arabi, August 27, 2014、al-Watan, August 27, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月26日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市の部族事務(ディーワーン・アシャーイル)局で、ジハード主義者など反体制武装集団メンバー320人以上が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓い、加入した。

シリア人権監視団によると、8月19日の時点で、ダーイシュの訓練キャンプに6,300人が参加、このうち5,000人がシリア人、800人が元反体制武装集団メンバー、約1,300人が外国人(アラブ人、欧米出身者、チェチェン人、東南アジア出身者、中国人、クルド人)だという。

外国人戦闘員1,300人のうち、1,100人が最近になってシリア国内に不法入国、また約200人がシャームの民のヌスラ戦線からの離反者だという。

またシリア人権監視団によると、ダーイシュは戦闘員に対して毎月400米ドルを支給、家族を連れてきた者に対しては、妻に月100ドル、子供一人あたり50ドルを支給しているほか、住居、燃料などを保証している、という。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部でダーイシュ(イスラーム国)がジハード主義武装集団(イスラーム戦線)と交戦し、イスラーム戦線側の戦闘員2人が死亡した。

またシリア軍は、ハルバ村を空爆し、女性1人と子供2人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(8月26日付)によると、航空士官学校周辺、アアザーズ市、ダービク村、マンスーラ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市ハナーヌー地区、ラームーサ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)などの反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダイル・ザウル市内のダーイシュ(イスラーム国)の拠点、シュマイティーヤ町の訓練キャンプ、同村に隣接するタッル・ターブース一帯などに対して初の本格的な空爆を実施した。

被害状況は明らかでないが、ダーイシュ本部(場所不明)に隣接する地区へのシリア軍の空爆では7人が死亡したという。

シリア軍による本格空爆は、ダーイシュがダイル・ザウル県におけるシリア軍の一大拠点であるダイル・ザウル航空基地攻略の準備を進めていることを受けた動きだという。

一方、SANA(8月26日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、旧空港地区、工業地区、ウルフィー地区、ハウィーカ地区、ラサーファ地区、ナズラト・ラディーサート地区のダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して、シリア軍が攻撃を行い、多数の「テロリスト」を殲滅した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が民間人の服をまといラアス・アイン市に潜入、市内にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を襲撃した。

これにより、人民防衛隊隊員複数名が死亡、ダーイシュ戦闘員1人が負傷したという。

一方、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の合同検問所から、ハサカ市グワイラーン地区に対して砲撃が行われた。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月26日)

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治報道補佐官は、ダーイシュ(イスラーム国)によって処刑された米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏に関して、BBCラジオ4(8月26日付)に対して、「処刑は昨年行われ、そのビデオが最近になって公開された…。国連は処刑が昨年行われたことを知っている」と述べた。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、BBC Radio 4, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年8月25日追記)

『ニュヨーク・タイムズ』(8月25日付)は、バラク・オバマ米大統領が、シリアでの米軍による偵察飛行を行うことを承認したと報じた。

この承認を受け、米空軍は、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点に関する情報収集のため、有人機および無人機による偵察飛行を行うものと見られるという。

なお同紙によると、オバマ大統領は、シリアのアサド政権と共闘していると受け取られないよう、偵察機の飛行をシリア政府に通告しない方針だという。

これに関して、ジェニファー・サキ国務省報道官は、偵察飛行が「米国人の生命を守ることに関わる問題であり、シリア政府にそのための許可を求めることはない」と述べた。

またシリア領空内でのダーイシュに対する空爆を行った場合でも、「我々はアサドと共闘しているのではない。ただ共通の敵がいるだけだ…。シリア政府は右手でダーイシュを狙う一方で、左手ではダーイシュを手なずけ、シリア国民の意思に応え、真の政治的解決を受け入れることを拒否している」と主張した。

AFP, August 26, 2014、AP, August 26, 2014、ARA News, August 26, 2014、Champress, August 26, 2014、al-Hayat, August 27, 2014、Kull-na Shuraka’, August 26, 2014、al-Mada Press, August 26, 2014、Naharnet, August 26, 2014、The New York Times, August 25, 2014、NNA, August 26, 2014、Reuters, August 26, 2014、SANA, August 26, 2014、UPI, August 26, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月25日追記)

AKI(8月25日付)は、反体制筋の話として、シリア政府高官がパリを非公式に訪れ、離反「上級」士官と、シリアへの帰国を説得するための交渉をしたが、この上級士官がこれを拒否した、と報じた。

AKI, August 25, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月25日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタブカ市およびその周辺に7度にわたり空爆を行うとともに、タブカ航空基地近郊のアジュラーウィー農場一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

またラッカ市では、ダーイシュが24日から住民の市外への移動を禁止しているという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アシュティームッラート村周辺、アルシャーフ村周辺、アスンブル村で、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦する一方、ダーイシュはマーリア市に対して砲撃を行った。

この戦闘で、クルド人戦線旅団、ヌスラ戦線側は、ダーイシュ戦闘員多数を捕捉した。

またクルド人戦線旅団、ヌスラ戦線などは、マーリア市北部のアディーヤ村一帯でダーイシュと交戦し、米国人を含むダーイシュ戦闘員15人以上を殺害した。

一方、シリア軍は、ダーイシュが占拠するトゥルクマーン・バーリフ村を24日深夜に「樽爆弾」で空爆し、女性、子供を含む8人が死亡した。

このほか、対トルコ国境(キリス)に面するバーブ・サラーマ国境通行所近くのサッジュー停留所から約50メートルの道路上で、爆発が発生し、3人が負傷した。

イスラーム戦線広報局は、犯行が、ダーイシュではなく、シリア政府の工作員によるものだとの見方を示している。

ARA News, August 25, 2014
ARA News, August 25, 2014

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月25日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、旧空港地区、ムーハサン市、マリーイーヤ村で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月25日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)はダマスカスで記者会見を開き、シリア政府が、ダーイシュ(イスラーム国)に代表される過激派に対する「テロとの戦い」において、米国や国際社会と協力する用意があると述べる一方、シリア国内へのいかなる軍事的攻撃も、シリア政府との事前の調整なくしてあり得ないと強調した。

SANA, August 25, 2014
SANA, August 25, 2014

記者会見でのムアッリム外務在外居住大臣の主な発言は以下の通り。

「我々は、地域諸国、国際社会とテロとの戦いで協力、調整する用意がある…。(協力の協力は、米国、英国であっても)みな歓迎する…。(テロ戦争での国際協調が)今後のシリアの外交の基軸となる」。

「テロとの戦いにおける地域的、国際的協調を行ううえで、ロシアが地域社会、国際社会の双方で行動することが重要だ…。ロシアとシリアの姿勢は完全に合致している」。

「我々は米国との協調、協力の準備がある。なぜなら、我々は地元の民であり、どのような空爆が効果的か、また効果的でないかを知っているからだ。それゆえ、シリア国内で攻撃を行おうとする者が、たとえテロとの戦いを行いたいとしても、我々との協調がなければ、いかなる正当性もない」。

(米国がシリア政府との事前協議なくシリア国内での空爆に踏み切った場合)「我々には防空態勢があり、協調がなされなければ、我々はこの段階(防空態勢)に入る…。我々は敵対行為を回避するため事前に協力、協調を求める…」。

「我々はシャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュに対抗しようとするあらゆる努力を歓迎する。しかし問題は、空爆だけでヌスラやダーイシュをシリアから根絶できるかということだ。そうは思えない」。

(サウジアラビアで25日に開かれたサウジアラビア、カタールなどアラブ諸国5カ国外相会合に関して)「会合の目的がテロとの戦いの支援であるならば、会合出席者にこう言いたい。まずは自分たちから始めよう。テロ組織への支援、資金供与、潜入の停止、国境管理、我々との情報共有、思想的・イデオロギー的煽動の停止…。こうしたことを通じて我々はテロと戦っているのだ」。

(欧米諸国がアル=カーイダ系組織以外の「穏健」な反体制武装集団への支援に固執していることに関して)「テロリストを穏健かどうかで分類することは…お笑い沙汰だ。我々にとって、シリア政府に対して武器を構える者すべてがテロリストだ。罪のない市民、シリア軍兵士を殺害する者すべてがテロリストだ」。

「我々(シリアとイラク)は共通の敵と戦っており、同じ戦列に身を置いている。調整と協調が、両国国益のため、両国政府に求められている」。

AFP, August 25, 2014、AP, August 25, 2014、ARA News, August 25, 2014、Champress, August 25, 2014、al-Hayat, August 26, 2014、Kull-na Shuraka’, August 25, 2014、al-Mada Press, August 25, 2014、Naharnet, August 25, 2014、NNA, August 25, 2014、Reuters, August 25, 2014、SANA, August 25, 2014、UPI, August 25, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月24日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍との激しい戦闘の末、タブカ航空基地を完全制圧した。

戦闘はタブカ航空基地に近いウジャイリー農場、アジュラーウィー農場で未明から行われ、早朝にダーイシュが飛行場内に突入、シリア軍は同飛行場に配備されていた航空機を、ダイル・ザウル航空基地に撤退させたという。

また飛行場に展開していた地上部隊も、サラミーヤ市・ハナースィル市街道をイスリヤー村方面に向かって撤退したという。

これに関して、シリア人権監視団は、ダーイシュが23日晩に、タブカ航空基地とイスリヤー村(ハマー県)に至る街道一帯から撤退し、シリア軍の退路を確保、戦闘を回避しようとしたと発表した。

これにより、ダーイシュはラッカ県内のシリア軍の主要な軍事拠点のすべてを制圧した。

タブカ航空基地をめぐる戦闘では、ダーイシュ戦闘員370人(うち外国人170人、イラク人とシリア人200人)、シリア軍兵士25人が死亡した。

一方、SANA(8月24日付)は、タブカ航空基地を防衛するシリア軍部隊が、ダーイシュとの激しい戦闘の末、同空港から退避し、部隊を再結集し、「テロ集団」への的確な攻撃を続けている、と報じた。

Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014
Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014
Kull-na Shuraka', August 24, 2014
Kull-na Shuraka’, August 24, 2014

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クルド人戦線旅団とジハード主義武装集団が、ダーイシュ(イスラーム国)との数日間にわたる戦闘の末、スーラーン・アアザーズ町に近いアディーヤ村、ダフリーヤ村を奪還した。

またアフタリーン市では、シリア軍が空爆を行うなか、クルド人戦線旅団、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がダーイシュと交戦した。

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ハサカ県では、ARA News(8月24日付)によると、イラク国境に近いジャズア村で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同村のアミールを名乗るアブー・ダーライヤー氏ら10人のダーイシュ戦闘員を殺害した。

AFP, August 24, 2014、AP, August 24, 2014、ARA News, August 24, 2014、Champress, August 24, 2014、al-Hayat, August 25, 2014、Kull-na Shuraka’, August 24, 2014、al-Mada Press, August 24, 2014、Naharnet, August 24, 2014、NNA, August 24, 2014、Reuters, August 24, 2014、SANA, August 24, 2014、UPI, August 24, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月23日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するタブカ市内の病院などに対し、シリア軍が6回にわたり空爆を行った。

この空爆で、ダーイシュ戦闘員10人、病院職員3人が死亡した。

シリア軍はまた、ダーイシュが攻略をめざすタブカ航空基地周辺に対して空爆を続け、同地一帯で交戦した。

ダーイシュは早朝、3度目となる自爆攻撃を飛行場の入り口で行ったが、シリア軍の応戦によって失敗した。

これに関して、SANA(8月23日付)は、ダーイシュのタブカ航空基地に対する攻撃が失敗に終わり、タブカ航空基地の外壁周辺には、ダーイシュ戦闘員の遺体数十体が散乱していると報じた。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(8月24日付)によると、ガラーニージュ市で、ダーイシュ(イスラーム国)がシュアイタート部族の子息10人を処刑した。

AFP, August 23, 2014、AP, August 23, 2014、ARA News, August 23, 2014、Champress, August 23, 2014、al-Hayat, August 24, 2014、Kull-na Shuraka’, August 23, 2014、al-Mada Press, August 23, 2014、Naharnet, August 23, 2014、NNA, August 23, 2014、Reuters, August 23, 2014、SANA, August 23, 2014、UPI, August 23, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月23日)

バアス党シリア地域指導部はハサカ県支部指導部の再編を決定した。

この再編で、ムハンマド・ズアール・アリー・ハサカ県知事、アブドゥルバースィト・サラール支部組合局長、アフマド・シャイフ・アミーン支部教育・高等教育局長、ムスタファー・アリー支部農民局長は留任、ヒューヌス・ハラフ氏、ムハンマド・サイード・ハラフ氏、ジャーリヤ・トゥアイマ氏、ラーイド・ラフドゥー氏が新たに指導部入りを果たした。

ARA News(8月23日付)が伝えた。

AFP, August 23, 2014、AP, August 23, 2014、ARA News, August 23, 2014、Champress, August 23, 2014、al-Hayat, August 24, 2014、Kull-na Shuraka’, August 23, 2014、al-Mada Press, August 23, 2014、Naharnet, August 23, 2014、NNA, August 23, 2014、Reuters, August 23, 2014、SANA, August 23, 2014、UPI, August 23, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月22日)

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地周辺での20日以降のシリア軍によるスカッド・ミサイルなどでの空爆や地雷の爆発で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員70人が死亡した。

シリア軍はタブカ航空基地以外のラッカ県各所でも、ダーイシュの拠点に対して「樽爆弾」での空爆を行った。

シリア軍は24日には、タブカ航空基地に増援部隊をヘリコプターで派遣したという。

他方、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ダーイシュ・ラッカ州のシャリーア委員会が、ダーイシュ諜報機関の連絡調整担当官であるアブー・ウバイダ・マグリビー氏を含む3人を、背任、逃亡(トルコへの逃亡を計画)、欧米および地域諸国の諜報機関との内通の罪で処刑した。

マグリビー氏は、アレッポ県アイン・アラブ市出身のクルド人で、ダマスカス大学卒業後、2012年にダーイシュに参加していた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフティームッラート村にクルド人戦線旅団やジハード主義武装集団が突入を試み、同村周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

ダーイシュはまた、イスラーム戦線タウヒード旅団の本拠地であるマーリア市を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月22日付)によると、ヒサーン村で、ダーイシュ(イスラーム国)が、アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会のムハンマド・シャイフ委員長(アブー・サッラージュ)を「背教」の罪で処刑した。

シャイフ委員長は、元政治犯で、釈放後にアンサール大隊に所属、その後アブナー・イスラーム運動シャリーア委員会の委員長に就任し、ダイル・ザウル県の他の武装集団とともにシャームの民のヌスラ戦線に忠誠を誓っていた。

Kull-na Shuraka', August 22, 2014
Kull-na Shuraka’, August 22, 2014

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ハサカ県では、ARA News(8月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が声明を出し、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、マギーラート村を奪還したと発表した。

声明によると、この戦闘で人民防衛隊隊員15人、ダーイシュ戦闘員100人以上が死亡した。

AFP, August 22, 2014、AP, August 22, 2014、ARA News, August 22, 2014、Champress, August 22, 2014、al-Hayat, August 23, 2014、Kull-na Shuraka’, August 22, 2014、al-Mada Press, August 22, 2014、Naharnet, August 22, 2014、NNA, August 22, 2014、Reuters, August 22, 2014、SANA, August 22, 2014、UPI, August 22, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月21日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、タブカ航空基地の攻略をめざすダーイシュ(イスラーム国)と同飛行場周辺で激しく交戦し、ダーイシュ戦闘員11人を殺害した。

シリア軍はまた、飛行場周辺に対して「樽爆弾」、スカッド・ミサイルなどで空爆・砲撃を行った。

一方、ダーイシュは、爆弾を積んだ自動車で2度にわたって自爆攻撃を行い、シリア軍にも7人の戦死者が出たという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月21日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ジュバイラ地区、ジスル・スィヤーサ地区で、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(8月21日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊・アサーイシュが、ハサカ市グワイラーン地区で、ダーイシュ(イスラーム国)の支持者とされるハサン・タイス氏の自宅を攻撃し、ダーイシュを支持する武装集団メンバー5人を殺害した。

また対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町南部のハビービーヤ村、スッカリーヤ村、クーズ村、ジャズア村一帯で、民主統一党とダーイシュが20日晩から交戦を続けた。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月21日付)によると、20日晩、ラアス・アイン市南部のブワイダ村で、人民防衛隊がダーイシュと交戦した。

イラク国内の動き

キルクーク県では、治安筋によると、イラク軍がトゥーズ郡スライマーン・ベク地方にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、ダーイシュ戦闘員20人を死傷させた。

またフワイジャ郡北西部で、部族民兵が未明にダーイシュの車列を襲撃し、ダーイシュ戦闘員10人を殲滅した。

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バービル県では、治安筋によると、ジュルフ・サフル地方でのイラク治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)との戦闘で、ダーイシュ司令官1人と副官3人が死亡した。

またイラク軍は同地一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員22人を死傷させた。

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アンバール県では、アンバール作戦司令室によると、ラマーディー市西部のハディーサ郡で、イラク軍がダーイシュ(イスラーム国)の襲撃を撃退し、ダーイシュ戦闘員12人を殺害した。

一方、ヒート郡では、警察と覚醒評議会の合同部隊の車列がダーイシュの攻撃を受け、警官ら9人が死傷した。

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サラーフッディーン県では、治安筋によると、ティクリート市南部のダルーイーヤ郡北部でのイラク警察治安部隊とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘で、ダーイシュ戦闘員3人が死亡、警官3人が負傷した。

諸外国の動き

ヨルダンのジハード主義潮流のムハンマド・シャラビー氏(アブー・サヤーフ)は『ハヤート』(8月22日付)に対し、今週1週間でヨルダンの治安当局が、同潮流の若者約20人を「ダーイシュ(イスラーム国)を支援しているとの容疑」で、「不当逮捕」したことを明らかにした。

シャラビー氏によると、治安当局による逮捕・摘発はアンマン、サルト、サルトなどで行われ、逮捕された若者は「ほとんどがダーイシュを支援しており、シャームの民のヌスラ戦線を支持しているのはわずかだ」という。

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カタール外務省報道官は、ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑に関して「犯罪集団の手による殺害をもっとも強い表現で非難する」と述べるとともに、「シリアの民間人の苦難の真相の解明など、危険地での真相報道を行ってきた故人の勇気」を高く評価、哀悼の意を示した。

カタール通信(QNA、8月21日付)が伝えた。

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、QNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014などをもとに作成。

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「国民和解合意」(停戦合意)をめぐる動き(2014年8月21日)

Watan FM(8月21日付)は、ノルウェーの首都オスロで、シリア政府に近いビジネスマン、商人、反体制武装集団代表、シリア国内外の反体制活動家が非公式会合を開き、紛争の政治的解決などについての審議を開始したと報じた。

「オスロ会合」と称されるこの非公式会合は3日間の審議を予定しており、英国、ノルウェー、スウェーデンが開催を支援しているという。

会合には、反体制勢力の側から、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、クナイトラ県で武装活動をしているアンサール・イスラーム戦線、ハビーブ・ムスタファー、シリア解放戦線、シリア東部および北部で活動する武装集団の代表ら、シリア政府からはマルウィー・フアード女史(国連特使担当局長)が参加しているほか、政権、反体制勢力のいずれにも属さない「グレーゾーン」の要人も出席しているという。

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『ハヤート』(8月22日付)は、ダマスカス県カダム区およびアサーリー地区で発効した停戦合意(国民和解合意)の内容を明らかにした。

同報道によると、停戦合意は以下11項目などからなるという。

1. 当事者によるすべての発砲停止。

2. シリア軍のカダム区からの完全撤退。

3. カダム区入り口へのシリア軍の検問所の設置。

4. 民間人の帰宅を促すための道路の整備・清掃

5. 主要道路の再開。

6. ライフ・ライン、生活インフラの復旧。

7. カダム区、アサーリー地区での逮捕者、とりわけ女性と子供の釈放。

8. 「自由シリア軍」による武器携帯、自治運営、国家機関や公務員の保護。

9. カダム区、アサーリー地区の「自由シリア軍」400人からなる治安維持部隊の設置。

10. 治安維持部隊と軍による検問所の共同管理。

11. 負傷者の治療。

カダム区、アサーリー地区は、サハーバ大隊、カダム・ムジャーヒディーン、シャーム解放、シャームの民のヌスラ戦線などによって占拠されていた。

この停戦合意に、ヌスラ戦線は参加していないという。

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ダマスカス県では、SANA(8月21日付)によると、カダム区でシリア軍と反体制武装集団の間で「国民和解合意」(停戦合意)が発効したのを受け、同地区住民数十世帯が帰宅、またシリア軍が住民に支援物資を配給した。

SANA, August 21, 2014
SANA, August 21, 2014

AFP, August 21, 2014、AP, August 21, 2014、ARA News, August 21, 2014、Champress, August 21, 2014、al-Hayat, August 22, 2014、Kull-na Shuraka’, August 21, 2014、al-Mada Press, August 21, 2014、Naharnet, August 21, 2014、NNA, August 21, 2014、Reuters, August 21, 2014、SANA, August 21, 2014、UPI, August 21, 2014、Watan FM, August 21, 2014などをもとに作成。

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イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年8月20日)

シリア国内の動き

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、同県におけるシリア軍最後の一大拠点のタブカ航空基地に対して、19日深夜からダーイシュ(イスラーム国)が重火器などを使用して攻撃を行い、飛行場周辺でシリア軍、国防隊と交戦した。

これに対して、シリア軍は20日、13回にわたり飛行場周辺およびタブカ市のダーイシュ拠点を空爆した。

この戦闘で、ダーイシュ戦闘員少なくとも5人が死亡した。

シリア軍はまたタブカ市近郊のサフサーフ村を空爆、砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するアフタリーン市、バーブ市各所をシリア軍が空爆した。

またイスラーム戦線タウヒード旅団の拠点であるマーリア市入り口では、ダーイシュとジハード主義武装集団が交戦した。

『ハヤート』(8月21日付)によると、ダーイシュは、タブカ航空基地に対する重火器での攻撃に先立ち、ウマル・シーシャーニー司令官の指揮のもと、同飛行場入り口で自爆攻撃を開始し、

一方、SANA(8月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が占拠するマンビジュ市、サーリヒーンで、シリア軍が追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ARA News(8月21日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市で、クルド人医師のアーザード・ワーリー氏を拉致した。

イラク国内の動き

ニナワ県では、モスル市住民によると、イラク軍戦闘機が、住民に対してダーイシュ(イスラーム国)掃討のための協力を呼びかけるビラを散布した。

またイラク軍は、同市北部にあるダーイシュ拠点を空爆した。

マダー・プレス(8月20日付)が伝えた。

almadapress, August 20, 2014
almadapress, August 20, 2014

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アンバール県では、アンバール作戦司令室筋によると、米軍戦闘機がラマーディー市西部のハディーサ郡にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所に対して空爆を行った。

またハディーサ郡知事によると、イラク軍、警察、部族民兵の合同部隊がバラーウィナ郡入り口にあるダーイシュ拠点を攻撃し、ダーイシュ戦闘員17人を殲滅した。

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サラーフッディーン県では、サラーフッディーン作戦司令室筋によると、イラク軍戦闘機がティクリート市内にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を空爆した。

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ディヤラ県では、県警察によると、ヤアクーバ市北東部のジャズィーラ地区で、警察部隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦し、ダーイシュのミクダーディーヤ郡のアミールを名乗るカイラーン・ミクダーディー氏が殺害された。

またイラク軍はカラ・ティバ村一帯を空爆し、ダーイシュ戦闘員4人を殺害した。

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バービル県では、県治安筋によると、ジュルフ・サフル地方に対するイラク軍の空爆で、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員10人が死亡した。

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キルクーク県では、フワイジャ郡の覚醒評議会筋によると、フワイジャ郡サフラ村近郊でダーイシュ(イスラーム国)の幹部の一人ターリク・アブドゥッラー氏の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、アブドゥッラー氏が負傷した。

諸外国の動き

ダーイシュ(イスラーム国)による米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー氏処刑を撮した映像に関して、米国家安全保障会議(NSC)のケイトリン・ヘイデン報道官は、米情報機関による分析の結果、映像が本物であるとの結論に達したとの声明を出した。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、August 22, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年8月20日)

JBCニュース(8月20日付)は、「自由シリア軍」が中国製携帯式防空システム飞弩-6(FN-6)を入手し、シリア軍のMiG35戦闘機、Su7戦闘機、さらには「すべてのヘリコプター」の撃墜に使用されていることに関して、シリア政府、さらにはロシア、イラン政府が中国への怒りを露わにしていると報じた。

しかし、同報道によると、中国国防部は、「自由シリア軍」への飞弩-6(FN-6)の直接供与を否定している、という。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)は、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長ら党幹部らのハサカ市訪問(17日、https://syriaarabspring.info/wp/?p=12086)に先立って、西クルディスタン移行期民政局の使節団が首都ダマスカスを訪問し、アサド大統領本人と会談、民政局による自治を承認するよう求めていた、と報じた。

バアス党筋によると、ハサカ市を訪れたバアス党幹部も、同地で西クルディスタン移行期民政局の代表らと会談し、ハサカ市の治安状況などについて意見を交わし、その際、西クルディスタン移行期民政局が自治承認に固執すれば、シリア政府はハサカ市を放棄し、ダーイシュ(イスラーム国)に同市を明け渡すと脅迫したという。

AFP, August 20, 2014、AP, August 20, 2014、ARA News, August 20, 2014、Champress, August 20, 2014、al-Hayat, August 21, 2014、JBC News, August 20, 2014、Kull-na Shuraka’, August 20, 2014、al-Mada Press, August 20, 2014、Naharnet, August 20, 2014、NNA, August 20, 2014、Reuters, August 20, 2014、SANA, August 20, 2014、UPI, August 20, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.