シリア民主軍はマール・イリヤース教会の実行犯が北・東シリア地域民主自治局が管理するフール・キャンプから首都ダマスカスに潜入したとのシャルア移行期政権の発表を否定(2025年6月25日)

シリア民主軍は声明を発表し、6月23日にダマスカス県ドゥワイラア地区の聖マール・イリヤース教会で発生した自爆テロ攻撃とダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ廟に対する自爆テロ未遂事件の実行犯2人が北・東シリア地域民主自治局が管理するフール・キャンプ(ハサカ県)に収容されていた外国人で、最近になって首都ダマスカスに潜入していたとするアフマド・シャルア移行期政権のヌールッディーン・バーバー内務省報道官の発表について事実無根だとして全面否定した。

声明によれば、シリア民主軍の関連機関は、最近のホール・キャンプへの往来の記録を精査した結果、シャルア移行期政権の要請に基づいてキャンプを離れた者は全員がシリア国籍者である一方、イラク国籍者についてはイラク政府との連携のもと正式な手続きを経てイラク国内のジャドア難民キャンプに送還された者のみであることを確認した。

また、フール・キャンプにはダーイシュ(イスラーム国)戦闘員はおらず、収容されているのは主にその家族(女性、子供)で、バーバー内務省報道官が言うような「外国人テロリストの潜伏」はあり得ないと明言した。

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マール・イリヤース教会で発生した自爆テロ攻撃に関与したとして逮捕されたマフムード・ジャマール容疑者の兄とされる人物が弟の無実を訴える(2025年6月25日)

シリア人権監視団によると、6月23日にダマスカス県ドゥワイラア地区の聖マール・イリヤース教会で発生した自爆テロ攻撃に関与したとして内務省によって逮捕されたマフムード・ジャマール容疑者の兄とされる人物が、弟の容疑を全面否定する音声記録がSNSを通じて拡散された。

録音によれば、ジャマール容疑者の兄は「起訴は根拠に乏しく、具体的な証拠がない」と述べ、公正かつ透明な調査の実施を求めた。

兄によると、ジャマール容疑者は2016年以降イドリブ県で家族とともに暮らしており、いかなる前科もなく、法的な問題にも関与していなかったとしたうえで、事件発生時に首都ダマスカスを訪れていたのは、姉を会うためためで、幼い息子も同行していた。

また、事件後にジャマール容疑者の顔写真がメディアで公開されたことが、家族にとって衝撃で、とくに母親はショック状態に陥ったという。

そのうえで、兄は、告発に至る過程を再検証し、事実関係を確定させたうえで、公正で誠実な法的手続きを踏むようを当局に要求し、家族は彼の潔白を信じており、証拠のないままの非難や早計な断罪は避けるべきであると訴えた。

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ラタキア市のマール・タクラ教会の前で若い建設作業員の男性が正体不明の武装グループによって至近距離から銃撃され死亡(2025年6月25日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジュースィーヤ村一帯で、治安部隊による燃料密輸業者への暴行事件が発生し、現地で緊張が高まった。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジャウラ地区で警察部隊が19歳の若い男性を逮捕しようとして射殺した。

これを受け、市の警察は、若い男性を射殺した隊員数名を逮捕した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アワジュ村の農地で、若い男性が車に乗った武装グループに銃撃され、重傷を負った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市のマール・タクラ教会の前で、若い建設作業員の男性が正体不明の武装グループによって至近距離から銃撃され、その場で死亡した。

一部報道では教会の警備員が犠牲となったと伝えられたが、ギリシャ正教会のラタキア司教区はこれを否定し、被害者は教会と無関係で、攻撃は敷地外で発生したと発表した。

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イナブ・バラディーによると、内務省麻薬対策局がサウジアラビア内務省麻薬取締総局と連携し、イドリブ県とアレッポ県内の工業地帯に隠されていたおよそ20万錠の麻薬カプタゴンを押収した。

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ラタキア県、ダマスカス県、ダマスカス郊外県の軍事拠点などで相次いで大きな爆発が発生、原因をめぐってさまざまな憶測(2025年6月25日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジャブラ市とバーニヤース県の間に位置する防空部隊の基地で、激しい爆発が発生、爆風により破片が周辺に飛び散り、現場付近では濃い煙が立ち上った。

爆発の原因は不明。

シリア人権監視団によると、この爆発に先立って、タルトゥース市・ジャブラ市・ヒムス市・ハマー市を結ぶ道路で、ミサイルを積載した軍用車輛の往来が夜間に数日にわたって確認されていたという。

爆発が発生した基地は1ヵ月以上前から、アフマド・シャルア移行期政権の国防省傘下の部隊が駐留していた。

なお、爆発の前後にはイスラエルの無人偵察機がシリア沿岸部の上空を広範囲にわたり飛行していたとの情報もある。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ区で爆発が発生した。

これに関して、内務省は軍事訓練による爆発と説明したが、シリア人あるいはパレスチナ人の要人を狙った暗殺作戦だった可能性があるとの情報も寄せられているという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サアサア町近郊にある旧シリア軍第68旅団の軍事拠点で激しい爆発が起こり、その後、濃い煙が上がった。

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YPJはシリア民主軍とともにダイル・ザウル県でダーイシュの指導者ら2人を拘束(2025年6月25日)

女性防衛隊(YPJ)は声明を発表し、シリア民主軍の協力のもと、ダイル・ザウル県シュハイル村で特殊作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の指導者とその部下1人を拘束したと発表した。

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シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)がダイル・ザウル県で治安作戦を実施し、前政権の国防隊に所属していたとされる人物を逮捕した。

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クルディスタン共同体連合(KCK)はアラウィー派の宗徒と、民主主義と自由を支持するすべての勢力に対し、民主的社会建設の呼びかけを受け入れるよう呼びかける(2025年6月25日)

ANHAによると、クルディスタン労働者党(PKK)が主導するクルディスタン共同体連合(KCK)の諸人民・信徒委員会は、ヒジュラ暦ムハッラム月の到来に合わせて声明を発表し、カルバラーの戦いで殉教したフサイン・ブン・アリーら預言者ムハンマドの親族を追悼する一方で、アラウィー派の宗徒と、民主主義と自由を支持するすべての勢力に対し、民主的社会建設の呼びかけを受け入れ、民主的民族共同体の闘争を主導するよう呼びかけた。

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シャルア暫定大統領は、首都ダマスカスの人民宮殿でクナイトラ県およびゴラン高原の地域代表・部族長らと会談:「イスラエルの侵害を停止させるために国際的な仲介者を通じた間接交渉を継続している」(2025年6月25日)

SANAによると、アフマド・シャルア暫定大統領は、首都ダマスカスの人民宮殿でクナイトラ県およびゴラン高原の地域代表・部族長らと会談を行い、同地における公共サービス、生活環境、安全保障の状況について意見を交わした。

会談のなかで、住民代表らは地域の具体的な要望や苦境、とりわけイスラエルによる度重なる越境侵入と攻撃による被害について訴えた。

これに対して、シャルア暫定大統領は、こうした侵害を停止させるために国際的な仲介者を通じた間接交渉を継続していることを明らかにした。

大統領はまた、地域の長老や有力者が担う国家的結束の強化、ならびに住民の声を中央に届ける役割の重要性を強調した。

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SNSなどで公開された映像のなかで、シャルア暫定大統領は以下の通り述べた。

我々は、大統領の出身地の住民すべてが大統領であった時代を生きてきた。我々はこの光景を、シリアでもう繰り返したくない。大統領はすべてのシリア人のものであり、大統領の出身地はシリアそのものであり、他のどの地域とも同等の重要性を持っている。それどころか、大統領の出身地の人々には、他の地域以上に模範的であるという重い責任が課されている。その一挙手一投足、活動や発言などは、厳しい監視の目に晒されている。
我々は革命を起こし、過去60年の犯罪や行動、社会の振る舞いのすべてに対峙した。この瞬間が新たな歴史の始まりとなることをアッラーに願っている。新しいシリア、そしてそのあらゆる選ばれし者が、道徳や行動、そしてすべてにおいて誇り得るものであることを願っている。それこそが革命であり、すべての場面に新たな光を当てる試みだ。アッラーの御許しのもと、すべての人が希望を持てるような明るいシリアを、我々は作っている。

一部の外国勢力は、シリアで起きた変化に不快感を示している。そして残念ながら、シリア国内にもこの不快感に同調し、反応を示している者がいる。地位を失った勢力が、国民の団結を壊そうと挑発を仕掛け、宗派間の分断を煽っている。こうした手法は周辺諸国で多用され、シリアでも旧体制によって何度も使われてきた。
しかし、私はこう言いたい。シリア国民は、そうした分断の企てをはるかに超える強さを持っている、と。キリスト教の教会やシーア派の廟を標的にした一連の攻撃や、宗派的な挑発は確かに起きている。だが、この国民の意識の高さをもってすれば、恐れることはない。我々はこの国民を信じている。

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人民議会選挙高等委員会は、アレッポ大学のナスル講堂で県内の社会団体代表、学識者、地域の有力者らの協議会合を開催(2025年6月25日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、アレッポ大学工学部のナスル講堂で県内の社会団体代表、学識者、地域の有力者らの協議会合を開催した。

参加者からは、復興段階において有識者の議会内での代表性の確保が重要であることが強調される一方、人民議会とは諮問評議会(マジュリス・シュラー)を設置すべきとの提案や、若者代表の役割を強化すべきだとの指摘が相次いだ。

また、イナブ・バラディーによると、議会の定数を150から300に倍増させる必要性が指摘されるとともに、法曹会の人材の活用が不可欠であるとの主張がなされたほか、戦死者・行方不明者・被拘束者の遺族のための議席の確保が提案された。

また、女性の代表性が確保されない場合、大統領指名枠によってこれを補うことが確認された。

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シリアの陸路海路出入国管理総局は、ヨルダン当局との協議の結果、シリアのバスがヨルダンに入国する際に課されていた115米ドルのディーゼル税を撤廃することで合意に達したと発表(2025年6月25日)

SANAによると、シリアの陸路海路出入国管理総局は、ヨルダン当局との協議の結果、シリアのバスがヨルダンに入国する際に課されていた115米ドルのディーゼル税を撤廃することで合意に達したと発表した。

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内務省治安当局は旧シリア軍の空軍司令官、前政権時代の人民議会議員らを逮捕(2025年6月25日)

SANAによると、内務省の治安部隊は、ダマスカス郊外県のハラスター区において、戦犯として指名手配されて、「東西グータの敵」と呼ばれて、欧州連合や英国が制裁対象としてた旧シリア軍空軍第20空軍司令官(少将)のマイザル・サウワーン容疑者を逮捕した。

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イフバーリーヤ・チャンネルは匿名治安筋の話として、首都ダマスカスの治安当局が、前政権下の人民議会で議員を務めていたマドルール・アズィーズ氏を逮捕したと伝えた。

シリア人権監視団によると、アズィーズ氏はダイル・ザウル県で前政権時代民兵を率い、麻薬取引にも関与していたとされる。

同氏は2月半ばに北・東シリア地域民主自治局の支配地域で一度拘束されたが、その後首都ダマスカスに移動していた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナースィーリーヤ村で、前政権の空軍情報部の分遣隊を率いていた「アブー・ハイダル・ジャウィーヤ」ことイーサー・スライマーン氏も、民間人に対する違法行為と刑事事件への関与によって逮捕された。

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北・東シリア地域民主自治局の支配地で聖マール・イリヤース教会での自爆テロ攻撃を非難、犠牲者を追悼するデモ:ローマ教皇レオ14世も「忌まわしい行為」と非難(2025年6月25日)

ANHAによると、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるハサカ県カーミシュリー市に住むキリスト教徒たちは大規模デモ行進を行い、6月23日にダマスカス県ドゥワイラア地区の聖マール・イリヤース教会で発生した自爆テロ攻撃を強く非難し、犠牲者遺族への連帯を表明した。

行進にはクルド人、アラブ人、北・東シリア地域民主自治局の代表者を含む数百人が参加した。

ANHAによると、またダイリーク市(マーリキーヤ市)でも、クルド人、アラブ人、アッシリア人の住民数百人がマール・ドゥードゥー教会前で同様のデモを行った。

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SANAによると、チリ外務省は声明を発表し、6月23日にダマスカス県ドゥワイラア地区の聖マール・イリヤース教会で発生した自爆テロ攻撃に深い遺憾の意を表明した。

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SANAによると、ローマ教皇レオ14世は、バチカンのサン・ピエトロ広場で行われた週例の一般謁見の席で、マール・イリヤース教会を標的とした自爆テロ攻撃について、「忌まわしい行為」と強く非難した。

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