シャーム解放機構の幹部の1人アブー・アフマド・ズクール氏は組織から離反したと発表(2023年12月14日)

シャーム解放機構の幹部の1人アブー・アフマド・ズクール氏(本名ジハード・イーサー・シャイフ)はX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/ahmedzakor1/)を通じて声明を出し、シャーム解放機構を離反したと発表した。

アブー・アフマド・ルクーズ氏は声明で、シャーム解放機構が政策を徐々に変更し、支配、覇権、諸派の浸食、そしてその解体が顕著になり、アレッポ県でのシリア国民軍の支配地を軍事、治安、経済面で支配しようとしていると非難、同組織がシャーム・ファトフ戦線の名前で活動していた2017年にすでに組織を離れていたと主張、シリア国民軍とシャーム解放機構の対立を解消し、新たな関係構築に向けて取り組んでいたと述べ、自身を正当化した。

シリア人権監視団によると、イドリブ県では13日、シャーム解放機構の総合治安機関が、アブー・アフマド・ルクーズ氏の離反を受けて、イドリブ市、サルマダー市および同市一帯で、同機構の司令官2人を含む12人を拘束していた。

アブー・アフマド・ルクーズ氏はアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者に近いとされる一方、8月17日に「自身の立場の気密性を考慮せず、あるいは許可をとることの必要を考慮せず、意図を明示しないまま、意思疎通を行うに際して過ちを犯した」との理由でシューラー評議会メンバーを解任され、消息不明となっているアブー・マーリヤー・カフターニー氏を支持するグループにも近い人物と見られている。

AFP, December 14, 2023、ANHA, December 14, 2023、‘Inab Baladi, December 14, 2023、Reuters, December 14, 2023、SANA, December 14, 2023、SOHR, December 14, 2023などをもとに作成。

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