ハサカ県タッル・タムル町で人民防衛隊と自由シリア軍が交戦し後者の戦闘員が死亡、シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会が会合を開きハティーブ議長による対話イニシアチブへの支持を確認(2013年2月14日)

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国内の暴力

ハサカ県では、タッル・タムル町に自由シリア軍が侵入し、民主統一党人民防衛隊と交戦したとクルディーヤ・ニュース(2月14日付)が報じた。

同報道によると、この戦闘で自由シリア軍の戦闘員1人が死亡した。

またユーフラテス通信(2月14日付)によると、自由シリア軍は「北方」、すなわち対トルコ国境方面からタッル・タムル町の牧場を襲撃、略奪を行ったという。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月14日付)によると、アイン・タルマー村、アルバイン市などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ航空基地に軍が空爆を行った。

一方、SANA(2月14日付)によると、アズィーザ市、アターリブ市、カフルハムラ村、アウラム・クブラー市、ダーラ・イッザ市、マンナグ村、クワイリス市、バーブ市、ナッカーリーン村などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サーフール地区、カラム・トゥラーブ地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カーティルジー地区、マアスラーニーヤ地区、バーブ・ナスル地区、マイサル地区、シャッアール地区、カーディー・アスカル地区などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、『ワタン』(2月14日付)は、アレッポ国際空港を防衛する「第80旅団本部を再制圧しつつある」と報じ、同旅団本部が反体制武装勢力に制圧されたことを認めた。

同報道によると、「空軍の第80旅団の大部分に多数の武装集団が潜入したが…、これまで数百人を殲滅した」という。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、「革命家たち」がヒムス市ジャウバル区から撤退し、軍が同地区を制圧した。

一方、SANA(2月14日付)によると、フルクルス町郊外、ハウラ地方、クサイル市郊外などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市ジャウバル区で、軍が大量の武器、弾薬、装備を押収した。

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ハマー県では、SANA(2月14日付)によると、ムーリク市入り口で、軍が反体制武装勢力を殲滅した。

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イドリブ県では、使徒末裔大隊がカフルサジュナ市上空でシリア軍のスホーイ戦闘機2機を撃墜したとする映像をユーチューブにアップした(ただし映像には戦闘機は1機しか映っていない)。

またシリア人権監視団によると、ハーッス村、カフルナブル市、ヒーシュ村、カフルルーマー村などに軍が空爆・砲撃を加えた。

一方、SANA(2月14日付)によると、ハーリム市で、反体制武装勢力のイドリブ殉教者旅団とハーリム殉教者旅団が略奪品の分配をめぐって衝突、複数の戦闘員が死亡した。

他方、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が、イドリブ県のフーア市とカファルヤー町の住民約40人を誘拐した。

誘拐された住民のほとんどが女性と子供で、シーア派宗徒だという。

またこの拉致に対抗するかたちで、政府を支持する武装集団が、イドリブ市に向かうバス4台に乗っていた男女70人を軍の検問所近くで誘拐した。

この武装集団は、フーア市、カファルヤー町の出身者で、誘拐されたのはサラーキブ市、サルミーン市、ビンニシュ市周辺の村々の住民(スンナ派)だという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の政治委員会がカイロ東部(第5タガンマア地区)の本部で会合を開き、以下の点を合意した。

1. 2月20日にカイロで開催予定のシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会において、国内外の反体制勢力による移行期政府樹立を提言する。
2. アフマド・マアーッズ・ハティーブ議長によるシリア政府との条件付き対話イニシアチブを支持する。
3. シリア革命反体制勢力国民連立をシリア国民の正統な代表として承認する国との連絡を強化し、大使館、移行期政府およびその代表の拠点開設を求める。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、カイロでの政治委員会会合で以下8点を確認したと発表した。

1. 公正、自由、尊厳という革命の諸目標の実現、殺戮、破壊の回避、地理的、政治的統合の維持、市民的民主主義の確立。
2. アサド大統領、軍・治安部隊高官の政治プロセスからの排除およびその犯罪に対する処罰。
3. 国民に対する犯罪に関与していないバアス主義者およびそれ以外の政治・社会・市民勢力の政治プロセスへの参加。
4. 上記の各項目を実現するイニシアチブへの期限の設定。
5. 国連安保理諸国、とりわけ米国、ロシアによる政治プロセスへの支援・保証。
6. ロシアにアサド政権支持を断念するよう呼びかける。
7. イランによるアサド政権支援を断念するよう呼びかける。
8. 政治的解決の扉を開くには、権力バランスの変化、すなわちシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の権力伸長が不可欠だということを内外に周知。

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在ヨルダンの反体制活動家カマール・ルブワーニーは声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、アサド政権を免罪した場合、連立が政権に代わってその責任を負うことになると警告、政権との対話に異議を唱えた。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相はアラビーヤ(2月14日付)に対して、「今日、シリアはイランによって占領されており、アサド大統領ではなく、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー少将によって支配されている」と吹聴した。

諸外国の動き

イラン・イスラーム革命防衛隊は声明を出し、同防衛隊の幹部の一人でレバノン復興促進委員会のハサン・サーティリー議長(通称、フサーム・ホーシュ)がダマスカスからベイルートに帰還する途上、ザバダーニー市付近で反体制武装勢力に襲撃され、死亡したと発表した。

これに対して、自由シリア軍合同司令部広報局が声明を出し、シャーティリー議長は、1月末のイスラエル軍によるジャムラーヤーの軍科学研究センターへの越境空爆で、複数の防衛隊隊員らとともに殺害されていた、と断じた。

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ジョン・ケリー米国務長官は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣と会談し、「彼(サウード・ファイサル)は私にシリアでの犠牲者数が9万人に達しているだろうと述べた」と発言した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアが、英国をはじめとする欧州諸国で銃や爆発物の使用を学んだ過激派にとっての「第1の目的地」となっていると警鐘を鳴らし、彼らがシリアでのテロ活動から生還した場合、英国にとって脅威となるとの見方を示し、「紛争が長引けば、危険は拡大する」と述べた。

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トルコのハヤティ・ヤズジ通商税関大臣は、トルコ治安部隊が2013年1月以降、シリアに密輸されようとしていた小銃110丁、ライフル51丁、ライフル・スコープ86丁、銃弾50,375丁を5カ所で押収したと述べた。『ヒュッリイェト』(2月14日付)が伝えた。

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ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、エジプト、サウジアラビア、トルコ、イランからなる四カ国委員会に関して、レバノンやヨルダンといった近隣諸国を含めたかたちで早急に会合を開き、シリアの危機に対処するよう呼びかけた。

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国連の潘基文事務総長は、「シリアの悲劇は政治的な解決の展望が見えないままに深まっている」と述べた。

AFP, February 14, 2013、Akhbar al-Sharq, February 14, 2013、Alarabia.net, February 14, 2013、al-Hayat, February 15, 2013, February 16, 2013、Kull-na Shuraka’, February 14, 2013,
February 15, 2013、al-Kurdiya News, February 14, 2013、Naharnet, February
14, 2013、Reuters, February 14, 2013、SANA, February 14, 2013、UPI, February
14, 2013、al-Watan, February 14, 2013などをもとに作成。

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