米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2018年8月末の段階で1,114人と発表(2018年9月27日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2018年8月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる151件の新たな報告を受け、すでに報告されている219件と併せて調査を行い、60件の調査を完了した。

調査を完了した案件のうち149件は事実と異なり、また2件は重複しており、民間人の犠牲者が出たとされるのは8件のみで、これによる民間人の犠牲者は53人だった。

310件については調査が継続される。

これにより、2014年8月から2018年8月までに有志連合が実施した空爆30,008回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,114人となった。

CENTCOM, September 27, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合の爆撃でラッカ県の元ワーリー死亡(2018年9月26日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が県南東部のシャフア村一帯を爆撃し、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州の元ワーリー(統治者)のアブー・ハムザ・ワーリー氏が死亡した。

AFP, September 26, 2018、ANHA, September 26, 2018、AP, September 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018、al-Hayat, September 27, 2018、i24 News, September 26, 2018、Reuters, September 26, 2018、SANA, September 26, 2018、UPI, September 26, 2018などをもとに作成。

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イランのロウハーニー大統領「イランはシリアで米軍と戦争を行うことを望んでいない」(2018年9月26日)

イランのハサン・ロウハーニー大統領は、ニューヨークの国連本部で開催中の第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

ロウハーニー大統領は演説のなかでシリア情勢について言及し、「イランはシリアで米軍と戦争を行うことを望んでいない」と述べた。

一方、核合意をめぐっては、「イランは自国の国益に資する限り、核合意の枠内に留まる…。米国も最終的には核合意の枠内に戻ることになる…。米国は今の状態を続けることはできない」と述べた。

IRNA(9月26日付)が伝えた。

Naharnet, September 26, 2018

AFP, September 26, 2018、ANHA, September 26, 2018、AP, September 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018、al-Hayat, September 27, 2018、IRNA, September 26, 2018、Reuters, September 26, 2018、SANA, September 26, 2018、UPI, September 26, 2018などをもとに作成。

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フランスのマクロン大統領「アサド政権はいつか制裁を受けるだろう」(2018年9月26日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、ニューヨークの国連本部で開催中の第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

マクロン大統領は演説のなかでシリア情勢について言及し、「瓦礫となったシリアで勝者などいない…。シリア国民は大きな代償を支払った。だが、アサドが権力の座に居座り続ける限り、彼の政権の犯罪を覆い隠すことなどできない…。政権はいつか制裁を受けるだろう」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018

AFP, September 26, 2018、ANHA, September 26, 2018、AP, September 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018、al-Hayat, September 27, 2018、Reuters, September 26, 2018、SANA, September 26, 2018、UPI, September 26, 2018などをもとに作成。

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イスラエル参謀本部諜報局長官「ロシアはイスラエルがアサド政権を崩壊させることができると知っている。だが、イスラエルは、ロシアの国益を考え、そうすることを控えてきた」(2018年9月26日)

イスラエル参謀本部諜報局(アマン)のアモス・ヤドリン長官(少将)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/yadlinamos)で、ロシアがシリアへのS-300防空システム供与を決定したことに関して、「大げさに騒がれ過ぎだ」としたうえで、「戦略的バランスはかわらない。破壊を免れ得るシリアの防空システムなどない。イスラエルはF-35Sを保有しており、これらのシステム(供与されるS-300防空システム)に的確に対処するための計画が策定されている」と書き込んだ。

また「S-300防空システムが稼働したとしても、それは新しい出来事ではない。シリアではより高性能のS-400防空システムが数年前からシリアに配備されている。だが、イスラエルと米国の航空機は一度もその攻撃を受けていない」と付言した。

さらに「ロシアはイスラエルがアサド政権を崩壊させることができると知っている。だが、イスラエルは、ロシアの国益を考え、そうすることを控えてきた」などと書き込んだ。

AFP, September 26, 2018、ANHA, September 26, 2018、AP, September 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018、al-Hayat, September 27, 2018、Reuters, September 26, 2018、SANA, September 26, 2018、UPI, September 26, 2018などをもとに作成。

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スプートニク・ニュース:米露合意に基づき、米国が占領するタンフ国境通行所一帯で活動を続けていたすべての戦闘員が近くシリア政府と和解、ないしはシリア北部に退去、ラクバーン・キャンプも解体、難民は帰国か?(2018年9月26日)

スプートニク・ニュース(9月26日付)は複数の消息筋の話として、米主導の有志連合が占領支配するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)とヨルダン北東部のルクバーン・シリア難民キャンプの処遇をめぐって、米国とロシアが合意に達し、数日中に合意内容が履行されるだろうと伝えた。

同消息筋によると、この合意はダルアー県などシリア南部やダマスカス郊外県東グータ地方での和解合意に似たもので、55キロ地帯で米軍の支援を受けてきた反体制武装集団のうち、シリア政府との和解を希望する者は投降し、免罪となり、和解を希望しない者はトルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面に退去することになるという。

合意はまた、ルクバーン・キャンプを解体し、収容されていたシリア難民8万人は帰国・帰村すると定めているという。

同キャンプのシリア難民のほとんどは帰国・帰村を望んでいるという。

al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018

AFP, September 26, 2018、ANHA, September 26, 2018、AP, September 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018、al-Hayat, September 27, 2018、Reuters, September 26, 2018、SANA, September 26, 2018、Sputnik News, September 26, 2018、UPI, September 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは22件の停戦違反を、トルコ側は1件の違反を確認(2018年9月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を22件(アレッポ県10件、ラタキア県12件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームも1件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

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ハマー県では、SANA(9月26日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯の軍事拠点に侵攻を試みた反体制武装集団を撃退した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 26, 2018をもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万4,024人が帰国、避難民123万4,827人が帰宅(2018年9月26日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月26日付)を公開し、9月25日に難民96人(うち女性29人、子供48人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は14,744人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,462人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万4,024人(うち女性7万3,205人、子供12万4,450人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万2,873人(うち女性198万9,862人、子供338万2,765人)。

一方、国内避難民527人が9月26日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万2,465人(うち女性4万5,783人、子供7万7,677人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万4,827人(うち女性37万492人、子供62万9,682人)となった。

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これに関して、SANA(9月26日付)は、イドリブ県のアブー・ズフール町に設置された通行所を通じて、同県の反体制派支配地域から住民数百人がシリア政府支配地域に入り、アレッポ県、イドリブ県東部、ハマー県の自宅に帰村したと伝えた。

SANA, September 26, 2018

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しかし「シリア対応調整者」(https://www.facebook.com/humanitarianresponse1/)は声明を出し、シリア政府支配地域に退去した住民が20人程度しかいない、と反論した。

al-Durar al-Shamiya, September 26, 2018

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 26, 2018をもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相が国連総会で演説「我々はイランがシリアを軍事拠点化するのを阻止するために行動を続けるが、ロシア軍との連携も継続する」(2018年9月25日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ニューヨークの国連本部で開幕した第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

ネタニヤフ首相は演説のなかでシリア情勢について言及し、「我々はイランがシリアを軍事拠点化するのを阻止するために行動を続ける。またロシア軍との連携を継続する」と述べた。

Naharnet, September 25, 2018

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領が国連総会で演説「テロ浄化を完了するまでシリアからは撤退しない」(2018年9月25日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ニューヨークの国連本部で開幕した第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

エルドアン大統領は演説のなかでシリア情勢について言及し、「我が国の目的は、マンビジュ市からイラク国境に至るシリア全土をテロリストから浄化することだ」と述べ、この目的が実現するまでシリア領内から撤退しないと強調した。

シリアでの紛争の公正且つ持続的な解決を呼びかけたエルドアン大統領はまた「トルコは4,000平方キロ地域でシリア人数百万人の平和と安全を実現し、ジャラーブルス市、ラーイー村をダーイシュ(イスラーム国)から、そしてアフリーン市をクルディスタン労働者党(PKK)/民主統一党(PYD)/人民防衛隊(YPG)から解放した…。シリア国内のシリア人のために320億ドルを拠出した」などと成果を強調した。

その一方で「シリアでの和平に向けた取り組みはバッシャール・アサドが権力の座にとどまる限りは不可能だ」、「過激派はイドリブ県の非武装地帯からの撤退を始める一方、反体制派はイドリブ市に留まるだろう」と述べた。

al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、September 26, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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トランプ米大統領が国連総会で演説「シリアでの問題解決はイランに対処する計画のなかで行われねばならない」(2018年9月25日)

ドナルド・トランプ米大統領はニューヨークの国連本部で開幕した第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

トランプ大統領は演説のなかでシリア情勢について言及し、「シリアで現在進行中の悲劇には心が裂かれる思いだ。我々は、武力紛争の緊張を緩和し、シリア国民の意志を尊重するような政治的解決を実現することを共通の目的とすべきだ…。こうしたなかで、我々は国連主導の和平プロセスを再活性化させたいと考えている。だが、米国はアサド政権が化学兵器を使用したら、確実に対抗措置を講じる」と述べた。

また「シリアでの問題解決はイランに対処する計画のなかで行われねばならない」としたうえで、「最大のテロ支援国が核兵器を保有することを我々は容認できない…。イランの指導者は混乱、殺戮、破壊を拡散している」と非難、イランを孤立化させるよう呼びかけた。

ANHA, September 25, 2018

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ヤルダー市でアサド大統領の写真1枚が焼かれる(2018年9月25日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月25日付)によると、ヤルダー市でアサド大統領の写真1枚が焼かれているのが発見された。

誰が写真を焼いたのかは不明で、軍事情報局は住民数十人を動員し、捜査を行っているという。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月25日付)によると、カフルルースィーン村に設置された通行所を通じてトルコ軍の増援部隊が進入した。

増援部隊は50輌以上の車輌からなっていたが、重火器は伴われていなかったという。

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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ロシアはS-300防空システム供与に先立って、シリアでサイバー戦争関連の設備を増強(2018年9月25日)

ロシア日刊紙『イズベスチア』(9月25日付)は、シリアへのS-300防空システム供与発表を受けて、ロシア国防省が、シリア領内への今後の攻撃を回避するため、レーダー危機および通信機器を妨害するためのサイバー戦争関連の設備を増強したと伝えた。

SANA, September 25, 2018

RT(9月24日付)によると、シリア軍へのS-300防空システムの供与と合わせて、ロシアは、①ロシア軍のみに装備されていた官制システムをシリア空軍中央司令部に供与し、ロシア軍機の領空での行動を動きを把握できるようにするとともに、③シリア沖の地中海で電磁妨害を行い、シリアに対する攻撃を阻止するため、レーダー、衛星通信、航空機の飛行を妨害する、ことを決定している。

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Izvestia, September 25, 2018、Reuters, September 25, 2018、RT, September 24, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万3,928人が帰国、避難民123万4,300人が帰宅(2018年9月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月25日付)を公開し、9月24日に難民131人(うち女性39人、子供67人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は14,648人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,330人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万3,928人(うち女性7万3,176人、子供12万4,202人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万1,873人(うち女性216万9,215人、子供349万8,734人)。

一方、国内避難民578人が9月25日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万1,938人(うち女性4万5,600人、子供7万7,447人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万4,300人(うち女性37万309人、子供62万9,452人)となった。

これに関連し、SANA(9月25日付)は、イドリブ県のアブー・ズフール町に設置された通行所を通じて、同県の反体制派支配地域から住民数百人がシリア政府支配地域に入り、アレッポ県、イドリブ県東部、ハマー県の自宅に帰村したと伝えた。

SANA, September 25, 2018

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月25日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を21件(アレッポ県7件、イドリブ県1件、ラタキア県13件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

また、シリア人権監視団も、シリア軍による砲撃は行われなかったと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 25, 2018をもとに作成。

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米主導の有志連合は9月17日~9月23日までの7日間でシリア領内で69回の爆撃を実施(2018年9月25日)

米中央軍(CENTCOM)は、9月17日~9月23日の7日間でのシリア、イラク両国における有志連合の爆撃の戦果をHPで発表した。

9月17日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し10回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は9回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月18日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は8回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月19日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し18回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は18回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月20日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は11回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月21日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し12回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は12回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月22日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し9回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は8回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

9月23日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対し13回の爆撃を実施、このうちシリア領内での爆撃は13回で、ブーカマール市近郊に対して実施された。

CENTCOM, September 25, 2018をもとに作成。

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ロシア空軍のSu-35S戦闘機がシリア領空で米空軍のステルス戦闘機F-22を補則(2018年9月24日)

ディフェンス・ブログ(9月24日付)は、ロシア空軍のSu-35S戦闘機が、シリア領空に飛来した米空軍所属のステルス戦闘機F-22を補則していたと伝じ、照準器に写し出されたF-22戦闘機の画像を掲載した。

Su-35S戦闘機がF-22に遭遇した日時については明らかにされていない。

https://defence-blog.com/news/russian-fighter-jets-intercept-u-s-f-22-raptor-flying-over-syria.html

Defence Blog, September 24, 2018
Defence Blog, September 24, 2018

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、Defence Blog, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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国連総会の開催を前に、関係各国がシリア情勢への対応を協議するため米ニューヨークで相次いで会談(2018年9月24日)

第73回国連総会の開催を前に、関係各国がシリア情勢への対応を協議するため、米ニューヨークで相次いで会談を行った。

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、アスタナ会議の保障国である、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣と会談した。

また、サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣、エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣、バーレーンのハーリド・ビン・アフマド・アール・ハリーファ外務大臣、UAEのアンワル・ガルガーシュ外務担当国務大臣も会談を行った。

AFP, September 25, 2018、ANHA, September 25, 2018、AP, September 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2018、al-Hayat, September 26, 2018、Reuters, September 25, 2018、SANA, September 25, 2018、UPI, September 25, 2018などをもとに作成。

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パレスチナのアッバース大統領はアサド大統領にアラブ民族が直面するさまざまな問題で共同姿勢を示すことが重要だとするメッセージを伝える(2018年9月24日)

パレスチナ解放機構(PLO)執行委員会メンバーのバッサーム・サーリヒー氏が首都ダマスカスでアサド大統領と会談し、マフムード・アッバース書記長(大統領)のメッセージを伝えたことを明らかにした。

サーリヒー氏は『ワタン』(9月24日付)に対して、「我々はアサド大統領にアッバース大統領のメッセージを伝え、パレスチナ人民、そしてアラブ民族が直面するさまざまな問題に対して共同姿勢をとることが重要だという点について話合った」と述べた。

これに関して、シリアの外務在外居住者省は、サーリヒー氏が伝えたメッセージはファイサル・ミクダード副大臣が受け取ったことを明らかにした。

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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YPGはアレッポ県北部でトルコの支援を受ける反体制派をダイル・ザウル県南東部でダーイシュと交戦(2018年9月24日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターが、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡ラージュー町一帯およびジンディールス町一帯で、東部自由人連合とシャーム軍団を攻撃し、2人を殺害したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターが声明を出し、上バーグーズ村とシャジャラ村を結ぶ回廊地帯、スーサ町とシャジャラ村を結ぶ回廊地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員40人を殲滅したと発表した。

一方、ダーイシュに近いアアマーク通信(9月24日付)によると、ダーイシュが上バーグーズ村でシリア民主軍を攻撃し、5人を殺害した。

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相はシリアへのS-300防空システムを「無責任な者への供与は危険を増大させる」と述べ、ロシアを批判(2018年9月24日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行った。

スプートニク・ニュース(9月24日付)によると、電話会談では、ロシアによるシリアへのS-300防空システム供与について意見が交わされ、プーチン大統領は供与の理由について、「テロとの戦い」を遂行するロシア軍兵士の声明を脅かす危険を排除するため、と説明し、「イスラエル軍の攻撃そのものが、IL-20の惨事をもたらした」と改めて非難したという。

Kull-na Shuraka’, September 24, 2018

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これに対して、ネタニヤフ首相は「高性能兵器が無責任な者たちの手に渡ることは、地域の危険を増大させる。イスラエルは自らの安全保障と国益を防衛し続ける」と答えたという。

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、Sputnik News, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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ヘイリー米国連大使「米国はアサド大統領に退任を強要しない。だが、退任するよう説得する」(2018年9月24日)

ニッキー・ヘイリー米国連大使は、米CBSニュース(9月24日付)のインタビューで、アサド大統領の進退に関して「米国はアサド大統領に退任を強要しない。だが、退任するよう説得する」と述べた。

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、CBS News, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官はシリアへのS-300防空システムを「深刻な事態悪化」を招くと批判し、ロシアに見直しを求める(2018年9月24日)

ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は、ロシアが2週間以内にシリアへのS-300防空システムを供与する決定をしたことに関して、「深刻な事態悪化」(significant escalation)をもたらすと非難、「ロシアがシリアへのミサイル売却を見直すことを希望している…。シリアとレバノンへの攻撃、そしてロシア軍航空機撃墜の責任はイランにある」と主張した。

Kull-na Shuraka’, September 24, 2018

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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ロシアはIL-20撃墜事件を受けて、2週間以内にシリアにS-300防空システムを供与することを決定(2018年9月24日)

アサド大統領は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話会談を行い、シリア情勢の進捗や、イドリブ県における非武装地帯設置とその実施方法について意見を交わした。

アサド大統領は会談で、17日のシリア軍によるIL-20撃墜事件の犠牲者に弔意を示す一方、プーチン大統領はこの誤射事件に於けるイスラエルの責任を追及、シリア軍にS-300防空システムを供与し、その防空能力を向上させると伝えた。

Kull-na Shuraka’, September 24, 2018

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ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は声明を出し、シリア軍の防空能力を向上させるため、2週間以内に同軍にS-300防空システムを供与すると発表した。

ショイグ国防大臣によると、「S-300防空システムは射程250キロ以上で、一度に複数の標的を迎撃する能力を有する」という。

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なお、RT(9月24日付)によると、シリア軍へのS-300防空システムの供与と合わせて、ロシアは、①ロシア軍のみに装備されていた官制システムをシリア空軍中央司令部に供与し、ロシア軍機の領空での行動を動きを把握できるようにするとともに、③シリア沖の地中海で電磁妨害を行い、シリアに対する攻撃を阻止するため、レーダー、衛星通信、航空機の飛行を妨害する、ことを決定したという。

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SANA(9月24日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(9月24日付)などが伝えた。

AFP, September 24, 2018、ANHA, September 24, 2018、AP, September 24, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018、Reuters, September 24, 2018、RT, September 24, 2018、SANA, September 24, 2018、UPI, September 24, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万3,797人が帰国、避難民123万3,722人が帰宅(2018年9月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月24日付)を公開し、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数が14,517人に達していると発表した。

内訳は、レバノンからの帰国者14,199人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万3,797人(うち女性7万3,137人、子供12万4,335人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万1,873人(うち女性216万9,215人、子供349万8,734人)。

一方、国内避難民294人が9月24日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万1,360人(うち女性4万5,408人、子供7万1,933人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万3,722人(うち女性37万117人、子供62万9,198人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月23日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を13件(アレッポ県4件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、クナイトラ県ゴラン高原の兵力引き離し地域にロシア軍憲兵隊の監視所6カ所を設置したと発表した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 24, 2018、al-Hayat, September 25, 2018をもとに作成。

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エジプトのシュクリー外務大臣はイドリブ県からのテロリスト脱出に警鐘を鳴らし、ロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意を暗に批判(2018年9月23日)

エジプト外務省は声明を出し、17日のロシア・トルコ首脳によるイドリブ県での非武装地帯設置合意に関して、サーミフ・シュクリー外務大臣は、イドリブ県から域内の他の地域や国にテロ分子が退去する安全回廊を与えてしまうことの危険に警鐘を鳴らした、と非難した。

声明によると、シュクリー外務大臣は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表とニューヨークにあるエジプト国連代表部での会談で、非武装地帯設置合意に対して暗に疑義を呈したという。

AFP, September 23, 2018、ANHA, September 23, 2018、AP, September 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2018、al-Hayat, September 24, 2018、Reuters, September 23, 2018、SANA, September 23, 2018、UPI, September 23, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍がアレッポ市アイン・アラブ市近郊に向けて発砲(2018年9月23日)

アレッポ県では、ANHA(9月23日付)によると、トルコ軍がアイン・アラブ(コバネ)市西部のアシマ村一帯、グライブ村、カルウナーフ村に発砲した。

AFP, September 23, 2018、ANHA, September 23, 2018、AP, September 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2018、al-Hayat, September 24, 2018、Reuters, September 23, 2018、SANA, September 23, 2018、UPI, September 23, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合、YPG主体のシリア民主軍がダイル・ザウル県ハジーン市近郊でダーイシュを攻撃(2018年9月23日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(9月23日付)によると、米主導の有志連合がハジーン市近郊のシャジャラ村を爆撃し、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー5人が死亡した。

また「テロ駆逐の戦い」を続行する西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、シャジャラ村に突入し、ダーイシュと交戦したと発表した。

AFP, September 23, 2018、ANHA, September 23, 2018、AP, September 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2018、al-Hayat, September 24, 2018、Reuters, September 23, 2018、SANA, September 23, 2018、UPI, September 23, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省報道官はIL-20撃墜事件のイスラエル軍の責任を改めて追及(2018年9月23日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、モスクワで記者会見を開き、17日のロシア軍のIL-20がシリア軍の迎撃で誤って撃墜された事件に関して、イスラエル軍司令部代表から、ロシア・イスラエル両軍のシリア領空での偶発的衝突を回避するために設置されたホットラインを通じて、攻撃の数分前にシリア軍の拠点を爆撃する旨通知があったことを改めて明らかにした。

コナシェンコフ報道官は、その直前にイスラエル軍がラタキア市のシリア軍施設に対して行った爆撃についても、「イスラエル側はその軍事作戦の実施に関して、ロシア軍に事前通告するのではなく、爆撃開始と合わせて通告を行っていた」と非難した。

また、この爆撃がシリア領空を侵犯して行われたのではなく、シリア沖の地中海海上から実施されたと付言し、「イスラエル軍司令部の代表が、イスラエル軍戦闘機の爆撃カ所を偽ったことで、IL-20は安全な地域への脱出できなかった…。イスラエル側はF-16戦闘機がどの場所にいるかも知らせてこなかった」と指摘、このことがシリア軍による誤射を誘発したと批判した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月23日付)、SANA(9月23日付)などが伝えた。

SANA, September 23, 2018

AFP, September 23, 2018、ANHA, September 23, 2018、AP, September 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2018、al-Hayat, September 24, 2018、Reuters, September 23, 2018、SANA, September 23, 2018、UPI, September 23, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは15件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年9月23日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を15件(アレッポ県3件、ラタキア県12件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 23, 2018をもとに作成。

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トルコ日刊紙「米CIAはロジャヴァ支配下で3,000人以上のスパイを養成、モサドの工作員も70人以上が潜入」(2018年9月22日)

トルコ日刊紙『イェニ・シャファク』(9月22日付)は、シリア諜報機関(ムハーバラート)の元高官だというアフマド・ジャービル氏の情報として、「米国の諜報機関は、過去2年間に、ハサカ市、ラッカ市、ダイル・ザウル市、マンビジュ市(アレッポ県)、アイン・アラブ(コバネ)市(アレッポ県)、タッル・アブヤド市(ラッカ県)で、3,000人以上の「通報者」(スパイ)を養成した」と伝えた。

このうちハサカ市とダイル・ザウル市を除く都市は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)、そして人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にある。

ハサカ市は、シリア政府とロジャヴァが分割(共同)統治を行い、ダイル・ザウル市はシリア政府の支配下にあるが、同市に面するユーフラテス川東岸はシリア民主軍が支配する。

同紙によると、米国は教会や支援機関といった場所を借りて、「通報者」となる人材を探し、米CIAとともに、イスラエルのモサドの工作員70人以上も、保健関係者、ボランティア、農業専門家、都市計画専門家、宗教関係者として、これらの地域に入っているという。

AFP, September 22, 2018、ANHA, September 22, 2018、AP, September 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2018、al-Hayat, September 23, 2018、Reuters, September 22, 2018、SANA, September 22, 2018、UPI, September 22, 2018Yeni Safak, September 22, 2018などをもとに作成。

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