シリア軍はアレッポ市南部の全街道・回廊を射程圏内に収めることを明らかにしすることで、ファトフ軍によるアレッポ市東部包囲解除を事実上認める(2016年8月8日)

アレッポ県では、SANA(8月8日付)によると、シリア軍・ロシア軍の戦闘機がアレッポ市南部郊外の士官学校各学科一帯、ハーン・トゥーマーン村回廊、ズィルバ村回廊、サラーキブ市(イドリブ県)・アレッポ市回廊で反体制武装集団拠点に対して空爆を加えた。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市サアドッラー・ジャービリー広場一帯を砲撃し、子供6人を含む9人が負傷した。

また『ハヤート』(8月9日付)などによると、アレッポ市南西部のハムダーニーヤ地区一帯、3000集合住宅計画地区、サラーフッディーン地区、セメント工場一帯、水道会社一帯でも反体制武装集団(ファトフ軍)がシリア軍と戦闘を続けた。

さらにクッルナー・シュラカー(8月8日付)によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員、イラン人民兵らがアレッポ市ラームーサ地区やマフルーカート丘への突入を試み、ファトフ軍と交戦、シリア軍、ロシア軍が同地を空爆、砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月8日付)によると、地中海沖に展開するロシア海軍艦艇から発射された艦対地ミサイルと思われる砲弾がダーラト・イッザ市に着弾し、6人が死亡した。

また、ARA News(8月8日付)は、地元活動家の話として、シリア軍が有毒ガスを焦点した砲弾でアレッポ市東部を空爆、住民複数人が中毒症状を訴えたと伝えた。

他方、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に属する「命じられるまま正しく進め」連合によると、反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)はアレッポ市イザーア地区方面でシリア軍が陣地として使用していたビルを爆破した。

爆破はビルの地下に掘削したトンネルにしかけた爆弾の爆発によるもの。

また、ARA News(8月8日付)によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区農場地帯では、シリア軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室が交戦した。

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なお、シリア軍消息筋は、シリア軍地上部隊が航空部隊の支援と協調のもと、アレッポ市南部での作戦地域におけるすべての街道と回廊を射程圏内に納めたことを明らかにした。

シリア軍は6日までアレッポ市南部郊外でのファトフ軍の進軍によるアレッポ市東部包囲解除を否定してきたが、上記消息筋の発言により、包囲が解除されていたことを事実上認めた。

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シリア人権監視団によると、シリア軍を支援するためシリア人、イラク人、イラン人の民兵、ヒズブッラー戦闘員合わせて約2,000人が増援部隊としてシリア中部からアレッポ市北部のカースティールー街道を経由してアレッポ市南西部に向かった。

また『ワタン』(8月8日付)によると、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯などでの戦闘に参加しているパレスチナ人からなるクドス旅団も大規模部隊をアレッポ市南部シャイフ・サイード地区(セメント工場方面)に派遣したという。

シリア人権監視団によると、これに対して、ファトフ軍を構成するシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)とトルコ系戦闘員数百人が、イドリブ県からアレッポ市西部郊外に到着したという。

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シリア軍総司令部は、アレッポ治安軍事委員会のアディーブ・ムハンマド委員長(少将)を解任し、ザイド・サーリフ少将を後任委員長に任命した。

ARA News(8月8日付)が伝えた。

AFP, August 8, 2016、AP, August 8, 2016、ARA News, August 8, 2016、Champress, August 8, 2016、al-Hayat, August 9, 2016、Iraqi News, August 8, 2016、Kull-na Shuraka’, August 8, 2016、al-Mada Press, August 8, 2016、Naharnet, August 8, 2016、NNA, August 8, 2016、Reuters, August 8, 2016、SANA, August 8, 2016、UPI, August 8, 2016、al-Watan, August 8, 2016などをもとに作成。

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